2019年05月13日更新
YouTube動画のダウンロードは安全で合法?著作権の観点から違法性を解説!
動画共有サイトからダウンロードする際気になるのが、ウイルス感染などのセキュリティ面と違法か合法かということです。YouTube動画のダウンロードは安全で合法なのでしょうか?今日はYouTubeの動画ダウンロードについて、著作権の観点から違法性を解説します。
目次
YouTube動画のダウンロード保存は合法?違法?
動画共有サイトでお気に入りの動画を見つけたり、あとでゆっくり見たいと思った時、動画をダウンロード保存しておきたいと思うものです。
それに無料の動画共有サイト、特にYouTubeは見たいと思っていた動画が急に消されてしまっていることもしばしばです。ですが、そこで気になるのがYouTubeの動画をダウンロード保存することは合法なのか、違法なのかということでしょう。
日本では、2010年1月1日著作権法が改正され、いわゆるダウンロード違法が著作権法に盛り込まれました。YouTube動画のダウンロード保存が合法か違法かをお話しする前に、まずはこのダウンロード違法かとは具体的にどういった法律なのか、また何が違法行為に当たるのか、また違法行為を行った際に処される刑罰に関して解説します。
動画ダウンロードに関する違法行為
「動画ダウンロード違法化」とだけ見ると、インターネットにある動画をダウンロードする行為すべてが違法のように感じられますが、実際は動画をダウンロード保存するすべての行為、というわけではありません。
著作権を侵害している違法アップロード動画を保存する
2010年に改正される前の著作権法においても、権利者に無断で著作物をネットにアップロードする行為は違法でしたが、私的使用目的でダウンロードすることは著作権法第30条「私的使用のための複製」の範疇として違法ではありませんでした。つまり、ネットユーザのほとんどは、以前の著作権法にはほぼ無関係でした。
しかし2010年の著作権法改正では、この著作権法第30条以下が除かれ、「私的使用のための複製」が認められなくなりました。では動画共有サイトから動画をダウンロード保存している人は皆逮捕されてしまうのかというとそうではありません。
違法ダウンロードの具体的な内容の1つ目は、著作権を侵害している動画(=違法アップロード)と知っているにもかかわらず、その違法アップロード動画をダウンロード保存することが違法となります。
ダウンロードしたものを再配布する
違法ダウンロードに該当する2つ目は、ダウンロード保存した動画が合法・違法に関わらず、それを再配布する行為です。
再配布とは、自分以外の人が目にする環境にそのダウンロードした動画を掲載することです。例えば自分のブログやFacebook、Twitter、YouTubeチャンネルでアップロードすれば友人や不特定多数の人が目にすることになります。これが違法行為にあたり罰則の対象となります。
ただし、YouTubeの場合、「埋め込みコード」という機能があります。この「埋め込みコード」は動画の共有リンクを取得する機能ですが、この「埋め込みコード」を利用するなど、ブログなどSNSにリンクを貼ることは、動画をダウンロードしているわけではありませんので、罪に問われません。
違法ダウンロードした場合の刑罰
実際のところ違法ダウンロードで逮捕されたというニュースを目にすることはありませんでした。なぜなら著作権法今までは親告罪だったからです。
親告罪というのは、著作権の所有者が、著作権を侵害されていると訴えて初めて処罰の対象となるものでした。ですが2018年12月30日、著作権法はさらに強化し、「日本の著作権法における非親告罪化」が施工され、一部親告罪から非親告罪へと切り替わりました。
①違法アップロード動画だと知りながらその動画をダウンロードする、②その動画が合法・違法に関わらず、ダウンロードした動画をSNSなどに掲載する、この2点の行為を行った場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金と損害賠償が課せられます。
YouTube動画を合法でダウンロードするには?
では、YouTubeの動画を合法でダウンロードすることは可能でしょうか?これまでお話しした著作権法に従って考えてみると、まず違法アップロードと知りながらダウンロードしてはいけないのですから、どの動画が違法なのか、合法なのか見分けられれば著作権は犯す心配がないわけです。
ではYouTubeにアップロードされている動画を違法かどうか見分ける方法はあるのでしょうか?
違法でアップロードされた動画か見分ける
まずはアップロードされた動画が合法なのか、違法なのかを見分ける必要があります。
確認バッジ
YouTubeのチャンネル名の横に表示されている「✔」が確認バッジです。(YouTubeでは承認バッジと呼んでいます。)この「✔」がついているチャンネルは人気クリエイターや人気ブランド、企業、組織である確認がYouTubeよりなされ、公式チャンネルであると認められたものです。
ですが皆が知っている人気のYouTuberや有名企業のチャンネルであっても確認バッジがついていないものが多く見受けられます。
なぜなら、確認バッジを取得する方法として、チャンネル登録者数が10万人になってはじめてYouTubeへ確認バッジ取得のリクエストを送信することができるからです。また、登録者数が10万人を超えていても、チャネル管理者から確認バッジのリクエストを送信しない限りYouTubeの方から確認バッジをつけてくれることはありません。
公式アーティストチャンネル
YouTubeの公式アートチャンネルはチャンネル名の横に「♪」がついています。この「♪」をつけるにも条件があり、音楽配信パートナーを通じてYouTubeに公式ミュージックビデオが3本以上アップロードすると公式アートチャンネルとするリクエストが送信できます。
YouTubeの「確認バッジ」や「公式アーティストチャンネル」のアイコンはPCからでのみ確認が可能ではありますが、この動画は合法なのか、本当に公式チャンネルなのかを見分けるのに役立ちます。
YouTube動画を安全にダウンロードするには?
YouTubeの合法アップロードの動画の見分け方の目安は分かったところで、ダウンロードについての心配と言えば、ウイルス感染など安全面に関してです。
動画共有サイトから動画をダウンロードしたらPCやスマホがウイルスに感染した、という話は耳にしたことがあるでしょう。そこでYouTubeの動画を安全にダウンロードする方法があるのか、見ていきましょう。
YouTubeの公式サイトではダウンロードを禁止している
実は、YouTubeの利用規約を参照してみると、YouTubeはコンテンツのダウンロードを禁止しています。
お客様は、「ダウンロード」または同様のリンクが本コンテンツについて本サービス上でYouTubeにより表示されている場合を除き、いかなる本コンテンツもダウンロードしてはなりません。お客様は、YouTubeまたは関連する本コンテンツのライセンサーからの事前の書面による同意なく、コピー、複製、送信可能化、出版、翻案、配布、放送、表示、販売、ライセンス付与又はその他一切の他の目的のために利用されてはなりません。
つまりYouTubeでは動画の合法・違法を問わず、「ダウンロード可能」と明記されているもの以外のすべての動画のダウンロードを禁止しています。では、「ダウンロード可能」と記載されている動画を探してダウンロードすれば良いと思うかもしれませんが、ほとんどの動画でそのような明記はされていません。
有料サービス「YouTube Premium」
日本では2018年11月14日にサービスが開始した「YouTube Premium」を紹介します。この「YouTube Premium」はAndroid版アプリ・Web経由の場合月額1,180円、iOS版アプリ経由は1,550円、学割は680円の有料サービスとなっています。
メリットは●動画をダウンロードしオフラインで楽しめる、●広告なしでの動画再生、●音楽配信サービス「YouTube Music Premium」も利用可能、●YouTube Premiumオリジナルコンテンツの配信、●他のアプリを使いながらバックグラウンド再生が可能、と今までYouTubeを利用していて欲しいな、と思った機能が揃っています。
無料トライアル期間が1ヶ月間ありますので、じっくり判断しましょう。(サービス開始当初は無料トライアル期間は3ヶ月でしたが、2019年5月現在1ヶ月に短縮されています。)YouTube Premiumについては別途詳しく紹介していますので、下記リンクを参照してください。
YouTube動画を無料でダウンロードしたい!
ご紹介した「YouTube Premium」にはオフライン再生が可能というメリットを紹介しました。ですが、オフライン機能は動画をスマホやPCにダウンロードすると捉えがちですが、YouTubeアプリの中に保存されるだけのため、YouTube以外の再生アプリを使ってYouTube動画を視聴することはできません。
では、YouTube動画を無料でダウンロードするにはどうしたら良いのでしょうか?
YouTubeの動画をダウンロードしたいと思っている人は数多くいます。そのためYouTube動画がダウンロードできるダウンローダーもネット上に数多く出回っています。YouTubeの動画が無料でダウンロードできるソフトは別途詳しく紹介していますので、下記リンクを参照してください。
無料動画保存ツールを利用する注意点
無料動画保存ツール、つまりフリーダウンローダーを利用する際の注意点を挙げます。注意点とはまさに安全性に関してです。動画共有サイトを利用したらウイルスに感染した、という話がネット上に沢山紹介されています。
ですが実はウイルス感染のほとんどがサイトのポップアップ広告をクリックしてしまっていたり、フリーダウンローダー経由によるものです。中でも特に注意が必要なのがフリーダウンローダーです。
ダウンローダーとはサイト上にある動画を自分の端末にダウンロードするためのソフトやアプリですが、動画のデータをダウンロードする際にウイルスも一緒に取り込んでしまうケースが多発しています。
YouTubeの利用規約ではダウンロードは禁止とされてはいますが、もし、動画を無料でダウンロードする際には、そのダウンローダーが安全か、端末のセキュリティ対策を十分にとってからダウンロードを行いましょう。
YouTube動画を合法でダウンロードしよう!
法律やウイルス感染を気にしながらでは折角の動画が楽しめません。YouTubeの動画をダウンロードする際は、その動画が違法アップロードでないかの確認をとったうえで、万が一に備えて端末のセキュリティ対策を万全にし、安全にダウンロードしましょう。