iPhoneのバックアップがないと、機種変更や故障・紛失の際に写真や重要なデータを失いかねません。それを避けるには、iCloudやiTunesを使ってバックアップを取らねばなりませんが、PCがない場合はiCloudでのiPhoneバックアップの一択となります。
公私にわたって便利に使われるiPhoneですが、それだけに紛失したり故障したりすると、データの復元に苦労するのは仕方がありません。その苦労は機種変更のときでも同じです。データがクラウドに保存されるタイプのアプリなら、アプリを再インストールしてログインすれば保存されたデータにアクセスできますが、そうでない場合は悲惨なことになります。
そんな悲惨な事態を避けるために欠かせないのがバックアップです。iCloud、もしくはiTunesでiPhoneのバックアップを取っておくことで、iPhoneのデータを確実に保存でき、紛失・故障・機種変更の際にも問題なくデータを移行させられます。
それでは、iTunesとiCloudのどちらでiPhoneのバックアップを取っておくべきかと気になる方もおいででしょう。答えは「両方で取る」です。バックアップは二重三重に取っておいて、はじめて安全になるものです。PCをお持ちでない場合は仕方ありませんが、そうでないならiTunesとiCloudの両方でバックアップを取るように心がけてください。
iCloudでのiPhoneバックアップは十分に機種変更などの場合に役立ってくれます。この方法には以下の特徴があります。
iCloudでは無料で使える容量は5GBしかありません。iPhoneの中身をバックアップする場合、写真や動画、音楽やアプリ内のデータまでをバックアップしようとすると5GB程度の容量では到底足りなくなります。そのため、重要なデータのみをバックアップするか、仕方なく有料プランを利用するかを選ばなければなりません。
有料プランを利用する場合については、のちほど「iCloudでiPhoneのバックアップをとる際の注意点」の章の「容量を追加する」の項で詳しく説明します。
iCloudによるiPhoneのバックアップの仕方では、以下のデータを除き、iPhone上のほとんどすべてのデータ、および設定情報がバックアップできます。除かれるデータは以下の通りです。
もちろんiTunesでのiPhoneバックアップも機種変更などの際には心強い味方になってくれます。半面、iCloudによるバックアップとは対照的な以下の特徴があります。
iTunesでのiPhoneバックアップの場合には、保存容量は接続するPCのストレッチの空き容量にかかってきます。デスクトップPCであれば32GB〜512GBのiPhoneの完全バックアップを取るのも問題ないでしょうが、ノートPCでは多くの場合iPhoneのバックアップをとるだけのストレージ容量は用意できません。
2019年3月現在のiTunesは、アプリなどについてはバックアップせずに、復元時に再インストールするようになっており、その分バックアップの容量が小さくなっています。しかしそれでも大容量のiPhoneの場合はノートPCではストレージの容量が足りないのが実情です。
外付けのHDD・SSDを用意して、そちらにiPhoneのバックアップを取ることも可能ではありますが、それには非常に手間がかかります。そのためノートPCの場合は仕方なくiCloudでのバックアップに移行するというのが現在の状況です。
iTunesによるiPhoneのバックアップの仕方では、以下のデータを除き、iPhone上のほとんどすべてのデータ、および設定情報がバックアップできます。除かれるデータは以下の通りです。
こちらも「iCloudミュージックライブラリやApp Storeで入手したコンテンツ」は、アーティストが不祥事を起こして消されてしまうと、再入手は不可能になるので、CDに焼くなりPC上にダウンロードしておく必要があります。
前項の「iTunesでバックアップする」-「保存できるデータ」で触れたように、アクティビティ、ヘルスケア、キーチェーンといった個人情報の塊については、iTunes でバックアップを取る際に暗号化しなければなりません。
iTunesでのiPhoneバックアップを暗号化することで、アクティビティ、ヘルスケア、キーチェーンのデータのみならず、SafariのWebサイトの履歴やWi-Fi設定なども、機種変更や新規購入でiPhoneを入手した場合に復元が可能となります。引き継ぎの楽さが段違いなので、iTunesでバックアップする場合には必ず暗号化するようにしてください。
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