2019年11月19日更新
PC版PS3エミュレータ「RPCS3」の使い方・インストール方法【2019年最新】
PC版PS3エミュレータのRPCS3が人気です。RPCS3のダウンロードおよびインストールから動作設定、さらにはゲームソフトの起動確認も解説します。さらにアップデートやその他の役立つ情報についても、PS3エミュレータとしてのRPCS3についてまとめてみました。
目次
- 1PC版PS3エミュレータRPCS3について
- ・PS3エミュレータRPCS3とは
- ・対応OSと必要なスペック
- ・32bit版もある
- 2PC版PS3エミュレータRPCS3の導入方法
- ・用意するもの
- ・RPCS3に必要なダウンロードとインストールについて
- 3PC版PS3エミュレータRPCS3の使い方
- ・ゲームの読み込み方法
- ・起動確認について
- ・RPCS3のアップデート方法について
- 4PC版PS3エミュレータRPCS3の設定について
- ・基本設定について
- ・4K出力の設定
- ・スキンの変更
- ・リストやグリット表示の設定
- ・軽量化について
- ・コントローラーについて
- 5PC版PS3エミュレータRPCS3用のゲームソフトについて
- ・吸い出しに必要なドライブについて
- ・PCでのゲームソフトの吸出し方法
- ・ゲームソフトのアップデート方法
- ・使いこなすポイント
- 6PC版PS3エミュレータRPCS3を使いこなそう!
PC版PS3エミュレータRPCS3について
ゲームのエミュレータは今までにもたくさん出回っていますが、その中でPC版PS3エミュレータが話題になっています。以前はPSおよびPS2のエミュレータが人気を呼んでいましたが、さすがにPS3ともなると困難があったからです。RPCS3とはどのようなエミュレータなのでしょう。
PS3エミュレータRPCS3とは
RPCS3とはPS3(Sony PlayStation 3)のエミュレータおよびデバッガーです。RPCS3はWindows、Linux、BSD用のC++で記述したマルチプラットフォームのオープンソースとなっています。創設者はプログラマーのDHとHykemで、DHはRPCS3の父と言われています。彼は2011年5月23日にプロジェクトを設立しました。
RPCS3のコードベースの基盤を確立、その後の多くの機能強化を担当しました。2016年半ばにプロジェクトを離れてPlayStation4関連の研究に就いたのです。一方共同設立者のHykemはPlayStation3の多くの機能のリバースエンジニアリングを担当し、PS3のセキュリティコンポーネントの多くをエミュレートする暗号化エンジンを構築しまったのです。
彼はコンピュータサイエンスの修士号を持っている技術者ですが2016年半ばに深刻な状況に陥り、コンピュータの世界から消えてしまいました。
Hykemが残したメッセージでは名言を避けていますが、彼が身を引かざるを得なくなった原因には、ハッキングと著作権問題が関係しているようです。なお、二人の創設者がいなくなってもRPCS3は多数の研究者と支援するパトロンのおかげで開発が継続されています。
PS3について
PS3の正式名称はPlayStation3(プレイステーションスリー)で、発売は2006年11月11日となります。発売元はソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)です。PS3は2000年3月4日に発売されたPS2の後継機で第7世代です。ちなみにPS2は2019年現在でゲーム機史上で最高に売れたゲーム機と言われており、販売実績は1億5500万台となっています。
なお、現在最も新しいのは2013年11月15日に発売された第8世代のPS4です。
対応OSと必要なスペック
PS3エミュレータのRPCS3の推奨システム要件は次の通りです。
CPU | TSX-NI搭載のIntel Quad-core以上(Haswell以上) |
CPU | AMD Hexa-core以上(Ryzen) |
GPU | Vulkan互換のAMDまたはNVIDIAカード |
RAM | 8GB以上 |
OS | Windows7/8/10 64-bit/Linux 64-bit/BSD 64-bit |
さらにこのエミュレータの最低システム要件は次のようになっています。
CPU | 任意のx64対応プロセッサ |
GPU | OpenGL 4.3互換以上 |
RAM | 2GB以上 |
OS | Windows7/8/10 64-bit/Linux 64-bit/BSD 64-bit |
32bit版もある
RPCS3エミュレータの32bit版というのも存在します。具体的にはRPCS3x86というものですが、これには注意が必要です。何故ならばRPCS3は基本的に64bitOS(x64)でしか動かないからです。従って32bit版を見つけても飛びついてはいけません。
PC版PS3エミュレータRPCS3の導入方法
それでは早速PC版PS3エミュレータのRPCS3を導入してみましょう。導入を進めるに当たってあらかじめ用意しておくものや、ダウンロードおよびインストール方法について説明します。
用意するもの
用意するものは、PC、RPCS3本体、PS3ファームウエア、ゲームソフトです。PCのスペックについては、前の項に推奨システム要件および最低システム要件を記載してあります。
RPCS3に必要なダウンロードとインストールについて
RPCS3を使用するために必要なダウンロードおよびインストール関係について説明しましょう。RPCS3は大変使いやすいエミュレータとの評判ですが、一定の準備が必要です。
再頒布可能パッケージの手順
まずはRPCS3を動作させるためのパッケージをダウンロードする必要があります。その訳は、RPCS3本体はMicrosoft Visual C++というソフトで書かれているために、これをサポートするデータをインストールする必要があるのです。Microsoft社の「最新のサポートされるVisual C++のダウンロード」のサイトへアクセスします。
そしてそこから、x64:vc_redistx64.exeをダウンロードします。ダウンロードをしたら規約に同意の上、インストールすれば良いのです。
RPCS3の手順
RPCS3の公式サイトにアクセスして、WindowsかLinuxかを選択してダウンロードをします。その後PCへインストールするのですが、これはそのままデフォルトのままで大丈夫です。
ファームウェアの手順
ソニーのサイトにアクセスしてダウンロードをすれば済みます。上の画像が当該サイトですがこのページの右下にある「AGREE AND DOWNLOAD NOW」をクリックします。ダウンロードされたら、RPCS3にて「File」から「Install Firmware」を選び、ダウンロードした「PS3UPDAT.PUP」をクリックすれば完了です。
PC版PS3エミュレータRPCS3の使い方
RPCS3本体のインストールおよび事前の準備が一通り済んだら、いよいよPS3エミュレータとして機能させる時が来ました。事前に用意したゲームソフトを読み込ませるところからスタートです。
ゲームの読み込み方法
ゲームを読み込むには、RPCS3の画面の上にあるアイコンの一番左の二重丸のような形のアイコンをクリックします。次にファイルを選択しますが、「PS3_GAME」のフォルダーをクリックします。すると猛烈な勢いでウィンドウが多数出現しますが、システム構成モジュールを読み込み中なので待ちましょう。
ひとしきりCPUがフル稼働すると、ゲームの画面が出現して来るのです。
起動確認について
RPCS3のホームページのCOMPATIBILITY(互換性)のところに、そのゲームが起動し動作する可能性についてまとめてあります。具体的には次の5段階の動作に分類されています。
判定 | 内容 | 確率 |
---|---|---|
Playable | 起動し最初から最後まで正しく動作しプレイできるゲームです | 48.12% |
Ingame | 起動し一部だけ動作しプレイできるゲームです | 42.18% |
Intro | 起動してメニュー画面までは動作するゲームです | 9.44% |
Loadable | 起動はできますがまともには動作しないゲームです | 0.2% |
Nothing | 起動しないあるいは動作反応なしのゲームです | 0.07% |
それぞれの判定項目をクリックすると、該当するゲームのリストにアクセスできます。起動および動作が確認されているPlayableを選択しましょう。
動作の不具合として黒い画面になることもある
Nothingに分類されている0.07%のゲームについては、起動しないあるいは反応なしなので、画面が黒いままでどうにもならない状態になってしまいます。なお、この判定のデータベースは2999例なので、実際にNothingに分類される実数は2例となります。
RPCS3のアップデート方法について
RPCS3は自動的にアップデートがなされるタイプではないので、もしもソフトに更新があったら、都度RPCS3のサイトにアクセスして手動で更新しなければなりません。最新版のRPCS3を古いバージョンに上書き保存すれば簡単に更新できます。
PC版PS3エミュレータRPCS3の設定について
RPCS3は細かな項目を設定することができます。どのような項目があって、どのように設定しておけば良いのかについて詳しく説明することにします。
基本設定について
Configration(コンフィグレーション)でRPCS3の各種設定を変更できます。以下項目毎に説明します。
項目 | 内容 |
---|---|
CPU | 速さを3段階に設定できます。「正確」は遅いです。「Fast」がデフォルトです。最速は動作不能の怖れがあります |
GPU | レンダリング |
OpelGL | 全ての中で最も互換性があるためおすすめです |
アスペクト比 | デフォルトの16×9でよいです |
画像解像度 | 最初のうちは1280×720でよいです |
フレーム制限 | 自動にしておきます |
オーディオ | いじる必要はないです |
Null | 特に利点はありません |
DRD12 | DirectX12にはWindows10と互換性のあるAMD/NVIDIAが必要です |
4K出力の設定
RPCS3は4K出力ができるようになっています。GPU設定の画面で「Resolution Scale」を300%に設定すれば「3840×2160」になり、これは「4K」に対応します。また、600%とすれば「8K」になってしまうのです。ところで、PS3は4Kに対応していませんので4Kに設定してもあまり意味はありません。
スキンの変更
RPCS3においてスキンの変更をするには、画面上のアイコンの中の「Config」をクリックして、GUIを選択肢「UI Stylesheets」で変更できます。さらに決定したらApplyで適用となります。デフォルトで6種類のスキンがあります。
スキンの変更例
スキンにはデフォルトがありますが、例としてはdefault(Bright)は画面の地が白色で明るいイメージになります。またKuroi(Dark)にすると一面真っ黒になり、Skylineにすると画面のツールバーがスカイブルーからグラディーションで変化します。
スキンの作成方法について
スキンの作成については上級者向きとなりますが、「rpcs3フォルダ」GuiCnfigsにあるスキンファイルを使用します。QSSファイルがスキンのファイルなので、それを開けるソフトで編集できます。
リストやグリット表示の設定
RPCS3の画面の上にあるアイコンの右側のアイコンで「List」と「Grid」というのがあります。リスト(List)表示にすると、横書きのリストのような表示になります。グリッド(Grid)表示にすると縦書きのイメージになります。
軽量化について
次のような点を試してみると軽量化できるでしょう。
項目 | 対応 |
---|---|
CPU | Additional SettingsのLower SPU thread priorityを有効にします |
- | SPU Decorderをexperimentalにします |
GPU | RendererをOpenGLにします |
GPU | Framelimitを低いものにします |
GPU | Default Resolutionで解像度を低いものにします |
GPU | Additional SettingsでVSyncを有効にします |
GPU | Anisotropic Filterを低いものにします |
- | PPU DecorderをFastestにします |
CPU | TSX Instructionを変更します |
- | Firmware Settingの変更。onlyが最軽量です |
コントローラーについて
コントローラーの選択については、つぎのようになっています。
コントローラー | 内容 |
---|---|
Keyboard | Joystickなどのキーボードのkeyをコントローラーに割り当てるソフトを使っている場合 |
XInput | XboxのコントローラーなどXInputに対応しているコントローラーの場合 |
DualSock 4 | PS4のコントローラーを使う場合 |
MMjoystick | MMjoystickに対応しているコントローラーの場合 |
PC版PS3エミュレータRPCS3用のゲームソフトについて
ここまでのところで、RPCS3の設定等の基本的なところは準備ができました。ここからは、実際にRPCS3で稼働させるゲームソフトについて見てみましょう。
吸い出しに必要なドライブについて
自分が所有しているゲームソフトを吸い出してイメージ化してみましょう。基本的にはPS3の実機があるのが良いのですが、ブルーレイディスクドライブから吸い出すこともできます。ブルーレイドライブはPS3のドライブの3k3yと互換性がないと上手くいきません。RPCS3公式サイトに記載されている吸出し可能なドライブを選べば問題ありません。
PCでのゲームソフトの吸出し方法
それではPCでの手持ちのPS3のゲームソフトを吸出しする方法について紹介します。手元には吸出し対象のPS3ゲームソフトを用意して、あと必要な手順を踏めば比較的簡単に吸出しが完了できます。
簡単な吸出し方法
まず「ps3-disc-dumper」というソフトをダウンロードしましょう。そして予めドライブには対象のゲームソフトすなわちPS3のディスクを入れておきます。ps3-disc-dumperを起動し、Output folderにディスクを入れてあるドライブを指定してOKをクリックすると吸出しが開始します。
しばらくすると、ps3-disc-dumperのフォルダの中にPS3_GAMEフォルダができており完了です。
上級者向けのISOファイル吸出し方法
PCの知識のある上級者向きの吸出しの方法ですが、これは自動で吸出しをやってくれるソフトが出来る前の方法です。
1 | ISOをダンプします |
2 | irdファイルを取得します |
3 | irdファイルを適合します |
4 | ISOからPS3_GAMEを抽出します |
5 | 終了です |
ゲームソフトのアップデート方法
PS3のゲームソフトにも更新(アップデート)プログラムがありますので、それを取得して最新の状態にアップデートしてゲームに挑戦しましょう。
更新プログラムの取得について
まずアップデート用のプログラムである「PS3 Game Updater」をダウンロードします。アップデート用のver1.52はhttps://www71.zippyshare.com/v/HQ7v4j0x/file.htmlとなっています。「DOWNLOAD NOW 」をクリックしてダウンロードします。解凍してからアップデート用.pkgを取得するために表示されている3つの内のどれかを選択します。
どれを選択しても同じアップデート用.pkgが来ます。すると「MyPS3GamesUpdates」というフォルダが生成されます。これで更新プログラムが取得できました。
更新方法について
RPCS3を起動し、FileからInstall.pkgを選択して前の工程で取得したアップデート用.pkgをクリックします。すると完了したというメッセージが表示されたポップアップが飛び出してきます。
使いこなすポイント
せっかく使える準備ができたRPCS3なので、今度はできるだけ色々なことにRPCS3を使って取り組んでみようと思うものでしょう。どのようにしたらRPCS3を使いこなせるのか、ポイントを挙げてみます。
チートについて
チートとはコンピューターゲームで、もともとのゲームにない機能を用いて有利なゲームを展開できるようにすることです。このようなチートを「Cheat Engine」を使用して行うことができます。また、ROMの中の「EBOOT.BIN」を直接書き換えてもチートができます。
データのインストールについて
データインストールは基本的に必要ないので行わないようにしたほうが良いです。ところが、勝手にデータインストールされるゲームもありますが、うまく動かなくなることがあります。これを回避するには、rpc3/dev_hdd0/game/[Game ID]というフォルダーを作成すればよいようです。
オンラインプレイやマルチプレイについて
オンラインプレイやマルチプレイについては実施しないようにするのが無難です。何故ならば現状ではエミュレータでPlayStation Networkに接続することは、法的に解決していないからです。さらにRPCS3では日進月歩で開発が進められていますが、まだ技術面の問題でも全てクリアになったわけではありません。
ウイルス判定について
現在ウイルス判定をされてしまうようですが、これはバグによるもので実際はウイルスは含まれていませんので、安心して使用してかまわないのです。
違法性について
ゲームソフトのアップデートファイルのダウンロードについては、法的にはグレーとなっています。これはゲーム内の一部データを抜き出す行為と同等とすれば、法的に違反している可能性は否定できないのです。いずれにしても個人で楽しむ範囲内で良識を持って行うのならば、法的に訴追されにくのではないかと言われています。
PC版PS3エミュレータRPCS3を使いこなそう!
PS3のファンは多く、またPS3のゲームソフトをエミュレータでPCで動かしてみたいと望む人も多いのです。そのような声に応えてPC版エミュレータRPCS3が生まれたのです。創設者の2人は今は去ってしまいましたが、志を受け継いだ協力者たちが現在も開発を進めています。
幸いにして今は各種のサポートソフトのおかげで比較的簡単にPS3のゲームをRPCS3を使ってPC上で楽しめます。細かな設定を変えれば楽しみの幅も広がってきます。RPCS3を使いこなしてもっとPS3を楽しみましょう。