ネットにアクセスしようとすると、「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」というエラーが表示され、目的のサイトにつながらない場合があります。本記事では、この「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」エラーの原因と対処法をお教えします。
ネットアクセス中に突然「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」エラーが表示されると焦ってしまいます。この「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」のエラーの原因と対処法を説明する前に、まずは、その見つけられないという「サーバーのIPアドレス」とはなにかについて説明します。
そんな説明よりも、今すぐ解決方法が知りたい場合には、目次から「「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」への対処方法」へ急いでください。
インターネットでは、それぞれのネット上のサーバーやデバイスに、8ビット(0〜255)4桁の数字が「203.180.216.224」などの形で割り振られています。これをIPアドレスと呼び、インターネット上のデータは、このIPアドレスを頼りに交換されています。
インターネットでは、各種のデータがパケット(荷物)という形でやり取りされており、このパケットには発信元と送付先のIPアドレスが荷札のように付けられています。このパケットを受け取った機器は、送付先のIPアドレスへとデータのパケットを転送し、最終的には目的のIPアドレスを持つデバイスへとたどり着きます。
郵便物が、ポストから集配所に集められ、目的地近くの大きな郵便局に届き、そこからさらに家々に配達されるように、インターネットのパケットもIPアドレスを頼りに運ばれていくのです。つまり、IPアドレスとは、インターネット上の住所と考えるといいでしょう。
実はこのIPアドレスには、IPv4とIPv6のふたつがあります。
さて、こうした固有のナンバーであるIPアドレスですが、人間が使うには数字の羅列は非常に覚えづらく間違いが起きやすいものです。そこで、「applica.info」のように、人間にも覚えやすい文字列を設定し、その文字列が入力されたら、DNS(Domain Name System)サーバーに問い合わせてIPアドレスを教えてもらうという仕組みになっています。
そして、DNSサーバーに教えてもらったIPアドレスを頼りに、Webサイトのデータやメールの中身などがインターネットを流れていくのです。
前章で「IPアドレス」がなにかということを理解できたことでしょう。
そのことを踏まえると、「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」というエラーメッセージは、Webサイトにアクセスしようとしたけれども、そのアクセス先を記したIPアドレスが見つからないのでアクセスできない、言い換えるとお使いに出かけたけれどもお使い先の住所がわかりません、ということを意味します。
であれば、「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」というエラーが返ってくる原因は、DNSサーバーとブラウザとのやり取りにあるということがわかります。その原因をさらに4つに切り分けて説明します。
ブラウザがDNSサーバーにIPアドレスを問い合わせた結果、DNSサーバーにそのドメインが登録されていなかった場合には、当然のことながらIPアドレスが返ってきませんから「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」のエラーが表示されます。
原因その1と同様に、DNSサーバーがシステムダウンしている場合も、ブラウザはDNSサーバーにIPアドレスを問い合わせているのに、いつまで経ってもIPアドレスを教えてもらえず時間切れになり、「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」のエラーを表示する羽目になります。
回線に問題があってDNSサーバーにアクセスできない場合も、ブラウザはDNSサーバーに問い合わせているつもりになっていますから、反応が返ってこないので最終的に時間切れとなって「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」のエラーが表示されます。
ブラウザやOSでは、ネット回線でのやり取りを抑えることで、通信料を減らしたりブラウザの表示を早めたりするために、キャッシュという名前で過去のデータを貯め込んでいます。これを使うことで、ブラウザはネット回線越しにアクセスしたふりをして、キャッシュのデータを取り出すことで、高速化を計っています。
しかし、ときにはこのキャッシュが悪さをして、現時点ではIPアドレスが変更されているにもかかわらず、キャッシュ内の変更前のIPアドレスを提示してしまうことがあります。こうした場合にも「サーバーのIPアドレスが見つかりませんでした」のエラーが表示されます。
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