iPhoneでテザリング(インターネット共有)できない8つの原因と対処法を解説！

iPhone5からiPhoneのデータ通信を利用して、タブレットやPCをインターネットにつないでインターネット共有をするてテザリングという機能が実装されました。

ほぼ3大キャリアのネットワーク網が日本の国土の99%以上をカバーしている現在、Wi-Fiルーターを用意しなくても、iPhoneがあればどこでもPCやタブレットのインターネット接続できるテザリング機能を活用している人も増えてきています。

しかし、iPhoneで時々テザリングができない、ということが起きます。この記事ではiPhoneでインターネット共有するテザリングができない原因と、それぞれの原因に対する設定の変更などの対処法について詳しく解説します。

テザリングとはどのような機能のなのか、よく理解していないためにテザリングできないということもあります。まずはiPhoneでテザリングをするというのはどのようなことなのか、ということについてみていきましょう。

iPhoneでテザリングをするというのは、iPhoneをWi-Fiルーターにする機能のことです。通常、PCをインターネット接続するためには、接続業者とプロバイダーと契約をして、モデムを設置して、インターネット回線のケーブルを引いてもらう必要があります。モデムとPCはLANケーブルで接続する必要があります。

しかし、Wi-Fiルーターがあればインターネット回線のケーブルを引いたり、モデムを設置する必要がありません。データ通信の電波をキャッチできるところであれば、どこでもWi-Fiルーターがインターネットに接続できる電波をPCやタブレットに届けてくれます。

テザリングというのは、iPhoneにWi-Fiルーターと同じように、他のPCやタブレットとインターネット共有できるようにしてしまおうという機能です。iPhoneがキャッチしているデータ通信の電波を他の端末でも使えるようにすることで、Wi-Fiルーターやインターネット回線を引かなくても、いつでもどこでもインターネット接続が可能になります。

iPhoneでテザリングを設定するためには、iPhoneの設定から「インターネット共有」と表示されているところを設定します。まずはiPhoneの設定アプリを開きます。すると「インターネット共有」という項目があるのでそちらをタップします。

するとインターネット共有の設定画面に入れるので「インターネット共有」をオンにします。

すると、iPhoneからWi-Fiの電波を飛ばすことで接続できる「Wi-Fi接続」、Bluetooth接続で他の端末とインターネット共有する「Bluetooth接続」、ライトニングケーブルで接続することでインターネット共有する「USB接続」のどれでも利用できるようになります。

iPhoneのテザリングには、「Wi-Fi接続」と「Bluetooth接続」、「USB接続」の3つの接続方法があります。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。

Wi-Fi接続というのは、Wi-Fi通信の電波をiPhoneから出して、PCやタブレットの無線子機を経由して接続する方法です。ほぼWi-Fiルーターと同じ仕組みでテザリングする方法といってもいいでしょう。

使い方はWi-Fiルーターを使うときと同じように、パスワードを入力する必要があります。ただし、Wi-Fiの電波は周囲に解放されている状態なので、パスワードを盗まれてしまうとタダ乗りされる危険性があります。

Bluetooth接続というのは、iPhoneのBluetoothの機能を使って接続するものです。Apple WatchやイヤホンなどのBluetoothデバイスを使うときと同じように、タブレットやPCとペアリングしなければ利用することができないので、Wi-Fi接続と比べるとセキュリティ面では安心です。

しかし、電波が運べる通信容量は少ないので、大容量のファイルの送受信や、画像のダウンロード、動画の視聴などは厳しいかもしれません。

USB接続とはライトニングケーブルを使ってiPhoneをPCに接続することで、テザリングできるようにするものです。こちらもWi-Fiと違ってケーブルが接続されていることが条件になるので、セキュリティ面では安心です。

また、USB接続していると自動的にPCから充電されます。テザリングをしているとバッテリーの消耗が激しくなるので、PCがコンセントに接続できる環境であればバッテリーを心配せずに利用できるというメリットもあります。ただし、PCがバッテリーで駆動している場合には、PCのバッテリーの減りが早くなるので気を付けましょう。

iPhoneでのテザリングの設定方法は上記の通りですが、テザリングできないというときには次の8つの原因と対処するべきことが考えられます。
 

iPhoneでテザリングできないときの原因にはキャリアとの契約に不備がある場合があります。こちらではiPhoneを利用しているキャリアとのテザリングの契約についてみていきましょう。

iPhoneに限らず、テザリングに対応しているスマホでテザリングを利用しようと思ったら、スマホキャリアのテザリングオプションに加入しなくてはいけない場合があります。こちらではキャリアのテザリングオプションについてみていきましょう。

それぞれのスマホキャリアごとのテザリングオプションについてみていきましょう。

docomoと契約しているiPhoneでテザリングを利用する場合には、月額300円の「spモード」を契約する必要があります。「spモード」とは「@docomo.ne.jp」のメールサービスや支払いが便利になるコンテンツ決済サービスを利用できるサービスです。

iPhoneを契約するときには必ず「spモード」を契約することになっているので、docomoキャリアでのiPhoneユーザーはほぼ100%購入したその日からテザリングが利用できるはずです。ただし、データ通信料は別途必要になります。テザリングを利用すると、パケット使用量が大量になるのでパケット定額プランに加入した方がいいでしょう。

auで契約しているiPhoneの場合には、テザリングオプションに加入しなくてはいけません。auでのテザリングオプションは、加入している料金プランによってあらかじめ料金に組み込まれていたり、通常のキャリアの利用料金とは別に月額500円必要になることがあります。

ただし、auのキャリアのiPhoneでテザリングを利用する場合には、テザリングオプションの料金が無料になる場合でも、別途申し込みが必要になります。あなたがiPhoneで利用している料金プランがテザリングオプションが使えるものか、別途料金が必要なものか、申し込みが出ているかどうかは、auに問い合わせてみましょう。

スマホのキャリアにはSoftbankもあります。Softbankで契約しているiPhoneでテザリングを利用する場合も、テザリングオプションに加入する必要があります。テザリングオプションの料金は、加入している料金プランによって変わり、無料のプランもあればオプション料金が月額500円のプランもあります。

また、テザリングを利用するためには、データ通信量が多くなることからパケット定額サービスへ加入する必要があります。今、Softbankのスマホを使っていて、デザリングに対応している料金プランかどうか確認したり、テザリングオプションへの加入したりする方法については、Softbankに問い合わせてみましょう。

3大キャリアの他に、携帯電話のキャリアといえば格安SIMもあります。格安SIMを利用している場合には、どこの会社を利用していても、テザリングオプションへの加入は必要ありません。契約している月間高速データ通信容量の範囲で、高速データ通信でのテザリングが可能です。

高速データ通信を使いきった後は、月末まで通信速度が最大128kbpsの低速通信になる通信制限を受けてしまいます。PCやタブレットをテザリングするとデータ通信容量をかなり消費します。テザリングでスマホを利用する場合には、契約する通信容量をどのくらいにしたらいいのかよく考えて検討しましょう。

iPhoneでテザリングができないときには、iPhoneの設定に問題がある場合もあります。こちらではiPhoneでテザリングできない場合のiPhoneの対処法についてみていきましょう。

iPhoneでテザリングするためには、iPhoneの設定でインターネット共有をオンにしておく必要があります。iPhoneの設定アプリを開いて「インターネット共有」を見てみましょう。「インターネット共有」の表示が「オフ」だったらテザリングできない設定になっています。

iPhoneの「インターネット共有」が「オフ」になっていた場合には、「インターネット共有」をタップして「オン」に設定します。するとテザリングが使えるようになるはずです。

iPhoneでテザリングができないときには、iPhoneを機内モードにしている可能性もあります。機内モードにしているときには、iPhoneでは音声通話もデータ通信も一切の電波の送受信ができなくなるので、テザリングもできなくなります。

何らかの理由で機内モードに設定したのに解除するのを忘れていたとか、コントロールセンターで間違えて機内モードのボタンを押してしまった、ということもあります。iPhoneの設定かコントロールセンターを開いて、機内モードの表示がオンになっていないかどうか確認してみましょう。

iPhoneでテザリングできないときには、iPhone経由のテザリングを利用することでインターネット接続しようとしているPCやタブレットの側に原因がある場合もあります。こちらではPCやタブレットの方での確認方法についてみていきましょう。

USB接続でPCをiPhone経由でインターネット接続する場合には、iTunesを経由して接続します。iTunesのバージョンが古い場合には、テザリングでのインターネット共有ができないことがあります。最新版のiTunesがPCにインストールされているかどうか確認してみましょう。

iTunesのバージョンを確認する方法は、iTunesを開いて「ヘルプ」＞「iTunesについて」とクリックします。

するとこのようにiTunesのバージョンが記載された画面が出てきます。こちらで最新版かどうかを確認しましょう。

また、更新プログラムがある場合にはヘルプで「iTunesを更新」の表示があらわれます。こちらをクリックするとiTunesを最新版に更新できます。

PCやタブレットとiPhoneをWi-Fi接続する場合にはWi-Fiのパスワードを正確に入力しているか確認してみましょう。Wi-Fi接続でテザリングするときには、他の人に回線にタダ乗りされないようにするために、パスワードが必要になります。このパスワードを正確にPCやタブレットに入力していないとテザリングできません。

iPhoneの「インターネット共有」を開くと、Wi-Fi接続するときに利用するパスワードが表示されています。この表示されているパスワードを、PCやタブレットに正確に入力すると、Wi-Fi接続でテザリングができるようになります。

こちらのパスワードはタップすると変更することもできます。セキュリティ面で不安を感じたり、タダ乗りされている不安を感じたりした場合にはパスワードを変更して、あなたの大切な通信環境を守りましょう。

iPhoneをPCにライトニングケーブルで接続してテザリングするときには、ライトニングケーブルがしっかりと使えるものかどうかの確認も大切な対処法の一つです。ライトニングケーブルが断裂していて、しっかりと通信データをPCへ送受信できない場合や、充電専用でデータのやり取りができないケーブルを使っている場合には、USB接続でのテザリングはできません。

ライトニングケーブルにはAppleの純正品と純正品ではないものがあります。純正品を使っているのなら断裂などの物理的な問題意外に問題は起きません。純正品ではない場合には、充電はできてもデータ通信はできないライトニングケーブルもあります。

特に100均などで安く購入したケーブルの場合には、充電専用のケーブルもあるので注意しましょう。

iPhoneでテザリングができない場合には、ネットワーク環境を確認することも大切な対処法です。

まずはネットワーク環境が不安定になっていないかどうか確認してみましょう。iPhoneでのテザリングは、スマホキャリアと契約しているデータ通信を利用して行います。iPhone側の設定や機能、PCやタブレット側の設定や機能に何の問題もない場合でも、そもそもの通信回線が不安定になっていたら、テザリングもできなくなります。

iPhoneでテザリングができない場合には、そもそもiPhoneでしっかりと電波をキャッチできているかどうか確認しましょう。テザリングはスマホキャリアの通信回線を利用して行います。回線の電波をしっかりキャッチできていなければ、テザリングどころかiPhone本体のデータ通信もできなくなります。

iPhoneに表示されている電波の表示が3本以上、少なくとも2本以上表示されているかどうか確認しましょう。もしもキャリアのアンテナが近くにあるのに電波の表示が少ないときには、場所を移動するなどして、電波の表示が増える場所を探しましょう。

iPhoneでデータ通信をするよりも、PCやタブレットを利用する方がデータ通信容量は多くなります。同じWebページでも、スマホ法のページはシンプルにまとめられているのに対して、PC用のWebページの方が情報量が多く、デザインも凝っていることがほとんどです。

ということは、PCやタブレットでテザリング機能を利用してデータ通信量を使うと、iPhoneだけの場合よりも多く高速データ通信を利用することになります。高速データ通信の月間容量を使い切ってしまうと、通信制限を受けてしまい低速通信しか使えなくなります。

通常通信制限を受けた後の最大128kbpsという通信速度は、短文のテキストメッセージの送受信はストレスなく行える程度と言われています。LINEや短いメールのテキストメッセージのやり取り程度が問題なく行える速度です。

Webページで画像を表示したり、動画を視聴するのは無理だといっても通信速度です。iPhoneでテザリングを利用するときには、通信制限を受けないように、大手キャリアのパケット定額プランを利用するか、データ通信容量の多い格安SIMを選ぶようにしましょう。

iPhoneの側で何らかの理由でネットワーク環境に対して不具合が起きてしまっていることが原因のこともあります。iPhoneでのネットワーク環境の不具合を改善するための方法が、ネットワークの設定をリセットする方法です。

ネットワークの設定をリセットすることで、iPhoneの接続に関する不具合がリセットされて、接続できるようになる可能性もあるので試してみましょう。ネットワーク設定をリセットする方法は次の通りです。まずはiPhoneの設定から「一般」＞「リセット」と進みます。

「ネットワーク設定をリセット」をタップします。すると確認画面が表示されるのでもう一度「ネットワーク設定をリセット」をタップします。するとiPhoneのWi-FiとVPNの設定がリセットされます。再起動した後でもう一度ネットワーク環境の設定を行って、テザリングできるようになったかどうかを確認しましょう。

iPhoneでテザリングできないときには、次の3つの対処法も試してみましょう。

iPhoneでテザリングできないときの対処法には、iPhoneとPC、タブレットの再起動があります。デジタルデバイスでは再起動するだけで、不具合が解消されることがよくあります。その理由は、PCやスマホなどを長時間利用していると、何らかの理由で動作を妨げてしまうバグが発生するためです。

再起動すると、その機能を妨げるバグがリセットるために、うまく動作するようになるのです。テザリングができない場合も再起動で改善することがあります。iPhoneやPC、タブレットが何かおかしいと思ったら、まずは再起動して様子を見てみるといいでしょう。

iPhone5を使っている場合には、キャリアのバージョンを確認してみましょう。キャリアのバージョンとは、iPhoneの機能以外に、スマホキャリアが追加する機能の留守電やメッセージといった機能を使えるようにするために、docomoやau、Softbankがそれぞれの回線を使っているユーザーに配布しているプログラムのことです。

iPhone5では特に最新版のキャリアのバージョンになっていないと、テザリングができないことがあります。キャリアのバージョンの更新情報がないかどうか確認してみましょう。確認方法は、iPhoneの設定を開いて「一般」＞「情報」と進みます。

iPhone5の場合には、キャリアのバージョンの更新情報があれば「情報」を開くとアップデート情報が表示されます。アップデート情報が表示されたらアップデートしましょう。

この記事ではiPhoneでテザリングできないときの対処法について詳しく見てきました。タブレットの中にはSIMカードを入れることができるものもあります。PCにもSIMカードを入れて、データ通信が利用できるモバイルノートも徐々に増えてきました。しかし、まだまだスマホ以外のデバイスでデータ通信の機能を利用するのは一般的ではありません。

このような現状では、iPhoneのテザリング機能でネットワーク接続に対処できるのはとても便利です。テザリングできないときの原因は、ちょっとした設定ミスなどの場合がほとんどです。ぜひテザリングできないときでも慌てずに、やるべき対処法を試してみて、テザリング接続の便利さをもっともっと活用しましょう。