2019年06月22日更新
YouTubeの違法アップロード動画の視聴は犯罪?違法動画の見分け方も解説!
YouTubeには様々な動画がアップロードされており、面白いものや考えさせられるものなど、様々な動画が見られます。しかし、そんな中に違法にアップロードされた作品が混じっているのです。YouTubeの違法な動画とはどんなものか、調べてみました。
目次
YouTubeの違法アップロード動画とは?
YouTubeには、毎日のように多くの動画がアップロードされています。個人レベルの動画から、プロも真っ青の作品、勿論プロらしい作品と、玉石混淆で様々な動画を見る事が出来ます。
中には、YouTubeを使いプロが宣伝を目的として公開している作品もあれば、何かしらの意図を持って自由に見られる様にされた正規のミュージックビデオや映画がお宝のように存在していたりもします。
ところが、何故か妙に画質の悪い大作映画がアップロードされていたり、著作権にうるさい会社の作品が公開されていたりと、無料で見られるハズのない動画を見かける事があります。
それらは一体誰が何の目的でYouTubeに公開しているのか、そんな動画を見ても問題無いのか、調べてみました。
そもそも違法アップロードとは?
YouTubeへの違法アップロードとして取締の対象になるのは、著作権違反をしたものです。例えば、市販の映画のDVDや音楽CDの中身、コミックのハードコピーをネット上に公開する事です。もちろん、テレビ番組をそのままYouTubeにながす事も立派な犯罪行為です。
こうした行為は、大半がYouTubeでの視聴数を稼ぐ事を目的とした犯罪行為である事が多いようです。視聴させる事により広告収入を得るという、ビジネスのためです。
YouTube動画の違法アップロードで逮捕された事例
2010年に、名古屋市の男子中学生(14歳)が「YouTube」への動画ファイルの違法アップロードで逮捕されています。容疑は「著作権法違反(公衆送信権侵害)の疑い」で、少年は週刊少年漫画を動画ファイルとして権利者に無断でアップロードしていました。
報道によると、2009年から2010年にかけ、4回にわたり複数の漫画を動画ファイルにし、権利者に無断で「YouTube」にアップロードし、不特定多数のインターネットユーザーに対して送信できる状態にしていたとの事です。
この記事を見ると判るのですが、「YouTube」にアップロードした事が違法なのでは無く、「YouTube」が不特定多数に送信できる状態にした事、が違法なのです。
YouTubeの違法アップロード動画を見るだけで犯罪?
YouTubeで違法動画を見た事が犯罪行為になるか、とても気になるところです。実際、違法かどうか見分ける事が出来ず、視聴してしまう事もあるでしょう。その様な事で逮捕されるような事があるのでしょうか。
実は、2012年に著作権法が改正され、それまでは問題の無かった、違法ダウンロードに対しても刑事罰が科せられる事になりました。改正当時は違法動画サイトを見ただけで逮捕されるのかと話題になっています。
では実際にその様な事例があったのか、その後の状況はどうなっているのでしょうか。
視聴のみなら大丈夫?文化庁の公式見解
結論から申し上げると、故意かどうかにかかわらず、視聴しただけでは逮捕などをされる可能性は低いようです。というのも、文化庁でも公式見解として、そのような事例では刑事罰の対象にならないと明言しています。
下記に「政府広報オンライン」の違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&Aへのリンクを貼っておきますので、興味のある方はご覧下さい。該当部分を下記にご紹介します。
- Q4 違法に配信されている音楽や映像を視聴するだけで、違法となるのでしょうか。
- A 違法に配信されている音楽や映像を見たり聞いたりするだけでは、録音又は録画が伴いませんので、違法ではなく、刑罰の対象とはなりません。 違法となるのは、私的使用の目的であっても、著作権又は著作隣接権を侵害する自動公衆 送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、自らその事実を知りながら行って著作権 又は著作隣接権を侵害する行為です。(政府広報オンラインより引用)
ただし、法律の解釈を行うのは裁判所ですから、文化庁が上記のように解釈をしているからといって、刑事罰に該当しないと決まっているわけではありません。何らかの事件で裁判にでもならない限り、白黒はハッキリとはつかないでしょう。
違法ダウンロードで逮捕されるケース
上記のような解釈が公式に出ているとは言え、その解釈の中に違法と認定される事例がしっかり記述されています。
私用目的以外のダウンロード保存
要するに、販売や人に見せる目的を持って保存する事です。人に見せる、というのは有料無料は関係ありません。不特定多数の人に見せるためのダウンロード保存は違法とされています。
もっとも、これは2012年の改正以前から違法行為と認定されていますので、周知の内容と言えます。
有料コンテンツのダウンロード保存
2012年の改正で変更されたのが、私的目的であったとしても、有料で手に入れなければならないコンテンツ(市販されているDVDやCDの中身等)を違法に保存しては法律違反となります。
勿論、ダウンロードが許可されているファイルは対象外です。
有料のストリーミング再生のコンテンツを購入したとしても、それを何らかの方法でダウンロードして保存する事は不可です。勿論、違法にアップロードされたコンテンツを保存する事は問題外です。
なお画像については、この改正の対象には入らないので、保存自体が違法というわけではありませんが、所有する事による損害賠償の請求対象には含まれています。ですから、所有する事によって法的な責任を追及される可能性はあります。
YouTube動画が違法アップロードされたものか見分ける方法
YouTubeで知らずに違法アップロードされた作品を見ても、逮捕などされる可能性は低いとは言え、違法なファイルに近づかない方が安心です。
また、違法アップロードされた作品をダウンロード保存する事は犯罪行為ですから、YouTubeで見かけたファイルをダウンロードしても問題無いかどうかを見分ける事は必要です。そのためにも、YouTubeで巡り会ったファイルが違法アップロードされたものかどうかを見分ける方法は知っておいた方が良いでしょう。
確認バッジの有無
一番簡単な方法は、YouTubeにアップロードしているアカウント、チャンネルが権利者によってアップロードされたかを見分ける事です。
そのための証しとして、YouTubeのチャンネル名の横にチェックマーク「✓」が表示されています。番組の一覧を見ている時などもチャンネル名の横にチェックマークを見かける事もあります。このマークがあるのは、YouTubeが公式で認めているという事ですから、見分ける手段となります。
なお、YouTubeでは「公式アーティスト チャンネル」というものもあり、こちらは「✓」ではなく「♪」の様です。
ただ、上記のバッジがあるというのはあくまでも目安です。というのも、このバッジは申請式なため、明らかに公式チャンネルであるにもかかわらず、取得していないチャンネルもあるからです。
逆に、このバッジの申請には10万件以上の登録が必須条件なので、「なりすまし」の可能性は低そうではあります。が、絶対に無いとは言い切れません。
そうは言っても、このバッジの存在は大きな目安であるのも事実ですので、この確認バッジのあるチャンネルであれば、違法アップロードされたファイルに引っ掛かる確率は大いに下がる事でしょう。見分ける方法として覚えておいて下さい。
不審な説明文
いかにも公式っぽいチャンネル名と、それなりの登録者がいて、公開されているチャンネルの中にも、腑に落ちない説明文が書かれている場合があります。これで見分ける事ができるものもあります。
そもそも、YouTubeに違法アップロードする理由ですが、皆に自分の応援する作品を見てもらいたいという、無私の行為から行う場合もありますが、大概はアフィリエイト狙いの視聴数稼ぎです。そのため、ネット検索で自身のYoutTubeチャンネルに誘導するため、あからさまな広告文が入る事が多いようです。
「○○ネタバレ」や「○○最新話」、「○○のあらすじ」等々、いかにも作品に興味のある人の目を惹くようなキーワードがちりばめられています。
YouTubeで上記のような説明文を見かけたら、視聴しない事が自衛手段となります。
YouTubeの違法アップロード動画には注意!
YouTubeに違法アップロードされた動画、これらを視聴する事は犯罪行為には当たらないようです(グレーではありますが)。
ですが、それを利用するというのは犯罪に加担するようなものです。有償のものには正規の対価を払って視聴する事により、制作者への還元があり、ひいては作品の質が上がり、より素晴らしいものが創造されていくからです。
さらには、その対価が巡り巡ってコンテンツの価格引き下げにも繋がっていきますから、違法アップロードに対しては毅然とした態度をとり、見ない・利用しない・広げない、YouTube運営に通報するという事を徹底していただきたいものです。