Amazon QuickSightとは?AWSのマネージドBIツールについて解説!
Amazon QuickSightとは、AWSで利用できるBIツールです。Amazon QuickSightを利用すれば、AWSのデータソースと直結連携して様々な情報を可視化・分析できます。ビジネスに利用できる情報を一括分析して、共有メディアを作成できます。
目次
Amazon QuickSightについて
今回は、Amazon QuickSightについて、その概要と使い方についてレビューします。
Amazon QuickSightとは?
Amazon QuickSightとは、Amazonが提供している、BIサービスツールのことです。「BIサービスツール」と聞いて、あまりなじみがない人は「何ができるツールなのだろう」と疑問に思うかもしれません。
BIサービスツールの「BI」とは「Business Interigence」の略で、BIサービスツールとは「ビジネスに役立つ情報を一括分析して、企業全体で共有できるように加工してまとめあげ、企業経営に役立つようにメディアとして可視化するツール」のことを言います。
高速なクラウドBIサービスツール
Amazon QuickSightとは、高度な情報分析能力を有する、高速クラウドBIサービスツールです。2016年末から一般リリースされています。
Amazon QuickSightがリリースされるまでは、Tableau、Qlikview、といったサービスがBIサービスツールとして注目を浴びていましたが、本ツールでAmazonが競合として名乗りを上げた形になりました。
AWSのデータソースと連携
Amazon QuickSightは、AWSのデータソースとシームレスに(直結して)連携できるので、組織に対して効率的な情報展開が可能です。
Amazon QuickSightの特徴
以下に、Amazon QuickSightの主な特徴をまとめました。
主な5つの特徴
Amazon QuickSightの特徴としては、まず、「セットアップを行う必要がなく、すぐに利用が可能」という点が挙げられます。Amazon QuickSightにサインインすれば、後はデータソースを選択するだけで数分でメディアを作成できます。
また、Amazon QuickSightはクラウドツールなので「Amazonの完全マネージメント」ツールと言えます。ユーザーがアップデートやメンテナンスを行う必要はありません。
Amazon QuickSightは、AWSデータソース・外部のデータベース・特定のファイル(CSVファイル・Excelファイルなど)を取り扱えるので、多彩なデータ分析が可能です。
Amazon QuickSightは低コストであることの大きな特徴です。Amazon QuickSightの料金体系は、利用ユーザー数と使用ストレージ容量の合計になりますが、「利用ユーザー数1名まで・使用ストレージ容量1GBまで」は無料で利用できます。
また、60日の無料トライアル期間もあるので、初めに十分な利用環境(ユーザー数・ストレージ)を設定して使い勝手を体験することもできます。
また、Amazon QuickSightで作成したメディアはスマホでも閲覧できるように最適化できるので、デバイスを選ばない情報展開が可能です。
オリジナル高速エンジン
Amazon QuickSightでは、インメモリデータストア用の高速エンジンが独自開発され、「SPICE」という名称でAmazon QuickSightのストレージ・データソースシステムに装備されています。
ちなみに「SPICE」のワードは、「Super-fast(超高速)」「Parallel(並列)」「In-Memory Calculation Engine(インメモリ計算エンジン)」のそれぞれの単語の頭文字を合わせた略語です。
Amazon QuickSightのアカウントを作成する
Amazon QuickSightを使用するには、まず、Amazon QuickSightのアカウントを作成する必要があります。次に、Amazon QuickSightのアカウントの作成手順を解説します。
AWS Management Consleアカウントが無い場合
Amazon QuickSightは、「AWS Management Consle」メニューツールとして管理されているため、Amazon QuickSightのアカウントを作成する際は、事前に「AWS Management Consle」のアカウントを取得しておく必要があります。
「AWS Management Consle」とは、AWSの全サービスを一括管理できるメイン管理サイトで、AWSに関する操作はすべてのこのサイトを通して行われます。
「AWS Management Consle」のアカウントを取得するには、公式サイトにアクセスして、画面右上の「無料サインアップ」をクリックし、その後の手順に従って必要情報を入力すれば所得できます。
「AWS アカウントの作成」の画面が表示されるので、その後の手順に従って必要情報を入力すれば、AWS Management Consleアカウントを所得できます。
AWS Management Consleは基本的に有料サービスですが、1年間の無料期間があるので使用開始後、しばらくは料金を気にせず活用できます。
詳しいアカウント取得手順は、以下に「AWS アカウント作成の流れ」の公式案内サイトのリンクを紹介するので参照してください。
QuickSightアカウントの作成手順
AWS Management Consleアカウントを取得したら、そのまま公式サイトにログインし、サービスメニューの一覧で「QuickSight」のリンクをクリックします。
Amazon QuickSightのサインアップ画面が表示されるので、「こちらからサインアップしてください」のリンクをクリックします。
リンクをクリックすると、AWS Management Console アカウントを、Amazon QuickSightのアカウントとして紐付けられます。次に、サブスクリプションタイプとして、コース選択を求められるので、初心者は「Standard edition」を選択しましょう。
その後は、任意でアカウント名・メールアドレスを入力し、所在地(QuickSight capacity region)の欄ではとりあえず「US East (N.Virginia)」を選択しておきましょう。
最後に、QuickSightでアクセスできるリソースの許可設定(パーミッション)を行います。今回は説明例として、データセットをAmazon Athena、それに紐づくバケットをAmazon S3として説明します。
Amazon Athenaの項目のチェックボックスにチェックを入れ、「Choose S3 buckets」のリンクをクリックします。
表示されたポップアップ内で、Amazon Athenaのテーブルが参照しているAmazon S3のバケット名にチェックを入れて「Select buckets」ボタンをクリックします。
すべての設定を終えたら、「Finish」をクリックすればアカウント登録完了です。
Amazon QuickSightの使い方
次に、Amazon QuickSightの使い方を解説します。
グラフの表示機能
Amazon QuickSightで、事前委作成したデータを読み込んでグラフ表示機能を使って可視化するには、まず、ホーム画面左上に表示されている「New Analysis」をクリックします。
データを取り込む
切り替わった画面で「New data set」をクリックし、読み込むデータセットの種類を選択します。
次に、任意でデータソース名を入力し、読み込み対象のデータベースとテーブルを選択します。
最後に、インポート先として「SPICE」を選択し、画面左下に表示されている「Visualize」をクリックすると画面に「Import complete」と表示されて、データの取り込みが完了します。
グラフを表示する
グラフ機能を利用するには、まず、画面左下に表示されている「Visual Type」の欄からグラフ機能のタイプを選択します。
次に、画面左の表示選択項目の一覧で、X軸表示(青)とY軸表示(緑)を選択します。*下図の例はコンボグラフ(棒グラフ + 折れ線グラフ)なので、Y軸表示を2項目選択しています)。
グラフを保存する
最後に、画面左上の「Add」マークをクリックすると、作成したグラフを保存できます。
ハンズオンキットを利用
Amazon QuickSightでは、無料トレーニング用に「ハンズオンキット」を公開しています。ハンズオンキットとは、QuickSightの可視化オペレーションを学習できる練習キットで、公式サイトからダウンロードできます。
ハンズオンキットには、「自分のCSVファイルを可視化するハンズオン」「Amazon Athena 経由で大規模データを可視化するハンズオン」の2つのハンズオンが用意されています。
以下のリンクで公式サイトにアクセスし、下方にスクロールして「セルフハンズオンキットをダウンロード」のリンクをクリックしてください。zipファイルがダウンロードされます。同梱されている日本語マニュアルに沿って、ハンズオンキットを使ってトレーニングしましょう。
ハンズオンセミナー
また、AmazonではAWS(アマゾン ウェブ サービス)関係の無料セミナーを精力的に行っており、Amazon QuickSightに関するハンズオンセミナーも開催されているので、こうした機会も利用するとさらに理解が深まるでしょう。
Amazon QuickSightの料金体系
次に、Amazon QuickSightの料金体系についてレビューします。Amazon QuickSightの料金体系は「Enterprise Edition・Standard Edition」という2つのコースがあります。
Enterprise Editionはプロフェッショナルコースで、Amazon QuickSightの機能はフルに利用できます。Standard Editionはビギナーコースで、Amazon QuickSightの基本的な機能を利用できます。
Enterprise Edition
Enterprise Editionは、作成者(Author)と閲覧者(Reader)という2つのユーザパターンが用意されてます。
作成者
作成者は、データセット作成・可視化ダッシュボード作成などのQuickSightの機能をフルに活用できます。
料金はサブスクリプション制で、作成者は、年間契約であればユーザーあたりの月額料金は$18、月契約であればユーザーあたりの月額料金は$24、となります。
閲覧者
閲覧者は、利用できる機能が「ダッシュボード閲覧・データ分析のみ」と制限されています。
また、閲覧者の利用料金は利用した分だけの精算になります。ログイン後30分までは$0.3、30分を越えると最大で$5かかります。
1回のログインごとに精算され、1回のログインで$5以上かかることはありません。また、ログインしなければ料金は発生しません。
Standard Edition
Standard Editionは、1パターンのみになります。料金はサブスクリプション制で、年間契約であればユーザーあたりの月額料金は$9、月契約であればユーザーあたりの月額料金は$12、となります。
無料枠・無料トライアル
上記が基本料金体系になりますが、2つのコース(Enterprise Edition・Standard Edition)に共通して無料利用できる条件があります。「利用ユーザー数1名まで・使用ストレージ容量1GBまで」であれば無料で利用できます。
また、60日の無料トライアル期間も用意されています。無料トライアル期間であれば、任意の利用環境(ユーザー数・ストレージ)を設定して使い勝手を確認できます。
Amazon QuickSightを使ってみよう!
ビジネスに利用できる情報を一括分析して可視化できる、Amazon QuickSightを活用してみましょう。Amazon QuickSightを利用すれば、AWSのデータソース・外部のデータベース・特定のファイル(CSVファイル・Excelファイルなど)を使って、多彩なデータ分析が可能です。
また、初心者向けに無料のトレーニングキット(ハンズオンキット)が用意され、無料セミナーも開催されているので、有効活用すればスキルをマスターできます。また料金体系も、無料枠・無料トライアル期間が用意されているので、ビギナーも参加しやすいツールです。