Amazonのクラウドサービス「AWS」とは?特徴やメリット/デメリットを解説

Amazonクラウドサービス「AWS」とはAmazonが提供しているクラウドコンピューティングです。Amazonクラウドサービス「AWS」の特徴やメリット・デメリット、導入事例までをご存じない方にもわかりやすく解説いたします。

Amazonのクラウドサービス「AWS」とは?特徴やメリット/デメリットを解説のイメージ

目次

  1. 1クラウドコンピューティングの仕組み
  2. クラウドコンピューティングのイメージ
  3. クラウドコンピューティングのタイプ
  4. オンプレミスサーバーと比較
  5. 2Amazonのクラウドサービス「AWS」について
  6. AWS(Amazon Web Services)とは?
  7. クラウドウェブサービス市場でのAWSのシェア
  8. AWSでできること
  9. Amazonのクラウドサービス「AWS」の導入事例
  10. 3Amazonのクラウドサービス「AWS」のメリット
  11. 初期コストがかからない
  12. セキュリティ面で安全
  13. すぐに導入できる
  14. 自由に容量を変更できる
  15. パフォーマンスが高い
  16. 事業に集中できる
  17. 4Amazonのクラウドサービス「AWS」のデメリット
  18. サービス選定や設計のノウハウが必要
  19. コストが毎月変動する
  20. トラブル発生時は自己解決が必要
  21. 5Amazonのクラウドサービス「AWS」を利用してみよう!

クラウドコンピューティングの仕組み

AmazonのクラウドサービスであるAWS(Amazon Web Services)とは何なのかを説明する前に、クラウドコンピューティングの仕組みを理解しておく必要があります。まずはクラウドコンピューティングとは何なのかを説明していきます。

クラウドコンピューティングのイメージ

クラウドコンピューティングを知らない方にも分かりやすいように、クラウドコンピューティングのイメージを2点挙げていきます。

利用方法

クラウドコンピューティングとは必要なサーバーやデータベースをはじめ、アプリーケーションまでもをウェブ経由で利用できるサービスのことです。クラウドコンピューティングを提供している会社と契約することで簡単に導入できます

今までは自社で1つずつ導入しなくてはならなかったリソースがクラウドを利用することですぐにそろえることができ、導入のために多額の初期投資をする必要もありません。

利用料金は利用した分だけ料金を支払う従量課金というシステムなので、無駄な出費がかからないのも魅力の一つです。

必要不可欠なもの

ウェブが普及した現代ではどんな業種であれ、ほとんどの企業にパソコンが導入されています。

そんな中で、クラウドコンピューティングとは大企業や政府機関に限らず中小企業にとっても必要不可欠なものであり、電機や水道のようなインフラと近しい存在になってきています。

クラウドコンピューティングのタイプ

クラウドコンピューティングにはIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)といった3つのタイプが存在します。それぞれのサービスでできることを解説していきます。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaS(Infrastructure as a Service)とはサーバーとネットワークを提供するサービスです。それ以外のOSとミドルウェアといったリソースや、アプリケーションは各自追加で導入していく必要があります。

もし企業オリジナルのシステムを使う場合にはこのサービスがおすすめです。

PaaS(Platform as a Service)

PaaS(Platform as a Service)とはサーバーとネットワークに加えてOSとミドルウェアを提供するサービスです。このサービスでは導入するだけでデータベース環境を整えることができます。アプリケーションは各自追加で導入しなくてはなりません。

また、アプリケーションの実行環境も整うためソフトウェア開発などの開発を行っている企業向きのサービスだといえます。

SaaS(Software as a Service)

SaaS(Software as a Service)とはサーバーからアプリケーションまでを提供するサービスです。このサービスを導入すれば各自で何かを準備する必要がありません。

オンプレミスサーバーと比較

オンプレミスサーバーとは企業が社内で保有しているサーバーのことです。クラウドサーバーと比較すると機能が限定的なこともある上に、CPUやメモリはすぐには変更できません。

また、クラウドサーバーではウェブを経由する必要があるためセキュリティ面が不安という方もいらっしゃるでしょうが、実はセキュリティ面に関してもオンプレミスサーバーよりもクラウドサーバーの方が安心な場合もあります。

なぜならオンプレミスサーバーに導入しているソフトによっては常に最新の状態に保つことはできないためです。それに比べてクラウドサーバーは常に最新のセキュリティにアップデートされるようになっていて安心な上に、アップデートの手間はありません。

また、大規模なプロジェクトの間だけサーバーを使用したいといった場合にはクラウドサーバーの方が必要費用を抑えられます

オンプレミスサーバーと比較した上で導入を検討するとよいでしょう。

Amazonのクラウドサービス「AWS」について

ここからはAmazonのクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」についてご説明していきます。

AWS(Amazon Web Services)とは?

AWSの公式サイト

AWS(Amazon Web Services)とはAmazonが提供しているクラウドプラットフォームになります。Amazonが世界中に所有しているデータセンターを通じて165を超えるサービスを提供、大手企業や各国の政府機関で採用されています

クラウドコンピューティングを含めアプリケーション開発やネットワーキング、人工知能といったサービスがあります。分析、管理、セキュリティなどもAWSで事足ります。サービスが豊富かつ、コスト効率もよいので魅力的なサービスです。

事業内の一部だけにAWSを使用することや60 以上の製品を無料でお試しすることができるようになっています。

クラウドウェブサービス市場でのAWSのシェア

クラウドウェブサービス市場全体の5割以上はAWS(Amazon Web Services)のAmazonを含む4社が占めている状況ですか中でもAWSのシェアは3割と他社を大きく引き離しています。クラウドウェブサービス市場の中でもAWSのシェアが高いのには理由があります。

シェアが高い理由

クラウドウェブサービス市場の中でAWS(Amazon Web Services)のシェアが高いのはAWSのクラウドウェブサービス市場への参入が早かったということが挙げられますがそれ以上に大きな要因があります。

それはMicrosoftやIBMといった他社がクラウドウェブサービス市場の成長を予測できていなかったということです。他社が二の足を踏んでいる中でAWSだけがいち早く開発を進められたことで、AWSはクラウドウェブサービス市場のトップに立つことができたのです。

AWSでできること

AWS(Amazon Web Services)でできることは多岐にわたり、サービスの大まかな分類だけで23にのぼります。今注目されているVRやARのアプリを作ることもできることの一つであり、できることの中には人工衛星を利用した地上局の利用なども存在します。

AWSでできることの中でも実際に導入されることが多いもの5つをご紹介します。

EC2

AWSのEC2

AWSでできることの1つ目はEC2です。このサービスではサーバーを構築することができます。運用までこのサービスで行うことができます。

サーバーの構築時にはOSやCPUのコア数、メモリ容量に加えてサーバーへのアクセスの制限など細かく設定可能になっています。設定などがあらかじめ決まっていれば本当に短い時間でサーバーを構築することができて便利です。

Lambda

AWSでできることの2つ目はLambdaです。このサービスでは「Lambda 関数」を用いて他のAWSのサービスと連携処理を行うようにすることなどが可能になります。作業の効率化を図る上では欠かせないサービスだといえるでしょう。

このサービスを利用するのにサーバーが不要という点も魅力の一つです。

S3

AWSのS3

AWSでできることの3つ目はS3(Simple Storage Service)です。このサービスではウェブ経由で様々なデータをクラウド上に保存することができます。

コマンドを使用することでコンソール画面以外からでもクラウド上への保存が可能です。保存したデータはAmazonが持つ複数のデータセンターに保存されるため、オンプレミスサーバーよりもデータが失われるリスクは圧倒的に低いというのが利点です。

RDS

AWSのRDS

AWSでできることの4つ目はRDS(Relational Database Service)です。このサービスではデータサービス機能を使用することができます。サーバーを準備することなく、RDSでの構築が終わればすぐにでもデータベースを使用できます。

データベースの機能として提供されている製品にはAuroraというAWS独自開発の製品も含まれ、上の画像に載っているもの以外にも様々な製品が存在します。

CLI

AWSでできることの5つ目はCLI(Command Line Interface)です。このサービスはコマンドを用いることで、コンソール画面以外からでもAWSのサービスを利用可能にするサービスです。

コマンドがよくわからない方でも扱えるよう、コマンド自体が分かりやすい構造になっている上に、CLIで使用するコマンドの構文や使用例は公式サイトで公開されています。

Amazonのクラウドサービス「AWS」の導入事例

Amazonのクラウドサービス「AWS」の導入事例

Amazonのクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」がどんなサービスがあるのかを踏まえ、実際にどのような場面で活用されているのか、導入事例をご紹介します。導入事例は多数あり、公式サイトでも紹介されています。

導入事例の中には全日本空輸株式会社や京王電鉄株式会社といった交通機関やNTT東日本、パナソニック株式会社、株式会社 LIXIL、任天堂株式会社のような大企業が含まれており、いかにAWSが信頼でき、なおかつ便利なサービスなのかがうかがえます。

企業のみならず大学や研究機関でも導入されており、国際民間航空機関 (ICAO) のような国際連合の機関も導入事例として挙げられていました。

ここでは4つの企業の導入例をご紹介します。

東日本電信電話株式会社(NTT東日本)

Amazonのクラウドサービス「AWS」の導入事例「東日本電信電話株式会社(NTT東日本)」

導入事例の1つ目は「東日本電信電話株式会社(NTT東日本)」です。東日本電信電話株式会社ではAWSを映像配信サービスに導入しています、

AWSの導入によってそれまで数か月かけて行っていたインフラ構築を数分に短縮、迅速な顧客ニーズへの対応を実現しているそうです。他にも高画質での映像配信サービスやサービス開発の柔軟性を高めるためのツールとしてAWSが使われています。

ネスレ日本株式会社

導入事例の2つ目は「ネスレ日本株式会社」です。ネスレ日本株式会社では原則的にオンプレミス環境での運用を行っていましたが、デジタル分野に付随するシステムを中心にクラウドウェブサービスを活用しているそうです。

現在では「ネスレ通販」というWebサイトの運用にAWSが導入されています。

株式会社ドトールコーヒー

Amazonのクラウドサービス「AWS」の導入事例「株式会社ドトールコーヒー」

導入事例の2つ目は「株式会社ドトールコーヒー」です。ドトールコーヒーでは従来の統合データベース基盤をAWSへと移し替えました。AWSに1か月で同等の環境を構築し、現在ではAWSをメインデータベースと使用しているそうです。

任天堂株式会社・株式会社ディー・エヌ・エー

導入事例の3つ目は「任天堂株式会社・株式会社ディー・エヌ・エー」です。

任天堂株式会社は株式会社ディー・エヌ・エーと協業しスマートデバイス用をゲーム開発し、「Super Mario Run(スーパーマリオ ラン)」の iOS 版を配信しているのですが、そこにAWSのゲームサーバーインフラが導入されています。

Amazonのクラウドサービス「AWS」の導入事例「任天堂株式会社・株式会社ディー・エヌ・エー」

DeNAがもつ大規模なインフラ構築技術と安定した運用のための管理の仕組みをAWS上で反映できることや、AWSが各国の規制や法律にも対応、セキュリティも世界中に通用するレベルであることなどが採用の理由になったようです。

「Super Mario Run」が世界中でダウンロード数が8,000 万を超えてもなおAWSのゲームサーバーインフラは問題なく稼働しています。

Amazonのクラウドサービス「AWS」のメリット

ここからはAmazonのクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」のメリット、デメリットを説明していきます。まずはAmazonのクラウドサービス「AWS」のメリットを挙げていきます。

初期コストがかからない

Amazonのクラウドサービス「AWS」のメリットの1つ目は初期コストがかからないということです。先ほどから述べていることですが、クラウドサービスを利用することでサーバーやアプリケーションを購入する必要がなくなります。

初期コストを減らせることで他のことにお金を回せるため、できることの幅が広がります。ベンチャー企業など資金に限りがある会社にとってはオンプレミス環境よりもAWSの方がよいかもしれません。

セキュリティ面で安全

Amazonのクラウドサービス「AWS」のメリットの2つ目はセキュリティ面で安全ということです。セキュリティは世界中に通用するレベルであるとともに、常に最新の状態に更新されるようになっています。

すぐに導入できる

Amazonのクラウドサービス「AWS」のメリットの3つ目はすぐに導入できるということです。オンプレミス環境では少なくとも数日はかかるりますが、AWSであれば人気のソフトウェアを数分で使い始めることができます。

自由に容量を変更できる

Amazonのクラウドサービス「AWS」のメリットの4つ目は自由に容量を変更できるということです。オンプレミス環境の場合には容量を変更するには物理的な拡張作業が必要となりますが、AWSであれば自由に容量を変更できます。

急に容量を増やさなければいけない場合などにはAWSの方が圧倒的に柔軟性が高く、臨機応変に対応できます。

パフォーマンスが高い

Amazonのクラウドサービス「AWS」のメリットの5つ目はパフォーマンスが高いということです。

オンプレミス環境の場合にはパフォーマンスが高いままを維持するには、サーバーを定期的に買い替えたり、メンテナンスする必要があります。それに対し、AWSであれば定期的にアップグレードがかかるため、サーバーは常に高い状態に保たれます。

事業に集中できる

Amazonのクラウドサービス「AWS」のメリットの5つ目は事業に集中できるということです。サーバーを準備するところから実際に運用・管理するのをAWSが担うので、今までならそこに必要だったコストや人員を肝心の事業に、回すことができます。

Amazonのクラウドサービス「AWS」のデメリット

次にAmazonのクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」のデメリットを挙げていきます。

サービス選定や設計のノウハウが必要

Amazonのクラウドサービス「AWS」のデメリットの1つ目はサービス選定や設計のノウハウが必要ということです。

データベース関連のサービスだけでも11のサービスが存在するので知識のない状態だとどのサービスが一番最適なのか選定したり設計することは困難だといえます。

コストが毎月変動する

Amazonのクラウドサービス「AWS」のデメリットの2つ目はコストが毎月変動するということです。利用した分だけ支払う従量課金制はメリットでもありますが、一定額にならない分利用が多い月の支払いが大きくなってしまうのは避けられません。

トラブル発生時は自己解決が必要

Amazonのクラウドサービス「AWS」のデメリットの3つ目はトラブル発生時は自己解決が必要だということです。

技術サポート以外であればカスタマーサービスで問い合わせることができますが、技術サポートを受けるには有料のサービスプランの加入が必要になっています。

Amazonのクラウドサービス「AWS」を利用してみよう!

ここまで述べたようにAmazonのクラウドサービス「AWS(Amazon Web Services)」を利用することで初期コストを抑えられる上に、サーバーのメンテナンスなどにかかっていた時間や労力を減らすことができ、より事業に集中できる環境が整います

オンプレミスサーバーと比較し、利用を検討してみてください。

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この記事のライター
吉乃
様々なサービスやアプリについて執筆しています。