メールのTO/CC/BCCの違いや使い分けは?ビジネスシーンでの使い方を解説!

Eメールの送信フォームには、TO・CC・BCCという3つのメールアドレス入力欄があります。それぞれの意味を正確に理解せずにメールを送信していると、後でトラブルの原因になりかねません。TO・CC・BCCの違いや具体的な使い分け方をわかりやすくまとめました。

メールのTO/CC/BCCの違いや使い分けは?ビジネスシーンでの使い方を解説!のイメージ

目次

  1. 1メールのTO・CC・BCCとは何を意味するの?
  2. TOとはメールの宛先
  3. CCとはメールのカーボンコピー(写し)
  4. BCCとはメールのブラインドカーボンコピー(秘密の写し)
  5. 受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較
  6. 2メールの宛先であるTOの使い方
  7. TOでも複数の宛先を指定できる
  8. 3メールのカーボンコピーであるCCの使い方
  9. CCであることを明確にする
  10. 4メールのブラインドカーボンコピーであるBCCの使い方
  11. CCと違い送信相手に知られずに送れる
  12. 返信先に含まれない
  13. 5ビジネスでメール配信する時のCCとBCCの使い分け方と注意点
  14. ビジネスメールのTO・CC・BCCの上手な使い分け方
  15. プロバイダやキャリアによってブロックされる可能性
  16. 量次第ではサーバーに影響がでて遅延が発生するかも
  17. 間違えてCCしてメールアドレスが流出するリスク
  18. 6メール送付時にはTO・CC・BCCの使い分けが大事

メールのTO・CC・BCCとは何を意味するの?

インターネットを経由してテキスト・画像・動画データなどを送受信できるEメールは、SNSが普及している現代でもなお重要な情報伝達ツールの一つです。

特に、上司・同僚・お得意様とパソコンやスマートフォンで連絡を取り合うビジネスシーンでは、メールによるやり取りが常識とされています。

しかし、使い方を正確に理解した上でメール機能を利用している方はそれほど多くありません。

メールを送る時に「TO(宛先)」欄に相手のメールアドレスを入力すれば良いという使い方は知っていても、その下に配置されている「CC」や「BCC」欄が何を意味するのか知らない新入社員が少なくないのが実情です。

TO・CC・BCCとは何か?TO・CC・BCCの違いは?

ここでは、実際に複数のメールアドレスを使ってTO・CC・BCCでメールを送信・返信した際の違いを比較し、それぞれの意味について詳しく解説していきます。

TOとはメールの宛先

「TO」とは、日本語で「~の方へ」を意味する英語の「to」のことで、メ-ルを届けたい相手のメールアドレスを入力する項目です。ハガキや封書における「宛先」と同義です。

ただしEメールの場合、TO(宛先)欄に複数のメールアドレスを記入して大多数のユーザーに一斉送信することも出来ます。その場合は、各メールアドレスを半角コンマ(,)で区切ります。

メールを送信する際には、TO(宛先)欄に最低でも一つのメールアドレスを入力しなければなりません。TO(宛先)欄が空欄だと送信時にエラーになります。

CCとはメールのカーボンコピー(写し)

「CC」とは「Carbon Copy(カーボンコピー)」の略で、日本語に訳すと「複写」という意味です。

CC欄にメールアドレスを入力すると、TO(宛先)だけでなくCCに設定したメールアドレスにもそのメールが同時に送信されます。(半角コンマで区切れば、CC欄に複数のメールアドレスを設定する使い方も可能。)

なお、TOやCCでメールを一斉送信すると、各受信者は送信者だけでなく他の受信者のメールアドレスも全て確認・共有することができます。

BCCとはメールのブラインドカーボンコピー(秘密の写し)

一方「BCC」とは「Blind Carbon Copy(ブラインドカーボンコピー)」の略で、日本語に訳すと「見えない複写」という意味です。

BCC欄にメールアドレスを入力すると、TO(宛先)だけでなくBCCに設定したメールアドレスにもそのメールが同時に送信されます。(半角コンマで区切れば、BCC欄に複数のメールアドレスを設定する使い方も可能。)

一見CCと同じに見えますが、BCCに入力したメールアドレスは各受信者に一切通知されませんBCCを利用すると互いの受信者の情報を隠した状態でメールを一斉送信できる点にCCとの違いがあります。

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

Microsoftの電子メールサービス・Outlookのアカウントを使って、TO・CC・BCCで実際にメールを送った際の違いを具体的に比較してみましょう。
 

  • TO(宛先):Gmailのメールアドレスを指定
  • CC:Yahoo!メールのアドレスを指定
  • BCC:BIGLOBEメールのアドレスを指定

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

TO(宛先)としてメールを送られた相手には、上の画像のような状態でメールが届きます。送信者・TO・CCのメールアドレスが全て表示されていますが、BCCのみ表示されていません

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

「返信」を選択すると、送信者のメールアドレスが返信先になります。

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

「全員に返信」を選択すると、送信者・他のTO・CCに設定されているメールアドレスが返信先になります。BCCのメールアドレスには返信されません。

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

CCとしてメールを送られた相手には、上の画像のような状態でメールが届きます。送信者・TO・CCのメールアドレスが全て表示されていますが、BCCのみ表示されていません

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

「返信」を選択すると、送信者のメールアドレスが返信先になります。

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

「全員に返信」を選択すると、送信者・TO・他のCCに設定されているメールアドレスが返信先になります。BCCのメールアドレスには返信されません。

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

BCCとしてメールを送られた相手には、上の画像のような状態でメールが届きます。送信者・TO・CCのメールアドレスが全て表示されていますが、BCCのみ表示されていません

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

「返信」を選択すると、送信者のメールアドレスが返信先になります。

受信側から見たTO・CC・BCCの違いを比較

「全員に返信」を選択すると、送信者・TO・CCに設定されているメールアドレスが返信先になります。BCCのメールアドレスには返信されません。

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メールの宛先であるTOの使い方

TO(宛先)欄には、最も重要な情報伝達相手のメールアドレスを入力するのが基本的な使い方です。

逆に言えば、メールを開封した際、自分のメールアドレスがCCではなくTOに設定されていたら要注意です。ビジネスシーンにおいては、メールを読んだ後で可及的速やかに返信対応を行う必要があります。

TOでも複数の宛先を指定できる

CC(カーボンコピー)やBCC(ブラインドカーボンコピー)を使わなくても、TO(宛先)欄に複数のメールアドレスを入力して一斉送信する使い方も可能です。

しかしTOで大人数に送信すると、後で大量の返信が来ることになります。本当にその相手をTOに指定する意味があるのか、よく考えてからメールを送信しましょう。

メールのカーボンコピーであるCCの使い方

CC(カーボンコピー)欄には、念のため情報を共有しておきたい相手のメールアドレスを入力するのが基本的な使い方です。

TO(宛先)とは違い重要度がそこまで高くない送り方なので、CCでメールを送られてきた場合には基本的に返信する必要はありません。したがってビジネスシーンにおいては、上司や他の同僚にプロジェクトの進捗状況を定期報告する際などに用いられます。

CCであることを明確にする

EメールのCCの使い方

なお、CCを利用する際には、本文中に「CC:○○様」などの一文を記載するようにしてください。TOでメールを受け取った相手がCCの存在を見落とす恐れがあるからです。(メール受信者が複数いる場合は役職順に表記。)

相手がCCに気付いていない場合、「返信」を選択されるとCCのメンバーに情報伝達が行き届かなくなります。「全員に返信」を選択されれば、個人的なやり取りを他のメンバーに知られてしまうかもしれません。

余計なトラブルを避けるためにも、自分がCCを使っていることを明確にアピールしましょう。

メールのブラインドカーボンコピーであるBCCの使い方

BCC(ブラインドカーボンコピー)は、関係者の個人情報漏洩を防ぎながらメールを一斉配信したい時に利用するのが基本的な使い方です。

TO(宛先)やCCで一斉送信すると、メールの受信者に互いのメールアドレスが全て筒抜けになります。

その点BCCを使えば、受信者同士のメ-ルアドレス情報を隠せる、他にもメールの受信者がいることを悟られずに済む、といったメリットを実現できます。

CCと違い送信相手に知られずに送れる

BCCの匿名性は、以下のようなビジネスシーンでの使い方に向いています。
 

  • 複数のお得意様に同じ営業メールを送る時
  • 取引先へのメールを上司に確認してもらいたい時
  • 部署の異なる社員を対象に一斉社内連絡を行う時

返信先に含まれない

BCCに設定したメールアドレスは返信先にも含まれないため、メールの受信者にはBCCの有無が全く分かりません。ゆえに、自分のメールアドレスをBCCに設定してメールを送信するという高度なBCCの使い方も可能です。

何の意味があるのかと不思議に思う方がいるかもしれませんが、自分のメールアドレスをBCCに指定すると以下のようなメリットを実現することが可能です。
 

  • 送信したメールが本当に相手に届いたのか確認できる
  • 重要なメールの未送信ミスを回避できる
  • BCCで届いたメールを返信しながら相手とやり取りすることで確実に履歴を残せる

ビジネスでメール配信する時のCCとBCCの使い分け方と注意点

ビジネスの現場では、日々多くの関係者と大量のメールをやり取りすることになります。TO・CC・BCCの意味・違いをしっかり理解した上で使い分けできないと、仕事を堅調に続けることは難しいでしょう。

ここでは、ビジネスメールを配信する際のTO・CC・BCCの使い分け方について解説していきます。

ビジネスメールのTO・CC・BCCの上手な使い分け方

TO・CC・BCCの使い分け方を認識するために、それぞれの違いを一覧表にまとめておきましょう。
 

  TO
(宛先)
CC
(カーボンコピー)
BCC
(ブラインドカーボンコピー)
機能・意味 Eメールの送信先アドレスを設定する TOで設定したメールアドレス以外の相手にも同じメールを送信する TOで設定したメールアドレス以外の相手にも同じメールを送信する
複数入力 可能 可能 可能
入力省略 省略することは出来ない 省略可 省略可
受信側に伝わるメールアドレス情報 TOに入力した全メールアドレスが受信メールに表示される CCに入力した全メールアドレスが受信メールに表示される BCCに入力した全メールアドレスが受信メールに表示されない
返信対象 TOに入力した全メールアドレスが「全員に返信」時の送信先になる CCに入力した全メールアドレスが「全員に返信」時の送信先になる BCCに入力した全メールアドレスが「全員に返信」時の送信対象にならない
主な使い分け方 メインの送信相手を指定する 一応情報をシェアしておきたいメンバーにメールを一斉送信する メールの一斉送信時に受信者同士でメールアドレスを共有させたくない場合に使う
受信者のメール返信義務 受信者は基本的に返信する必要あり 受信者は基本的に返信する必要なし 受信者は基本的に返信する必要なし

一般的に、一斉配信メールの受信者が密接な関係の知り合い同士ならCC、全くの部外者(あるいは疎遠な関係)同士ならBCC、という使い分け方をすれば良いでしょう。

実際の所、TOとCCは使い分けに関してそこまで神経質にならなくても大丈夫です。しかしビジネスの現場では、CCとBCCを間違えると大変なことになるので注意してください。その実例をご紹介しましょう。

プロバイダやキャリアによってブロックされる可能性

TO・CC・BCCの使い分け方がよく分からず、メールを一斉送信する時に常にBCCを選択している方が少なくありません。

一見BCCは匿名性が高くて最も無難なメールの送信方法であるかのように思えます。

しかし、BCCを安易に過信してメールを無意味に大量配信していると、受信側のプロバイダやキャリアによってスパム判定されてしまう恐れがあります。

IPアドレス単位でメールサーバーにブロックされれば、もはや通常のメールですら相手に届くことはありません。ビジネスの世界では死活問題に発展することでしょう。

量次第ではサーバーに影響がでて遅延が発生するかも

BCCを多用してメールの一斉送信を行うと、送信側のメールサーバーに極度の負担をかけます。たとえブロックされなくても、データの混雑によってメールのやり取りに遅延が発生してしまう恐れがあるのは大問題です。

自分のせいで他のビジネスチームの営業活動にまで支障が出たら、上司からきつい叱責を受けることでしょう。

間違えてCCしてメールアドレスが流出するリスク

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yamamol255

「CC」と「BCC」は機能に大きな違いがありますが、名称が非常に似ていて混同しやすい特徴があります。

実際、BCCで送信すべきメールを間違えてCCで送信してしまうミスは、プロのビジネス現場でも頻繁に起きています。

盗用疑惑によって佐野研二郎氏のデザインした東京オリンピックのロゴデザインが白紙撤回された際には、東京五輪・パラリンピック組織委員会が誤って調査結果報告メールをCCで関係者に送信してしまい、代表者が公の場で謝罪する事態となりました。

CCとBCCの使い分けを間違えると、大勢の関係者のメールアドレスを流出させ、取り返しのつかない事態に発展します。会社の信頼を大きく失墜させることになるので、ビジネスメール配信担当者は細心の注意を払うべきです。

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メール送付時にはTO・CC・BCCの使い分けが大事

今回は、EメールのTO・CC・BCCの意味や違い、具体的な使い分け方などをご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
 

  • TO(宛先)には、メインの送信相手のメールアドレスを記入する(TOでメールが送られてきたら返信するのがビジネスマナー)
  • CCとは「カーボンコピー」という意味で、TOに送ったメールを同時に他の相手にも一斉送信したい場合に使用する(CCでメールが送られてきたら基本的には返信不要)
  • TOやCCでメールを送信すると、各受信者には他の受信者のメールアドレスが表示される
  • BCCとは「ブラインドカーボンコピー」という意味で、CCと違いBCCで一斉送信したメールアドレスは各受信者に表示されなくなる
  • BCCは部外者にメールを一斉送信する場合に便利だが、CCと間違えると個人情報流出につながるため正確な使い分けが必要

Eメールを複数の相手に一斉送信する場合、送り方を誤ると深刻な責任問題に発展するリスクがあります。

これまで知らずにメールソフトを使っていた方は、ぜひ本記事を参考にしてTO・CC・BCCの正確な使い分け方をマスターしてください。

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この記事のライター
シンタロー
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