2019年06月19日更新
iPhoneカメラのポートレートモードの使い方!背景をぼかして写真撮影・加工する方法を解説!
この写真は立体感があって”一眼レフで撮ったのかしら”いえいえiPhoneのポートレートモードで撮影した一枚です。あなたもiPhone一台あればアマチュア上級のポートレートを撮影できます。本記事の解説を参考にトライしてください。
目次
iPhoneのポートレートモードとは?
iPhoneカメラのポートレートモードとは、書店のカメラ雑誌でお目にかかれるような、プロ的な写真を撮れる写真撮影モードのことです。撮影対象となる「モデル」や「被写体」が浮かび上がり、立体的に見えるように背景に”ぼかし”をいれる機能です。
以前はプロのカメラマンやアマチュア上級の方しか、撮影できなかったハイテクニックな写真が、スマホのデュアルレンズ搭載や「AI」技術アプリケーションの進歩によって、私たちにも使い方次第で手軽に撮影できるようになりました。
背景をぼかして写真撮影できる
「ポートレートモード」では撮影の際、背景をぼかすことによって、被写体を際立たせることができます。これを”被写界深度”といいますが、iPhoneの背面にあるデュアルカメラ(広角レンズ、望遠レンズ)をiPhoneの「ポートレートモード」により調整され、背景に「ぼかし」をかけることができます。
ポートレートモードを利用できるiPhone
ポートレートモードを利用できるiPhoneは上記に”以前は”とあるように、iPhone7以前はありませんでした。デュアルカメラが搭載されるようになった,「iPhone7Plus」から利用できるようになりました。
- iPhone7Plus ~ デュアルカメラ
- iPhone8Plus~ デュアルカメラ
- iPhone X ~ デュアルカメラ
- iPhone XS ~ デュアルカメラ
- iPhone XS Max~ デュアルカメラ
- iPhone XR ~AI搭載シングルカメラ
>iPhoneのポートレートモードの使い方
カメラアプリから起動する
iPhoneのカメラAPPを使って、ポートレートモードで写真撮影する手順を説明します。カメラAPPの起動の仕方は二通りあり、ひとつは「ホーム画面」からカメラAPPアイコンをタップして起動させる方法、もうひとつは「ロック画面」より、スワイプして起動させる方法です。
iPhoneのカメラが起動したら、画面下段のメニューから「ポートレート」を選択します。他のモードで撮影するとあとで背景に”ぼかし”を入れたり編集加工ができなくなります。必ず「ポートレート」を選択してください。
上手に撮影する方法
iPhoneスマホで撮った被写体の背景にボケを挿入するには、レンズの使い方の、特性を理解する必要があります。背景に"ぼかし"を入れる際に、「望遠レンズ」で被写体にピントを合わせ、広くピントを合わせるには「広角レンズ」を使用します。
「iPhone7Plus」以降「iPhone XMax」までデュアルレンズに望遠レンズが搭載されていて、。遠めの背景に広角レンズを合わせ、対象を望遠レンズで撮るというのが背景にボケをいれる仕組みです。もちろんデジタル処理も組み合わせて行われます。
被写体に近づく
実は「通常モード」でも被写体にピントを当て、できるだけ近づいて撮影すると、背景が多少ボケます。「ポートレートモード」でも近づくことで、撮影したときの被写体のフォーカス効果が格段に上がります。
iPhoneのポートレート撮影では、このようにできるだけ被写体に接近することにより、背景からモデルが浮きあがり、際立ちます。しかし近づきすぎも「警告」が出ます、「ポートレートモード」でフォーカスする対象までの距離は●45センチ~2.5メートルです
背景は遠いほうがいい
上の菜の花畑の写真を見れば、お分かりのように、最前列の菜の花は輪郭がくっきり鮮明ですが、遠く離れるにしたがいボケてきます。このように背景が遠ければ、ぼかしやすいということがよく理解できますね。
上記の菜の花畑の写真の原理を念頭に、背景を遠くに求め構図を決め撮影した一枚です。背景のぼかしが被写体を生き生きと引き立てます。
iPhoneのポートレート機能で加工する
被写界深度(ボケ具合)を調整する
続いて、被写界深度エフェクト調整の使い方について解説します。
上の写真は被写界深度(ボケ具合)はf1.4でf16~f1.4ある被写界深度(ボケ具合)のなかで一番ボケ具合が最大です。背景がかすむほどボケていますが、本来残るはずの被写体の男性の髪も、背景に溶け込んでいます。
上の写真は被写界深度f4.5に調整加工されたもので、男性の髪の毛ははっきり見えます。背景も前掲写真の背景と比べボケ方がソフトです。「f4.5」はiPhone「ポートレートモード」のデフォルトの数値であり、被写界深度の使い方としてベストな数値であるといえます。
ポートレートライティングで調整する
ポートレートモードで撮影すると、後から「編集」で通常撮影の写真のように加工し、エフェクトを削除して元に戻すことができます。ここでは「自然光」で撮影した写真を、いろいろ加工する使い方をご覧いただけます。
”すべての写真”の中から先ほどポートレートモードで撮影した写真をアップして、ライティングで加工するために「編集」をタップします。
「編集」をタップしますと上に黄色く「ポートレート」と表示され、ポートレートライティングで光源の調整加工ができるようになります。いま上の写真は「自然光モード」です。
上の写真で「スタジオ照明」をタップします、すると下の写真のように変化しました。写真館のスタジオで撮るような、明るさなります。
次に「輪郭強調照明」を当ててみます。下の写真のようになり、被写体の輪郭がシャープになったのが、お判りでしょうか。
こんどはピンクパンサーにスポットライトを当て、周りを暗くしてみます。「ステージ照明」をタップすると上の写真がブロマイド写真のように変化します。
「ステージ照明」はモノクロにも変化させられます。「ステージ照明(モノ)」をタップします。
このように、使い方次第で、上の写真が人物写真ならば重厚なフォトグラビアのような、写真が出来上がります。
ポートレートを削除する
被写界深度(ボケ)エフェクトなどを、削除または好みに変更することができます。
すべての写真から対象の写真を選択して「編集」をタップします。
上段に黄色く「ポートレート」と表示され、写真を編集加工できるようになります。”ぼかし”を通常の背景に戻すには、「ポートレート」をタップしてポートレートモードを解除します。
エフェクトを取り除き通常モードの写真にもどすことができます。
- 写真APPから対象の写真を選びます
- 「編集」をタップします
- 「ポートレート(画面上部)」をタップします
iPhoneのポートレートモードに向かない撮影
暗い場所での撮影
ポートレートモードでの撮影には夜間や暗いところでは向いていません。ストロボフラッシュと相性がよくありません。
金属やガラス
ポートレートモードで撮影するとき、光るもの、光を透過するものは、ポートレートモードではうまく撮れないことが多いようです。写真撮影は光が介在する物理現象です。ガラスや金属が光を反射する際、被写体の輪郭部分があいまいになりがちです。
輪郭が複雑な被写体
輪郭が複雑な被写体もポートレートモードの苦手な対象のひとつです。先の男性の撮影にもある通り、毛髪や、細い植物の葉のふちなど、輪郭が複雑な被写体が背景に一部溶け込んでしまうことがあります。
デュアルカメラである「iPhoneX」「iPhoneXsMax」では、被写体が人物以外のものでもポートレートモードで撮影できますが、「iPhone XR」のポートレートモードは人物撮影に限定されており、人物以外では上記の写真のように、「だれも検知されませんでした」とエラーが出ます。
そのまま「ポートレートモード」で撮影はできますが、この場合「通常モード」の写真になります。
風景や部屋など広い場所
背景にぼかしを入れる原理は、フォーカスする対象を近くにおいて、望遠レンズでピントを合わせると、遠くの背景がボケて、対象が際立つ効果を利用したものです。広い場所で対象が近くになければ成立しない原理です。
iPhoneのポートレートモードで撮影してみよう
下の写真はiPhone XRで撮影した一枚です。iPhone XRはポートレートモード撮影のできる機種のなかで、唯一のシングルカメラですが、「AI」デジタル処理により、一眼レフのようなポートレートモード撮影を実現しています。
今回iPhone7PlusからiPhone XRに至るポートレートモード撮影の解説をしてまいりましたが、”まとめ”としては、どの機種のポートレートモード機能も素晴らしいので、あまり難しく考えず、まずは「ポートレート」をタップして撮影をしてみてください。
もう一点「iPhone XR」は人物しか、「ポートレートモード」に対応していないのですが、有料アプリ(720円)の「Halide」というアプリをインストールすれば人物以外でも背景をぼかすことができます。