最新版のiPhoneのX、XS、XRの性能の違いの一つにはカメラの性能があります。画質を左右する画素数やデュアルカメラ搭載の有無など、カメラ機能の性能の違いにどのように影響しているのでしょうか。この記事ではiPhoneのカメラについて解説します。
iPhone XはAppleストアのホームページではすでに販売が中止されています。しかし、現在も市中に出回っている在庫であれば購入することができます。iPhone XSが発売されるまでは、史上最高レベルのスペックを誇るiPhoneということで、多くのiPhoneファンを夢中にさせました。
iPhone Xのカメラの性能もスマホのカメラとしてはあり得ないほど優れたスペックを持っているということで、発売当初は大きな話題にもなりました。カメラ好きな人たちの間では、iPhone Xのカメラ性能は一眼レフカメラとも比較できるという声もあります。まずはiPhone Xのカメラ性能で特に注目するべき点について詳しく見ていきましょう。
まずカメラ性能というと気になるポイントは画素数です。画素数というのは一定の範囲内に「ピクセル」と呼ばれる点がどのくらいの数あるのか、というものです。画素数が多ければ多いほど点の密集度が高くなり、より滑らかな表示や印刷が表現が可能になります。
ピクセルの大きさというのは特に決められた数値がないので、画素数の数はどのくらいの大きさの紙にきれいに印刷できるのか、ということで比較されます。画素数が少なくても小さな紙に印刷するのには問題ない場合もありますが、画素数が大きくなればなるほどきれいに印刷できる紙のサイズが大きくなります。
iPhone Xのカメラの画素数は1200万画素ですが、これはA3サイズの紙にきれいに印刷できる大きさになります。iPhoneの大きさから考えるとカメラで撮影した写真をA3サイズの紙に印刷する、ということはあまり考えられませんが、動画を4K撮影することはあるでしょう。
現在最も美しい動画を撮影できるという4K技術に対応できる画素数のカメラ性能を持つiPhoneがiPhone Xです。
カメラというとズーム機能が気になる点です。遠くにあるものを大きく映すことができるズーム機能は、スマホでのカメラ撮影を楽しむ上で欠かすことができません。従来のスマホのズーム機能はデジタルズームのみでしたが、iPhone Xでは最大10倍までのデジタルズームに加えて2倍の光学ズームも搭載しています。
デジタルズームと光学ズームとはどんな違いがあるのかというと、デジタルズームはピクセルの大きさを拡大することで拡大したように見せかけるものです。一方で光学ズームとはレンズの組み合わせを変えることで、実際に映る倍率を変えて撮影することです。
つまり、デジタルズームというのは写真に写っているピクセルの点を拡大させてズームしているように見せかけているだけで、実際に記録されている画像の画素数はズームしないときと変わっていません。ですから拡大しないと見えない細かいところまで映っている、ということはデジタルズームでは起こらないのです。
しかし、光学ズームは本当に拡大して表示しているので、実際に記録される画素数が大きく変わります。そのために拡大しないとわからないような細かいところが写っている可能性があります。
ただし、一眼レフなどのカメラの光学ズームは、複数のレンズの組み合わせやレンズの間の距離を変えることで拡大率を変えることができます。しかし、iPhone Xの光学ズームはこの次に詳しく解説するデュアルカメラ搭載で、2倍のレンズを搭載していることで実現しています。
iPhone Xではレンズを動かすことはできないので、一眼レフのように細かい倍率の調整などはできません。
iPhone Xのカメラの性能の大きなポイントの一つには、デュアルカメラだということです。デュアルカメラというのは、1つの本体に2つのカメラユニットを搭載しているカメラのことです。倍率の違うレンズを2枚搭載しています。iPhoneではiPhone 8Plusから搭載されましたが、iPhone Xでも標準搭載となっています。
従来のカメラのように、1つのカメラユニットに縦に倍率の違うレンズを配置することで倍率を変えるのではなく、2つの倍率の違うカメラを平面に配置して、同時に違う倍率で写真や動画を撮影することで、今までになかった写真やビデオの表現が可能になったAppleの特許技術です。
iPhone Xのデュアルカメラでは、広角レンズと2倍の望遠レンズを搭載しています。広角レンズで焦点が合っているときに2倍のズームボタンをタップすると、2倍の望遠レンズに切り替わって光学ズームで撮影することができます。
撮影する被写体との距離などによって、適宜iPhoneの方で勝手にどちらのレンズをメインに使うのか切り替えてくれることもあります。ただし、どのような場合にどちらのレンズを使うように設定されているのか、詳しいことはApple社の方では公開していません。
iPhone Xがデュアルカメラであることの最も大きなメリットというのは、背景をぼかした画像を簡単に撮ることができる、ということです。iPhone Xでポートレートモードを選択して撮影すると、背景をぼかして被写体がくっきりと浮かび上がった写真を撮影することができます。
どうしてそのようなことができるのかというと、一方のレンズで焦点を合わせて、同時にもう一つのレンズで焦点をずらしてぼかした写真を同時に撮影して組み合わせることがiPhone Xではできるからです。
iPhone Xのカメラでは4K動画を撮影できる、というのも大きな特徴です。テレビで4K放送が始まったということで話題になっている4K動画ですが、iPhoneではiPhone7から4Kでの動画撮影が搭載されました。
4Kに必要な画素数は800万画素なので、1200万画素で撮影することができるiPhone Xなら十分に4K撮影に対応できます。とはいえ、iPhone Xの初期設定では4K撮影のモードに設定されていません。4Kモードで撮影したい場合には、iPhoneの設定のカメラから設定しましょう。
次にiPhoneXSのカメラの性能についてみていきましょう。iPhone Xは史上最高性能のiPhoneと言われていましたが、iPhone XSのスペックはさらにそれを上回るということで、発売当初はiPhoneファンの間で大きな話題になりました。
カメラの性能はレンズなどはiPhone Xとそれほど大きく変わりませんが、いろいろと細かい性能が大きく進化している部分があります。iPhoneXSのカメラはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
iPhone XSもiPhone Xと同じようにデュアルカメラ搭載です。搭載しているレンズは広角レンズと2倍の望遠レンズで、こちらはiPhoneXとXSに大きな違いはありません。ただし、広角レンズで撮影できる範囲がiPhone XよりもXSの方が広くなりました。
ただし、センサーやプロセッサなどがiPhone XSではXよりも進化したことで、iPhone XよりもXSの方がよりユーザーの創造性を発揮する写真やビデオの撮影や、後からの加工が可能になっています。
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