DNSレコードとは、人間の言語とパソコンの言語を結び付けてくれる重要なシステムの一部です。ここでは、DNSレコードの役割、複数あるDNSレコードの種類とそれぞれがもつ意味、そして書き方まで、DNSレコードにかかわるすべてを説明します。
DNSレコードとは、言葉通りに解釈すると「DNSを記録する」という意味になります。では、DNSとは何かというと、「IPアドレス」と「ドメイン名」を結びつけるシステムのことを指します。
どちらもネット上のどこに必要としている情報があるかを示すものですが、パソコン用に処理されたものがIPアドレス、人間に分かりやすく表示されているのがドメイン名と区別されています。
ネットが普及し、IPアドレスもドメイン名も膨大な量となっており、DNSの管理も煩雑になっています。DNSの管理を適切に早く行うために活用されているものがDNSレコードです。
ゾーンファイルとは、DNSサーバーがDNSを管理する際に使用しているファイルを指します。膨大な量となるDNSを管理するためには、DNSを管理する専用のサーバーが必要となります。それがDNSサーバーです。しかし、1台のDNSサーバーだけでは到底すべてのDNSを管理できないため、複数のDNSサーバーが分担してDNSを管理しています。
そのため、必要なDNSがどこにあるかを共有しておかなくてはなりません。そこで、活用されるのがゾーンファイルです。必要としているDNSがサーバー内のどこにあるか、どこのDNSサーバーが管理しているかといった情報が入っているファイルがゾーンファイルで、その中に入っているデータ1つ1つがDNSレコードと呼ばれます。
DNSレコードには、実に様々な情報が記されています。ドメイン名に対応するIPアドレスの情報以外に、ドメイン名を管理するゾーンファイルについての情報、そのドメイン名を管理しているDNSサーバーについての情報、ドメイン名の別名など、DNSを管理するためのあらゆる情報が記録されています。
DNSレコードで取り扱われる情報は多岐にわたります。書かれているDNSコードが何の情報を記しているものであるか、一目でわかるようにDNSレコードにはレコード種別というものが割り振られています。ここでは、DNSレコードでよく扱われる種別について説明します。
まず、DNSレコードの種類とその意味について説明します。主なDNSレコードは7種類あります。
DNSレコードの種類 | 意味 |
SOA | ゾーン(ドメイン)にかかわる情報を記載しており、様々な情報を保持しています。 ・ドメインのDNSサーバー名やドメイン管理者のメールアドレス ・情報が更新されているか判断するためのシリアル番号 ・更新間隔(refresh) ・転送再試行時間(retry) ・レコード有効時間(expire) ・キャッシュ有効時間(TTL) |
A | Addressの頭文字を取って名付けられたコードです。 ・ホストのIPアドレス |
AAAA | ホストのIPv6アドレス |
PTR | IPアドレスに対するドメイン名 |
CNAME | Canonical NAMEを略して名付けられたコードです。 ・ドメイン名の別名 |
MX | Mail Exchangeを略して名付けられたコードです。 ・ドメインのメールサーバー名 |
TXT | TEXTの略で名付けられたコードです。 ・ホストへのテキスト情報 |
DNSレコードの書き方が分かれば、自分でDNSを設定することも可能となります。ここでは、主に使われる7種類のDNSレコードの書き方について説明します。書き方の中で表示されているexampleの部分には、実際に使っている文字列を入力します。
種類 | 書き方 |
SOA | @ IN SOA dns.example.com. root.example.com. (2001112701 10800 3600 604800 86400) かっこの中に書かれている数字は以下の内容を示しています。 (シリアル番号/refresh/retry/expire/TTL) |
A | www.example. IN A 192.168.0.1 |
AAAA | www.example. IN AAAA fd00::1 |
PTR | 192.168.1.10 IN PTR www.example.com. |
CNAME | www.example1. IN CNAME backup1.example2.com. |
MX | (ドメイン名) IN MX 10 mail.example.com. |
TXT | www.example. IN TXT "Please Dont Touch Me" |
DNSレコードの種類と意味、書き方が理解出来たら、DNSレコードの編集が可能となります。DNSレコードの編集を自ら行うメリットとしては、独自ドメインを利用できるようになる、特定のメールアドレスのみ別のサーバーに設定できるようになる、などが挙げられます。
DNSレコードの編集ができればドメインの割り当てなど、様々なことができるようになります。しかし、DNSレコードの編集はパソコン上級者向けの操作であり、DNSレコードの編集においてミスがあった場合には、ドメインが正常に使用できなくなり、結果としてwebサイトへの接続やメール受信に影響が及ぶ可能性も出てきます。
興味本位で行わず、DNSレコードについてきちんと勉強してから編集を行うようにしましょう。
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