動画共有サイトからダウンロードする際気になるのが、ウイルス感染などのセキュリティ面と違法か合法かということです。YouTube動画のダウンロードは安全で合法なのでしょうか?今日はYouTubeの動画ダウンロードについて、著作権の観点から違法性を解説します。
動画共有サイトでお気に入りの動画を見つけたり、あとでゆっくり見たいと思った時、動画をダウンロード保存しておきたいと思うものです。
それに無料の動画共有サイト、特にYouTubeは見たいと思っていた動画が急に消されてしまっていることもしばしばです。ですが、そこで気になるのがYouTubeの動画をダウンロード保存することは合法なのか、違法なのかということでしょう。
日本では、2010年1月1日著作権法が改正され、いわゆるダウンロード違法が著作権法に盛り込まれました。YouTube動画のダウンロード保存が合法か違法かをお話しする前に、まずはこのダウンロード違法かとは具体的にどういった法律なのか、また何が違法行為に当たるのか、また違法行為を行った際に処される刑罰に関して解説します。
「動画ダウンロード違法化」とだけ見ると、インターネットにある動画をダウンロードする行為すべてが違法のように感じられますが、実際は動画をダウンロード保存するすべての行為、というわけではありません。
2010年に改正される前の著作権法においても、権利者に無断で著作物をネットにアップロードする行為は違法でしたが、私的使用目的でダウンロードすることは著作権法第30条「私的使用のための複製」の範疇として違法ではありませんでした。つまり、ネットユーザのほとんどは、以前の著作権法にはほぼ無関係でした。
しかし2010年の著作権法改正では、この著作権法第30条以下が除かれ、「私的使用のための複製」が認められなくなりました。では動画共有サイトから動画をダウンロード保存している人は皆逮捕されてしまうのかというとそうではありません。
違法ダウンロードの具体的な内容の1つ目は、著作権を侵害している動画(=違法アップロード)と知っているにもかかわらず、その違法アップロード動画をダウンロード保存することが違法となります。
違法ダウンロードに該当する2つ目は、ダウンロード保存した動画が合法・違法に関わらず、それを再配布する行為です。
再配布とは、自分以外の人が目にする環境にそのダウンロードした動画を掲載することです。例えば自分のブログやFacebook、Twitter、YouTubeチャンネルでアップロードすれば友人や不特定多数の人が目にすることになります。これが違法行為にあたり罰則の対象となります。
ただし、YouTubeの場合、「埋め込みコード」という機能があります。この「埋め込みコード」は動画の共有リンクを取得する機能ですが、この「埋め込みコード」を利用するなど、ブログなどSNSにリンクを貼ることは、動画をダウンロードしているわけではありませんので、罪に問われません。
実際のところ違法ダウンロードで逮捕されたというニュースを目にすることはありませんでした。なぜなら著作権法今までは親告罪だったからです。
親告罪というのは、著作権の所有者が、著作権を侵害されていると訴えて初めて処罰の対象となるものでした。ですが2018年12月30日、著作権法はさらに強化し、「日本の著作権法における非親告罪化」が施工され、一部親告罪から非親告罪へと切り替わりました。
①違法アップロード動画だと知りながらその動画をダウンロードする、②その動画が合法・違法に関わらず、ダウンロードした動画をSNSなどに掲載する、この2点の行為を行った場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金と損害賠償が課せられます。
では、YouTubeの動画を合法でダウンロードすることは可能でしょうか?これまでお話しした著作権法に従って考えてみると、まず違法アップロードと知りながらダウンロードしてはいけないのですから、どの動画が違法なのか、合法なのか見分けられれば著作権は犯す心配がないわけです。
ではYouTubeにアップロードされている動画を違法かどうか見分ける方法はあるのでしょうか?
まずはアップロードされた動画が合法なのか、違法なのかを見分ける必要があります。
YouTubeのチャンネル名の横に表示されている「✔」が確認バッジです。(YouTubeでは承認バッジと呼んでいます。)この「✔」がついているチャンネルは人気クリエイターや人気ブランド、企業、組織である確認がYouTubeよりなされ、公式チャンネルであると認められたものです。
ですが皆が知っている人気のYouTuberや有名企業のチャンネルであっても確認バッジがついていないものが多く見受けられます。
なぜなら、確認バッジを取得する方法として、チャンネル登録者数が10万人になってはじめてYouTubeへ確認バッジ取得のリクエストを送信することができるからです。また、登録者数が10万人を超えていても、チャネル管理者から確認バッジのリクエストを送信しない限りYouTubeの方から確認バッジをつけてくれることはありません。
YouTubeの公式アートチャンネルはチャンネル名の横に「♪」がついています。この「♪」をつけるにも条件があり、音楽配信パートナーを通じてYouTubeに公式ミュージックビデオが3本以上アップロードすると公式アートチャンネルとするリクエストが送信できます。
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