Macのメモリ解放方法!Macが重い・遅い時にアプリと標準機能でメモリ解放する!
Macでの作業をしていると、『重い・遅い』と感じる事があります。これにはMacの『メモリ解放』という操作が深く関わっています。今回の記事では、メモリ不足のMacの『メモリ解放』についての解説と、実際の操作や設定の方法を詳しく説明します。
目次
Macが重い・遅いときにメモリ解放する
Macの動作が『重い・遅い』場合、一番に確認するのが『メモリ』です。『メモリの増設』が最も有効ですが、もう一つ『メモリ解放』という手段があります。
Macのメモリ解放とは
Macのアプリはメモリ上で実行されます。複数のアプリを立ち上げたり、重たいアプリを利用すると、メモリの使用量域が圧迫されて不足し、動作が重く・遅くなります。通常はアプリを終了すればメモリは解放されます。アプリを終了してもMacの動作が重く・遅い場合に効果的なのが『メモリ解放』です。Macの『メモリ解放』は『専用アプリ』や『標準機能』から実施できます。
最近のMac OSは自動でメモリ解放する
OS X Mavericks(OS X 10.9.x)以降、AppleはMac OSに『圧縮メモリ』という管理機能を搭載しました。アプリを終了すると、終了したアプリが使用していたメモリ領域が圧縮されて保存されます。再度同じアプリを起動すると、圧縮されたメモリが展開されます。これによりアプリの起動も速くなり、メモリ不足が解消されます。
Macのメモリ解放する前に
『メモリ解放』をする前に、お使いのMacの基本的なメンテナンスをしましょう。基本的なメンテナンスを行わないと、『メモリ解放』を行っても効果が出ません。Macに限らずPCで動作を快適にする重要な項目です。
不要なアプリやデータの削除
Macのアプリや書類などのデータは 、HDDやSSDのストレージ(記憶装置)に保存されています。ストレージの空き容量が少なくなってくると、データの読み書きが遅くなり、動作が重く・遅くなる原因になります。ストレージは、Macのメモリ領域が不足した場合に仮想メモリ(スワップ)領域として使用されます。使わないアプリや不要なデータはこまめに削除しましょう。
設定のアクティビティモニタで使用量を確認
Macは『アクティビティモニタ』という機能でCPUやメモリの使用量が確認できます。お使いのMacが重い・遅い・メモリ不足と言った場合に使いましょう。
Macの『Dock』から『Launchpad』をクリックします。
Macのアプリ一覧が表示されます。その中の『その他』をクリックします。
ここで『アクティビティモニタ』をクリックします。
『アクティビティモニタ』が開きますので、上部の『メモリパネル』をクリックします。
ここで下部にお使いのMacのメモリの使用量の詳細が表示されます。
- 物理メモリ=Macに搭載されている総メモリ容量
- 使用済みメモリ=Macが使用しているメモリ容量
- キャッシュされたファイル=『圧縮メモリ』で保存された容量
- スワップ使用領域=ストレージが『仮想メモリ』として使用した領域
中央部分には各アプリ毎のメモリ使用量が表示されます。これらを参考に、アプリや機能の設定を見直しましょう。
システム環境の確認
Macの動作が重い・遅い場合、基本的なシステム環境を見直す事も重要です。ここでは代表的な3つの操作方法を説明します。
PRAM(NVRAM)リセットする
Macにはスリープ状態から復帰する際に、最後に作業した状態を記憶して素早く復帰する為のメモリー領域があります。これを『NVRAM』と呼びます。この『NVRAM』をリセットする『PRAMリセット』という操作をする事で『メモリ解放』に役立ちます。
電源オフのMacの電源ボタンを押して起動する直後に、『command』+『option』+『P』+『R』を『同時に長押ししたまま』にします。『同時に長押ししたまま』にするとMacが再起動を繰り返します。数回再起動をしたら、すべてのキーを離して通常起動します。
SMCリセットする
『PRAMリセット』と並んで、代表的なMacのリセット方法に『SMCリセット』があります。『SMC』とはシステム管理コントローラーの略です。主にMacの電源周りや起動に関する問題があった場合に、その問題をリセットする操作方法です。『PRAMリセット』と併せて行う事で相乗効果があります。
Macの電源オン・オフにかかわらず『shift』+『control』+『option』と『電源ボタン』を『同時に10秒ほど長押し』します。これも数回繰り返す事で、より効果が出ます。
Macのメモリ解放してくれるアプリ
先ほど【OS X Mavericks(OS X 10.9.x)以降、AppleはMac OSに『圧縮メモリ』という管理機能を搭載しました。】と説明しましたが、MacにはMavericks以前から『メモリ解放アプリ』が多数存在します。お使いのMac OSのバージョンによっては、『圧縮メモリ』と競合せずにワンタッチで『メモリ解放』ができますので確認しましょう。
FreeMan
『メモリ解放』アプリで代表的なのが『FreeMan』です。メモリ使用量を円グラフで表示してくれて、直感的に操作ができるアプリです。
smcFanControl
smcFanControlはドイツのエンジニアの方が開発を続けているオープンソースのMac用ファンコントローラーアプリです。直接『メモリ開放』にはなりませんが、Macのシステム環境を安定させる際に有効なアプリです。
Memory Cleaner X
現在は提供が終了しています。OS X Mavericks(OS X 10.9.x)以前をお使いで、既にインストール済みの方はアンインストールしないで使用してください。Macのメニューバーに常駐してメモリの使用量を表示し、ワンクリックでメモリ解放してくれる便利なアプリです。
Memory Diag
こちらのアプリも円グラフでメモリの使用量を表示してくれます。操作の項目がシンプルなので、初心者の方にも使いやすいです。
OnyX
『OnyX』は『メモリ解放』以外にも、Macのシステム全般をメンテナンスしてくれる総合メンテナンスツールです。最新の『Mac OSMojave』にも対応しています。
Macのメモリ解放してくれるアプリ以外の方法
お使いのMacが重い・遅い・メモリ不足と言った場合、アプリとあわせて以下の基本機能からの操作を実行しましょう。
スクリプトエディタ
『スクリプトエディタ』は、あらかじめ指定したコマンドをワンタッチで実行できます。『メモリ解放』の為のコマンドをあらかじめ登録しておく事で、メモリ解放アプリと同じようにワンタッチでメモリ解放が実行できます。
Macの『Dock』から『Launchpad』をクリックします。
Macのアプリ一覧が表示されます。その中の『その他』をクリックします。
ここで『スクリプトエディタ』をクリックします。
左下の『新規作成』をクリックします。
するとテキストを入力するウインドウが表示されます。
ここに以下の内容を入力します。
『do shell script "sudo purge" password "自分のMacのログインパスワード" with administrator privileges』
入力が終わったら、メニューの『ファイル』をクリックして『保存』をクリックします。
『保存』する条件が表示されます。
- 『名前』 任意に決めてください
- 『場所』 希望する保存場所を選択
- 『ファイルフォマット』 アプリケーション
今回は『メモリ解放』という名称で『デスクトップ』に『アプリケーション』として作成しました。
すると、デスクトップに『メモリ解放』というアイコンが作成されました。これをクリックする事で、ワンタッチでメモリ解放のコマンドを実行してくれます。
セーフモード
Macには『セーフモード』という起動モードがあります。『セーフモード』で起動すると『メモリ解放』を行います。
電源オフのMacの電源ボタンを押して起動する直後に『shift』キーを『押したまま』にします。画面にAppleロゴと進捗バーが表示されたら『shift』キーを離します。その後ログイン画面が表示されると、上部メニューバーに『safe boot』の表示がされたらログインします。ログイン画面が出るまでに時間がかかる場合があります。
ログイン後に『上部メニューバー左』の『アップルメニュー』をクリックし、『このMacについて』をクリックします。
ここでお使いのMacの概要が表示されますので、『システムレポート』をクリックします。
すると、お使いのMacのステム詳細が表示されます。左側の項目から『ソフトウェア』をクリックすると、現在のソフトウェアの状況が表示されます。『起動モード』が『セーフ』の表示になっていれば『セーフモード』での起動になっています。再起動後に通常起動しましょう。
ターミナル
Macの標準機能の『ターミナル』というアプリがあります。コマンドを入力して様々な指示をMacに行います。この『ターミナル』を使って『メモリ解放』ができます。
Macの『Dock』から『Launchpad』をクリックします。
Macのアプリ一覧が表示されます。その中の『その他』をクリックします。
ここで『ターミナル』をクリックします。
『ターミナル』を開くと『コマンド入力』の状態になります。
ここに『sudo purge』と入力して『ENTER』キーを押します。
すると『パスワード』の入力を求められます。ここで入力する『パスワード』は、Macを起動してログインする際に設定している『ログインパスワード』を入力します。入力したら『ENTERキー』を押して実行完了です。
Macのメモリ解放をして不足をなくそう
今回は重い・遅い・メモリ不足のMacの為の、メモリ解放の操作方法を説明しました。アプリや標準機能で簡単にメモリ解放が行えますが、Macの基本的なメンテナンスを行っていないと『メモリ解放』の効果が出ません。日頃からMac内の不要なデータやファイルの削除、バックアップをこまめに行って快適な作業環境を維持しましょう。