2019年03月16日更新
iPhoneのバックアップをiCloudでとる方法!保存データを暗号化する方法も解説!
iPhoneのバックアップがないと、機種変更や故障・紛失の際に写真や重要なデータを失いかねません。それを避けるには、iCloudやiTunesを使ってバックアップを取らねばなりませんが、PCがない場合はiCloudでのiPhoneバックアップの一択となります。
目次
- 1iPhoneをバックアップするには?
- ・iCloudでバックアップする
- ・iTunesでバックアップする
- 2iPhoneのバックアップデータを暗号化する
- ・暗号化により機種変更後も引き継げるデータ
- ・iCloudで保存データを暗号化するには
- 3iPhoneをiCloudでバックアップする方法
- ・バックアップの準備
- ・iCloudでのバックアップの仕方
- 4iCloudでiPhoneのバックアップをとる際の注意点
- ・容量に注意!
- ・バックアップに時間がかかる
- 5iPhoneをiCloudで自動バックアップする方法
- ・自動バックアップに設定する
- ・自動でバックアップする注意点
- 6iPhoneのバックアップをiCloudで定期的に行おう!
iPhoneをバックアップするには?
公私にわたって便利に使われるiPhoneですが、それだけに紛失したり故障したりすると、データの復元に苦労するのは仕方がありません。その苦労は機種変更のときでも同じです。データがクラウドに保存されるタイプのアプリなら、アプリを再インストールしてログインすれば保存されたデータにアクセスできますが、そうでない場合は悲惨なことになります。
そんな悲惨な事態を避けるために欠かせないのがバックアップです。iCloud、もしくはiTunesでiPhoneのバックアップを取っておくことで、iPhoneのデータを確実に保存でき、紛失・故障・機種変更の際にも問題なくデータを移行させられます。
それでは、iTunesとiCloudのどちらでiPhoneのバックアップを取っておくべきかと気になる方もおいででしょう。答えは「両方で取る」です。バックアップは二重三重に取っておいて、はじめて安全になるものです。PCをお持ちでない場合は仕方ありませんが、そうでないならiTunesとiCloudの両方でバックアップを取るように心がけてください。
iCloudでバックアップする
iCloudでのiPhoneバックアップは十分に機種変更などの場合に役立ってくれます。この方法には以下の特徴があります。
- クラウド上にiPhoneのデータがバックアップされるので、余計な機材が不要
- ある程度以上の容量のバックアップを取るにはiCloudの使用料金が必要になる
- Wi-Fi環境が必要
- iTunesでのiPhoneバックアップに比べて時間がかかる
- 暗号化されている
このうち、保存容量と保存できるデータについて、以下でもう少し詳しく触れます。
保存容量
iCloudでは無料で使える容量は5GBしかありません。iPhoneの中身をバックアップする場合、写真や動画、音楽やアプリ内のデータまでをバックアップしようとすると5GB程度の容量では到底足りなくなります。そのため、重要なデータのみをバックアップするか、仕方なく有料プランを利用するかを選ばなければなりません。
有料プランを利用する場合については、のちほど「iCloudでiPhoneのバックアップをとる際の注意点」の章の「容量を追加する」の項で詳しく説明します。
保存できるデータ
iCloudによるiPhoneのバックアップの仕方では、以下のデータを除き、iPhone上のほとんどすべてのデータ、および設定情報がバックアップできます。除かれるデータは以下の通りです。
- iCloud に保存済みのデータ……連絡先やカレンダー、メモにiCloudに保存済みの写真、iMessageやボイスメモ、SMS・MMSのメッセージ、ヘルスケアデータなど
- iCloud以外のクラウドサービスのデータ……GmailやExchangeメールなどのデータ
- Appleメールのデータ
- Apple Payにおける情報と設定内容
- Touch IDにおける設定内容
- iCloudミュージックライブラリやApp Storeで入手したコンテンツ
最後の「iCloudミュージックライブラリやApp Storeで入手したコンテンツ」は、復元後改めてApp Storeなどから再ダウンロードしますが、アーティストが不祥事を起こして消されてしまうと、再入手は不可能になります。
iTunesでバックアップする
もちろんiTunesでのiPhoneバックアップも機種変更などの際には心強い味方になってくれます。半面、iCloudによるバックアップとは対照的な以下の特徴があります。
- PC上にiPhoneのデータがバックアップされる
- PCに十分な空き容量があれば問題なくiPhoneを完全バックアップできる
- 付属のLightningケーブルで接続すれば済む
- iCloudでのiPhoneバックアップに比べて時間がかからない
- 指定しないと暗号化されない
こちらについても、保存容量と保存できるデータについて、以下でもう少し詳しく触れます。
保存容量
iTunesでのiPhoneバックアップの場合には、保存容量は接続するPCのストレッチの空き容量にかかってきます。デスクトップPCであれば32GB〜512GBのiPhoneの完全バックアップを取るのも問題ないでしょうが、ノートPCでは多くの場合iPhoneのバックアップをとるだけのストレージ容量は用意できません。
2019年3月現在のiTunesは、アプリなどについてはバックアップせずに、復元時に再インストールするようになっており、その分バックアップの容量が小さくなっています。しかしそれでも大容量のiPhoneの場合はノートPCではストレージの容量が足りないのが実情です。
外付けのHDD・SSDを用意して、そちらにiPhoneのバックアップを取ることも可能ではありますが、それには非常に手間がかかります。そのためノートPCの場合は仕方なくiCloudでのバックアップに移行するというのが現在の状況です。
保存できるデータ
iTunesによるiPhoneのバックアップの仕方では、以下のデータを除き、iPhone上のほとんどすべてのデータ、および設定情報がバックアップできます。除かれるデータは以下の通りです。
- iCloud に保存済みのデータ……連絡先やカレンダー、メモにiCloudに保存済みの写真、iMessageやボイスメモ、SMS・MMSのメッセージ、ヘルスケアデータなど
- Appleメールのデータ
- iTunes StoreやApp Storeのコンテンツ、もしくはApple Booksへと直接ダウンロードした PDF
- iTunesからiPhoneへ同期したコンテンツ……PCのiTunesで読み込んだMP3やCD、ビデオやブックや写真など
- Face IDやTouch IDの設定
- Apple Payの情報、および設定内容
- アクティビティ、ヘルスケア、キーチェーンのデータ……ただしiTunesでのバックアップを暗号化すればバックアップ可能
こちらも「iCloudミュージックライブラリやApp Storeで入手したコンテンツ」は、アーティストが不祥事を起こして消されてしまうと、再入手は不可能になるので、CDに焼くなりPC上にダウンロードしておく必要があります。
iPhoneのバックアップデータを暗号化する
前項の「iTunesでバックアップする」-「保存できるデータ」で触れたように、アクティビティ、ヘルスケア、キーチェーンといった個人情報の塊については、iTunes でバックアップを取る際に暗号化しなければなりません。
暗号化により機種変更後も引き継げるデータ
iTunesでのiPhoneバックアップを暗号化することで、アクティビティ、ヘルスケア、キーチェーンのデータのみならず、SafariのWebサイトの履歴やWi-Fi設定なども、機種変更や新規購入でiPhoneを入手した場合に復元が可能となります。引き継ぎの楽さが段違いなので、iTunesでバックアップする場合には必ず暗号化するようにしてください。
iCloudで保存データを暗号化するには
一方、iCloudでのiPhoneバックアップは常に暗号化されているため、こうした個人情報についても問題なく機種変更などの際に引き継ぐことができます。というよりも、元々これらはiCloudに暗号化して存在しているデータなので、機種変更などの際も問題発生のしようがないのが実情です。
iPhoneをiCloudでバックアップする方法
先にも記したように、iCloudでiPhoneのバックアップを取るには、Wi-Fiが使えてiCloud上にバックアップできるだけの空き容量が必要です。まずはバックアップのための準備の仕方を説明の上、改めてバックアップの仕方を説明します。
バックアップの準備
上に記したように、iPhoneのバックアップのための準備の仕方として、iCloudにアクセスできるようApple IDを設定して、iCloudの空き容量を確認し、Wi-Fiに接続します。
Apple ID
iPhoneを利用しているのであれば、Apple IDをお持ちのはずです。設定画面の一番上にあなたのApple IDアカウントが表示されていれば問題はありません。もしそこに「iPhoneにサインイン」と表示されているようでしたら、取り急ぎApple IDでサインインしてください。
Wi-Fi設定
iCloudでiPhoneのバックアップを取るにはWi-Fi環境が必須です。自宅なり友人宅なりでWi-Fiにつないでください。コンビニなどのフリーWi-Fiでもバックアップは可能ですが、時間がかかるので制限時間にひっかかる可能性がある上に、データを盗み見られる危険性が高く、おすすめはしません。
それでも仕方なくフリーWi-Fiを使わざるを得ないのであれば、適当なVPNアプリを使うことをおすすめします。
iCloudでのバックアップの仕方
iCloudによるiPhoneのバックアップの仕方は、まずiPhoneのホーム画面から「設定」を立ち上げるところから始まります。そのあとで、一番上にあるあなたの名前をタップします。そして画面が切り替わったら「iCloud」を選択します。
「iCloud」の画面では「iCloudバックアップ」を選び、次の画面では「iCloudバックアップ」のスイッチをオン(緑色)にします。すると確認画面が表示されるので「OK」をタップすればiCloudでのバックアップ機能が設定されます。このとき「今すぐバックアップを作成」をタップすれば、iCloudにiPhoneのバックアップが作成されます。
iCloudでiPhoneのバックアップをとる際の注意点
iCloudでiPhoneをバックアップする場合に注意しなければならないのは、「金と時間」です。iCloudでは無料で使える容量は5GBしかないので、最終的には有料プランを考慮に入れなければなりませんし、Wi-Fiでのバックアップはどうしても時間がかかってしまうからです。
容量に注意!
iPhoneの容量が16〜32GBのクラスであれば、いろいろと工夫することでバックアップをiCloudの5GBの容量に抑えることは不可能ではありません。しかし、容量が64GB以上のiPhoneを使っているのであれば、無料の5GBの容量でiCloudを利用するのはほぼ不可能だと思ってください。
容量を追加する
iCloudの容量が足りない場合は、有料プランの契約が必要です。ただし、有料と言ってもiPhoneのバックアップのためだけであればそれほど高額ではありません。2019年3月現在、50GBなら税込み月額130円、200GBで同じく400円です。
256GBのiPhoneであっても、アプリデータなどはiCloudのバックアップの対象になりませんから、200GBで十分、写真をGoogle Driveに回すのであれば50GBでも運用可能です。もしPCを持っておらず、iCloudでしかiPhoneのバックアップができないのであれば、せめて機種変更の前後だけでもiCloudに課金してバックアップをするべきです。
バックアップに時間がかかる
iCloudへのバックアップはWi-Fi経由となるため、どうしても時間がかかります。特にフリーWi-Fiを使う場合は速度に期待はしづらく、その上VPNを使用するとさらに速度が低下してしまいます。速度に期待できないのであれば、時間短縮にはデータ転送の総量を小さくするしかありません。
またデータの転送量を小さくすると言うことは、同時にiCloudの容量を節約することにもなり、場合によっては無料での運用を可能にもできます。
バックアップするアプリを選択する
iCloudへの転送量を減らすには、バックアップする対象を減らすしかありません。そのためには以下の手順でiCloudにバックアップしないアプリを選択します。まず「設定」を立ち上げ、あなたの名前を選択してApple IDのページを開きます。その上で「iCloud」を選び、さらに「ストレージを管理」をタップします。
そして画面が切り替わったら「バックアップ」を選択します。
その上で「バックアップ」の項目から対象のiPhoneを選択します。するとバックアップの対象となりうるアプリとデータが表示されますので、iCloudに転送しない、つまりバックアップしないアプリとそのデータを選択します。下の例では5GB近く消費している「フォトライブラリ」を選びました。
すると確認画面が表示されますので、「オフにして削除」を選びます。この際、「オフにして削除」しても削除されるのはiCloud上のデータだけであって、iPhone上のデータは削除されませんので安心してください。もっともこの状態で機種変更してしまうと、フォトライブラリ内の写真は引き継ぐことができませんので注意が必要です。
iPhoneをiCloudで自動バックアップする方法
iCloudにiPhoneをバックアップするように設定すると、iPhoneは自動的にバックアップされます。ただしそれには条件があり、モバイル通信で勝手にバックアップされて転送量を無駄に使われるといった心配はありません。
自動バックアップに設定する
上で記したように、iCloudでのバックアップを選択した段階で、iPhoneは自動的にバックアップされます。ただしそのためには以下の3つの条件が必要です。
- iPhoneが電源に接続されている(充電可能な状態である)
- iPhoneがWi-Fiにつながっている
- iPhoneの画面がロック状態である(使用中ではない)
逆に言うと、この3つの条件が揃わないと自動でのバックアップはできません。自宅にWi-Fiがないと、夜の充電中であっても自動ではバックアップされないわけです。
自動でバックアップする注意点
自動でiCloud上にiPhoneをバックアップさせていると、iCloudのストレージ容量がいっぱいになっていてバックアップに失敗している場合があります。
そんなときにはiCloudがいっぱいである旨の通知が届いているので、容量をアップデートするか、「iCloudでiPhoneのバックアップをとる際の注意点」の章の「バックアップするアプリを選択する」の項で説明した方法でiCloudにバックアップする容量を減らす必要があります。
iPhoneのバックアップをiCloudで定期的に行おう!
ここまで述べてきたように、iCloudによるバックアップはWi-Fiが使える環境で、残り容量に余裕がある場合にはきわめて便利かつ確実はiPhoneのバックアップ方法です。機種変更や故障・紛失の際のことを考えればバックアップは必須条件なだけに、iCloudの自動バックアップであなたのiPhoneを確実にバックアップする習慣を身に付けてください。