iPadをMacのサブディスプレイにできるSidecarとは?使い方や対応機種を解説!
iPadをMacのサブディスプレイにできるSidecarの使い方について解説します。iPadをサブディスプレイにすることによって、iPadとMacの利用方法が進化します。Sidecarは今年の秋にリリースが予定されている最新macOSに搭載される予定です。
目次
- 1iPadがMacのサブディスプレイ化できるSidecarって何?
- ・macOS Catalina(カタリナ)誕生
- ・CatalinaでSidecar使用可能に
- 2iPadのサブディスプレイ化できるSidecarのMac対応機種は?
- ・iPadの機種を確認する
- ・Mac MacBook(Air,Pro)の機種を確認する
- 3iPadのサブディスプレイ化ができるSidecarの設定・接続方法
- ・MacでSidecarを設定・接続の仕方
- ・MacでSidecarをカスタマイズでより利便性を高める
- ・iPadでSidecarを設定・接続の方法
- 4iPadのサブディスプレイ化ができるSidecarの使い方
- ・iPadが拡張デスクトップになる(サブディスプレイ化)
- ・iPadがミラーリング可能
- ・Touch Barが使用可能
- ・SidecarによってiPadを"液晶ペンタブ化"する
- 5iPadをSidecarでサブディスプレイ化すれば仕事効率アップ
iPadがMacのサブディスプレイ化できるSidecarって何?
これまで、iPadをMacのサブディスプレイとして利用する方法は数多く紹介されてきましたが、全てサードパーティー(第三者サービス)による専用アプリ・デバイスの提供であったり、既存システムの応用・工夫であったりしました。
しかし、このたび、iPadをMacのサブディスプレイ化できるツールをAppleが正式に発表しました。ツール名は「Sidecar」といいます。
「Sidecar」は、最新macOSの標準機能としてデビューします。ツールを提供しているApple側のイメージは、Macをオペレーションサイドとして、iPadを液晶タブレット(ペンタブレット)として利用するようなコラボイメージを想定しています。
Mac側をキーボードで、iPadをApple Pencilで操作するという使い分けができると仕事効率がアップするという新しいワークスタイルの提案です。
macOS Catalina(カタリナ)誕生
2019年6月、Appleより「最新macOSを2019年9月にリリースする」ことが発表されました。最新macOSの名称は「Catalina(カタリナ)」といいます。「Catalina(カタリナ)」では、いくつかのシステム変更と新機能が搭載されることが発表されていますが、その一環の新機能としてサービス提供されるのが「Sidecar」です。
「Catalina(カタリナ)」では、MacとiPadの連携強化が1つのテーマとなっています。iPadのアプリがMacへ容易に移植できるようになり、コンテンツの移動もドラッグ&ドロップで簡単に行えるようになります。
iPadのアプリがMacの大画面で利用できるようになることで、MacとiPadのお互いの利用価値を高め、合わせてアプリの需要も高める相乗効果を期待したプロモーションと考えられます。
FinderでiPadとの同期を管理
「Catalina(カタリナ)」では、iPhone・iPad・iPodなどのAppleスマートデバイスとの同期機能が大きく打ち出され、MacとこれらAppleスマートデバイスとの同期管理はmacOSの標準ファイラー「Finder」で行うことになります。
iTunesが廃止
また、長年、Appleデバイスの音楽・映像コンテンツの窓口として利用されてきた「iTunes」が廃止され、「ミュージックアプリ・Apple TVアプリ・Apple Podcastsアプリ」の3つの目的別アプリに機能が分割・継承されます。
Macにスクリーンタイムを導入
iOS 12よりAppleスマートデバイス(iPhone・iPadなど)に導入されている「スクリーンタイム」が「Catalina(カタリナ)」にも取り入れられます。
「スクリーンタイム」は、デバイス全体のパフォーマンス・バッテリー消費の状況・機能制限などを管理します。各アプリの利用時間の把握や、不要機能のオフ設定によるバッテリー節約などに活用できます。また、未成年が使用するデバイスに利用可能機能の制限を加えることもできます。
CatalinaでSidecar使用可能に
「Catalina(カタリナ)」の標準機能「Sidecar」を使用してiPadをサブディスプレイ化することで、「MacとiPadのコラボ操作」という、いままでにないカスタムオペレーションが生まれることになりました。
MacとiPadで同じコンテンツを表示させて、複数のユーザーでコンテンツ体験を共有するという使い方はもちろん可能です。
それに加えて、Mac側で閲覧していたPDFをiPad側に移してApple Pencilを使って手書きでメモ・作図を加えたり、iPadで作成したイラストをMac側に移してドキュメント(文書)ファイルに挿入したりできるので、整理されたワークフローが可能になります。
Mac側で取り扱いにくい文書・画像・PDFファイルを、iPad側に移してジェスチャー(指動作)による拡大・縮小・スワイプで操作したら、簡単に取り扱えたという使い分けもできるでしょう。
iPadのサブディスプレイ化できるSidecarのMac対応機種は?
次に、「Sidecar」の「iPadをサブディスプレイ化する機能」を利用できる、iPad・Macのそれぞれの対応機種についてレビューします。
iPadの機種を確認する
「Catalina(カタリナ)」や「Sidecar」のリリースに伴い、iPadのOSもこれまでのiOSから独立したiPadOSに切り替わることが発表されました。iPadOSはiOSの構造を基本としながらも、iPadの大画面パフォーマンスをより機能的に活用・管理する方向で進化していく予定です。
「Sidecar」へのiPad対応機種の条件は、このiPadOSの対応機種ということになります。iPadOSの対応機種は、iPad Proの全モデル・iPadの第5世代以降・iPad mini 4以降・iPad Air 2以降となりますが、詳細な機種を挙げると以下になります。
- 12.9インチiPad Pro
- 11インチiPad Pro
- 10.5インチiPad Pro
- 9.7インチiPad Pro
- iPad 第6世代
- iPad 第5世代
- iPad Mini 第5世代
- iPad Mini 第4世代
- iPad Air 第3世代
- iPad Air 第2世代
Mac MacBook(Air,Pro)の機種を確認する
次に、Mac側の対応機種ですが、「Catalina(カタリナ)」正式リリース前の現時点(2019年9月)では、以下の6機種に限定されるという情報が有力ですが、「Catalina(カタリナ)」正式リリース時に多少調整が入る可能性があります。いずれにしても、「Catalina(カタリナ)」をインストールしていることが大前提になります。
- iMac 27-inch (Late 2015年モデル以降)
- MacBook Pro (2016年モデル以降)
- Mac mini (2018年モデル)
- Mac Pro (2019年モデル)
- MacBook Air (2018年モデル)
- MacBook (Early 2016年モデル以降)
iPadのサブディスプレイ化ができるSidecarの設定・接続方法
次に、iPadをサブディスプレイ化できる「Sidecar」の設定・接続方法についてレビューします。
MacでSidecarを設定・接続の仕方
Macで「Sidecar」を設定して、iPadに接続する方法は簡単です。
まず、事前準備・確認として、Mac・iPadの両方でiCloudアカウントにログインしておきましょう。ログインしているiCloudアカウントは同じアカウントである必要があります。
次に、Mac・iPadを接続します。有線・無線、どちらでも接続できます。無線の場合はBluetoothで接続します。デバイス間の有効距離は10mです。
事前準備が終ったらMacで設定を行います。「システム環境設定」→「Sidecar」まで進み、表示された画面の「Connect to :」の表示の下にある接続デバイスを選択するプルダウンメニューで「iPad」を選択します。
MacでSidecarをカスタマイズでより利便性を高める
Macで「システム環境設定」→「Sidecar」まで進んで表示される「Sidecar」の設定画面では、「Sidecar」の各種機能の設定をチェックボックスでカスタマイズできます。
「Sidecar」では、サブディスプレイ化したiPadに仮想Touch Barである「サイドバー」を表示できる機能があります。この「サイドバー」表示のオン・オフ設定と、表示場所(iPadの画面上の上下)を選べます。
また、Apple Pencilの設定としてダブルタップの有効・無効などの設定を行えます。
iPadでSidecarを設定・接続の方法
上記の設定を行っていれば、iPad側で特に行う設定はありません。Macと同じiCloudアカウントでログインして、Macと有線もしくは無線で接続していれば、その後の設定はMac側で行います。
iPadのサブディスプレイ化ができるSidecarの使い方
次に、iPadをサブディスプレイ化できる「Sidecar」の使い方についてレビューします。
iPadが拡張デスクトップになる(サブディスプレイ化)
「Sidecar」の使い方として、まず挙げられるのが、iPadを拡張デスクトップとして機能させられる点です。iPadのサブディスプレイ化は、Macが持つ機能を最大限に生かし、iPadの潜在能力を発掘する良いきっかけになるかもしれません。iPadのサブディスプレイ化に関しては、今後新しい活用方法が数多くレビューされるでしょう。
MacBookとiPadを一緒に持ち歩けば、いつでもマルチディスプレイの環境を活用できることになるので、出張先でのMacの活躍の幅が広がります。
iPadがミラーリング可能
次に「Sidecar」の使い方として挙げるのが、iPadの画面をMacの画面に映し出す「ミラーリング」機能です。「ミラーリング」に関しては、これまでサードパーティー(第三者サービス)によるアプリなどを利用した方法がいくつか紹介されていましたが、それぞれ一長一短がありました。
今回、開発元のAppleから正式に専用ツールが発表されたので、今後は「Sidecar」への一元化・スタンダード化が進むでしょう。
Touch Barが使用可能
もう1つ、「Sidecar」の便利な使い方・機能として挙げるのが、iPadを仮想Touch Barとして活用できるというものです。
Touch Barとは、MacBook Proに標準で搭載されている機能で、通常ファンクションキーが並んでいるキーボード上部の列にサブディスプレイ・タッチパネルのような機能を持たせ、ファンクションキー以外にも便利なコマンドボタンを表示させて、更にMacの操作性を向上させています。
これまで、このTouch BarはMacBook Proでしか利用できない機能でしたが、今回「Sidecar」でiPadをサブディスプレイ化するにあたって、iPadにTouch Barと同様の機能を持つ「コントロールバー」を表示できるようになるため、Touch Bar非搭載モデルのMacでもTouch Barと同様の機能を利用できるようになります。
SidecarによってiPadを"液晶ペンタブ化"する
「Sidecar」によってiPadをサブディスプレイ化すると、利用できる画面が増えることになりますが、iPadの画面はタッチパネルとしての機能を持ち合わせているので、iPad画面を液晶タブレット(ペンタブレット)として、Mac画面をキーボードを使用した管理・編集サイドとして使い分けるという活用の仕方があります。
特に、作画と文字の打ち込みの両方を並行して行わなくてはいけない作業があるユーザーには、重宝するはずです。
iPadをSidecarでサブディスプレイ化すれば仕事効率アップ
iPadをSidecarでサブディスプレイ化して、仕事効率をアップしましょう。iPadのサブディスプレイ化は様々な可能性を秘めています。ミラーリング機能を使って複数のスタッフと画面共有することで同じコンテンツ体験・作業を同時に行えます。
また、サブディスプレイ化したiPadを液晶タブレット(ペンタブレット)として機能させることで、MacとiPadの作業時のすみ分けができるので、作業ファイルを両デバイス間で行き来させながら、最も効率の良い作業方法で作業を進められます。
手書きメモ・作画のような作業はiPadで、文字入力・キーボード操作による管理作業はMacで行うという、新しいコラボワークスタイルがあなたの作業効率を更に向上させるでしょう。