Bluetoothのコーデックとは音声圧縮形式のことで、様々なコーデックが存在します。ここでは一般的なコーデックから最新のコーデックまで詳しく解説します。またおすすめのコーデックやBluetoothのコーデックの確認方法も紹介します。
近年はBluetoothを利用した機能が多くの機器に搭載され、急速に私たちの生活にBluetoothが浸透しています。そこで、まずはBluetoothやBluetoothのコーデック、Class、バージョン、プロファイルについて詳しく説明します。Bluetoothを利用する前に、基本的なことを知っておいてください。
Bluetoothとはワイヤレスで複数の機器を接続する機能で、Wi-Fiや赤外線通信などと同じ近距離無線通信の1種です。スマートフォンをはじめ、イヤホン・ヘッドホン・スピーカー・キーボードなどにもBluetooth機能が備わっています。
BluetoothはWi-Fiに比べて通信速度や通信距離は劣りますが、Wi-Fiよりも消費電力が少ないため、長時間の使用に長けています。
Bluetoothは音声を転送する際に、データ量の多さによって通信が困難になることを防ぐために、音声を圧縮します。この圧縮方式のことをコーデックといいます。標準のコーデックはSBCですが、コーデックの種類は複数あります。クアルコムやソニーなどもコーデックを開発していて、SBCよりも高品質なコーデックを生み出しています。
BluetoothのClassは電波強度を指し、Classによって最大出力の上限や最大通信距離が異なります。送信機と受信機を遠くに設置したい場合は、Class1やClass2に対応している機器を購入してください。Classは3まであり、多くのスマートフォンやBluetoothイヤホンには、Class2が採用されています。
Classの種類 | 最大通信距離 | 最大出力 |
Class1 | 100m | 100mW |
Class2 | 10m | 2.5mW |
Class3 | 1m | 1mW |
Bluetoothにはバージョンがあり、バージョンによって細かい機能や消費電力・通信速度が異なります。基本的には新しいバージョンのほうが機能が優れています。また下位互換があるため、Bluetooth4.0の機器と5.0の機器も接続できます。Bluetoothのバージョンごとの機能は以下の通りです。
Bluetooth4.0から対応しているプロファイルとは、Bluetooth通信で何ができるかを定めた規格です。例えば、Bluetoothイヤホンではステレオ音声で音楽を聴ける「A2DP」、音楽の再生/停止などのコントロールができる「AVRCP」などのプロファイルがあります。
ほかにも、スマートフォンの画像をプリンタで印刷する際に使われる「BIP」、キーボードやマウスを無線で使用するための「HID」など、多種多様なプロファイルが存在します。
それでは、Bluetoothのコーデックの種類を具体的に説明します。合計7種類のコーデックを紹介しますが、そのうち4種類のコーデックはクアルコムが開発したものです。クアルコムはaptXを基本形として、アップグレードしたコーデックを3種類開発しています。
現在よく使われているBluetoothのコーデックは6種類です。コーデックが発表されたのが古いものから、順を追って説明します。基本的には、最新のコーデックのほうが遅延が少なく高音質です。
SBCはBluetoothの標準のコーデックなので、どのBluetooth機器にも搭載されています。簡単な計算で音声を圧縮するため圧縮効率が悪く、音質も悪化しやすいので注意してください。また無音時でもホワイトノイズが多く、遅延は200~250msなので動画再生には向いていません。
AACは日本の地上波デジタル放送やBSデジタル放送で使われています。またApple製品はSBCとAACのみに対応しており、iPhoneユーザーには馴染みのあるコーデックです。iTunesストアで楽曲を購入すると、フォーマットはこのAACです。SBCより高音質です。
しかし遅延は800~1000msと、ほかのコーデックに比べてかなりあるため、動画再生やゲームは困難です。
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