iPhoneのパスコード(パスワード)を忘れてロック解除できない対処法を解説！

iPhoneは、顔認証のFace IDや指紋認証のTouch IDで簡単にロック解除できますが、iOSのアップデートや再起動後には必ず4〜6桁の数字のパスコードやパスワードによる認証が必要です。しかし、日常的にはFace IDやTouch IDで済ませていると、いざというときにはパスコードを忘れてロック解除できないという事態に直面しかねません。

実際、Apple Storeや街の修理業者にロック解除できないiPhoneが持ち込まれる例が多く見られます。しかしパスコードやパスワードを忘れられたiPhoneは、初期化するしか方法がありません。あとはバックアップの有無で、初期化後にバックアップから復元するか、復元を諦めて新しいiPhoneとして一からアプリを入れ直すかのふたつに分かれるのみです。

そこで、本記事ではロック解除できないiPhoneを初期化してバックアップから復元する方法を、iTunesを使う、「iPhoneを探す」を使う、リカバリーモードを使う、の3種類から説明するとともに、バックアップがなく初期化する場合のやり方と、今後のためにバックアップをとる方法をお伝えします。

パスコードやパスワードを忘れてしまい、ロック解除できなくなったiPhoneは、PCやMacに接続してiTunes経由でバックアップをし、復元することでパスコードやパスワードをあらためて設定できます。ただし、iPhoneの容量にもよりますが、バックアップと復元に1時間、そこからアプリの再インストールに数時間かかります。

また、パスコードやパスワードを入力できないと、iTunesに接続してもiPhoneをロック解除できないため、iTunesがiPhoneを認識しない場合があります。この場合は、次の「iPhoneを探す」を使うか、その次のリカバリーモードを使う方法を採る必要があります。

iTunesをPCやMacで立ち上げ、iPhoneをケーブル接続したところで、iTunesがiPhoneを認識しているかを確かめます。左のデバイス欄にiPhoneが現れ、「iPhoneのアイコン」が表示されたら、そのアイコンを選択してiPhoneにアクセスします。

iPhoneの内容に画面が切り替わったら、左のタブから「概要」を選び、「今すぐバックアップ」を選択します。

iPhoneのバックアップが取れたら、続けて「バックアップを復元」を選びます。これで、iPhoneが初期化＆復元状態となり、あらためてパスコードやパスワードを入力し直せる状態となります。ただし、アプリのデータのほとんどはバックアップされていませんので、別途LINEなどのアプリのほうで取ったバックアップを復元しなければなりません。

iPhone上で「iPhoneを探す」がオン状態であれば、PCやMac、タブレットやほかのIOS端末からiPhoneを初期化できます。「iPhoneを探す」で初期化した後は、iTunesやiCloudのバックアップから復元すれば、ほぼ元通りのiPhoneとなります。

「iPhoneを探す」がオンであれば、iCloud経由でパスコードやパスワードを忘れたiPhoneを初期化します。そのためには、まず「iPhoneを探す」にアクセスするために、icloud.comに接続します。以下はMacのブラウザでのスクリーンショットです。

icloud.comに接続できたら、Apple IDとパスワードを入力し、パスワードの右にある「→」ボタンをクリックしてiCloudにサインインします

すると2ファクタ認証（2段階認証）を求められます。もちろん手許のiPhoneはロック解除できないので認証は不可能ですから、画面左下にある「iPhoneを探す」をクリックします。

画面が「iPhoneを探す」に切り替わったら、画面上中央にある「すべてのデバイス」をクリックして、表示されるプルダウンメニューからパスコードやパスワードがわからなくなったiPhoneを選びます。

すると紛失したiPhoneの位置情報がGPSで追跡され、「iPhoneを探す」の地図上に表示されます。たぶん「iPhoneを探す」ではあなたの家にあると表示されるでしょうから、「iPhoneを消去」をクリックしてiPhoneを初期化します。

確認画面がポップアップしますので、あらためて「消去」を選んでください。

これで「iPhoneを探す」で、ロック解除できないiPhoneを初期化できました。

iPhoneのバックアップがiCloud上にあるのなら、初期化されたiPhoneを「こんにちは」画面ののち、画面の案内通りに設定します。このプロセスで、パスコードやパスワードを再設定しますので、今度は忘れないようにしてください。パスコードを設定すると、「Appとデータ」画面に進みます。

「Appとデータ」画面が表示されたら「iCloudバックアップから復元」を選びます。Wi-Fiの速度によっては、再び操作できるように復元されるには数分から十数分必要です。

また、この段階では差し当たってiPhoneが動くようになる程度にしか復元されておらず、アプリや写真、音楽などの残りのデータがすべて復元されるには、バックグラウンドで数時間から数日かかります。その間はWi-Fiがつながる環境で、かつiPhoneの電池が切れないように気をつけてください。

もしiPhoneのバックアップがiTunes上にあるのでしたら、次の「iPhoneでロック解除できない対処法〜リカバリーモード〜」の章の記述を参考に、iPhoneを復元してください。

「iPhoneを探す」をオンにしていなかった場合や、iTunesの設定で「自動的にバックアップ」の対象がiCloudだった場合、もしくはiTunesがiPhoneを認識しない場合には、iTunesを使ってリカバリーモードでiPhoneを初期化した上で、バックアップからiPhoneを復元します。

iTunesを使ってリカバリーモードでiPhoneを初期化するには、まずPCかMacでiTunesを立ち上げ、iPhoneをケーブルで接続します。そして、その状態でパスコードやパスワードがわからなくなったiPhoneをリカバリーモードにします。リカバリーモードにする方法は機種によって異なります。
 

• iPhoneX、XS／XS Max、XR、iPhone 8／8 Plus
  • 「音量を上げる」ボタンを押したらすぐに放し、そのあと「音量を下げる」ボタンを押して、またすぐに放したのち、「サイドボタン」を押し続け、iTunesとLightningケーブルのリカバリーモード画面が表示されるのを待つ
• iPhone 7／7 Plus
  • 「音量を下げる」ボタンと「電源ボタン」を押し続け、iTunesとLightningケーブルのリカバリーモード画面が表示されるのを待つ
• iPhone 6s／6s Plus以前
  • 「ホーム」ボタンと「電源ボタン」を押し続け、iTunesとLightningケーブルのリカバリーモード画面が表示されるのを待つ

するとiTunesにポップアップウインドウが表示されますので、「復元」をクリックします。

するとiTunesからiPhoneにソフトウェアがダウンロードされ、初期化されます。この際、リカバリーモードは1度に15分しか有効ではないので、ダウンロードの途中でリカバリーモードが終わることがあります。その場合は、再びiPhoneをリカバリーモードにして、作業を続けてください。場合によっては何度も繰り返す必要があります。

iTunesにバックアップが残っているのであれば、iPhoneをつないだ状態のままiPhoneを再起動させ、「こんにちは」画面ののち、画面の案内通りに設定し、「Appとデータ」画面が表示されたら「iTunesバックアップから復元」をタップします。有線接続なのでiCloud経由の復元より短い時間で復元が終了します。

ただし、アプリや写真、音楽などの残りのデータの復元については「iCloudからの復元」と同じくバックグラウンドで数時間から数日かかります。その間はWi-Fiがつながる環境で、かつiPhoneの電池が切れないように気をつけてください。

ここまで説明した方法でiPhoneを初期化できない場合は、以下の手段を採るしかありません。いずれの場合も、初期化の後にあらためてデータを復元することになります。

iPhoneの「設定」→「Touch IDとパスコード」と進み、「データを消去」をオン（緑色）にしてあると、パスコードやパスワードを10回間違えた段階でiPhoneが初期化されます。本来は盗難された時にiPhone内のデータを盗まれないようにするための機能ですが、この機能を使い、あえて10回パスコードを間違えてiPhoneを初期化することも可能です。

ただし、「データを消去」をオフにしていた場合にはこの手は使えません。

Appleストアや正規代理店のビックカメラ、カメラのキタムラなどの一部店舗でも、ロック解除できないiPhoneを初期化できます。ただし、2〜3,000円ほどの費用がかかりますし、最寄りのお店が初期化作業に対応しているかの確認と予約が必要です。

さて、ここまではiCloudかiTunesにバックアップがある前提でお話ししてきました。しかし、家にWi-Fi環境がないとなかなかiCloudにバックアップを取ることはできませんし、PCやMacを持っていなければiTunesでのバックアップも取れません。またどちらかがあったとしても、必ずしもバックアップを取っていたとは限りません。

そうなると、あなたの手許には初期化されたバックアップなしのiPhoneしかないことになります。残念ながら、そうなるとiPhoneの復元は不可能です。

バックアップがない場合は、初期化したiPhoneを立ち上げて画面の案内に従って進み、新たにパスコードを入力し直したところで表示される、「Appとデータ」の画面で「新しいiPhoneとして設定」を選びます。すると、まっさらなiPhoneとして立ち上がりますので、そのあとに忘れずに「自動アップデート」機能を有効にしておいてください。

ただし、iCloudへの自動アップデートは、
 

1. iPhoneが電源接続中
2. iPhoneがロック中、もしくはスリープ中
3. iPhoneがWi-Fiに接続中

上のツイートのように、iPhoneのバックアップを取っておかないと、何かあったときにはそれまでのデータがすべて消えてしまい、取り返しがつきません。そのためにも、こまめなバックアップ作業が必要です。

iCloudでの自動バックアップが一番簡単で間違いが少ないのですが、iCloudの容量を食うため、実質的に有料プランを利用せざるを得ません。また、上に記したように、iCloudでの自動バックアップは家（もしくは勤務先）にWi-Fiがないと実質的には利用できません。

iCloudでの自動バックアップができない場合は、iCloudかiTunesを使って手動でバックアップするしかありません。

家にWi-Fi環境がない場合は、Wi-Fiが使える場所でバックアップするしかありません。電源と時間を十分確保した上で、まずiPhoneのホーム画面から「設定」を立ち上げ、一番上にあるあなたの名前をタップします。そして画面が切り替わったら「iCloud」を選択します。

「iCloud」の画面では「iCloudバックアップ」を選び、次の画面では「iCloudバックアップ」のスイッチをオン（緑色）にします。すると確認画面が表示されるので「OK」をタップすればiCloudでのバックアップ機能が設定されます。このあと「今すぐバックアップを作成」をタップすれば、iCloud上にあなたのiPhoneのバックアップが作成開始されます。

ただし、Wi-Fiの速度とiPhoneの使用容量によっては、バックアップに何時間も掛かる可能性があります。特に初回や、時間を空けてのバックアップは、バックアップが必要なデータが大量になりますので時間がかかります。

また、iCloudが無料で使える容量は5GBしかありません。iPhoneの中身すべてをバックアップするわけではありませんが、それでも最低月額130円の50GBのiCloud容量を契約しないとバックアップは難しいでしょう。この2点に注意してください。

一方、自宅や会社のPCやMacのiTunesでバックアップが取れるのであれば、基本的に追加投資は不要ですし、バックアップに必要な時間も数分〜10数分と短くて済みます。

iTunesでバックアップを取るには、まずPCで「iTunes」を立ち上げ、iPhoneをケーブルでつなぎます。そして端末を選択し、左の「概要」タブを選び、「バックアップ」の項目の「このコンピュータ」と「ローカルのバックアップを暗号化」の2か所にチェックを入れます。

すると暗号化のパスワードを尋ねてきますので、忘れないパスワードで入力してください。パスコードを忘れるあなたならここのパスワードも忘れそうなので、「0000」などで十分です。パスワードを設定できたら、「今すぐバックアップ」をクリックします。

ただし、手動でのバックアップは習慣にしないと忘れがちなのでリマインダーなどへの記録が必要ですし、iTunesでiPhoneのバックアップを取るためには、母艦となるPCやMacのストレージに十分な空き容量が必要です。特にノートパソコンやMacBookなどでSSDを使っている場合は、十分な空き容量が確保できない可能性があります。

そんな場合は、外付けストレージにバックアップを取るしかないのですが、iTunesでは基本的にメインドライブにしかバックアップを作成できません。そのため、外付けストレージにバックアップを作成するにはちょっとしたTipsが必要となります。これについては、以下のリンク先の記事を参考にしてください。

パスコードやパスワードを忘れてロック解除できなくなってしまったiPhoneは、初期化して復元するしかありません。しかも復元しようにもバックアップがなければ、これまでのデータとはすべてお別れすることとなります。そんな事態を避けるために、バックアップは頻繁に取るように心がけてください。