2019年05月31日更新
Wi-Fi(無線LAN)の電波を延長できるおすすめの中継器と使い方を解説!
スマートフォンを始めとするWi-Fi対応機器の増加により、Wi-Fiルーターから離れたところでは電波が弱くて困ることが増えてきます。そんな場合は中継器を使って電波の届く範囲を延長するのがおすすめです。そんなWi-Fi中継器の使い方とおすすめの機種を紹介します。
目次
- 1中継機を使ってWi-Fi環境を改善しよう!
- ・中継機とは
- ・電波を延長することでWi-Fiエリアを拡大する
- 2Wi-Fi中継器を選ぶポイント
- ・無線LANの規格
- ・サイズや接続方法
- ・メーカー
- 3Wi-Fi中継器のおすすめは?
- ・BUFFALO「WEX-1166DHP2」
- ・TP-Link「RE200」
- ・BUFFALO「WEX-G300」
- ・NEC「PA-W1200EX」
- ・I-O DATA「WN-G300EXP」
- 4Wi-Fi中継器の使い方
- ・親機と接続する
- ・Wi-Fi中継器を設置する
- 5Wi-Fi中継器を設置するときの注意点
- ・低い場所の設置は避ける
- ・壁際や隅は避ける
- ・周辺に物を置かない
- ・電波に影響を及ぼす物を近くに置かない
- ・設置しすぎない
- 6Wi-Fi中継器を使ってみよう!
中継機を使ってWi-Fi環境を改善しよう!
かつてはスマートフォンやタブレット、PC程度しか使わなかったWi-Fiですが、スマートスピーカーやスマートライトを始め、各種家庭用電化製品も次々とWi-Fiに対応して便利になりつつあります。そうなると困るのがWi-Fiを使いたいのに電波が届かない場所が出てくることです。
これまでならWi-Fiの電波が届くところに移動することで問題を解決できたのですが、スマートライトやエアコンとなるとそう簡単には位置を変えられません。そんなときに便利なのが、電波の届く範囲を延長してくれるWi-Fiの中継器です。もちろんWi-Fi家電が便利になるのみならず、いままで電波が弱かった浴室でYouTubeを楽しむこともできます。
中継機とは
中継器とは、その名の通りWi-Fiの電波を中継してくれる電子機器です。たとえば、Wi-Fiルーターの電波が隣の部屋に届いても、そのまた隣の部屋では弱くてスマートフォンなどが無線LANにつながらない場合、隣の部屋に中継器を置くことで、これまで無線LANにつながらなかった部屋にまで電波が届くようになります。
電波を延長することでWi-Fiエリアを拡大する
Wi-Fiに使われる電波は規格上かなり遠くまで届くことになっていますが、途中に壁や家具などの障害物があると電波が弱まってしまいます。また、豪雨の日には衛星放送が映りづらくなるように、空気中の水分にも吸収されてしまうため、お風呂の中では電波がかなり弱まります。そのため、壁で仕切られて、しかも水分の多い浴室は無線LANにとって鬼門です。
また距離や障害物の問題から、階をまたいだ無線LANの利用は基本的に難しいものです。しかし、Wi-Fiルーターの電波が届く範囲に中継器を設置することで、そこからさらにWi-Fiの電波を延長して無線LANを使い得る範囲を広げられるのです。
現時点でWi-Fiルーターから離れた地点まで電波を延長する使い方を求めているのなら、中継器の利用はまさにおすすめの方法と言えます。
Wi-Fi中継器を選ぶポイント
そんなおすすめなWi-Fi中継器ですが、数多く発売されているこれらの中から最適な機種を選ぶ際には、以下に記す3点を確認してください。
無線LANの規格
2019年5月現在、無線LANには以下の6つの規格があります。このうちIEEE802.11adは、現時点ではスマートフォンや家電にはほとんど使われていません。
規格名称 | 通称 | 最大通信速度 | 周波数帯 |
---|---|---|---|
IEEE802.11ad | イレブン・エー・ディー | 6.7Gbps | 60GHz |
IEEE802.11ac | イレブン・エー・シー | 6.9Gbps | 5GHz |
IEEE802.11n | イレブン・エヌ | 300Mbps | 2.4/5GHz |
IEEE802.11a | イレブン・エー | 54Mbps | 5GHz |
IEEE802.11g | イレブン・ジー | 54Mbps | 2.4Ghz |
IEEE802.11b | イレブン・ビー | 11Mbps | 2.4GHz |
大事なのはWi-Fiルーターと中継器、中継器とスマートフォンやWi-Fi家電が同じ規格に対応しているということです。たとえばWi-FiルーターがIEEE802.11acに対応していても、中継器がそれに対応していければ最大通信速度の劣るほかの規格で通信することになります。
また、逆にWi-Fiルーターと中継器がIEEE802.11acに対応していても、中継器経由で接続したいスマートフォンやWi-Fi家電が古いIEEE802.11bにしか対応していなければ、最大11Mbpsでしかつなげません。もっともWi-Fi家電の場合、動画視聴するのでなければ通信速度はさほど必要ないので、こうした古い規格であってもさほど問題はありません。
むしろ古い規格が問題になるのは、周波数帯が電子レンジやBluetoothと干渉する2.4GHzを利用している点です。これらとの干渉のため、せっかく電波の届く範囲を延長したにもかかわらず、通信速度が落ちたり、場合によってはうまくつながらなかったりします。中継器経由でつなぐWi-Fi機器の無線LAN規格を確認して中継器を選んでください。
サイズや接続方法
Wi-Fi中継器にはコンセントに直接挿し込むコンパクトなものもあれば、電源ケーブルを伸ばして適当な場所に設置するものもあります。コンセントに直接挿し込むタイプは場所を取らずに便利なのですが、ほかの差し込み口をふさいでしまう場合もありますので、注意が必要です。
またWi-Fi中継器によっては無線LANのみならず、有線のLANポートを持つものもあります。Wi-Fi中継器付属の有線LANポートを使うことで、大本のルーターから延々とLANケーブルを引っ張らずに、手近なWi-Fi中継器から有線LANでPCや家電をつなげられます。LANポートを持つPCや家電を接続したい方にはこの点も重要なチェックポイントです。
メーカー
Wi-Fi中継器は、以下のようなメーカーの製品があります。
- バッファロー(BUFFALO)……ハードディスクやメモリ関連を中心にコンピュータ周辺機器を発売するメーカー。ラインナップが幅広く、様々なユーザーに対応する。
- アイ・オー・データ(I-O DATA)……コンピュータ周辺機器メーカーの老舗。求めやすい価格帯に強みを持つ。
- NEC……日本のコンピュータの歴史と共に歩んだメーカー。
- TP-Link……世界120か国以上で展開している、無線LANルーターで世界トップシェアを誇る中国のメーカー。
- エレコム(ELECOM)……バッファロー、アイ・オー・データと並ぶコンピュータ周辺機器メーカー。低価格帯から高価格帯まで幅広くカバーする。
Wi-Fi中継器のおすすめは?
BUFFALO「WEX-1166DHP2」
Wi-Fi中継器としてはやや高めですが、同社の旧製品の1.6倍のスピードアップを誇る高性能Wi-Fi中継器です。高速を誇るIEEE802.11acに対応しているため、複数のWi-Fi機器を接続しても、それぞれが十分な速度で利用できます。5GHzと2.4GHzのデュアルバンドを同時に利用できるため、接続速度が落ちづらいのも大きなメリットです。
また、電波を接続するWi-Fi機器の方向に強調するビームフォーミング機能があるため、より転送速度と安定性が向上します。コンセント直付けも電源ケーブルを使っての設置も可能で、有線LANポートがあるのもおすすめポイントです。
TP-Link「RE200」
実売で3,000円を切るコンセント直付けタイプのWi-Fi中継器です。この値段でIEEE802.11acに対応して、デュアルバンドの最大750Mbpsの転送速度を誇り、有線LANポートを持ち、3年保証付きなのは、無線LANで世界ナンバー1のシェアを持つTP-Linkならではと言えます。
ただし、上部に大きく張り出し、下側に有線LANポートを持つデザインなので上下にコンセントが余っていても使うことはできません。コンセントを無駄にしたくないのであれば、利用の際には1口コンセントか短い延長ケーブルが必要です。
BUFFALO「WEX-G300」
実売価格が3,000円程度の電源ケーブル仕様のWi-Fi中継器です。Wi-Fi中継器としてはやや大きめな代わりに、2本のアンテナを内蔵し、4ポートの有線LANポートを持っています。加えて縦置き・横置き・壁掛けとた際な設置方法が選択できます。
対応している無線LAN規格がIEEE802.11n/11g/11b止まりで、IEEE802.11acに対応していないのが残念ですが、大本のWi-FiルーターがIEEE802.11acに対応していないのであれば、十分おすすめできるWi-Fi中継器です。
NEC「PA-W1200EX」
同機を3台まで使って電波の届く範囲をさらに延長することもできる、IEEE802.11ac対応の実売5,000円台のコンセント直付けタイプのWi-Fi中継器です。こちらも上級機の例に漏れず、5GHzと2.4GHzのデュアルバンドを同時に利用できるため、接続速度が落ちづらいメリットがあります。Wi-Fi機器の方向に電波を強調するビームフォーミング機能を持ちます。
有線LANポートも付いているので、家にLANケーブルを引き回さずに有線LANでしか接続できない機器をインターネット接続できます。様々なWi-Fiルーターに対応していますが、なかでも同じNECのAtermシリーズを利用しているユーザーにおすすめできるWi-Fi中継器です。
I-O DATA「WN-G300EXP」
となりのコンセントをふさがない、縦横42mmのコンパクトなコンセント直付けタイプのWi-Fi中継器です。親機がWPS方式に対応していれば、中央の丸いランプでWi-Fiルーターとの接続状況を知らせてくれます。有線LANポートがなく、IEEE802.11acにも対応していませんが、低価格で気軽に受信範囲を延長できるWi-Fi中継器が欲しい方におすすめです。
Wi-Fi中継器の使い方
Wi-Fi中継器は最初の壁さえ乗り越えれば、あとはその存在を意識することなく利用できます。そのため、使い方=Wi-Fi中継器の接続方法と設置方法と考えていいでしょう。
親機と接続する
Wi-Fi中継器の使い方の第一歩は、まずWi-Fiルーターの側での親機との接続です。ボタンを押すだけでWi-Fi接続できる、バッファローの開発したAOSS(AirStation One-Touch Secure System)や、それを標準化したWPS(Wi-Fi Protected Setup)を使うことで簡単につながるのですが、そうならなかった場合には手動で設定することになります。
WPS/AOSSで接続する
Wi-Fi中継器とWi-Fiルーターの両方にWPSボタン(またはAOSSボタンやらくらくスタートボタン)があれば、まずWi-Fiルーターのボタンを押し、つづいてWi-Fi中継器のボタンを押せば接続は完了します。たいていはWi-Fi中継器のランプで接続が完了したことがわかります。
手動で接続する
Wi-Fi中継器かWi-Fiルーターの片方、もしくは両方にWPS/AOSSボタンがなかったり、WPS/AOSSでの接続に失敗したりした場合は、手動での接続が必要となります。この場合、Wi-Fi中継器には操作画面がありませんので、スマートフォンなどをWi-Fi中継器に無線LAN接続してWi-Fi中継器を操作し、Wi-Fiルーターに接続させなければなりません。
この辺りの手順は機種によって異なりますので、入手したWi-Fi中継器のマニュアルを参考に接続してください。
Wi-Fi中継器を設置する
Wi-Fi中継器の使い方の、第二歩にして最後の一歩はWi-Fi中継器の設置です。Wi-Fiルーターとの接続を終えたら、Wi-Fi中継器を電波の届く範囲を延長するのにちょうどいい場所に設置します。しかし、このWi-Fiルーターの電波がしっかり届いて、なおかつWi-Fi中継器から延長した電波が使用機器にしっかり届く「ちょうどいい」場所というのが意外に難しいのです。
適切な場所に設置するには?
細かい注意点については次の章で語りますが、最近のWi-Fi中継器ではほとんどの場合に設置場所の位置を案内してくるアプリが使えます。実際にスマートフォンを使いたい場所でこうしたアプリを使い、Wi-Fi中継器の位置をいろいろと変えることで、よりよい設置場所を見つけられます。
Wi-Fi中継器を設置するときの注意点
それでは、Wi-Fi中継器の使い方の最後に、Wi-Fi中継器の基本的な設置場所の考え方をお教えします。
低い場所の設置は避ける
Wi-Fi中継器の置き場所に低い場所はおすすめできません。電波は障害物を通り抜けるたびにその強さを衰えさせますから、障害物が多くなる低い場所はWi-Fi中継器の置き場所として不適切です。
壁際や隅は避ける
電波は基本的に同心球状に広がります。そのため、家の隅や端にWi-Fi中継器を置くと、その半分以上が家の外へと広がって無駄になり、使い方としてはふさわしくありません。なるべく実際に使用する場所に届く範囲で家や部屋の内側に設置するのがおすすめです。
周辺に物を置かない
Wi-Fi中継器はれっきとした電子機器ですから、熱がこもると正常に動作しなくなります。周囲に物を置いたり、日光が当たるような場所に設置したりしないようにしてください。
電波に影響を及ぼす物を近くに置かない
先にも記したように、水分は電波の敵です。加湿器や水槽など、内部に水分を蓄えたものは電波を遮る壁となります。またアルミなどの金属類も電波を反射させる壁となります。Wi-Fi中継器の設置場所は、これら水の入ったものや金属類からは遠ざけるのがおすすめです。
設置しすぎない
Wi-Fiルーターから利用場所が遠い場合は、複数のWi-Fi中継器を設置して「Wi-Fiルーター→中継器1→中継器2→スマートフォン」のような使い方をする必要があります。しかし、Wi-Fi中継器によってはこうした使い方を想定していないものもあります。また、複数使用が可能な機種であっても、中継器の数が増えるほど総体としての転送速度は遅くなります。
中継器がたくさんあればどこでもWi-Fiが使えるようになる、という使い方ではなく、適切な場所に確実に電波が延長されるように、最小限の中継器を利用する使い方を目指してください。
Wi-Fi中継器を使ってみよう!
冒頭でも記したように、これからもWi-Fiの利用範囲はどんどんふえていくことは間違いありません。それに伴って、Wi-Fiを使わなければいけない場所もどんどん広がっていきます。Wi-Fiの電波を延長させて、現時点ではうまく接続できない場所でも快適にWi-FiにアクセスできるようにするためにはWi-Fi中継器が欠かせません。
本記事を参考に、あなたに最適なWi-Fi中継器を選択し、Wi-Fiルーターと接続後に最適の場所に設置して、快適なWi-Fi生活を手に入れてください。