外出中や出先に赴いた際に、iPhoneやiPadでExcel(エクセル)データを、確認したり修正したりできるのはすこぶる便利です。しかし、それが無料でできることは意外に知られていません。そこで本記事ではiPadでのExcel(エクセル)の使い方をお教えします。
iPadで使えるMicrosoft Office for iOSアプリは、Excel(エクセル)だけではありません。WordやPowerPoint、Outlook、OneNoteといったOfficeで良く使うアプリはもちろん、以下の各アプリがOffice for iOSとして提供されています。
OneDrive……オンラインストレージ
Skype……ファイル共有機能も備えた音声・ビデオ通話アプリ
Office Lens……ホワイトボードや書類の写真のゆがみを取り除き文字認識して、OneDriveや写真アプリなどで共有できる画像アプリ
Yammer……企業内での情報共有のためのSNSサービス
Delve……Office上でのデータ共有・検索ツール
Teams……Officeアプリと連携するタブ機能付きのビジネスチャットツール
Microsoft Officeは、一般にWindowsやmacOSで利用されていますが、上にも記したようにAndroidやiOSにもアプリが用意されています。したがって、iPhoneや無印iPadからiPad Proまでの各種iPad、それにiPodでもExcel(エクセル)を始めとするMicrosoft Officeが使用できます。
また、Office 365とOffice 2019は、Safari、Chrome、Firefox、そして当然のことながらMicrosoft Edgeの最新バージョンでも利用できます。ブラウザからで良ければ、Linuxでの使用も可能です。
上に記したように、Office for iOSの各種アプリをインストールさえすれば、Excel(エクセル)などのOfficeデータが、すぐに無料で閲覧可能となります。しかし、その段階ではOfficeのデータを編集したり作成したりはできません。編集・作成といった使い方をフルに行うためには、Microsoftアカウントが必要です。
Microsoftアカウントは、専用のoutlook.comのメールアドレスを取得してもOKですし、Gmailなどのメールアドレスを充てることも可能です。どちらも無料で設定できますが、Xboxユーザーだったり、マインクラフトをプレイしたりしていると、すでにMicrosoftアカウントを持っている場合がありますので、その場合はそちらを利用してください。
iPadでも無料でExcel(エクセル)などが使えます。しかし、残念ながらExcelなどのすべての機能が使えるわけではありません。Excelなら「グラフの追加や編集」「ピポットテーブルのスタイルやレイアウトのカスタマイズ」「図形機能への作成した色の追加」「ワードアートの利用」「画像への影や反射スタイルの追加」ができません。
同様に、WordやPowerPointなどでも、Office for iOSの無料利用では使えない機能があります。Excelの場合は、基本の関数機能などはすべて利用できるので、無料版でも十分に使い物になりますが、グラフを追加できないのは文書の見栄えの面で少々問題ですし、場合によってはピポットテーブルのスタイルを変えられないと見づらくて困る場合もあります。
そしてなにより問題なのは、無料版では商用利用が許可されていないことです。商用利用といってもこのExcelデータを販売するわけではないから大丈夫、と思ったら大間違いです。会社の仕事で使うのであれば、そのiPadが会社のものであろうが個人のものであろうが、立派な商用利用です。
こうした機能を使えるようにしたり、商用利用を可能にしたりするには、会社でまとめてOffice365に加入するか、個人でOffice365に加入しなければなりません。個人向けのOffice 365 Soloであっても、無料版では利用できない機能や商業利用が可能になります。安心してExcel(エクセル)の全機能を使え、商業利用もできるようになるわけです。
機能面と商業利用の面で無料できないOffice for iOSのことをお伝えしましたが、それ以外にもiPad上で無料ではOfficeを使えない場面があります。
Microsoftでは、Officeアプリの無料使用を10.1インチ以下の機種に限って許可しています。逆に言えば、10.1インチを超える機種でExcel(エクセル)を始めとするOffice for iOSを使う以上、マジなのだろうからちゃんとお金を払うべき、と言っているわけです。画面の大小である程度使い方を指定していることになります。
iPadの現行モデルの場合、10.1インチを超える機種には、iPad Pro 12.9インチ、iPad Pro 11インチ、iPad Airが相当します。これらの機種ではExcel(エクセル)を始めとするOffice for iOSを無料使用できません。Proを名乗る以上商業利用すると見なされても仕方がないiPad Proはともかく、10.5インチのiPad Airで無料使用できないのは残念です。
逆に、無印のiPadとiPad mini、それにiPhoneやiPodはOffice for iOSの無料使用が可能です。商業利用しない範囲で、存分に無料使用してください。
Androidの場合も、10.1インチを超える機種ではExcel(エクセル)を始めとするAndroid版Officeアプリを無料使用できません。Androidタブレットではあまり大型のものが話題になりませんので、ほとんどの人には縁がありませんが、大型のAndroidタブレットをお持ち、もしくはこれから購入される方は、使い方に注意が必要です。
Windowsにおいても、10.1インチを超える機種ではExcel(エクセル)を始めとするOffice Mobile for Windows 10を無料使用できません。ただし、ディスプレイが10.1インチ以下であればタブレットやWindows Phoneに限らず、PCであってもOffice Mobile for Windows 10を無料で使うことができます。
フルセットのMicrosoft Officeに比べると若干機能が劣りますが、Office Mobile for Windows 10で十分な場面も少なくないので、小型PCをお持ちなら無料での使い方も考慮に入れることをおすすめします。
1 / 3
続きを読む