チャットツールでは、強調したい部分や引用部分の処理が難しい場合があります。しかしSlackでは、太字や取り消し線、引用部分や簡単なプログラムコードを文字装飾できるのです。今回は、Slackでの太字や取り消し線、引用やインラインコードの装飾方法をお教えします。
写真なども送られるとはいえ、シンプルなテキストチャットではどうしても伝えたいことが伝えきれない感覚がついて回ります。そのために絵文字や顔文字、スタンプなどを併用するわけですが、これらの要素はビジネスチャットツールには使いにくいのが現状です。
その代わりにSlackでは、簡単な記号を入力したり、ショートカットキーを利用したりすることで、チャットのテキストに装飾を施せるようにしています。
Slackでは、太字、斜体、取り消し線、インラインコード、引用、リスト表示など、多くの文字装飾が可能です。
特に、強調したい部分に使う太字や、相手の言葉やサイトなどからの引用文に使える引用機能、簡単に箇条書きが記せるリスト機能はすこぶる便利ですので、どんどん使っていきたいところです。
Slackの文字装飾の方法は、範囲を指定してショートカットキーで書式を指定する方法と、太字などの文字装飾を施したい部分の(主に)前後に「*」や「_」などの特定の記号を入力する方法の2種類があります。
後者は、簡単に文字装飾を施すための簡易マークアップ言語と言われるMarkdown書式に準拠しているので、SlackがIT関係の分野で普及した理由のひとつでもありますが、そちらに慣れているIT畑の人には習得の手間もかかりません。また、そうでない人であっても数個の表記方法を覚えるだけで、すぐに使えるようになります。
Slackでは、3文字以上入力すると、入力欄の右下に文字装飾用の4種類の記号が表示されます。
またSlackでの手入力による文字装飾はかなり日本語入力に対応しており、全角記号でも対応できるものがほとんどです。
ただし、元が英語用に作られているSlackであるため、ものによっては半角でなければ反応しなかったり、前後に半角スペースが必要だったり、英語キーボードでなら打ちやすいけれども日本語キーボードでは打ちにくい記号だったりします。
全角記号で送信したコミュニケーションが思ったように表示されない場合は、すぐに送信したコミュニケーションをコピーした上で削除して、あらためて送信欄に貼り付けた後、半角の記号を使い、前後に半角スペースを空けて、再送信してください。
文章で強調したい部分に施す太字処理は、Slackのコミュニケーションでもっとも多用する文字装飾です。
太字にしたい部分の前後を”*”(アスタリスク)で囲めば太字になります。全角の”*”で問題はないはずですが、場合によっては半角の”*”を使い、かつ前後に半角スペースを空けないとうまくいかないこともあります。
これはSlackが本来は英文用のため、単語が半角スペースで分かたれているのが前提で設計されているためで、この手のツールでは全角記号が使えて、しかも多くの場合は半角スペースなしで強調表現ができるSlackはかなり本気で日本のマーケットを取りに来ていることがうかがえます。
日本語ではあまり利用しませんが、欧米諸国では斜体(正確にはイタリック体)は強調表現や本の題名などを表記する場合に用いられるため、英文でやりとりするSlackではよく使われる文字装飾です。
こちらも斜体にしたい部分を”_”(アンダーバー)で囲めば斜体になります。全角の”_”で問題はないはずですが、場合によっては半角の”_”を使い、かつ前後に半角スペースを空けないとうまくいかないこともあります。
太字などと同時に利用して、太字でなおかつ斜体などという使い方もできます。
取り消し線を使って訂正するくらいなら送信したコミュニケーションを削除したほうが早いのですが、それでもあえて間違えた個所を明記して訂正したい場合などに使う文字装飾です。
訂正のために取り消し線を施したい部分を、半角の”~”(チルダ)で括り、前後に半角スペースを空ければ取り消し線がかかります。全角の”〜”には対応していませんが、全角”〜”は日本語では普通に文中で使われるため、妥当なSlackの対応と言えます。
さもないと『博士の異常な愛情〜または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか〜』などというタイトルの後半部分が打ち消し線で消されて訂正状態になったり、(ビジネスチャットではあまりないでしょうが)「え〜、どうしよ〜」などというコミュニケーションが「え」以外取り消し線で訂正されたりして困ることになります。
太字などと同時に利用して、太字でなおかつ取り消し線で訂正などという使い方もできます。
Slackでは、引用したい部分の行頭に”>”(不等号)を付ければ引用処理されます。半角の”>”でも問題ありませんが、必ず行頭に付ける必要があります。文の途中から引用処理したい、という場合には使えませんので注意してください。
太字などと同時に利用することで、引用中に太字や取り消し線による訂正を使うこともできます。
Slackで単数行ではなく、このあとすべての文章を引用扱いしたい場合には、行頭に”>>>”と不等号を3つ並べればそのあとすべての文が引用処理されます。あくまで「そのあとすべての文」が対象であることに注意してください。引用処理を途中で外すことはできません。
何行も続く文を引用処理して、そのあとに元の文章に戻したい場合には、途中の引用部分の行頭すべてに”>”を付ける必要があります。
単数行の引用と同様、太字などと同時に利用して引用中に太字や取り消し線を使った訂正などを使うこともできます。
簡単なプログラムのコードやキーボードショートカットなどを伝えるのに使うのがインラインコードです。Slackでは「囲み+赤字+灰色背景」という形で処理されるため、太字よりも強い、赤字+囲みの強調表現として使う人もいます。
Slackでは、インラインコードにしたい部分を”`”(バッククォート。日本語キーボードでは”Shift+@”)で囲めばインラインコードになります。全角の”`”で問題はないはずですが、場合によっては半角の”`”を使い、かつ前後に半角スペースを空けないとうまくいかないこともあります。
またインラインコードは、コードそれ自体を表記するためのものなので、インラインコードの中で太字や斜体などの文字装飾を施そうとしても、実際の”*”や”_”が表記されてしまいます。
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