MacやWindowsで利用できる無料のFTPクライアントのうち、無料で利用できるおすすめのソフトを紹介します。いろいろな機能や特徴を備えたソフトがありますが、自分の製作環境、利用目的にフィットしたFTPクライアントソフトを探してみましょう。
FTPとは、ファイル転送プロトコル(File Transfer Protocol)を略したIT用語です。あまり耳慣れない言葉ですが、プロトコルというのは「規約」や「決まり事」という意味であり、FTPとは、インターネットを介してファイルなどのデータを転送する際の決まり事のことです。
詳しく知るために、ネットワーク上でファイルをやり取りする際の仕組みを解説します。コンピューター同士がデータを送受信するときに、電子的なサービスや機能を提供する方のコンピューターを「サーバー」と呼びます。身近なものでは、電子メールの送配信サービスを提供する「メール・サーバー」などがあります。
そのサーバーからサービスを利用する方のコンピューターを「クライアント」と呼びます。クライアントとは「依頼人」という意味です。クライアントがファイルデータの送信や受信を依頼すると対応するのがサーバーの役割になるのです。家庭で使うパソコンはクライアントの立場になることがほとんどです。
ここで問題になるのが、データを送受信するときのルールです。コンピューター同士でやり取りするデータは「0」と「1」の組み合わせでできているので、サーバーとクライアントの間で「やりとりしているのがなんのデータなのか」わかるようにルールを決めなければなりません。
例えるなら、送られてきた手紙に「01010010001101……」とだけ書かれていても、この「0」と「1」の意味を理解することができません。FTPとは、データを送受信するときのルールを定めた通信方式のことなのです。
それでは、「FTPクライアントソフト」とは何をするためのものなのか説明します。先ほどのサーバーとクライアントの関係に当てはめるなら、その名の通りサービスを依頼するクライアントの立場になるソフトです。
対して、サービスを提供するサーバーは「FTPサーバー」になります。FTPサーバーとは、「Webサーバー」の内部とつながって「ファイルデータの管理をする」機能を持ちます。
自分のサイトを作るためには、大量の文章や画像ファイルをWebサーバーに転送しなければなりません。そこで、FTPクライアントソフトが必要になります。
FTPクライアントソフトを起動してFTPサーバーに接続すると、Webサーバーの内部にあるファイルデータをすべて呼び出すことができます。そこへイラストを追加したいときには画像データを転送したり、修正したテキストファイルを上書きしたり、公開を中止したいファイルを削除することができます。
それとは逆に、手元で消してしまったデータがサーバー上に残っている場合は、サーバーから自分のパソコンへ送信させて保存することもできます。自分のパソコンからサーバーにファイルを送ることを「アップロード」、サーバーから自分のパソコンにファイルを送ってもらうことを「ダウンロード」と呼びます。
FTPクライアントソフトを使えば、Webサーバーに置いてあるデータの管理が容易になるため、自分のWebサイトを運営する上でとても便利なツールであることがお分かりいただけたでしょう。
それではここで、無料で利用可能で、かつ初心者向けで扱いやすいおすすめのFTPクライアントソフトをいくつか紹介していきます。
まず初めに紹介するおすすめのFTPクライアントソフトは「FileZilla(ファイルジラ)」です。公式サイト(https://filezilla-project.org/)から無料でダウンロードできます。自己解凍式のexeファイルにはスポンサーのソフトが抱き合わせで入っていますが、インストール時に入れないことも可能です。
気になる方は個別ダウンロードページ(https://filezilla-project.org/download.php?show_all=1)からzipファイルの方をダウンロードしましょう。
では、機能の説明に進みます。FileZillaはドラッグ&ドロップによるファイルの転送に対応しており、ローカル側(自分のデスクトップ)とリモート側(サーバー)の操作画面が左右に並んでいるためファイルの管理がしやすくなっています。
1 / 3
続きを読む