インスタグラムは写真投稿をするSNSであって動画を投稿するSNSではないと思われますか。実はインスタグラムにはIGTV機能が追加され動画投稿ができるようになりました。今回はインスタグラムのIGTVとその使い方について解説します。
現在世界の3代SNSの1つに数えられているインスタグラム。世界中で10億人以上の月間アクティブユーザーが利用しているのがインスタグラムです。世界中でSNSの利用者は年々増え、それと比例するようにSNSビジネスに多くの事業者が参入しています。
今後世界で30億人がSNSを利用すると見られており、そのため、さらなるサービスの提供と機能向上に努めることにより、顧客を増やしていくことは、SNS事業者にとって重要な課題となっています。これまでの成功は将来への確約とは決してならず、過去の成功にあぐらをかいていれば、いつか足下をすくわれる、それが資本主義の原理です。
世界中で大成功を収めたFacebookやYouTube、またインスタグラムといえ、例外ではありません。そんなSNSの「戦国時代」に新たな「一手」を売ったのがインスタグラムでした。それが2018年に発表された新機能「IGTV」です。
では具体的にインスタグラムが提供を開始した新機能「IGTV」とはどんなサービスなのでしょうか。「IGTV」とは「インスタグラムテレビ」を略したものです。「IGTV」とは縦長動画の投稿アプリのことです。「IGTV」とは、いわばインスタグラムの「YouTube」といっても過言ではありません。
しかし「IGTV」のサービスが始まる前から、インスタグラムには動画サービスが存在していました。インスタグラムは、2016年8月に「ストーリーズ」機能を追加しました。この「ストーリーズ」機能とは、最大15秒の縦長動画を投稿するサービスです。使い方は簡単で、日常の何気ない場面を15秒間に収めて投稿し、24時間後には自動的に動画は消えてしまいます。
こうした気軽さから、「ストーリーズ」は大ヒットサービスとなりました。事実、インスタグラム本来の目的である写真投稿をせずに、「ストーリーズ」だけを利用するユーザーも非常に多くいるほどでした。また動画は横長という概念を根本から崩し、動画は縦長という新しいコンセプトを確立するのに一役買ったのもこの「ストーリーズ」でした。
「ストーリーズ」という、使い方が簡単で、大成功を収めた動画アプリが既にあるのに、どうして新たに「IGTV」という新機能をインスタグラムは発表したのでしょうか。新機能「IGTV」の特徴が分かると、その謎が解けます。
インスタグラムが開発した新機能「IGTV」にはどんな特徴があるのでしょうか。大きく分けて6つの特徴があります。1つ目は長時間の縦画面の動画投稿が可能であることです。2つ目はインスタグラムアプリがあれば専用アプリなくても利用できます。3つ目はインスタグラムのアカウントのフォローやフォロワーを引き継ぐことができます。
4つ目は誰でも投稿動画のキャプションにリンクの設置を行えます。5つ目は「IGTV」のチャンネルは「ストーリー」からリンクできます。そして6つ目はプロフィールやフィードにプレビューを表示できます。これからこれら6つの特徴とは一体どんなものなのか、1つずつ取り上げ検証します。
縦型動画専門の動画投稿アプリ「IGTV」の最初の特徴は、長時間の縦画面の動画投稿ができることです。先ほど考えた「ストーリーズ」は同じ動画配信アプリですが、わずか15秒の動画しか投稿できません。しかし新機能「IGTV」は最長60分の動画を投稿できます。これにより、長編の動画や番組も配信できるようになり、活用範囲がさらに広がることになりました。
縦型動画専門の動画投稿アプリ「IGTV」の2つ目の特徴は、インスタグラムアプリがあれば専用アプリをインストールしなくても新機能「IGTV」を利用できることです。App Storeから「IGTV」アプリをインストールすることもできますが、インスタグラムのアプリから「IGTV」機能を使うのも、「IGTV」アプリから直接利用するのも、基本的には同じです。
唯一の違いは、再生画面に「設定」アイコンが「IGTV」アプリには表示されていることだけです。この「設定」アイコンはアカウント切り替えのために使用するもので、あえて「IGTV」アプリ内でやらなくても、インスタグラム内で行えます。
縦型動画専門の動画投稿アプリ「IGTV」の3つ目の特徴は、インスタグラムのアカウントのフォローやフォロワーを引き継ぐことができることです。新機能「IGTV」で動画を配信するには、「IGTV」アカウントを開設する必要があります。そしてアカウントを開設するには、インスタグラムのアカウントに紐付けをしなければなりません。
紐付けするとは、新機能「IGTV」とインスタグラムを関連づけることを意味します。紐付けがなされ、「IGTV」アカウントが作成されるとフォロワー数が表示されます。そのフォロワー数は、インスタグラムアカウントのフォロワー数と同じはずです。
このことは、インスタグラムのアカウントのフォローやフォロワーが「IGTV」アカウントに引き継がれたことを表しています。
縦型動画専門の動画投稿アプリ「IGTV」の4つ目の特徴は、誰でも投稿動画のキャプションにリンクの設置を行えることです。インスタグラムのこれまでの使い方は、外部リンクを基本的に貼り付けできないように設定されていました。貼り付けても、文字列が貼られるだけで、そこを押しても反応はありませんでした。
しかし新機能「IGTV」は各投稿動画にリンクを貼り付けることができます。
縦型動画専門の動画投稿アプリ「IGTV」の5つ目の特徴は、「IGTV」のチャンネルを「ストーリーズ」からリンクできることです。「IGTV」アカウントの開設後、インスタグラムにある自分の「ストーリー」から「IGTV」の動画にリンクさせることができます。その手順は、まずインスタグラムの「ストーリーズ」画面で投稿する写真や15秒動画を作成します。
編集画面になると、画面上部に「リンク」マークが表示されます。この「リンク」マークを選択すると、投稿した「IGTV」動画を選択できます。選択後、「リンク」マークが変わります。
縦型動画専門の動画投稿アプリ「IGTV」の6つ目の特徴は、プロフィールやフィードにプレビューを表示できることです。「IGTV」チャンネルを開設したユーザーのプロフィール画面に、「IGTV」というマークが表示されます。これは「IGTV」に投稿した動画へアクセスするためのものです。
フォローしているユーザーが「IGTV」動画を投稿すると、インスタグラムの画面上にプレビューが流れます。
これまで考えてきたように、新機能「IGTV」にはユーザーを喜ばせる様々な機能やサービスが織り込まれ、「インスタグラムは写真投稿のためのSNS」という固定概念を完全に覆してくれる、インスタグラムの新しいサービスであることが分かりました。多くのメリットがある一方で、「IGTV」にはデメリットも存在します。どんなデメリットでしょうか。
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