ヤフオク!出品中に英語で質問された時の対応方法！ナイジェリア詐欺には要注意！

ヤフオク!は日本で最も利用者の多いネットショッピングサイトです。海外で人気のあるeBayに似ています。ヤフオク!はYahoo!Japanを運営するソフトバンクが提供するネットショッピングサイトなので、ユーザーも安心して利用できます。ところが最近、多くの出品者からある苦情が寄せられるようになりました。

苦情の内容は、ヤフオク!で商品を出品中に、英語で質問があり、その後商品の発注をしたもののお金の振り込みがなかった、というものです。日本後のネットショッピングに英語で質問し、さらに詐欺を働いている声の主は誰なのでしょうか。

ヤフオク!を舞台にしたこの一連の詐欺事件は、「ナイジェリア詐欺」と呼ばれています。日本人の誠実さや人の良さにつけ込んだ憎むべき犯罪行為です。この犯罪が「ナイジェリア詐欺」と呼ばれている理由は一体何なのでしょうか。「ナイジェリア詐欺」には他にもどんな手法があるのでしょうか。

この犯罪行為に「ナイジェリア」という国名が付けられたのはなぜでしょうか。ナイジェリアはアフリカの国で、以前はイギリスの植民地でした。ですから今でも英語が国の公用語として話されています。ナイジェリアが一躍有名になったのは、1980年代にナイジェリアを中心に広まった国際的詐欺事件です。

ナイジェリア国内の刑法419条に抵触する犯罪であることから、「419事件」として知られるようになりました。「419事件」はその後欧米、日本に拡散し、現在では世界中で問題になっています。

「ナイジェリア詐欺」は現在国際問題に発展しています。2019年9月11日に、米国とナイジェリアの警察当局は、ナイジェリアで始まった一連のオンライン詐欺事件の容疑者281人を逮捕しました。米司法省によると、「ナイジェリア詐欺」によって被った損害額は2018年度だけで1400億円に上りました。この数字は前年の約2倍に相当します。

このように「ナイジェリア詐欺」は年々悪化の一途をたどっています。「ナイジェリア詐欺」の手法は主に4つあります。どんな方法でしょうか。

「ナイジェリア詐欺」の1つ目の手法は、マネーロンダリングです。手口は、ある国の政府高官、軍関係者、またはその親族と名乗る人物から秘密基金の海外送金のために口座を貸して欲しいという持ちかけがあります。メールアドレスは過去のビジネスの実績や勤め先を知る知人から入手したと偽ります。

多額の手数料を指定口座に振り込むと約束するものの、その後連絡を絶ち、姿をくらます、という手法です。

「ナイジェリア詐欺」の2つ目の手法は、貿易や取引を持ちかける方法です。手口は巧妙です、ウェブサイトで会社（貿易、取引業）のことを知ったとか、知人の紹介で知ったと嘘を言い、商談を持ちかけ、その後手数料や税金、弁護士費用と偽りお金を騙し取ったり、商品を盗もうとしたりします。

「ナイジェリア詐欺」の3つ目の手法は、オークション取引詐欺です。この手法に関しては、この記事の後半で詳しく説明します。日本だけでなく世界中で同様のオークション取引詐欺が、「ナイジェリア詐欺」グループによって画策され、多額の損害が及んでいることを考えると、対岸の火事ではないことが分かります。

「ナイジェリア詐欺」の4つ目の手法は、国際結婚詐欺です。手口は、SNSや出会い系サイトで知り合った欧米系の国籍を持つ人物から結婚を申し込まれ、結婚資金、親族への高価なプレゼントなどを要求され、その後姿をくらまします。女性心を踏みにじる許せない詐欺です。

ここからは、「ナイジェリア詐欺」に実際に遭遇したヤフオク!の出品者の経験をもとに、「ナイジェリア詐欺」の手口がどのようなものなのかを紹介します。

「ナイジェリア詐欺」の被害に遭ったり、あるいは「ナイジェリア詐欺」に遭遇したりしたヤフオク!の出品者たちによれば、「ナイジェリア詐欺」の手口は基本的にいつも同じ形を取るようです。どのようにヤフオク!出品者の懐に入り込み、詐欺を働くのか、6つのステップを検証します。

ヤフオク!の出品者たちを騙して商品を盗むために「ナイジェリア詐欺」グループが踏む最初のステップは、購入希望者のメールアドレスに連絡を入れることです。連絡内容は英語です。英語で商品に興味があること、具体的な買い取り価格の提示、などが伝えられます。

ヤフオク!の出品者たちを騙して商品を盗むために「ナイジェリア詐欺」グループが踏む2番目のステップは、発送したら連絡をするように催促されることです。からかっているわけではなく、本当に興味がある振りを出品者に見せます。

ヤフオク!の出品者たちを騙して商品を盗むために「ナイジェリア詐欺」グループが踏む3番目のステップは、出品者に入金先を伝えさせることです。ここまで来ると詐欺であるとは分かりにくいかもしれません。

ヤフオク!の出品者たちを騙して商品を盗むために「ナイジェリア詐欺」グループが踏む4番目のステップは、出品者のメールアドレスに入金完了の偽メールが海外の銀行から届くことです。商品の発送を促すために、海外の銀行から入金完了のメールが届きます。海外とは、アメリカだったり、カナダだったり様々です。お金の送り先はナイジェリアになっています。

海外の銀行なので、すべて英語ですが、出品者のメールアドレスに送られたメールの内容や完成度は海外の大手銀行のものとはほど遠く、明らかに偽メールであることが分かります。

ヤフオク!の出品者たちを騙して商品を盗むために「ナイジェリア詐欺」グループが踏む5番目のステップは、偽メール内容を信じた出品者に商品を発送させることです。メールの送り先が名のある海外の銀行で、なおかつ英語で記載されたメールの内容を100%理解できないことから、出品者は信用し、商品を発送してしまいす。こうなったらもう相手の思うつぼです。

ヤフオク!の出品者たちを騙して商品を盗むために「ナイジェリア詐欺」グループが踏む最後のステップは、商品を持ち逃げすることです。出品者が商品を発送し、1週間経っても入金されていないことが分かり、はじめて詐欺だったと分かります。

公正な取引の場を提供するはずのヤフオク!が、「ナイジェリア詐欺」の犯罪の舞台になってしまうことに憤りを感じますが、出品者として商品の発送をする前に、詐欺行為を未然に防ぐためにできる対応策はあるのでしょうか。これから今からできる対応策を紹介します。

ヤフオク!で英語の質問をされたときの対応策は、完全に無視することです。無視するとは、相手にしないことです。質問を無視すると、自分の顧客を含むヤフオク!閲覧者に知られ、出品者としてのイメージダウンに繋がるのでは、と心配かもしれません。しかし基本的に質問内容公開されることはありません。英語での質問はすべて無視すべきです。

その理由をこれから説明します。

英語での質問をすべて無視すべき理由には、ヤフオク!の利用規約が関係しています。ヤフオク!利用規約には、利用者が「日本語を理解し、読み書きができること」という項目があります。ですから英語でしか出品者と連絡が取れなければ、ヤフオク!の参加資格はないことになります。無視しても構いません。

無視しても自分の評判に影響が及ぶことはありません。

「ナイジェリア詐欺」グループは、ヤフオク!に出品されている高額商品に反応する傾向があります。出品者との交渉の際に購入額を引き上げることにより騙しやすくなり、また自国での販売の際に高値で売れるからです。たとえどんな商品に質問が来るとしても、英語の質問は無視するにかぎります。

「ナイジェリア詐欺」グループは英語で質問することがほとんどですが、時に日本語で質問することもあります。メールで対応をしていると、相手の返答がどこかおかしいことに気づきます。こちらの質問内容をしっかり理解できていないのでは、と感じる場合もあります。その場合「ナイジェリア詐欺」を疑うべきです。

メールでの対応で、日本語ではあるものの、「ナイジェリア詐欺」の可能性がある場合は、相手のヤフオク!の評価をチェックしてみましょう。評価点が高いようなら信頼できますが、非常に低ければ対応をやめるのが得策です。

ヤフオク!で英語で質問されたら無視するのが最善ですが、すでに相手側との対応を始めてしまった場合はどうすべきでしょうか。この記事の最後に、ヤフオク!で英語で質問されても被害に遭わないためにできることを考えます。4つの点を紹介します。

ヤフオク!で英語で質問されても被害に遭わないためにできる最初のことは、金融機関への確認は必ず行うことです。海外の金融機関から自分のメールアドレスにメールが届くと、緊張して確認を怠ることがあります。海外であろうと国内であろうと、商品を発送する前に、必ず金融機関のチェックを行いましょう。

ヤフオク!で英語で質問されても被害に遭わないためにできる2番目のことは、支払い完了メールを信用しないことです。自分のメールアドレスに送られる海外からの支払い完了メールを鵜呑みにしてはなりません。送信元の金融機関に、しっかりと確認を取り、偽メールでないことを確認する必要があります。

ヤフオク!で英語で質問されても被害に遭わないためにできる3番目のことは、入金の確認があるまで決して信じないことです。お金がどこから振り込まれたかは重要ではありません。重要なのは自分の指定した銀行口座にお金が振り込まれたかどうかです。「お金を払わなければ決して売らない」をモットーにしましょう。

ヤフオク!で英語で質問されても被害に遭わないためにできる4番目のことは、急かされても冷静に焦らず対応することです。自分のメールアドレスに送られるメールが英文であること、また海外の慣れない金融機関からメールが送信されたこと、さらに早く取引を終了させたいという気持ちの焦りすべては、冷静な判断を鈍らせます。落ち着いて冷静に対応しましょう。

ヤフオク!で英語で質問されたら必ず無視しましょう。ヤフオク!は日本語で行うオークション取引です。出品者も購入者も、日本語での対応ができなければ参加できない、という規約を覚えておきましょう。健全なオークション取引を食い物にする「ナイジェリア詐欺」に十分警戒し、英語で質問されたら必ず無視しましょう。