いろんな形でフォローが混ざり合ってTwitterは作られています。その中で「無言フォロー」については意見がわかれ、「無言フォロー容認」派と「無言フォロー拒否」派は「きのこたけのこ戦争」のごとく深刻な対立を生んでいます。でも実際はどちらが正しいのでしょうか。
Twitterをやっている以上「フォロー」という行為は避けて通れません。
ところがこの「フォロー」の際に、なんらかのレスを送らずに勝手にフォローすることを「無言フォロー」と呼んで、これがマナー違反の失礼きわまりない行為であると声高に言いたてる一派があります。
かと思うと逆にそうした「無言フォロー」を否定する人々を「マナー厨」と呼んで非難する一派もあります。
「無言フォロー」に対する態度が対照的なこの両派は、決して交じり合うことなく、いまもTwitter界の片隅で「きのこたけのこ戦争」もかくやという争いを続けているわけですが、大多数のTwitterユーザーにとってはどうでもいい話です。ただしそれは自分に火の粉がかからなければ、という前提付きでのお話です。
Twitterの使い方は人それぞれですが、その中には自分をフォローする際には一言二言、いや十分に礼を尽くして「フォローさせてください」と挨拶すべきであって、挨拶もなく勝手に「無言フォロー」するのは失礼だと考える人がいます。
もちろんTwitterの規約には「無言フォロー」がどうしたということは一言も書かれていませんから、これはルールではなくてマナーだと言い立てるのです。では、その「無言フォロー」に対するマナーは誰が決めたのかといえば、もちろん「無言フォロー」は無礼だと考える人たちで、結局はその人たちが勝手に決めたマイルールなのです。
もちろん、進んで人を不愉快にさせることはマナー違反ですから、こうした「無言フォロー」否定派の気持ちを汲むことも人付き合いとしては必要なことです。
これに関連して、プロフィール画面やアカウント名に「無言フォローごめんなさい」と入れる例があります。この「無言フォローごめんなさい」とは二つの意味を持っています。
前節の「無言フォローごめんなさい」と似た言葉で「無言フォロー失礼します」という言い回しも見かけます。
こちらはより「無言フォローするけれど許して」感が強まっています。もし「無言フォロー」に対して申し訳なさを感じているのなら、こちらを使うほうが間違いが起こりづらいでしょう。
しかし、そもそも「無言フォロー」とは謝ったり、「失礼します」と断ったりしなければいけないほどの失礼な行為なのでしょうか。
前にも触れましたし、また次の節でも記しますが、「無言フォロー」うんぬんについてはTwitterの規約にはまったく触れられておりません。「無言フォロー」なる単語すら存在しないのです。
それではなぜことさらに「無言フォロー」が責められるのでしょう。
Twitterヘルプセンターの「フォローについてのよくある質問」にはこうあります。
いいえ。Twitterのフォローには相互性がないため、友だちになることとは異なります。あなたのツイートに興味を持ったアカウントがあなたをフォローし、あなたの側でもフォローリクエストの承認やフォローバックを自由に判断できます。
フォロワーを制限したい場合は、アカウントを非公開に設定してください。フォロワーを承認したとしても、その相手をフォローバックする必要はありません。
この文で「他のソーシャルネットワーク」と『ハリー・ポッター』のヴォルデモート卿のごとく名を伏せている相手はFacebookです。Facebookでは"友達”になるということは、お互いのタイムライン(フィード)にお互いの投稿が表示されることですが、Twitterでは単に一方が一方をフォローするだけの関係です。
これを不公平だと感じ、お互いがフォローしあうフォローバック(リフォロー・両思い)こそ正しい形であると思い込むことが、マナー厨への第一歩です。そして、フォローバックを大切に思う人ほど「無言フォロー」に抵抗があるのです。
この「無言フォローにはフォローバックしない」という言動は、つまり「それだけ自分のフォローは価値があるのだから、フォローバックしてもらうためには単に「無言フォロー」するだけではなく最低限「失礼します」くらいのしかるべき挨拶が必要である」という考えの表れなのです。
これを式に表すと、
もちろん「無言フォロー」に対する態度とはいえ、他人に押し付けるのでなければそうした考えを持つのは自由ですし、それを発言するのも自由です。とはいえ、それに付き合う側は神経を使いますし、面倒に感じてしまい、先に述べたような「無言フォローごめんなさい」「無言フォロー失礼します」と先手を打って謝ってしまうのです。
しかし、こうした「無言フォローお断り」という考えをちゃんとプロフィールやアカウント名でうたっている人であれば、それをわざわざフォローする以上は相手に合わせなければ失礼に当たります。
相手に合わせるのがマナーですから、あなたが猛烈な「無言フォロー」賛成派であっても、「無言フォロー」拒否派と明確にわかっている人をフォローしたいのであれば、相手に合わせて「無言フォロー」などせずにしっかりと挨拶すべきです。
そうでなければ、挨拶してまでフォローする価値はないとスルーすべきであって、あえて挨拶もなしで勝手に「無言フォロー」するのは、女性専用車に乗り込んで文句をつける男性のごとく、これまた自分の価値観の押し付けですから、失礼を通り越して無礼ですらあります。
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