無料で使えるMicrosoft社のデータベース管理システムであるSQL Server Expressについて解説しています。無償版SQL Server Expressの機能や、有償版との違い、制限されている機能についても紹介します。
SQL Server Expressとは、Microsoft社のデータベースであるSQL Serverの無償版として、無料で配布されているエディションです。
SQL Serverは、システムやアプリの構築・運用に活用でき、業務用システム等での利用でも人気が高いデータベースです。無償版であるSQL Server Expressでも基本的な機能は有償版のSQL Serverとほぼ同じ物を使えますが、一部機能が制限されています。
SQL Server Expressは小規模向けのデータベースとなっており、データベースの最大サイズは10GBです。有償版と同じようにセキュリティ更新プログラムが配布される他、CAL(クライアント・アクセス・ライセンス)も含まれており、販売製品や商用システムに組み込むなど、商用での利用も可能です。
SQL Server Express無償版は全て無料で利用できるエディションです。上で述べたセキュリティ更新プログラムも無料で配布されているので、更新にお金がかかるということもありません。
SQL Server Expressは、Microsoft社のSQL Server公式ページから無料でダウンロードできます。SQL Server Expressの利用には、SQL Server専用のデータベース管理ツールであるSQL Server Management Studio(SSMS)を併用すると良いでしょう。
まずはMicrosoft社のSQL Server公式サイトからSQL Server Expressをダウンロードしましょう。
ダウンロードした「SQLServer2017-SSEI-Expr.exe」のファイルを実行し、最初に出てくる画面で「基本」を選択します。カスタマイズして利用したい場合は「カスタム」を選択しましょう。後は画面通りに進めていくだけで簡単にインストールできます。
インストールが完了すると、次にSQL Server Management Studio(SSMS)をインストールする画面が出てきますので、必要な方はそのまま続けてインストールしましょう。
冒頭でも述べた通り、無償版であるSQL Server Expressでは一部機能に制限がされています。本項では有償版SQL Serverとの違いについて解説します。
無償版SQL Server Expressと有償版の最も大きな違いは、利用できるデータベースの最大サイズであり、無償版の10GBに対して有償版は524PBとなっています。その他メモリ数においても無償版SQL Server Expressには制限があります。
また、無償版SQL Server Expressでは、定期的なバックアップ等の機能があるメンテナンスプランが使えないことや、SQL Serverからメールの送信が可能になるデータベースメール機能が使えないことが違いとして挙げられます。
他にも、チューニングアドバイザやSQL SERVER エージェント等の実装されていない機能があったり、分析サービスや統合サービスの一部に制限がされていたりすることが、有償版との主な違いです。
無償版であるSQL Server Expressでは利用できる機能に制限があるとは言え、小規模なサーバーであれば十分運用できる機能を持っています。提供元であるMicrosoft社でも、SQL Serverでのサーバー運用を始める際には無償版SQL Server Expressから始めることを推奨しています。
と言うのも、無償版と有償版には互換性がある為、もし運用を拡大したい場合には有償版にアップグレードすれば簡単に移行することができるからです。
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