iPhoneでのVPN設定方法！無料の公共Wi-Fiに安全に接続する方法を解説！

iPhoneでVPN接続するとは、iPhoneで直接Wi-Fiへ接続するのではなく、VPNを用いることでデータが暗号化されて通信されるため、安全に接続できる方法です。では、VPN接続するための設定方法とはどのようなものでしょうか。ここでは、iPhoneでVPN接続する方法とはどのようなものか、説明します。

VPNとは、Virtual Private Network = "仮想的な専用線"のことをいい、通信データを暗号化し、仮想的な「専用線」を設けることで、より安全な通信を可能とする技術です。VPNを用いることにより、通信の内容が盗み取られる危険性が低くなり、公共の無料Wi-Fiなど、セキュリティが低い環境でインターネットに接続する場合の安全性の向上が期待できます。

インターネットに安全に接続できないと、個人の情報を盗まれたり、不当な請求を受けたりする危険性があるため、不安が生じるものです。公共の無料Wi-Fiなどに接続する際には、ぜひVPNを用いて安全性を高めることをおすすめします。

VPNの設定といっても、iPhoneの場合の設定は、それほど難しくありません。iPhoneには、VPNに関するさまざまなアプリが用意されており、それらを用いて設定することで、簡単にVPNの設定が可能となっています。

iPhoneでVPNの接続設定をする手順について説明します。ここでは、「VPN Gate」というオンラインサービスを利用して、VPNに接続することとして、iPhone用のアプリからVPNの接続設定を行う手順を紹介します。

iPhoneでVPN接続設定を行うために、ここでは「VPN Gate」を利用します。「VPN Gate」とは、筑波大学で実施されているオンラインサービスで、「VPN Gate 学術実験プロジェクト」という名称です。筑波大学の学術研究の一つとして実施されており、ここで公開されているVPNサーバーには誰でもアクセスできるようになっているため、利用しやすいサービスの一つとなっています。

この「VPN Gate」というオンラインサービスは、iPhoneだけでなく、WindowsやMac、Androidなどさまざまなデバイスから接続可能なことや、匿名で利用できること、接続中は発信元であるデバイスのIPアドレスが隠されることなどの特徴があり、利用しやすく、安全性が高いことが謳われています。

それではさっそく、iPhoneでVPNの接続設定を始めます。まずは、iPhoneからVPNへ接続するためのアプリを入手します。ここで利用するアプリは、「VPN Gate Viewer」と「Open VPN Connect」です。「VPN Gate Viewer」を使用する際には、別のアプリ「Open VPN Connect」との兼用が勧められています。では最初に、「Open VPN Connect」をインストールします。

「Open VPN Connect」は、Open VPNに接続するためのアプリです。なおOpen VPNとは、Open VPN Technologies, Inc.が中心となって開発を進める、オープンソースのVPNクライアントです。Open VPN ConnectアプリのみでVPNへの接続設定を行うことも可能ですが、「VPN Gate Viewer」と組み合わせて設定を行う方が、より簡単です。「Open VPN Connect」アプリの次に「VPN Gate Viewer」アプリをインストールします。

「VPN Gate Viewer」は、先にご紹介した筑波大学が公開しているVPN 中継サーバー「VPN Gate」にVPN接続するためのアプリです。今回は「Open VPN Connect」と組み合わせて使います。「VPN Gate Viewer」アプリのインストールが完了したら、「VPN Gate Viewer」を起動して、設定を開始します。

「VPN Gate Viewer」起動後の画面では、通信速度の早い順に、起動時点で接続可能なVPNサーバーの一覧が表示されます。通常は一番上のVPNを選ぶと良いでしょう。接続したいVPNサーバーを選択して、タップします。

タップしたVPNサーバーの詳細が吹き出しで表示されます。ここで、プロトコルにある「Open VPN」または、吹き出し上部にあるOpen VPN Connectアプリのアイコン（下のアイコン画像）をタップします。ここから、Open VPN Connectアプリに情報を引き継いで設定を進めることになります。

すると、共有先一覧が表示されますので、「Open VPNにコピー」をタップします。Open VPN Connectが起動し、Open VPN Connectでの設定へと引き継がれます。

「Open VPN Connect」アプリの利用規約画面が表示されますので、内容に承諾できたら、「AGREE」をタップします。

「Import Profile」画面では、Open VPNへの接続プロファイルが表示されますので、「ADD」をタップします。プロファイルがアプリにインポートされます。

「Profile Successfuly Imoprted」と表示され、プロファイルのインポートが成功したことがわかります。それでは、続けて右上の「ADD」をタップして、iPhoneの設定に反映させます。

インポートしたプロファイルに基づいてiPhoneの設定にVPN設定を反映させてよいか確認する画面が出ますので、「Allow」をタップします。これで、VPNの設定は完了です。完了後は、接続待ちの画面になります。

ここまでの設定で、VPNに接続する準備が完了しました。ここまで完了すれば、VPNへの接続はとても簡単です。設定後にVPNへ接続するには、引き続き先ほどの画面にて設定が完了したプロファイルの中から接続したいものの「Open VPN Profile」の文字の左側のスイッチをタップします。

VPNに接続する前に、「Open VPNでVPNに接続して良いか」確認する画面が出ますので、「Yes」をタップします。すると、スイッチがオレンジ色に変わり、直ちに接続が試みられます。接続が成功すれば、スイッチが緑色になり、iPhoneの画面の上部に「VPN」の文字が表示されます。VPNで接続されていることをあらわしています。

また、接続後は、この画面上で接続状態の詳細な情報が表示されますので、通信が正常に行われているかが確認できます。もし途中から接続できなくなったりした場合は、この画面をチェックしてみましょう。「Disconnected」になっていて、接続できない場合は、最後設定画面に戻って設定内容をチェックしましょう。

接続しようとするVPNサーバーによっては、接続ができない場合もあります。一定時間接続できなかった場合は、次のようにエラーメッセージ「There was an error attempting to connect to the selected server.」が表示されますので、再度接続を試みるか、接続をキャンセルして他のVPNサーバーへの接続を試みましょう。

ここまでで、iPhoneでVPNの接続設定を行い、実際にVPNへ接続することについて説明しました。では次に、iPhoneでVPNの接続設定をするメリットやデメリットとはどういったものがあるか、まとめてみます。

iPhoneでVPNの接続設定をするメリットはとても大きく、特に公共の無料Wi-Fiに接続する場合や、海外に滞在する際にインターネットに接続する場合などで、VPNに接続するメリットを感じることができるでしょう。ここでは、iPhoneでVPNの接続設定をするメリットとは何かについてまとめます。

iPhoneでVPNの接続設定をする最も大きなメリットとして、街中にある無料Wi-Fiを安全に利用することができるという点が挙げられるでしょう。喫茶店やインターネットカフェ、デパートやレストランなど、街中で多くの無料Wi-Fiが提供されていますが、なんのセキュリティも施さずに接続するには安心できないでしょう。ぜひVPN接続を行うことをおすすめします。

VPN Gateに接続することで、iPhoneの接続IPアドレスが、VPNサーバーのIPアドレスに変わります。したがって、接続するデバイスのIPアドレスが特定できないので、接続元の情報を詮索されないというメリットがあります。さまざまなWebサイトを閲覧するなかで、接続元の情報を抜き取られたりする心配がないので、安心してインターネットへ接続することができます。

サイトによっては、海外からのアクセスができないようにしてあったりしますが、そのWebサイトが置かれる国のVPNサーバーを利用することによって、通常ならアクセスできない海外サイトを閲覧できる場合があります。

逆に、海外、特にその国内でインターネットの規制が厳しい国からでも日本のサイトにアクセスできるというメリットがあります。

ここまでiPhoneでVPNの接続設定をするメリットについて述べましたが、VPN接続することについてはメリットばかりではなく、デメリットもいくつか存在します。ここでは、iPhoneでVPNの接続設定をするデメリットとは何かについてまとめます。

VPN接続によって安全性が高まるメリットはありますが、完全に安全というわけではありません。絶対に大丈夫とはいえない、過信は危険であるということを念頭に置いておきましょう。（ただ何も設定しないよりは安全性は向上します）

VPN接続は、接続するVPNサーバーの性能やアクセス状況に左右されますので、通信速度が遅くなる場合もあります。通信が遅くなった、途中から接続できなくなったなどの状況があれば、他のサーバーへの接続を試みてみましょう。

VPNによっては、無料サービスの範囲内ではできないサービスもあり、有料のものもあります。接続の安定性、高速な接続など有料ならではのサービスが得られるのですが、それらを求めるならば、費用がかかる場合があるということを認識しておく必要があります。

iPhoneで使えるVPNサービスにはさまざまなものがあります。ここでは、iPhoneで使えるVPNサービスを選ぶポイントについてまとめます。

VPNサービスによっては、動画配信サイトにアクセスできないなどの制限がある場合があります。自分でみたいコンテンツに接続可能か、あらかじめ調べておくことが良いでしょう。

VPNサービスごとで月額料金が異なります。動画配信サイト利用や、スマホアプリが用意されているかなど、自分が利用したいサービスなどによって、必要な費用を検討しましょう。利用にあたっては、無料トライアル期間が設定されているところが多いので、トライアルを活用しながら検討するのがおすすめです。

ネット接続には通信速度が重要になってくることがあります。同時接続回線数や、設置されているサーバーの数などを調べ、自分にとって通信速度がストレスにならないものか、ぜひ試してみましょう。

ここでは、iPhoneで使えるVPNサービスのおすすめのアプリについてご紹介します。

簡単な操作でVPNへの接続が可能なアプリです。スイッチをオン・オフと切り替えるだけのシンプル操作が特徴です。月500MBまでの通信が無料となっていますので、試してみるのも手軽で簡単です。

モバイルデバイスにおいても有名な「Opera」社が提供するVPNアプリです。接続元情報の情報が明かされないため、アクセス情報の秘匿性が高いのが特徴です。

世界60カ国以上にサーバーを設置し、安定して高速な接続が可能なVPNアプリです。また、VPN接続を終了した場合は、インターネットへの接続も終了するなど、プライバシー保護の機能が豊富なのも特徴となっています。なお、このアプリは有料となっています。

ExpressVPNも有料のアプリですが、世界94カ国、160都市にサーバーを設置し、通信量制限なしに接続が可能なVPNサービスです。また、年中無休24時間体制でのサポートがあるなど、サービスが充実しているのも特徴となっています。

iPhoneから無料Wi-Fiへ接続する場合は、セキュリティに不安があります。ぜひ、iPhoneで無料Wi-Fiに接続する際はVPN設定を使って、安心できる接続環境を楽しみましょう。