2019年05月08日更新
キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上!騒動の経緯や表現の自由について解説!
皆さんは、キズナアイというバーチャルユーチューバーをご存じですか。人気のあるキズナアイですが、ある問題から炎上騒動に発展しました。本記事では、キズナアイとは何か、炎上騒動の経緯は何かなどを詳しく解説していく記事になっています。
目次
- 1炎上騒動に発展したキズナアイとは?
- ・キズナアイはバーチャルユーチューバー!
- ・キズナアイは日本政府観光局の訪日促進アンバサダー
- ・NHKのノーベル賞解説サイトとは
- ・キズナアイ自体は問題でない
- 2キズナアイがNHKのノーベル賞で炎上した理由
- ・騒動は弁護士のツイートから
- ・千田有紀教授からジェンダー問題に発展
- 3キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上した騒動の経緯(太田啓子弁護士)
- ・太田啓子弁護士とは
- ・ノーベル賞のNHK解説に適役ではない?
- 4キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上した騒動の経緯(千田有紀教授)
- ・千田有紀教授とは
- ・性別役割分業を主張している
- ・表現の自由とは
- 5キズナアイが再び炎上騒動!
- ・バーチャルユーチューバーで放送事故
- 6キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上した問題を知ろう!
炎上騒動に発展したキズナアイとは?
キズナアイとは、youtubeを中心に動画配信を行っている、世界初のバーチャルユーチューバー・スーパーAIです。愛称は「アイちゃん」で、ハート形のピンクのカチューシャと、ピンク色のメッシュが入った髪型が特徴です。配信している動画の内容は、体力測定・AI同士での対談・ゲーム実況・ダンスなど色んな動画を配信しています。
また、キズナアイのファンは多く、youtubeの登録チャンネル者数は現在250万人を越えています。同じバーチャルユーチューバーの輝夜月(カグヤルナ)は、94万人であることから、キズナアイが断トツの人気を誇っていることがよく分かります。
キズナアイはバーチャルユーチューバー!
バーチャルユーチューバーとは、動画配信を行う架空のキャラクターのことを言います。架空のキャラクターとは、3DCGで製作されたキャラクターになります。キズナアイは、バーチャルユーチューバーとして2016年に活動を始め、その後に、輝夜月・電脳少女シロ・ミライアカリなどが出てきています。
バーチャルユーチューバーは様々な動画配信を行う中で、オリジナル楽曲の提供・音楽レーベル設立・バーチャルリアリティライブ開催など幅広く活躍しています。また、2019年1月には、NHKで「NHKバーチャルのど自慢」が放送されました。現在、バーチャルユーチューバーは、それほどまでに人気が出ているのです。
キズナアイは日本政府観光局の訪日促進アンバサダー
キズナアイは、バーチャルユーチューバーとして、2018年5月に、日本政府観光局(JNTO)の訪日促進アンバサダーに就任することを発表しました。政府公認のバーチャルユーチューバーになり、更に知名度はアップしました。
就任の経緯は、日本政府観光局(JNTO)が、日本のアニメは世界で知名度も高く、人気があることから今回のキズナアイ起用を決めたことからです。
また、日本政府観光局(JNTO)は、バーチャルユーチューバーであるキズナアイを起用する理由として、アメリカに対して、日本の食・ファッション・伝統工芸などから訪日旅行の楽しさを訴え、アメリカ旅行市場における日本の知名度向上につなげたいとしました。
NHKのノーベル賞解説サイトとは
NHKのノーベル賞解説サイトとは、NHKの特設サイト「NHKノーベル賞まるわかり授業」として、ノーベル賞の中から、医学・生理学賞、物理学賞、化学賞を分かりやすく解説していく内容になっています。
キズナアイを起用する理由は、キズナアイが日本政府観光局(JNTO)の訪日促進アンバサダーに就任し、海外でも人気を得ていることからです。また、誰にでも分かりやすく学べるサイトにするために、キズナアイを「NHKノーベル賞まるわかり授業」へ起用しました。
番組の内容は、科学技術振興機構の担当者が先生役になり、解説するのを、キズナアイが聞いて学んでいくというスタイルになっています。ぞれぞれの要所に対して、キズナアイがあいづちを打ったり、答えたりしています。
キズナアイ自体は問題でない
NHKの特設サイト「NHKノーベル賞まるわかり授業」、このサイトにバーチャルユーチューバーであるキズナアイを起用したことをめぐって、物議を醸しています。経緯として、総務省の外郭団体であるNHKが、教育サイトにキズナアイを起用したことが問題視されているのです。
しかし問題の理由は、キズナアイ自体にあるわけではなく、置かれた状況に問題があるというわけです。決して、キズナアイ自体を批判しているわけではありません。
ではなぜ、教育サイトにキズナアイを起用することに問題があるのか、理由の1つとして挙げられているのは、キズナアイが性的に描かれているという意見からです。経緯は、あるツイートから始まっていますが、キズナアイが性的かどうかは、意見が分かれています。
キズナアイがNHKのノーベル賞で炎上した理由
キズナアイが、NHKの特設サイト「NHKノーベル賞まるわかり授業」で、炎上騒動に発展した理由について、経緯を解説していきます。
騒動は弁護士のツイートから
炎上騒動の発端は、太田啓子弁護士のツイッターでの投稿からでした。太田弁護士は、性的に描かれているキズナアイを、公共放送で使うことに疑問を感じるとしています。理由は、女性軽視をしているという意見からです。
しかし、この投稿をきっかけに、キズナアイは性的なのか、そうではないのか、議論が発展していき、ネット上で炎上になってしまったのです。
NHKノーベル賞解説サイトでこのイラストを使う感覚を疑う。女性の体はしばしばこの社会では性的に強調した描写されアイキャッチの具にされるがよりによってNHKのサイトでやめて。このサイトで女性受賞者は少ないの?とか書いてるけどこれじゃ理由わかんないんだろう https://t.co/BlRyawbXaf pic.twitter.com/JwekrmMJHT
— 弁護士 太田啓子 (@katepanda2) October 2, 2018
千田有紀教授からジェンダー問題に発展
太田弁護士のツイートが発端で起こったキズナアイ炎上騒動から、今度は千田有紀教授が、SNS上でキズナアイ炎上騒動に対するツイートを投稿しました。そして、更にSNS上で大炎上になっていくのですが、問題はキズナアイ起用の是非だけでなく、ジェンダー問題にまで発展していきました。
キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上した騒動の経緯(太田啓子弁護士)
キズナアイが、NHKのノーベル賞解説で炎上した騒動の経緯ですが、発端は太田啓子弁護士のツイッター投稿からでした。では、太田啓子弁護士とはどんな人物なのか、次に解説していきます。
太田啓子弁護士とは
太田啓子弁護士とは、神奈川県弁護士協会所属の弁護士で、主に労働問題・遺産相続などを扱っている弁護士です。テレビや雑誌、ラジオにも出演しており、メディアへの露出度も高く、SNS上での投稿の影響力も大きいと考えられます。また、著書も出版していて、「これでわかった!超訳特定秘密保護法」や「憲法カフェへようこそ」などがあります。
ノーベル賞のNHK解説に適役ではない?
キズナアイがNHKのノーベル賞解説には、適役ではないという意見ですが、賛否両論があります。理由は、太田弁護士のように、性的に描かれているキズナアイを、NHKのノーベル賞解説に起用することに疑問を感じるという意見と、疑問には感じないという意見があります。しかし論点は、そもそもキズナアイは性的なのかという所にあります。
否定する意見は、キズナアイは性的には全く描かれていない、何がいけないのか分からないという意見や、キズナアイを製作したスタッフを擁護する意見が多く見られました。逆に、肯定する意見は、キズナアイが性的かということよりも、NHKの起用に対して疑問を感じるという意見がありました。
女の子のイラストの問題
炎上騒動の経緯は、キズナアイが性的かどうかが論点になっていますが、キズナアイが性的とされる理由は、以下の理由からです。
- 胸が強調されている
- おへそを出した衣装である
以上の理由から、キズナアイが性的と言われていますが、これに対し製作者側は、性的には描いてはいないと回答しています。
キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上した騒動の経緯(千田有紀教授)
キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上した騒動の経緯ですが、太田弁護士のツイートから始まり、その後に、千田有紀教授がSNS上で投稿したことにより、更に炎上しました。千田有紀教授の投稿内容から、キズナアイが性的かどうかということから、ジェンダー問題に発展していくわけですが、千田有紀教授とはどんな人物なのか、次に解説していきます。
千田有紀教授とは
千田有紀教授とは、日本の社会学者であり、武蔵大学の社会学部教授です。専門は、家族社会学、ジェンダー論、フェミニズム論になっています。著書も出版しており、「女性学/男性学」や「日本型近代家族-どこから来てどこへ行くのか」などがあります。また、テレビやラジオにも出演しています。
性別役割分業を主張している
千田有紀教授が主張しているのは、NHKのキズナアイノーベル賞解説において、性別役割分業を再生産しているのではないかということです。性別役割分業とは、男性は仕事、女性は家事・育児などの役割を分業することを言います。会話においては、男性がリーダーシップをとって、女性がサポート役になるということです。
受け答えが相づちが多い
NHKのキズナアイノーベル賞解説においては、科学技術振興機構の担当者が解説することに対して、キズナアイは相づちが多くなっています。このことから、性別役割分業を再生産していると、千田有紀教授は主張しています。相づちが多いということは、女性がサポート役になっていることになり、性別役割分業の役割どおりにしていることになります。
よって、役割どおりのサポート役ではなく、もっと専門的な解説をすることはできなかったのかということです。女性の役割がサポート役というは、女性軽視になっており、女性もリーダーシップをとってもいいのではないかということです。
女子と理系の問題
女性と理系の問題も背景にあると考えられます。近年、理系女性に対する風当たりは厳しく、日本でのノーベル賞受賞者は男性しかいません。東京医科大学の入試試験で、点数を操作して女性受験者を意図的に落としたり、女性医師の手術はいやだという週刊誌の記事が出たりしています。
このように、女性が勉強し働くことへのサポートは十分ではありません。その中で、ノーベル賞解説サイトでのキズナアイの役割が、サポート役になってしまっていることに問題があるということです。
従来の女性像
性別役割分業のように、従来の女性像とは、家事・育児のようにサポート役になっています。男性がメインで女性はサポートをするという役割です。会話においても、男性が多く話してリーダーシップをとり、女性はそれに対して、会話をサポートしたり、相づちをうったりしています。
逆に、女性がメインに話すと、男性は話を転換したり、女性の主張を自分が主張したかのように説明したりします。
表現の自由とは
炎上騒動の経緯として、キズナアイが性的かどうかが論点になっていますが、問題なのは性的かどうかではなく、性の表現方法にあります。例えば、バービー人形や広告のモデルが、白人を美の基準にしていると言われて批判されるようになってきました。このように表現そのものが、問題視されることがあります。
ここで、表現の自由とは何かという問題が出てきます。確かに表現することは重要なことですが、何かを表現することによって、誰かが傷くこともあるのです。よって、本当に表現したいことを明確にし、周りへの配慮をし、しっかり議論した上でこそ、表現の自由というものがあるのです。
何でも自分の思ったとおりに表現することが、表現の自由ではないのです。
キズナアイが再び炎上騒動!
キズナアイのNHKのノーベル賞解説による炎上騒動から、再び炎上騒動が起きました。その理由は、放送事故が起きたためです。次に、放送事故による炎上騒動の経緯について解説していきます。
バーチャルユーチューバーで放送事故
虹河ラキというバーチャルユーチューバーが生放送を行っている最中に、キズナアイの宣伝用VTRの収録の様子が流れてしまったという放送事故が起きました。キズナアイの打ち合わせの様子が流れてしまったわけですが、このバーチャルユーチューバーの虹河ラキと、キズナアイはほとんど接点はありませんでした。
しかし、その中で起きた放送事故だったのです。今回の宣伝用VTRは本来、2018年12月1日の生放送用の宣伝VTRでしたが、虹河ラキの生放送で収録の様子が誤って流れた後、2018年11月25日に大型ビジョンで大々的に宣伝VTRが流れました。
そして、収録の様子というのは、キズナアイとスタッフが打ち合わせしている様子が映されており、カメラの位置を調整する様子や、セリフを何度も練習する様子など、撮影の裏側が見えたということでかなり話題になったのです。今まで、バーチャルユーチューバーの撮影の裏側がどうなっているのかは、公にはされていませんでした。
キズナアイはスーパーAIを自称しており、人の操作を否定してきたため、今回の放送事故はモーションキャプションであることを証明してしまったことになります。実際、ペットボトルの飲み物を飲む動作や、キズナアイとキズナアイ役の人との動きをリンクさせる映像が流れたのです。
これにより、ネット上では様々な意見が飛び交いました。打ち合わせをしているキズナアイが、真面目で好感が持てたなどの肯定的な意見もあれば、今までキズナアイの中に人はいないと言っていたのに、残念だという否定的な意見もありました。炎上騒動といっても、今まで知られていなかった裏側が見えたことで話題になったという印象です。
キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上した問題を知ろう!
今回は、キズナアイがNHKのノーベル賞解説で炎上した騒動の経緯や、表現の自由について解説しました。炎上騒動の発端は太田弁護士のツイートからでしたが、何故炎上にまでなってしまったのかは、表現方法・キズナアイが置かれた役割などに問題があったからです。
この炎上騒動で、表現の自由とは何か、本当に表現したいものは何か、もっとよく考えなければいけないということが分かります。しかし、キズナアイ自体に問題があるわけではなく、変わらず人気はあります。今後の更なる活躍に期待です。