自宅にWi-Fiネット環境を調えようと思うと、無線アクセスポイントやルーター、モデムといった専門用語が飛び交ってワケがわからなくなります。本記事ではこうしたアクセスポイントなどの専門用語が意味するものとは何かを説明してWi-Fi環境を調えるのをお手伝いします。
単純に家庭内にWi-Fi環境を調え、家庭内だけで無線LANの完結させるのであれば、無線アクセスポイントがありさえすればOKです。しかし、多くの場合はそんな閉じた無線LANが求められるのではなく、インターネットへの開かれたWi-Fi環境が求められるはずです。そうなると、無線アクセスポイントだけではなく、ルーターやモデムが必要となります。
家庭内に調えたWi-Fi経由で、スマートフォンやPCからインターネットにアクセスする場合、データは以下のような経路を通ります。
スマートフォン・PC ⇔ 無線アクセスポイント ⇔ ルーター ⇔ モデム・光回線終端装置 ⇔ インターネット
また、無線アクセスポイントまでに距離があって電波が弱い場合はスマートフォン・PCと無線アクセスポイントの間に中継器を挟んで「スマートフォン・PC ⇔ 中継器 ⇔ 無線アクセスポイント」という形を採る場合もあります。このそれぞれについての違いを説明します。
無線アクセスポイントとは、Wi-Fiの電波を発して、スマートフォンやPCなどとやり取りする一方、そのデータを有線のデータに変換してルーターと通信する、いわば無線LANと有線LANの橋渡しをする存在です。スマートフォンなどでWi-Fi接続する場合に、接続する対象として見えるのがこの無線アクセスポイントです。
ルーターとは、1本のラインでつながっているインターネットのデータを複数のスマートフォン・PCをインターネットに分配する、データのやり取りの交通整理をする機械です。道(Route)を示す存在ということでルーター(Router)と呼ばれています。
モデム・光回線終端装置とは、家庭内LANのデータをまとめて、インターネットに接続する役目を担う存在です。
モデムと光回線終端装置の違いは、モデムは家庭内LANのデジタルデータとADSLなどのアナログデータを相互に変換するのに対し、光回線終端装置の場合は同じデジタルデータではあるものの、家庭内LANの電気信号と光回線の光信号に相互に変換するということです。
役割としてはどちらも同じもので、片側にはルーター、もう片側にはADSLや光回線がつながっています。また、モデムルーターと呼ばれるモデムや光回線終端装置にルーターの機能が備わった機器も存在します。
Wi-Fiルーター(無線LANルーターとも)とは、無線アクセスポイントとルーターの機能を合わせ持った機器のことです。2019年6月現在、無線アクセスポイントを単独で使用するよりも、このWi-Fiルーターを利用するほうが一般的です。
中継器とは、無線アクセスポイントの電波を中継してWi-Fiを使える範囲を広げてくれる機器のことを言います。1台の無線アクセスポイントでは電波が届かない場所があったり、電波が弱くて通信速度が遅かったりして、1階のアクセスポイントの電波が2階の隅では弱かったり、浴室に届かなかったりする場合に利用します。
自宅にWi-Fi環境を作るには、単純に分けてふたつの方法があります。
光回線などの固定回線でインターネットに接続するには、先にも記したように以下のような経路を設置します。
スマートフォン・PC ⇔ (中継器 ⇔ )無線アクセスポイント ⇔ ルーター ⇔ モデム・光回線終端装置 ⇔ インターネット
このうち、モデム・光回線終端装置から右の部分はNTTなどの各種業者と契約して、回線工事を行うことになります。このモデム・光回線終端装置は業者からのレンタルが普通ですので、自分で用意せずに済みます。逆に言うと、業者を選んだ段階でこれらの選択の余地はありません。
このモデム・光回線終端装置自体にルーターや無線アクセスポイントの機能が備わっている場合もありますが、そうでない場合はWi-Fiルーターを購入してWi-Fi環境を調える必要があります。この方法はモバイルWi-Fiや挿すだけWi-Fiとは違い、Wi-Fi環境を調えるのに手間がかかりますが、高速でのインターネットアクセスが可能です。
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