漫画アプリ「XOY」がLINEマンガに移行した理由は？評判・過去作品など解説！

XOYとは、2016年に韓国の네이버웹툰（NAVER WEBTOON）社が日本で開始した無料漫画アプリのことです。XOYと書いて「ジョイ」と読みます。

月間アクティブユーザー数が200万人を超えるほどの人気を誇っていましたが、2019年1月18日をもってXOYのサービス提供が終了。過去にXOYで連載されていた漫画作品の大半は、LINEマンガに移行しています。

数ある漫画配信サービスの中で、何故XOYがこれほどの支持を得ていたのか？ここでは、XOYの特徴や人気の理由について見ていきましょう。

XOYは韓国のNAVER WEBTOON社のサービスであり、主に「WEBTOON」というデジタルコミックサイトに掲載されている韓国の漫画作品が配信されていました。

iOS版またはAndroid版のXOYアプリをダウンロード・インストールすれば、モバイル端末を使って好きなタイミングで韓国の人気漫画を読むことが出来ました。（現在ではXOYアプリの配信は終了。）

しかもXOYで連載されていた漫画は日本語に翻訳されていて、登場人物の名前まで日本の人名に変更されている作品が少なくありません。ハングル（韓国語）が分からない日本人でも気軽に読める魅力がありました。

XOY漫画アプリの評判が非常に良かった理由として、過去話から最新話までの全エピソードを完全無料で読むことが出来たシステムが挙げられます。

多くの漫画配信アプリは、一話のみ無料で他のエピソードを読むためには一定時間待つか課金しなければならないというルールを採用しています。

その点、XOYアプリなら待機時間も課金も一切必要なし。おまけに読書の集中を阻害する鬱陶しい広告表示すら無く、どの漫画作品も自由に読める良心的なサービス環境が構築されていたのです。

XOYアプリで連載されていた漫画には、読者と等身大のキャラクターが繰り広げる日常的なストーリーをテーマにした作品が多いという特徴がありました。

韓国と日本。国は違えど、仕事や恋愛で悩む登場人物たちのリアルな生き様には共感するものがあり、韓国の文化に興味のある多くの日本人ユーザーから大評判となっていました。

また、XOYアプリの連載作品の大半がフルカラーに対応していました。次のページに移動する際には縦にフリックする仕様になっていて、横スクロールよりも素早く読み進められるのが特徴的です。

2018年7月に、XOYアプリを運営していたNAVER WEBTOON社は、LINEマンガを展開しているLINE Digital Frontier社との提携を発表しました。

現在ではXOYの全サービスがLINEマンガと合併し、公式サイトにアクセスしてもXOYで連載されていた過去作品の情報は表示されません。

圧倒的人気を誇っていたXOY漫画アプリが何故LINEマンガに移行することになったのか？ここからは、その経緯や移行の理由について見ていきましょう。

2018年9月13日、XOYの公式サイトにて「作品の掲載方式の変更に関するお知らせ」が公表されました。

LINE Digital Frontier社との事業提携により、XOYアプリで連載中（または完結）の漫画作品がLINEマンガに移行されることが正式に発表されたのです。

2018年9月～10月頃からXOYの連載作品が順次LINEマンガに移行。XOYアプリでは各作品を数話だけ掲載して、「続きはLINEマンガで」という配信手法が取られました。（ただし「慄然」・「霊道」・「呪電」の3作品は諸事情により移行されず。）

そして2019年1月18日をもって、XOYの全サービスが終了。

現在では、XOYアプリで連載されていた人気漫画作品の大半はLINEマンガユーザーのみ閲覧できる状態になっています。

XOYがLINEマンガと統合した理由は、NAVER WEBTOON社およびLINE Digital Frontier社から公式に発表されていません。

これはあくまでユーザー目線の憶測に過ぎませんが、XOYがLINEマンガに移行した理由は「社内戦略」の関係である可能性が高いです。

というのも、NAVER WEBTOON社とLINE Digital Frontier社は同じNAVER（旧NHN）グループの企業であり、今回のXOYの移行は買収によるものではありません。LINEブランドを活用して両サービスを統合することで、グループの収益性をさらに高めることが目的と考えれば合点がいきます。

韓国の네이버（NAVER）は、無料SNSアプリ「LINE」や「NAVERまとめ」などのサービスで大成功を収めたように、非常に優秀な企業です。

LINEを使っている方の中で、「なぜLINEはタダなのか？」と無料で利用できる理由を不思議に思ったことのある方もいるのではないでしょうか？その理由を簡単にまとめると、以下のようなビジネスモデルによって成り立っています。
 

1. 無料で多彩なコミュニケーションサービスを利用できることを謳って、LINEアプリの利用者数を徹底的に増やす
2. LINEのユーザー数が増えるほど、メディアとしての広告単価が上がる
3. LINEを利用して宣伝メッセージを発信する企業から多額の広告収入を得ることが出来る

とどのつまり、ビジネスにおいては顧客の注目を集めて利用者数を増やす事こそが事業収入を高める最大のコツなのです。

無料で人気漫画作品を読めるXOYアプリによって十分な集客を達成した以上、次は課金制のLINEマンガと統合して利益に結び付けるのは当然のビジネス戦略と言えるでしょう。

XOYの人気連載漫画作品がLINEマンガに移行することが発表された頃、XOYアプリユーザーの間では強い反発が巻き起こりました。

ここでは、LINEマンガ移行に関してXOY漫画の読者が抱いている率直な意見・評判を見ていきましょう。

XOYの連載漫画作品がLINEマンガに移行することに関する評判をチェックしてみると、好意的に受け止めているユーザーはほぼ皆無でした。

「なぜ移行する必要があるのか理由を説明しろ」と憤る方もいれば、XOYが無くなることを悲嘆している方もいます。裏を返せば、XOYアプリがそれだけ多くのユーザーから愛されていたサービスだったとも言えるでしょう。

XOY連載漫画作品のLINEマンガ移行に関して悪い評判が目立つ理由として、LINEマンガでは好きな漫画作品を無料で読めなくなるからという意見が大半を占めています。

LINEマンガのシステムはXOYと大きく異なっており、「毎日無料」作品を1話読んだら原則23時間待たないと他のエピソードを無料で読むことが出来ません。今すぐ一気読みしたい場合は、画面右上のマイメニューアイコンをタップしてLINEマンガコインを購入する必要があります。
 

課金して取得したLINEマンガコインを1話につき30～50コインほど消費すれば、待ち時間をチャージしてすぐに先読みすることが可能です。

LINEマンガでは課金がほぼ必須と言っても過言ではなく、XOYアプリで漫画作品を無料で読むことが出来た過去に戻りたいという口コミで溢れ返っています。

XOYの連載漫画作品がLINEマンガに移行したとはいえ、アカウントデータまでもが統合されたわけではありません。

LINEマンガを利用したことのない方は、XOYで連載されていた漫画作品を読むためにLINEマンガにて登録手続きを行う必要があります。若干手間がかかるので、非常に評判が良くありません。

しかも海外の電話番号を使って作成したLINEアカウントを利用する場合、「本サービスは日本国内のユーザーが対象となります」というエラーが出てLINEマンガを使えない可能性があります。

LINEアカウントを作成する際は、日本国内の電話番号を使いましょう。

XOYの連載漫画作品がLINEマンガに移行したと聞いて、XOYで過去に配信されていた漫画を読み返すことは出来るのか気になる方もいることでしょう。

ここでは、XOYの連載漫画作品のLINEマンガでの取り扱いについて解説していきます。

「慄然」・「霊道」・「呪電」の3漫画作品は諸事情により移行されませんでしたが、それ以外の漫画データは全てLINEマンガに収録されています。もちろん、過去話もLINEマンガにて閲覧可能です。

ただし、XOYで過去に連載されていた漫画作品を読むためには、基本的にLINEマンガ内で課金してコインを購入する必要があります。他のLINE関連サービスで購入したコインはLINEマンガ内で利用できないので注意してください。

もしもXOYで過去に連載されていた漫画作品がLINEマンガの無料対象になっていれば、23時間ごとに1話だけ読むことが可能です。一気読みしたい場合は、課金して待ち時間をチャージする必要があります。

なお、無料対象漫画作品の中には閲覧期限が設定されている漫画があることに注意してください。
 

• 有料対象漫画作品：コインで購入すれば基本的に無期限で自由に読める
• 無料対象漫画作品：課金しても閲覧期限を過ぎると自由に読めなくなる

無料対象漫画作品の過去話を久しぶりに読み返したくなった時、閲覧期限を過ぎていると再課金が必要になる可能性があります。XOYと違い、事あるごとに課金を求められるのがLINEマンガの特徴です。

ただし、ごくまれに人気漫画作品が期間限定で全話無料公開されるキャンペーンも実施されています。LINEマンガの公式Twitterをフォローして、お得なチャンスを逃さないようにしましょう。

配信媒体が変わったといっても、XOYで連載されていた漫画の人気は健在です。LINEマンガで読めるXOY連載漫画の中から、評判の良いおすすめ漫画作品を3つご紹介しましょう。

神之塔（原題：신의 탑）は、韓国人漫画家のSIU（ペンネームのSlave In Uteroの略、本名は이종휘（Lee Jong Hui））氏の大人気長編ファンタジー漫画です。

主人公の少年ジュ・ビオレ・グレイス（通称・二十五日の夜）は、突如姿をくらました少女・ラヘルを追って謎の塔の中に飛び込みます。頂上に辿り着けばこの世の全ての栄光が手に入ると言われる不思議な塔を登りながら、様々な住人との出会いやバトルが展開されます。

個性的なキャラクター。謎が謎を呼ぶスリリングなストーリー。随所に伏線が張り巡らされており、広大な世界観を考察しながら続きを読みたくなる大作です。

外見至上主義（原題：외모지상주의）は、韓国人漫画家のT.Jun（本名：박태준（Park Tae Joon））氏の大人気ヒューマンドラマ漫画です。

主人公の高校生・長谷川 蛍介（韓国版では박형석（パク・ヒョンソク））は、肥満体型かつ根暗な性格が原因で毎日学校でいじめられていました。しかしある日目を覚ますと、何故か容姿端麗で運動神経抜群のイケメンになっている自分がそこにいました。

眠る度に体が入れ替わる不思議な能力により、奇妙な二重生活がスタート。2種類の人生を通して、外見ばかりが重視される世の中をシニカルかつコミカルに描いています。

女神降臨（原題：여신강림）は、韓国人漫画家のyaongyi（야옹이（ヤオンイ）、本名：김나영（Kim Na Young））さんの大人気恋愛コメディー漫画です。

主人公の谷川麗奈（韓国版では임주경（イム・ジュギョン））は、地味な容姿のさえない女子学生。失恋を切っ掛けにメイクのスキルを磨き、SNSで評判の超絶美女に変身できるようになりました。

現代韓国人女性の等身大の恋愛模様は胸キュン必至。美に対する意識の高い韓流メイクのテクニックがリアルに描かれていて、美容やファッションに興味のある日本人女性にとっても参考になることでしょう。

今回は、XOYアプリで過去に連載されていた漫画がLINEマンガに移行した理由やその評判、おすすめのXOY漫画などをご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
 

• XOY（ジョイ）とは、NAVER WEBTOONによって運営されていた無料漫画配信アプリのこと
• 韓国の人気漫画作品を完全無料で読み放題できる魅力があったが、2019年1月18日をもってサービスが終了し、大半の漫画作品がLINEマンガに移行した
• LINEマンガにアクセスすれば、「神之塔」・「外見至上主義」・「女神降臨」など多くのXOY発おすすめ漫画を読める
• XOYとLINEマンガが統合した正確な理由は非公表だが、同じNAVERグループ内の漫画サービスを合併して収益力を高めることが狙いと思われる
• しかし、XOYなら無料で読むことが出来た過去作品をLINEマンガで一気読みするためには課金が必要なので、読者からの評判はあまり良くない

NAVERは慈善事業で漫画サービスを展開しているわけではありません。LINEマンガに収録されているXOY漫画を読むために、ある程度の課金が必要になるのは仕方ないことです。

韓国の人気漫画作品を読んでみたい方は、LINEマンガを定期的にチェックすると良いでしょう。