2019年04月04日更新
MP3とAACの違いは?ファイルの容量を圧縮するメリットや音質についても解説!
本記事ではMP3とAACと呼ばれる音楽ファイルの圧縮保存形式について紹介します。MP3・AACどちらの圧縮保存形式を選べばよいか分からない方は、本記事で紹介するMP3・AACそれぞれの特徴やメリットを確認して、最適な保存形式を選択しましょう。
目次
MP3とAACの違い
本記事冒頭の本章ではMP3ファイル形式と、AACファイル形式の特徴や違いについて解説します。MP3・AAC共に音楽・音声専用のファイル圧縮形式ということを一般的に認識している人は多いですが、MP3とAACの違いを明確に分かっている方はそこまで多くありません。
MP3とAACの違いをしっかりと理解しておくことで、適切なファイル形式を選択できるので、まずはそれぞれのファイル形式について覚えることが重要です。
MP3
MP3はスマートフォンやパソコン用の、音楽ファイル保存形式としても最も古いファイル形式です。MP3は音楽ファイルを圧縮するフォーマットで、対応デバイスが非常に多いというのが特徴です。MP3は音楽圧縮フォーマットですが、MP4と呼ばれる動画圧縮フォーマットがあります。
両フォーマットの名前は似ていますが、まったくことなるフォーマットなので間違え内容に注意してください。またMP4も動画圧縮保存形式として有名なので、覚えておくと良いでしょう。
AAC
AACは別名「M4A」「M4P」とも呼ばれる、MP3の次に制定された音楽圧縮フォーマットで、iPhoneやiPadなどのApple製品の標準圧縮フォーマットです。iTunesで有料の音楽コンテンツを購入すると、購入した音楽ファイルはすべてiTunes上で「AAC」ファイルとして保存されます。
AAC形式で保存されたファイルは著作権で保護された音楽コンテンツに適用されています。
MP3とAACの共通点
MP3とAACの共通点があるので紹介します。両方共デジタル音楽コンテンツの圧縮方法なのですが、その圧縮形式と圧縮するメリットについて紹介します。
MP3・AACの圧縮形式は「非可逆圧縮形式」
MP3・AACの音楽コンテンツ圧縮形式は「非可逆圧縮形式」と呼ばれ、共に同じ圧縮形式を取っています。音楽のデジタルデータは通常1分の音楽・音声ファイルで10MBと大きなサイズ(容量)となりますが、MP3・AACの「非可逆圧縮形式」で圧縮しているため、ダウンロードスピードが早く、ストレージ容量を圧迫しません。
音楽コンテンツのデータファイル(容量)を圧縮すると、生音声よりも音質が悪くはなりますが、人間の耳で聞ききとれる音質範囲内に収まるので、音が途切れるなどの問題は発生しません。
MP3・AACが採用している「非可逆圧縮形式」のデメリットは、圧縮されたデータファイルを元のサイズ(音楽コンテンツが持っている元の音質)に戻すことができないという点です。「可逆圧縮形式」と呼ばれる音楽コンテンツ圧縮形式があり、比較的データサイズが大きく、音楽ファイルを再生する時に元の音質に戻すことができます。
両圧縮形式を比較してもそこまで大きな違いはありませんが、より音質にこだわりたい人は「可逆圧縮形式」を利用すると良いでしょう。次の章では、さらにMP3とAAC形式の違いを比較していきます。
MP3とAACの比較
MP3とAACの比較を音質・圧縮率(ビットレート)で比較していきます。
音質
MP3とAACは、前に述べた通り「非可逆圧縮形式」を採用している圧縮方式なので、両形式の音質に大きな違いはありません。MP3とAACの音質は、音楽コンテンツファイルの圧縮率(ビットーレート)によって違いが生まれます。それでは圧縮率(ビットレート)とはいったいなんなのでしょうか?次の項目では(圧縮率ビットレート)について解説します。
圧縮率(ビットレート)
フォーマット | 圧縮率(ビットレート) | ||||||
64kbbp | 96kbbp | 128kbbp | 160kbbp | 192kbbp | 256kbbp | 320kbbp | |
MP3上限 周波数 |
8.3kHz | 11.7kHz | 15.2kHz | 18.6kHz | 21.3kHz | 22.0kHz | 22.0kHz |
MP3 サイズ |
123kB | 184kB | 245kB | 308kB | 372kB | 494kB | 616kB |
AAC上限 周波数 |
13.5kHz | 15.2kHz | 18.7kHz | 19.1kHz | 19.6kHz | 20.0kHz | 20.0kHz |
AAC サイズ |
127kB | 188kB | 249kB | 310kB | 368kB | 490kB | 613kB |
上記の比較表はMP3とAACの圧縮率(ビットレート)と、上限周波数・データサイズ(容量)を表しています。圧縮率(ビットレート)の数値が高ければ高いほど、上限周波数・データサイズ(容量)が大きくなるので音質がよくなるということになります。
MP3とAACの圧縮率(ビットレート)は同じですも、データサイズ(容量)や上限周波数が異なるため、上記の表を目安に音質を比較してみてください。
MP3とAACの使い分け
本記事最後の本章では、MP3とAACの使い分け方を紹介します。これまで紹介してきたMP3とAACの比較解説を読んでも、よく分からないという方も多いと思います。具体的にどのようにMP3とAACを使い分けていくかは、圧縮率(ビットレート)で判断すると良いでしょう。
ビットレート
前の章でも紹介しましたが、圧縮率(ビットレート)と呼ばれる「kbbs」で表記される数値が、大きければ大きいほうど音質が良くなります。ですが、MP3とAACでは、それぞれの圧縮率(ビットレート)は同じでも、上限周波数が異なります。
一般的なMP3・AACの音楽ファイルでは128kbps〜160kbpsが、採用されています。J-POPやJazzなど様々な音楽ジャンルを高音質で視聴できるためです。PCスピーカーやオーディオ機器でも十分に音楽を楽しめます。
それでは、128kbps以下の圧縮率(ビットレート)と160kbps以上の圧縮率(ビットレート)にはどのような特徴があり、MP3・AACどちらのファイル形式を利用すれば良いのかを解説していきます。
128kbps未満
128kbps未満の圧縮率(ビットレート)は、音楽などの音質に伸びがなく、音楽コンテンツの保存ファイル形式には適していません。トーク中心のラジオなどに音源に適しています。また128kbps未満の場合、AAC形式のほうが上限周波数が高いので、MP3よりも音質が良いとされています。
192kbps以上
192kbps以上の圧縮率(ビットレート)は、クラシックなど繊細な音まで再現してくれます。耳の良い人なら、その音質の違いをしっかりと聞き分けることができるレベルです。
192kbps以上の圧縮率(ビットレート)になると、MP3形式の方が上限周波数が高く、より高音質だと言われています。データサイズ(容量)もAACとほぼ変わらないので、MP3形式で保存すると良いでしょう。
対応機器
最後に重要なMP3とAACの対応機器を確認しておきましょう。MP3はパソコンやスマートフォン、オーディオ機器などほぼ’すべての音楽再生機器に対応しています。そのため、一般的にはMP3形式でファイルを保存しておくのがベターだといえます。
AACに関しては、Appleデバイスとの相性が良いため、iPad・iPhoneユーザーや、Apple公式の音楽プレーヤーであるiTunesを利用している人におすすめの保存形式です。iTunesでCDから音源を取り込む場合や、iTunesから有料音楽コンテンツを購入した場合もAAC形式で保存されます。
MP3とAACではどちらがいいの?
本記事ではMP3とAACの音楽ファイル保存形式について解説しました。最終的にどちらの保存形式を利用すればいいのか分からない場合は、MP3形式で音楽ファイルを保存しておくのが、最善であると言えます。MP3は再生可能デバイスも豊富で、AACと比較しても音質もそこまで変わりません。
またMP3形式で保存したファイルは、iTunesw利用すれば簡単にAACファイルに変換可能です。MP3で保存しておくことで、その後のファイル変換にも対応できるので、保存形式に困っている方はMP3形式を選択しておくと良いでしょう。またAppleデバイスを中心にしている方は、変換の必要がないAAC形式を選択して音楽を保存してみてください。