MacBook ProのストレージをHDDからSSDに交換・増設!データ移行方法は?
MacBook Proの内蔵ストレージをHDDからSSDに交換・増設する方法を解説します!合わせてデータ移行の方法も説明します。MacBook Proの内蔵ストレージをSSDに交換・増設することで、操作環境のレベルが飛躍的に向上します。
目次
MacBook Proの内臓ストレージをHDDからSSDに交換!
今回はMacBook Proの内臓ストレージをHDDからSSDに交換する方法について解説します。素人がMacBook Proの内臓ストレージを換装・増設するのは一見大変そうに思えますが、要領を得れば一般ユーザーでもSSDの換装・増設作業は可能です。SSDを内蔵ストレージとして換装・増設したMacBook Proの作業効率は、目に見えて向上するはずです。
MacBook Proの内臓ストレージを換装・増設する場合、新しいストレージデバイスにデータ移行しなくてはいけないので、事前にMacBook Proのデータのバックアップをとる必要があります。バックアップ用のストレージデバイスの用意がない人は、事前にバックアップ用のストレージデバイスを用意しておきましょう。
ただ、1点認識が必要なことは、自分でMacBook Proの内臓ストレージを換装・増設すると、後日MacBook Proが故障したときなどはAppleのサポートが受けられない可能性があるということです。あくまで、MacBook Proの内臓ストレージ換装・増設作業は自己責任ということになります。
HDDとSSDの違い
これまで広く一般的にPCのストレージデバイスとして利用されてきたのがHDDです。HDDは電磁ディスクを使用したストレージデバイスで、起動するときに起動音が聞こえます。
このHDDの後継ともいえるのがSSDです。SSDは半導体素子メモリを使用したストレージデバイスで、HDDに比べて容量も大きく、次世代のストレージデバイスの役割を担っています。ただ現時点(209年3月)ではまだHDDに比べてコストはかかるストレージデバイスです。SSDは、起動するときの起動音はほとんど聞こえません。
HDD
HDDは「ハードディスクドライブ」の略です。電磁ディスクを応用したストレージデバイスで、磁気ヘッドを使って読み込み・書き込みを行います。ノートPCに内蔵されているHDDの容量は平均500GB~1TBのようです。価格帯はSSDの約半額が目安になります。
長所は安価で大容量のストレージが確保できることです。短所はSSDに比べて物理的な大きさがかさばること、またSSDに比べて電力の消費が多く発熱しやすいこと、電磁ディスクなので破損しやすいことが挙げられます。
SSD
SSDは「ソリッドステートドライブ」の略です。半導体素子メモリを応用したストレージデバイスで、機械的な構造は小さく、HDDに比べてコンパクトに収まるのが特徴です。メモリーチップで情報処理するため消費電力も少なく済み、発熱する心配もありません。
また情報処理速度も速く、衝撃にも強いデバイスです。ただ、HDDよりはコストがかかり、故障するとデータ復旧が難しいことが難点といえます。
MacBook Proの内臓ストレージをSSDに交換する用意をしよう
MacBook Proの内臓ストレージをSSDに交換するにあたって、事前に用意する必要があるものを解説します。
交換するSSD
まずは、交換するSSDを用意しましょう。交換できるSSDは多く売られていますが、中でも内蔵ストレージ交換にお勧めのSSDを以下に紹介します。
SanDisk SSD
アメリカのSandisk社はSSDの世界市場で老舗メーカーの1社です。2007年以前からSSDを取り扱っており、半導体素子メモリのストレージを専門で取り扱ってきた歴史があります。Sandisk社は日本の東芝と共同で半導体メモリチップを製造しています。また、Sandisk社は現在、アメリカの別会社Western Digital社の傘下に入っています。
世界的シェアが裏付けるように、Sandisk社のSSDは製品の機能と信頼性に定評があります。
Samsung SSD
Samsung社はご存知の通り、韓国の大手電子メーカーですが、SSDの販売にも力を入れています。Samsung社は近年のSSDの世界シェア1位を守り続けています。こちらも世界的なメーカーとして製品の性能に定評があります。
SSDに換装・増設するのに必要なもの
次に、MacBook Proの内蔵ストレージをSSDに換装・増設するために必要な道具を紹介します。MacBook Proの内蔵ストレージの換装・増設作業は特殊なネジや精密なネジを取り扱うため、特殊なドライバーが必要です。
へクスローブドライバー
へクスローブドライバーとは、ネジ頭に特殊な六角星穴があるネジ(へクスローブ)を取り扱うときに使用するドライバーです。MacBook Proの内蔵ストレージはこの特殊なネジで固定されているので、MacBook Proの内蔵ストレージを交換する際は、このへクスローブドライバーが必要になります。
精密ドライバー
また、MacBook Proの内蔵ストレージを交換する際は、小さなネジを取り扱う場合があるので精密ドライバーを一式用意しましょう。
HDDからSSDにデータ移行するために必要なもの
また、現在使用しているMacBook Proの内蔵HDDから新規のSSDにデータ移行するために、事前にSSDにMacOSをインストールする必要がありますが、その際に専用の変換ケーブルが必要です。
SATA/USB3.0変換ケーブル
「SATA/USB3.0」の変換ケーブルを使って、SSDにMacOSをインストールします。SSDのMacOSインストールは、MacBook Proの内蔵ストレージの換装・増設作業の前に行うので、事前に用意しておきましょう。
MacBook Proの内臓ストレージをSSDに交換する準備をしよう
MacBook Proの内臓ストレージをSSDに交換する準備をします。
バックアップを作成する
MacBook Proの内臓ストレージをSSDに交換するにあたって、MacBook Proの内蔵HDD内に保存しているデータをSSDに移行するために、データのバックアップをとる必要があります。
Macの場合は標準装備のバックアップアプリ「Time Machine」を使えば簡単にHDDのバックアップを取ることができますが、手動でMacBook Pro内の必要なデータをバックアップ用のストレージデバイスに移行しても良いでしょう。
現在、MacBook Proのバックアップ用に外付けハードディスクなどのストレージデバイスを用意しているのであれば、普段通りにそのストレートデバイスにMacBook Proのバックアップをとって、SSDに交換した後にデータを移行すれば良いでしょう。
現時点で用意のない人はMacBook Proのバックアップ用にストレージデバイスを別に用意して、データ移行する必要があります。
SSDを初期化する
次に、用意したSSDにMacOSをインストールすることになりますが、MacOSをインストールする前にSSDをMac用のフォーマットで初期化する必要があります。まず、事前に用意した「SATA/USB3.0」の変換ケーブルでSSDをMac本体とつなげます。
Macに標準装備されている「ディスクユーティリティ」というディスク管理アプリを立ち上げます。手順は「Finder」→「アプリケーション」→「ユーティリティ」と進むと「ディスクユーティリティ」アイコンがあるのでクリックします。
「ディスクユーティリティ」のウインドウが開くと、ウインドウ左側のメニューにケーブルで外付けしているSSDが表示されます。SSDが表示されていることを確認したら、SSDを選択(クリック)してウインドウ上方の「消去」をクリックします。
次にフォーマットの種類を聞いてきます。基本的に「Mac OS拡張(ジャーナリング)」を選択します。
次にフォーマットの方式を聞いてきます。通常の方式の「GUID パーティションマップ」を選びます。これでSSDのフォーマット(初期化)が開始されます。
OSをインストールする
SSDのフォーマット(初期化)が完了した後、MacOSをインストールします。SSDにMacOSをインストールには、まず、「SATA/USB3.0」変換ケーブルでSSDをMac本体につなげたまま、Mac本体を再起動します。その再起動の際、キーボードの「command」キー +「R」キーをAppleのロゴが表示されるまで長押しします。
正常にモードが立ち上がると「macOSユーティリティ」のウインドウが表示されます。ウインドウ内の「macOSを再インストール」を選択して「続ける」をクリックします。
その後、MacOSを再インストールするディスク(ストレージデバイス)を選択する画面が表示されるので、ケーブルで外付けしているSSDを選択し、ガイドに従って進めればSSDにMacOSがインストールされます。
MacBook Proの内臓ストレージをSSDに交換しよう
次に、MacBook Proの内臓ストレージを、MacOSをインストールしたSSDに交換します。
換装の手順
まず、物理的にSSDを換装します。換装の手順の手順は、初めにMacbook Proの本体を逆さにし、固定ネジを精密ドライバーで外してカバーをとります。バッテリーの左隣にあるのが内蔵HDDです。
内蔵HDDを固定している部品を外し、内蔵HDDとMacbook Pro本体を接続しているコードの内蔵HDD側の端末を外します。
次に、内蔵HDDに取り付けてあるへクスローブ(ネジ頭に特殊な六角星穴があるネジ)を、へクスローブドライバーで外します。4カ所あります。外したへクスローブを同じようにSSDに取り付けます。
へクスローブをSSDに取り付けたら、内蔵HDDから外したケーブル端末をSSDに接続し、内蔵HDDと同じ位置にSSDを設置して固定部品で固定します。カバーを元通りに設置して、ネジで固定すれば換装作業は完了です。
バックアップデータを復元する
次にバックアップデータをSSDに移行します。SSDに既にMacOSがインストールされているので作業は簡単です。通常通りMacOSを起動させ、初期設定を済ませた後、「Time Machine」アプリを起動させます。起動の手順は「アップルマーク」→「システム環境設定」のウインドウ内で「Time Machine」アイコンをクリックします。
「Time Machine」のウインドウで「バックアップディスクを選択」をクリックし、バックアップ元としてバックアップを取ったストレージデバイス(外付けHDDなど)を指定すれば自動的にデータを移行します。
TRIM機能を有効にする
SSDの換装・増設の後に、行っておきたいのがTRIM機能の確認です。TRIMとはSSDの処理速度を速める機能です。データを削除したことをSSDコントローラーに通知することで、SSDコントローラーがデータの書き込みを準備するという機能です。デフォルトでは有効になっていないので手動で設定する必要があります。
設定手順は、「Finder」→「アプリケーション」→「ユーティリティ」まで進み、「システム情報」というアプリを立ち上げます。「システム情報」の管理画面で「SATA/SATA Express」を選択し、「TRIMサポート」が「いいえ」と表示されている場合は、TRIM機能が有効化されていないので、有効にする必要があります。
TRIM機能を有効化するには「ターミナル」を開いてコマンド入力します。設定手順は、「Finder」→「アプリケーション」→「ユーティリティ」まで進み、「ターミナル」アプリを立ち上げます。
「ターミナル」のウインドウが開くので、カーソルで「sudo trimforce enable」と入力して「Return」キーを押します。
次にパスワードを聞いてくるので、アプリのアップデートのときに入力するパスワード(Apple IDのパスワード)を入力します(画面には表示されません)。
この後、「データが消える可能性もあるのでバックアップをとった方が良い」というメッセージが表示されるので「y」と「Return」を押します。次に「実行後は再起動します」というメッセージが表示されるので「y」と「Return」を押すとTRIM機能の有効化が実行され、有効化が完了したというメッセージとともに自動的にMacBook Proが再起動します。
プラグインを復旧する
今回のデータ移行で一部プラグインが使えなくなっている場合があります。一通りMacOSやアプリの稼働状況を確認して、必要に応じてプラグインを復旧させましょう。
MacBook Proの内臓ストレージをHDDからSSDに交換しよう
MacBook Proの内臓ストレージをHDDからSSDに交換しましょう。SSDの快適な操作環境があなたのPCワークを強力にサポートしてくれます。SSDの換装・増設作業は一見難しそうですが、段取りを理解すれば一般ユーザーでも十分こなせる作業です。ぜひ、MacBook Proの内臓ストレージを換装・増設する技をマスターしてください。