2019年04月23日更新
iPhoneの乗っ取り確認方法!不正アクセス(ハッキング)の症状や対策方法は?
iPhoneでも乗っ取りの被害に遭ってしまうことがあります。iPhoneが乗っ取られて不正アクセスによりハッキングされたときには、どのように確認すればいいのでしょうか。この記事では乗っ取りに遭ったときの症状や確認方法、予防方法などについて解説します。
目次
- 1iPhoneが乗っ取り被害に遭ってしまう原因とは?
- ・悪意を持った公衆Wi-Fiを利用
- ・不正アプリをインストールした
- ・他の人が勝手に悪意のあるアプリをインストール
- 2iPhoneが乗っ取り被害に遭ったときに確認できる症状
- ・iPhoneが勝手にロックされる
- ・身に覚えのない有料コンテンツやアプリを購入
- ・連絡先の漏洩
- ・iPhoneが勝手に操作される
- ・自分の場所が特定される
- ・カメラが勝手に起動
- 3iPhone乗っ取りの目的と手段
- ・iPhoneハッキングの目的は不正アクセスによる金銭目的
- ・iPhone乗っ取りの手段
- 4iPhoneが乗っ取り被害に遭ったときの対策法
- ・パスワードの変更
- ・iPhoneを初期化する
- ・通報・相談
- 5iPhoneが乗っ取り被害に遭わないための予防的対策法
- ・パスワード対策
- ・公衆Wi-Fiは利用しない
- ・脱獄しない
- ・2ファクタ認証を利用する
- 6iPhoneでも乗っ取り被害に遭う可能性が!早急に対策を取ろう!
iPhoneが乗っ取り被害に遭ってしまう原因とは?
iPhoneはAndroidスマホよりもセキュリティレベルが高いと言われていますが、実際にはiPhoneも乗っ取り被害に遭ってしまい、ハッキングされてしまうことがあります。iPhoneが乗っ取り被害に遭ってしまう原因には次のようなものがあります。
悪意を持った公衆Wi-Fiを利用
iPhoneがのっとり被害に遭う原因の一つに、悪意を持った公衆Wi-Fiを利用してしまうことが挙げられます。Appストアでのアプリの審査をどれほど強化しても、iPhoneがWi-Fiをつなぐことを許可してしまったら、ハッカーに対してiPhoneは丸裸にされてしまいます。
PCであればファイヤーウォールが標準搭載されているので、100%とはいかないまでも悪意のあるプログラムの侵入を防ぐ仕組みがあります。しかし、iPhoneにはファイヤーウォールは搭載されていないので、Wi-Fiの電波に乗って悪意のあるプログラムが入り込んでしまうと、ほぼ防ぎようがありません。
不正アプリをインストールした
iPhoneで乗っ取り被害にある原因には、不正なプログラムを仕込んだアプリをインストールしてしまう、ということもあります。
Appストアで配布しているアプリは、厳格な審査を通過したもので、怪しいプログラムが仕込まれていないかどうか徹底的にチェックされています。これはGoogle Playストアとの大きな違いです。しかし、アプリによってはAppleストア以外の場所からダウンロードするものもあります。
中にはiPhoneのシステムを改変してしまう脱獄をしてインストールするアプリもあります。脱獄しなければインストールできないようなアプリの中には、残念ながら悪意を持ったプログラムを仕込んだものもあるのが現実です。
自分で許可してインストールしてしまったプログラムであれば、乗っ取り被害を防ぐことができません。iPhoneにアプリをインストールするときには、Appストア以外の場所からダウンロードしないことが大切です。
他の人が勝手に悪意のあるアプリをインストール
不正な目的で作られたプログラムではなくても、悪意を持って相手のiPhoneの乗っ取りができてしまうアプリもあります。例えば、仕事用に従業員に配布しているiPhoneや、親が子供に持たせているiPhoneに行動監視アプリや、ファイル共有アプリをインストールすることは全く問題ありません。
しかし、行動監視アプリやファイル共有アプリを相手の行動を監視したり、写真などのファイルを抜き取ったりすることに利用すれば、それは犯罪まがいの悪意のある行動になります。iPhoneを脱獄して自分でインストールしたものでなくても、他の人に悪意を持って利用できるアプリをインストールされてしまうことはあります。
目を離したすきに勝手にiPhoneを操作されないように、ロックはしっかりとかけておくことが大切です。
iPhoneが乗っ取り被害に遭ったときに確認できる症状
iPhoneが乗っ取り被害に遭ったときに確認できる症状には、主に次のようなものがあります。
iPhoneが勝手にロックされる
Apple IDが乗っ取りに遭ってしまうと、iCloudの「iPhoneを探す」を利用して勝手にiPhoneをロックされてしまう、という症状が出ます。「iPhoneを探す」はiPhoneを紛失した時に、第三者にiPhoneが使われないようにする機能ですが、これを悪用されてしまうのです。ロック解除のために金銭を求められることもあります。
身に覚えのない有料コンテンツやアプリを購入
Apple IDにクレジットカード情報を登録してあったり、購入したiTunesカードの金額をチャージしていたりすることもあるでしょう。Apple IDの乗っ取り被害に遭ってしまうと、iTunesストアでの購入権限も乗っ取りに遭ってしまいます。勝手に自分が知らないうちに有料コンテンツやアプリを購入していた、という症状も実際に確認されています。
連絡先の漏洩
iPhoneの中の情報を抜き取ることができるウイルスが侵入すると、iPhoneの中に保存してある連絡帳の登録情報を抜き取られてしまうことがあります。また、Apple IDが乗っ取りに遭ってしまうと、iCloudに連絡帳を同期していると、iCloudから連絡帳の情報が丸見えになってしまいます。
連絡帳に登録している友人や知人、取引先の情報が名簿リストとして犯罪者の手に渡ってしまう可能性もあります。自分に被害の症状が出るわけではありませんが、乗っ取りの被害が自分だけではなく、連絡帳に登録していた人に、スパムメールが送られるなどの症状が出る可能性があります。
iPhoneが勝手に操作される
遠隔操作アプリを勝手にインストールされたり、iCloud経由で遠隔操作できるように設定されたりすると、iPhoneが勝手に操作されてしまうこともあります。具体的な症状としてはiPhoneを勝手に初期化されたり、画像などのファイルをすべて消去されたりしてしまった、という被害も実際に確認されています。
自分の場所が特定される
行動監視アプリや、iCloudから「iPhoneを探す」を使って乗っ取り被害に遭ってしまうと、自分の場所が特定されてしまう、という症状が出ることがあります。
「iPhoneを探す」の場合には、iPhoneに場所を検索されている旨が通知されるので、相手にわからずに悪意を持って場所を特定することは難しいのですが、それでも相手に自分の行動が丸裸にされる気持ちの悪さはあります。
カメラが勝手に起動
iPhoneが乗っ取り被害に遭ってしまうとよくある症状がカメラやボイスメモが勝手に起動する、というものです。カメラやボイスメモを起動させる目的は盗撮や盗聴です。通常、盗撮や盗聴を行うためには、相手の部屋に侵入して、盗撮用のカメラや盗聴器を設置する必要があります。
しかし、iPhoneでカメラやボイスメモを遠隔起動できるようにしておけば、場所に関係なくいつでもどこでも、iPhoneをハッキングしてカメラを操作して盗撮や盗聴できてしまいます。自分がiPhoneを使っているときに、突然カメラが起動すれば怪しいと思って対策法を考えるでしょう。
最近では、通常はカメラが立ち上がらないような瞬間にカメラが起動するウイルスも発見されています。自分が気が付かないうちに、iPhoneがカメラから写真やビデオ、音声を撮影している可能性があります。
アプリをインストールするときに許可する権限に、カメラを利用しないのにカメラの権限を求めてくる場合には、盗撮アプリの可能性があります。カメラの権限を与えないことで、盗撮被害を防止できます。
iPhone乗っ取りの目的と手段
iPhoneに不正アクセスをして乗っ取りすることには、犯人側の目的があります。また、乗っ取りの手段も理解しておくことが大切です。こちらでは犯人側がハッキングする目的と手段についてみていきましょう。
iPhoneハッキングの目的は不正アクセスによる金銭目的
iPhoneをハッキングして乗っ取りする目的で最も大きなものは、金銭的な利益を得ることです。iPhoneからクレジットカード情報などをハッキングで抜き取って、カードを不正利用することもあります。Apple IDの乗っ取りで、自分が配信しているコンテンツを購入させることで利益を得ることもあります。
iPhoneにiCloudからの不正アクセスによってロックを掛けて、ロック解除と引き換えに金銭を要求する、という被害も実際に確認されています。iPhoneの乗っ取りを企てる犯人側の大きな目的はこのように金銭目的が最も大きいものです。
次のハッキングの目的は、ストーカー的な目的です。行動監視アプリやカメラを勝手に起動することで、相手の行動を常に把握したり、盗撮盗聴を行ったりすることを目的にします。
iPhone乗っ取りの手段
iPhoneの乗っ取りをする手段には次のものがあります。
Wi-Fi経由で乗っ取り
iPhoneが乗っ取り被害に遭う原因でもお伝えしましたが、iPhoneの乗っ取りをする手段にはWi-Fi経由で不正アクセスする、というものがあります。iPhoneには、Wi-Fi経由でiPhoneをiTunesと同期する、という機能があります。
この機能を使えば、ハッキング目的でWi-FiからiPhoneに不正アクセスをして、データをハッカーのPCにも送ることが可能になります。iPhoneの方でもiOSのアップデートなどで対応していますが、完全にWi-Fi経由での不正アクセスの乗っ取り被害を無くすことはできません。
ウイルス感染させて乗っ取り
Appストアのアプリからウイルス感染させることはできませんが、他の手段でiPhoneの乗っ取りのためのウイルスを送り込むことはできます。
例えば添付ファイルに不正アクセスできるようなプログラムを仕込んでおいてメールに添付してクリックさせるとか、不正なプログラムが仕込まれているWebページに誘導する、といった方法です。監視アプリをインストールさせて、ハッキングアプリと同時に使うことで、他の人のiPhoneを乗っ取りすることはかなり簡単にできます。
Apple IDの乗っ取り
Apple IDを乗っ取ることは簡単です。IDとパスワードの組み合わせがわかればApple IDは簡単に乗っ取ることができます。Apple IDにアクセスできれば、iCloud経由でiPhoneを遠隔操作することで不正アクセスすることが可能です。
iPhoneが乗っ取り被害に遭ったときの対策法
iPhoneが乗っ取り被害に遭っていることが確認出来たら、すぐに次の対策法を行いましょう。
パスワードの変更
iPhoneが乗っ取り被害に遭っていることが確認出来たら、すぐにApple IDとiPhoneからアクセスしているSNSやAmazonや楽天などのECサイトのパスワードを変更しましょう。Apple IDの乗っ取りをしたら、犯人はすぐにパスワードを変更してしまうので、変更されないうちに対策しなければいけません。
Apple IDやSNS、ECサイトに不正アクセスするためにはパスワードが必須です。ハッキングされる前にパスワードを変更してしまえば不正利用されることはありません。
iPhoneを初期化する
iPhoneへの不正アクセスを許してしまうアプリやプログラムが入り込んでしまった場合には、初期化しましょう。iPhoneを初期化すると、すべての保存されている画像などのファイルや、インストールしたアプリが消去されて、工場から出荷されたときと同じ状態になります。不正なアプリやウイルスも完全に消去することができます。
iPhoneを初期化する方法は、iPhoneの設定を開いて「一般」>「リセット」と進みます。「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップして「iPhoneを消去」を選択します。確認画面が表示されたら再度「iPhoneを消去」をタップすると初期化されて、すべてのコンテンツとプログラムが消去されます。
通報・相談
これらの対策法を行うとともに、次の窓口に連絡を入れて通報と相談をしましょう。
Appleサポート
Apple IDの変更ができないときや、初期化してもうまくiPhoneが操作できないときには、Appleサポートに連絡を入れましょう。日本の国内からのAppleサポートへの電話番号は0120-27753-5です。iPhoneのシリアルナンバーを用意してから電話を掛けましょう。
IPA情報処理機構
IPA情報処理機構は日本の情報技術に関する技術や人材を支えるために設立された独立行政法人です。「情報セキュリティ安心相談室」という相談窓口が設置されていて、電話とメール、ファックスで相談することができます。捜査機関ではないので、相談のみ受け付けてくれます。犯人の特定といったことは相談することができません。
サイバー警察
こちらは警察に設置されたサイバー犯罪の相談窓口です。各都道府県警に窓口が設置されているので、お住まいの地域の警察に相談してみることをおすすめします。
iPhoneが乗っ取り被害に遭わないための予防的対策法
iPhoneを乗っ取られないようにするためには予防も大切です。最後にiPhoneの乗っ取りを防ぐための対策法についてみておきましょう。
パスワード対策
パスワードは複雑で予想されにくいものに設定するようにしましょう。使いまわしも危険です。自分や家族の誕生日や車のナンバーなどは論外です。
公衆Wi-Fiは利用しない
公衆Wi-Fiは本当に信頼のおける場所しか利用しないようにしましょう。Wi-Fi経由での侵入を許してしまうと、ハッカーに対してiPhoneが丸裸にされてしまう、というリスクをよく覚えておいてください。
脱獄しない
脱獄をするとApple社や携帯キャリアの補償対象外になってしまいます。ウイルス感染したとしても、サポートが一切受けられなくなってしまうので、絶対に脱獄はしないようにしましょう。
2ファクタ認証を利用する
Apple IDを乗っ取られないようにするためには、2ファクタ認証をオンにしておきましょう。2ファクタ認証というのは、通常のパスワードの他にiPhoneに届く認証番号を入力しないとApple IDにログインできない、というものです。
2ファクタ認証の設定方法は、iPhoneの設定を開いて一番上のユーザー名をタップします。「パスワードとセキュリティ」に入ると、そちらで2ファクタ認証のオンとオフを切り替えることができます。一度確認してみましょう。
iPhoneでも乗っ取り被害に遭う可能性が!早急に対策を取ろう!
iPhoneが乗っ取りに遭ったときの症状や対策法についてみてきました。iPhoneはAndroidに比べて、ウイルス感染の被害に遭う確率が少ないから大丈夫、と思い込んでいると思わぬところで被害に遭ってしまう可能性もあります。
確かにAndroidに比べるとiPhoneの乗っ取りやウイルス感染の被害は少ないのですが、それでも被害は確認されています。iPhoneでも被害に遭う可能性はある、ということは頭に入れて、今すぐ2ファクタ認証の確認など、できる対策をしておきましょう。