iPadに興味があるものの、iPhoneやPCで足りるのでは、と思う人はいます。しかし、iPadはiPhoneやPCとは違った使い方ができる端末です。本記事では、iPadに興味はあるけれど便利さがよくわからない初心者に向けてiPadの使い方をお教えします。
端的に言って、ただ「できること」だけであればiPhoneもiPadも大した差はありません。iPhoneでもインターネット上のサイトは見られますし、電子書籍だって読めます。写真や動画も観られれば、これらを編集・加工することもできます。ExcelやWordで資料の作成もできれば、ペンを使って絵を描くことだって可能です。
しかし、ただ単に「できる」ということと「簡単にできる」「効率良くできる」ということはまったく異なります。極端に言えば、ノミとカナヅチがあれば岩壁に穴を開けてトンネルを掘ることは可能ですが、工事用の掘削機械を使うのとは大きな差が生まれるということです。もちろん、iPhoneがノミとカナヅチでiPadが掘削機械に相当します。
つまり、同じことをするにしても、iPadを活用することで圧倒的に便利になるということです。とはいえ、誰しもが必ずiPhone以外にiPadを手に入れなければならないワケではありません。iPadが与えてくれる便利さが必要でなければ、iPhoneで十分なのです。しかし、iPadならではの便利な使い方を知れば、多くの人はiPadが欲しくなるはずです。
一口にiPadと言っても、2019年7月の段階でiPadにはiPad Pro2モデル、iPad Air、iPad、iPad miniの4機種5モデルが存在します。それぞれ使い方が異なるのですが、iPhoneと対比する分には、使い方の違いをひとまとめにして説明することが可能です。
iPadの便利さと特徴として一番に挙げられるのが、iPhoneに比べて画面が大きいと言うことです。
最も大きなiPad Pro 12.9インチモデルであれば、2019年7月現在iPhoneの中で一番画面の大きなiPhone XS Macの6.5インチに対して対角線で倍、面積でいえば単純計算で4倍になります。しかも縦長のiPhone XS Maxと違って縦横比4:3ですから、面積の差ははさらに大きくなります。
これに対しiPadで最も小さいiPad miniは7.9インチと、iPhone XS Maxと比べると対角線で1.2倍、面積比で1.5倍程度にしかなりません。しかし、iPhone XSの5.8インチ、iPhone 8の4.7インチと比べればiPad miniですら対角線で1.36倍と1.68倍、面積比で約2倍と約3倍になります。相手がiPhone SEなら、対角線で倍、面積比で約4倍です。
こうしたiPadの大きさは見やすさ、情報量の多さに直結します。たとえば、iPadで写真や動画を観る際にはiPhoneに比べて迫力が段違いですし、出先でPC代わりに文書や表計算のデータに手を入れる際にもiPadの画面の大きさがとても便利です。またiPadでApple Pencilを使って絵を描くのは、iPhoneで適当なペンで絵を描くのとは段違いの便利さです。
ただし、こうした「体験」は文字の説明や写真で見るだけでは伝わらないものです。ぜひ一度、お店のiPadや周囲の人の持っているiPadに触れて、実感してください。
先の項で説明したことと相反するようですが、画面こそ大きいもののiPadは持ち運びに便利な大きさです。最大サイズのiPad Pro 12.9インチモデルこそ、ややカバンを選びますが、それ以外のiPadならほとんどのバッグに簡単に収まります。またiPadはノートPCとは違ってディスプレイのみのタブレット型ですから、厚さも薄くスペースを取りません。
また、iPadはノートPCのスリープモードよりもはるかに速く立ち上がりますので、iPhone同様にiPadを取り出せばすぐに活用できます。さすがにiPhoneほど取り出しやすくはありませんが、iPadはどこでも簡単にカバンから取り出してすぐに使える、便利な相棒となります。
iPadは、屋内でも屋外でも場所を選ばず利用できます。iPhoneでは画面が小さいな、と感じる場面ではどんな所でもiPadが活躍します。屋内なら、ベッドに寝ころんで利用する使い方も、ソファでくつろぎながら利用する使い方もできますし、屋外に持ち出してカフェや図書館、公園などでも便利に活用できます。
また、写真や動画を見るにも便利ですし、マンガを見るにも画面の大きなiPad、特に見開きでマンガを堪能できるiPad Pro 12.9インチモデルはおすすめです。WordやExcelに手を入れるのにもiPadは便利ですし、キーボードを使えばもっと便利に活用できます。また、自分だけでなく小さなお子さん用にアニメやゲームを楽しませるという使い方にも便利です。
一方、iPadを使って自宅でじっくりとお絵描きをする用途なら画面が大きなiPad Pro 12.9インチモデルがおすすめですし、逆に外でスケッチをするのなら取り回しのいいiPad miniやiPad Airが便利です。ビジネスからプライベート、趣味や子育てと、iPadは非常に幅広い使い方が可能です。
それでは、ここからはiPadを手に入れたiPad初心者がまずやるべき基本設定について説明します。多くの場合は、iPadを最初に立ち上げたときに設定できるのですが、iPadの初心者だと、そのときはなにをどう設定すればいいのかわからずに、そのまま立ち上げてしまったり、お店や友人宅で設定してもらって、家で使えなかったりして困る場合があります。
そんなときのために、iPad初心者のための基本設定のセットアップ方法を説明します。なお、完全に初期化された状態のiPadをセットアップする場合は、以下のリンク先の記事を参考にしてください。
iPadでまず設定しなければならないのが、Wi-Fiへの接続の設定です。モバイル通信可能なiPadもありますが、多くのiPadはWi-Fi接続が基本です。自宅のWi-Fiのみならず、出先のコンビニやカフェなどでもWi-Fiが使える所が多いので、そこでもWi-Fi接続してiPadを活用してください。そのためには、まずホーム画面から「設定」アプリを立ち上げます。
つづいて、左の設定項目から「Wi-Fi」を選択し、右側のWi-Fi画面で「Wi-Fi」の項目をタップして右側のスイッチをオン(緑色)にします。その上で、接続するWi-Fiネットワークを選びます。
するとパスワード入力を求める画面がポップアップしますので、パスワードを入力して「接続」をタップします。Wi-Fiのパスワードは、多くの場合Wi-Fiルーターの側面や裏面に記されています。また、コンビニやカフェの場合はレジ近辺にパスワードが表示されていたり、パスワードが不要だったりします。
ただし、パスワードが不要なWi-Fiのアクセスポイントは、通信内容がほかの利用者に盗聴される可能性がありますので、特に初心者はそういう所ではクレジットカードを使った購入やhttpsによって暗号化されていないサイトへのアクセスは避けるのが賢明です。
入力したパスワードが正しければ、無事Wi-Fiに接続され、追加の通信料金なしにインターネットにアクセスできるようになります。ソフトウェアキーボードは入力ミスしやすいので、注意してパスワードを入力して、Wi-Fiを設定してください。
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