漫画村運営者の星野ロミが逮捕？特定した弁護士や閲覧利用の違法性を解説！

昨年、「漫画村」という違法海賊版の漫画サイトが、TwitterなどのSNSで日本中を騒がせました。先日、その漫画村の管理人と思われる人物が特定されたそうです。今回は決定的な情報とあり、話題に上がっています。

まず、「漫画村」とは、著者や出版社の著作権を無視して運営されていた違法の漫画海賊版サイトのことです。漫画村は多くのユーザーを抱えており、作者である漫画家や出版社がネット上で被害を訴えたことで日本中を騒がせました。

また、漫画村の運営者の特定が困難であることもさらに話題を呼びました。一時は閲覧できなくなりましたが、すぐに「漫画塔」という後続サイトが作られるという問題も起こりました。

「漫画村」は運営者を特定するのが難しいと言われ、長い間管理人の身元がわからない状態が続いていました。しかし、日本人の弁護士がアメリカで訴訟を起こしたことで身元がわかりました。

漫画村が利用していた身元を隠すためのサービス、「防弾ボスティングサービス」はアメリカ国内にあるクラウドフレア社によって提供されており、日本から弁護士が情報開示を求めても応じてもらえず捜査は難航していました。

しかし、日本国内で活動する漫画家と同じように漫画村で漫画を転載される被害に遭っていたアメリカの著作権者を通じ訴訟を起こすことで、この著作権者の弁護士がクラウドフレア社に情報開示に応じさせることに成功し、管理人の特定に至りました。

弁護士が要求して実現したこのクラウドフレア社の情報開示によって、サーバ契約者の氏名、住所、メールアドレス、携帯電話の番号、IPアドレスなどの個人情報が開示され、ここで管理人が東京都内のマンションを利用していたことがわかりました。また、契約日が漫画村オープンと重なっていたこともわかりました。

今回、漫画村の管理人として特定されたのは「星野ロミ」。本人が顔写真を過去にネットに投稿していたこともあり、名前や経歴だけではなく顔も明らかとなりました。

星野ロミは、漫画村だけではなく違法アダルトサイトの「Share Video」や「Share Movie」、違法漫画同人誌サイトの「Free Books」など、数多くの違法の海賊版サイトを運営していたことも明らかになりました。

漫画村とこれらの違法サイトとの関連は、日本の弁護士が主体で起こした民事訴訟によって情報開示された際に、IPアドレスが漫画村と一致したことで発覚しました。これらの違法サイトについても訴追されることになるようです。

ネット上でも星野ロミの特定に成功した人がおり、情報を載せたところ、星野ロミ自身は反論などの行動を起こさなかったことから信憑性が高まっていましたが、今回の訴訟によって開示された個人情報によって星野ロミが管理人であることが確実となりました。

それでは、日本の優秀な弁護士によって身元が明らかになったにもかかわらず、なぜ違法海賊版サイトである漫画村の管理人の星野ロミが逮捕されないのかを説明していきます。

理由の１つは、「日本の著作権法に抵触しない」からです。違法ダウンロードは「送信可能化権の侵害」として日本でも禁止される重罪で、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金またはその両方が課せられることになります。

こうしてみると、漫画村も違法アップロードをしているため罰せられるべきなのではないかと思われますが、漫画村はあくまで画像のリンクを貼っているだけで、アップロードはしていません。

つまり漫画村の主張としては、ネット上に上がっていた画像を収集し保存しているウェブ型のサイトであり、Google検索と変わりないということです。ネット上には不正アップロードされている画像は多くあり、それを引用して表示することはどの国でも罪にはなりません。

つまり、漫画村と漫画村のサイト上で公開されている画像のドメインは全く別物であることが、運営者である星野ロミの逮捕に踏み切ることのできない理由の１つです。

星野ロミの逮捕に踏み込むことのできない２つ目の理由が、「海外にサーバーが設置されている」ことです。サイバー犯罪の基本として、取り締まりを行う際にはサーバー設置地の法律が適用されます。

漫画村は海外にサーバーを設置しているため、漫画村の管理人の特定は基本的には困難です。過去にはアップロードされた場所が日本国内であった場合などに取り締まりが行われたこともあります。ですので、例外として日本の法律で取り締まりを行える可能性もありますが、その可能性は低いと言えるでしょう。

漫画村のサーバーが設置されている国の法律によって取り締まり、管理人を逮捕することも可能ですが、漫画村の場合、それが困難だった理由があります。それは、先ほど少し言及した「防弾ホスティング」です。

この「防弾ホスティング」は、徹底的に契約者を国家権力などから守ることを売りにしているため、警察などに情報を提示しようとしません。ですので、基本的に警察などの捜査にも協力をしないことが多いです。

ですので、「防弾ホスティング」によって日本から訴訟を起こすのは難しいために逮捕に至るのは困難です。

そして、漫画村の運営者である星野ロミが逮捕されない最後の理由が「訴訟を起こす主体の問題」です。

基本的に出版社が訴訟を起こすのは困難です。なぜなら、出版社は基本的に著作隣接権や公衆送信権についてを著者との契約に含んでいないのが普通だからです。つまり、訴訟を行いたいと思った場合、著者自身が原告になる必要があります。

漫画村は法的に取り締まることが非常に難しいため、著者自身が原告となって訴訟を起こすのはとても負担がかかってしまいます。また、個人で訴訟を起こすことで漫画村のユーザーからの批判は不可避であることや、敗訴になった場合のリスクも大きいです。

これらの理由から、漫画村の運営者である星野ロミの逮捕に踏み切るのはまだ難しいのが現状です。

続いて、違法海賊版サイトである漫画村を閲覧する利用者も逮捕されてしまうのかについて、理由を３つに分けてご紹介します。

日本の法律では、違法サイトであることを知りながらダウンロードすることは犯罪となります。しかし、この違法ダウンロードは親告罪といって、権利者が利用者を告訴しなければ警察による操作を行うことができません。

つまり、権利者が違法サイトを閲覧している利用者を訴追するためには、利用者を見つける必要がありますすが、漫画村の場合、サイトを閲覧していた利用者が非常に多いため、利用者を把握することが難しいです。

また、漫画村を閲覧する利用者を立件することが難しいもう１つの理由は、「厳密に言うと、漫画村の画像は静止画であるため、閲覧は私的複製として認められてしまう」ことです。つまり、漫画村を閲覧する分には利用者を立件することは難しいです。

しかし、漫画村を利用、閲覧することが違法ではないとはいえ、サイト自体は違法であるため利用しないに越したことはありません。

漫画村などの違法海賊版サイトを閲覧しても逮捕されることがないからと言ってそう言った違法サイトに飛びつくと、逮捕とは違うリスクに晒される危険があります。

それは、漫画村などの違法サイトの閲覧を通じてウイルスに感染してしまうというリスクです。漫画村などの移転先サイトとしてできた「漫画塔」にウイルスソフトが仕込まれていたことが実際明らかになったので、漫画村などの違法サイトは利用しないほうが賢明です。

未だ漫画村の管理人である星野ロミは逮捕されていませんが、逮捕されるのは時間の問題です。また、実際に違法海賊版サイトを運営していたとして国内で逮捕された件はいくつも見られています。ですので、そう言った違法サイトを閲覧するべきではないと言えるでしょう。

また、今無料で漫画を閲覧できる違法ではないサイトがネット上には多くあります。無料で読み放題のサイトや、月額を支払うと漫画が読み放題になるなど、漫画村を使わなくても漫画を楽しめる合法のサイトは豊富にあるので、自分にあったサイトやアプリを見つけてみましょう。