TikTokの音楽は著作権侵害で違法にはならない?動画保存できない対処法!
若い世代に人気の動画投稿アプリ「TikTok」で使用している音楽は、著作権を侵害しているものではないか、という意見が出ています。TikTokで使われる音楽が本当に違法なのか、そして著作権の制限で動画が保存できなくなった事情について調べました。
目次
- 1なぜ TikTokで音楽や曲を使うのは著作権侵害にならない?
- ・JASRAC内の楽曲と契約してる
- ・TikTokで使う楽曲は?
- ・基本無変更のCD音源は違法
- ・TikTokで海外の音楽を使う場合も著作権侵害には注意!
- ・TikTokの今の状態は違法?
- 2TikTok著作権の制限により動画が保存できない
- ・TikTokで動画が保存できない原因
- 3どうしてもTikTok動画を保存したいときは?
- ・TikTokの動画をメールで保存する
- 4最後の切り札!これで保存対策は万全!
- ・最高の動画保存ソフト5KPlayer!
- ・TikTokの動画を動画共有サイト経由で保存する
- 5TikTokの危険性
- ・TikTokで個人情報が流出してる?
- ・子供さんには気をつけて!危険がいっぱい!
- 6著作権侵害にならないようにTikTokを楽しもう!
- ・TikTokの記事が気になった方にはこちらもおすすめ!
なぜ TikTokで音楽や曲を使うのは著作権侵害にならない?
TikTokは、音楽に合わせて動画を撮影し投稿して楽しめる動画アプリです。アプリで使える音楽は最近のJ-POPだけでなく、懐かしのJ-POPのアレンジバージョンや、洋楽、リミックスなど多種類の曲がそろっており、動画に合わせて踊ったりアクションする動画が人気です。
ここで気になるのは、TikTokで使える音楽の著作権はきちんと利用手続きが行われているものか、違法な音源ではないのか、という点です。違法アップロードなど権利元に無許可で音楽を利用する事件が増えてきており、気にしている方も多いでしょう。
TikTokはサービス内で音楽が使用できるよう、きちんと利用許可を得ています。どのような手続きが行われているのか、契約の仕組みや音楽の利用方法について詳しく解説していきます。
JASRAC内の楽曲と契約してる
TikTokは、一般社団法人日本音楽著作権協会(通称:JASRAC)と音楽利用についての包括契約を結び、サービス内で自由に音楽を使える許諾を得ています。
JASRACとは、日本国内の音楽の権利者(作詞者・作曲者、音楽出版者など)から委託という形で音楽の権利を管理している団体です。管理している曲が使用された時の使用料を権利者に分配する業務も行っています。また、海外の権利関係会社と連携し、お互いの国の音楽を管理し合うことで、国内で海外の音楽を利用できるようにしています。
通常、JASRACで管理している音楽をインターネット上で使用する時は、JASRACにその曲の利用申請と利用料金の支払いをしなければなりません。しかし、この包括契約によって一連の利用手続きをTikTok側が一括で行うことにより、ユーザーは手続きをすることなく音楽を利用できる仕組みになっています。
ただし、JASRACは日本国内の全ての曲の著作権を管理しているわけではありません。JASRACで管理されていない曲をアップロードして使用すると、著作権侵害になります。使用したい曲がJASRAC管理の曲かどうか気になる方は、JASRACの作品データベースで検索してみるとよいでしょう。
TikTokで使う楽曲は?
TikTokに最初から内蔵されていて配信している曲は、JASRACで著作権を管理されていて、インターネット上での利用条件を満たしている曲です。ユーザーはTikTokで動画を撮影する時、この音楽は自由に使用できます。
また、TikTokは大手レコード会社であるユニバーサルミュージックやワーナーミュージック・グループ、そしてApple MusicやAWAといった音楽サブスクリプションサービス(定額音楽配信サービス)とパートナー・シップを結んでいます。
そのため、上記レコード会社からリリースしているアーティストの曲や、サービスで配信されている曲は安心して利用できる仕組みになっています。
基本無変更のCD音源は違法
TikTokで使用できる音楽には条件があり、CDや配信されている音源は使用できません。「原盤権」という権利が関係しているためです。
「原盤権」はそのCDや市販の配信音源を製作(録音)した人に発生する権利です。この権利は、原盤の製作者が原盤(CDや配信)の音源の使用についての可否を決める権利があります。原盤権はJASRACでは管理していないので包括契約の範囲に含まれていません。そのため、市販の音楽をアップロードするだけで著作権侵害になります。
例外として、先に述べたパートナー・シップを結んでいる会社の所属アーティストのオリジナル音源や、サブスクリプション配信されている曲のオリジナル音源は、原盤権を所有しているレコード会社などから許可を得ているので使用できます。TikTokが公式に配信している市販の音源はこのケースに当たります。
TikTok内で市販と同じ曲を使用したいと考えている人は、個人でのアップロードを控え、TikTokから正式に配信されている楽曲を利用するという方法が一番安全です。
自分自身でカバーして歌う場合はOK!
TikTokにはオリジナル音源をアップロードできませんが、アレンジ(二次加工)された場合であればアップロードして利用できます。なので、カラオケなどでカバーして歌った曲を動画に組み合わせて利用するのはOKです。
自分自身で演奏した音楽もOK!
上記のような自分でカバーして歌う場合と同様、自分で演奏した音楽をアップロードして使用するのもOKです。ただ、許可を得ずに編曲した場合は、下記のように著作権の侵害になりますのでご注意ください。
編曲・訳詞・替歌などについて
著作者・著作権者の許可なく編曲・訳詞・替歌など、作品を改変する行為は、著作者人格権(同一性保持権)および翻案権等の侵害となるおそれがありますのでご注意ください。
また、著作者の名誉・声望等を害するような方法で著作物を利用することも、著作者人格権の侵害行為とみなされますので、あわせてご注意ください。
TikTokで海外の音楽を使う場合も著作権侵害には注意!
TikTokには海外アーティストの楽曲も多く配信されています。リズミカルな曲も多いため、よく利用する人もいるのではないでしょうか。
パートナー・シップを結んでいるレコード会社が国際的に事業展開していることや、JASRACが海外の著作権管理団体とも連携していることから、日本国内の音楽と同様に海外の音楽もJASRACの包括契約の対象となって使用できる曲が多く存在します。そのため、TikTokでも国内の音楽と同様の点に気を付ければ利用できます。
しかし、海外の音楽を利用する時にも注意点があります。
JASRACに登録されてない海外楽曲は注意が必要
JASRACが権利を管理している国内で利用できる曲もありますが、管理の対象になっていない曲やアーティストも存在します。JASRACで管理されていない曲は包括契約の対象外となっているので、カバーした音源であってもTikTokで利用することはできません。
海外の音楽も国内の音楽と同様、TikTokから配信されている楽曲を使うことが一番安心できる利用方法です。
TikTokの今の状態は違法?
TikTokはJASRACなどとの契約により、許諾を得た楽曲を配信しているため、サービス自体は違法ではないと考えられます。しかし、サービス自体が違法ではなくても、配信されている曲が違法という可能性があります。
TikTok内の楽曲選択画面では、カテゴリー別に楽曲が表示されるようになっています。ここで問題になるのは、ユーザーがアップロードしたオリジナル曲が著作権を侵害しているものかどうか、判断しにくいという点です。
レコード会社やサブスクリプションサービスとパートナー・シップを結んでおり、著作権の利用手続きが行われて配信されている曲には、下記のようなマークの表示や、アーティスト名の記載があります。
しかし、ユーザーがアップロードした曲の場合、曲名は編集できますが、アーティスト名はアップロードしたユーザーの名前になってしまいます。そのため、その曲が市販の音源を使用しているものか、演奏したものなのか、自作したものか、判断がしづらくなっています。
また、アニメの台詞やワンシーンを真似した動画も投稿されています。JASRACは音楽の著作権のみを管理している団体で、アニメの台詞などの権利を管理している会社は別の会社です。TikTokは2019年1月現在、音楽に関しての契約のみしか行っていないので、アニメの台詞などを用いた場合は、権利会社に個別に許可を得ていない限り著作侵害になります。
このように、TikTok側がきちんと手続きをしているとはいえ、動画に使用している音楽が必ずしも違法なのもではないと言えないのが現状です。
著作権侵害には気をつけて
「TikTokに配信されていない曲を使用したい」という思いからのアップロードでも、正しい手続きが行われていない楽曲のアップロードは著作権侵害という立派な犯罪行為です。違法なアップロードは、サービスを提供しているTikTokの責任ではなく、ユーザー個人の責任として問われるのでご注意ください。
TikTok著作権の制限により動画が保存できない
TikTokは2018年8月頃から保存できない動画が増えています。試しに”ローカルに保存”を押すと、保存できない動画にはこのようなメッセージが表示されます。
以前までは多くの動画が保存できるようになっていましたが、どのような事情があるのでしょうか。
TikTokで動画が保存できない原因
TikTokで動画を保存するボタンが表示されず、動画を保存できないという場合は、投稿者が「自分の動画をダウンロードできる人」の範囲を制限していることが理由です。この設定は、登録しているユーザーであれば誰でも設定できます。自分のアカウントの設定は、以下の手順で確認できます。
1. アカウントページから”設定”をタップ
2. アカウントの項目にある”プライバシー設定”をタップ
3. ”自分の動画をダウンロードできる人”をタップ。ちなみに、現在の設定は文章の右側に表示されています
4. ”全員””互いにフォローしているユーザーのみ””オフ”の中から範囲を選択
著作権の権限で保存ができない?
”ローカルに保存”ボタンが薄いグレーになっていて、タップすると「楽曲の版権所持者のリクエストにより~」というメッセージが表示される場合は、楽曲の著作権が関係しています。パートナー・シップを結んでいる会社から配信されている曲、つまり市販と同一の曲は、ダウンロードできないように全てこのような措置が取られているようです。
確認したところ、ユーザーがアップロードしたと思われる音源については、ローカル保存が可能になっていました。しかし、市販の音源と同一のものらしき曲もあったので、ダウンロードする時はよく考えたほうがよいでしょう。
どうしてもTikTok動画を保存したいときは?
ローカルに保存できないTikTokの動画を保存したい場合、メールでシェアするという方法をとることにより、動画を保存できます。この方法はLINEを選択しても保存できる方法です。手順を見ていきましょう。
TikTokの動画をメールで保存する
TikTokの動画をメールで保存する時の手順をご紹介します。
1. 保存したい動画の右端に表示されている”シェア”ボタンをタップ
2. シェア先にある”Email”をタップ
3. 自分のスマートフォンにインストールしているアプリの一覧の中から、送信したいメールアプリをタップ
4. メールの送信画面に表示された動画データを保存する
最後の切り札!これで保存対策は万全!
ローカルへの保存やメールでの保存ができない、もしくはTikTokから動画が削除されてしまって保存できないという場合があります。しかし、TikTok内で動画が消えてしまっても、他の動画共有サイトに動画が投稿されていることもあります。
他の動画共有サイトでどうしても保存したい動画を見つけた時に使えるフリーソフトをご紹介します。
最高の動画保存ソフト5KPlayer!
5KPlayerは、DVDの再生、動画サイトに投稿されている動画のダウンロード、インターネットのラジオ再生などの機能が全て無料で使用できる、無料のPC専用フリーソフトです。
300以上の動画サイトに対応しているので、主要な動画共有サイトから簡単にダウンロードできることが特徴です。TicTokには対応していないものの、YouTubeやニコニコ動画に投稿されているTicTokの動画は保存できます。
TikTokの動画を動画共有サイト経由で保存する
保存したい動画を見つけてからの動画の保存方法を、YouTubeからダウンロードする場合を例に挙げてご説明します。
1. ”ダウンロードしたい動画のURL”をコピーする
2. 5KPlayerを開き、左側のメニューバーにある”YouTube”をクリック
3. ”URL解析をペースト”という文字の下の白枠内に、先ほどコピーした動画のURLをペーストする。その後、白枠の右側にある”虫眼鏡”アイコンをクリック
4. 動画の解析終了後、右側に表示される”ダウンロード”のアイコンをクリック
解析には数秒かかりますが、簡単な手順でダウンロードできます。
【注意点】
他の動画サイトに投稿されているTikTokの動画は、TikTokユーザーに無断で転載された違法動画の可能性もあります。その場合は違法ダウンロードとなってしまうのでご注意ください。また、保存した動画を投稿者の許可なく別サイトにアップロードすることも著作権の侵害となるので控えましょう。
TikTokの危険性
TikTokは誰でも利用できるアプリだからこその危険性があります。アプリを利用している人が多い今、危険に巻き込まれないように再度確認しましょう。
TikTokで個人情報が流出してる?
TikTokで動画を利用することで、個人情報が流出する可能性があります。どのような部分から流出する恐れがあるのでしょうか。
- 顔・容姿:顔を覚えられていしまい、知らない人に突然声をかけられる可能性があります
- 動画の風景:自宅近くなどで撮影すると地域がバレてしまう可能性があります
- ユーザー名やプロフィール:本名などを記入していると、他の個人情報も調べられてしまう可能性があります
個人情報は、1つ判明すると連鎖的に他の情報も判明してしまう危険性があります。「広告に取り上げてほしい」「顔を出して有名になりたい」等の理由がなければ、個人情報が分かるものはなるべく記入しない、動画に映さないということを意識しておくと、トラブルに巻き込まれる確率が低くなるでしょう。
子供さんには気をつけて!危険がいっぱい!
TikTokは13歳以上を対象としたサービスのため、中高生からも多く投稿されています。しかし、撮影した動画に映っている制服や周りの風景などで、通っている学校や住んでいる地域がばれてしまうこともあります。
他の動画投稿サービスなどでは実際に「住所や住んでいる地域を特定された」「知らない人から連絡がきた」といった事案が起きています。若い世代を中心に人気があるTikTokも、今後このような事態が起きる可能性が十分にあります。
お子さんがTikTokを使っているという保護者の方は十分注意しておくとよいでしょう。また、投稿するお子さんも、どうしてもという事情がない限りは、あまり個人が特定できる情報を動画に映さないよう、注意して撮影することをおすすめします。
著作権侵害にならないようにTikTokを楽しもう!
TikTokは、短い時間の中でさまざまな音楽を用いてオリジナル動画を作成できる魅力的なサービスです。しかし音楽にも映像にも著作権が存在しており、著作物や著作者の権利を守り、正しい形で使用されるように定められた法律です。決まりを守った上で楽しく利用できるよう、使い方について一度考えてみましょう。