LINEを暗号化するLetter Sealingの設定方法!スマホ・PCでトークに鍵をかけるには?
LINEにはLetter Sealingという暗号化システムが導入されています。通信傍受を防ぐ優れものですが、このせいでトークが出来なくなる困った事態も起こり得ます。LINEの暗号化システム・Letter Sealingの特徴や設定方法などをまとめました。
目次
- 1LINEの暗号化機能「Letter Sealing」とは
- ・強力な暗号化通信システム
- ・トークもグループトークも通話も暗号化OK
- 2LINEの暗号化機能「Letter Sealing」の設定方法
- ・スマホでの設定方法
- ・PCでの設定方法
- ・鍵が表示されない?暗号化されているかを確認する方法
- 3LINEの暗号化機能「Letter Sealing」の解除方法
- ・スマホでの設定方法
- ・PCでの設定方法
- 4LINEの暗号化機能「Letter Sealing」を設定するメリット
- ・セキュリティ対策ができて安心
- 5LINEの暗号化機能「Letter Sealing」を設定するデメリット
- ・機種変更を行ったときに手間取るかも
- ・通知でメッセージがプレビューできなくなる
- 6LINEの暗号化機能「Letter Sealing」を活用して安全に話そう
LINEの暗号化機能「Letter Sealing」とは
LINEが普及するにつれて、他人の通信を覗き見ようと企む悪意に満ちたユーザーも紛れ込むようになりました。そこでLINEの運営はLetter Sealingと呼ばれる暗号化システムを採用し、LINEのセキュリティ向上に力を入れています。
しかしLINEユーザーの中には、Letter Sealingの存在すら知らない方が少なくありません。LINEの暗号化機能・Letter Sealingの概要を紹介しましょう。
LINEの引き継ぎだけ一部上手く行かんかった、、、Letter sealing とか!!初耳なんですけど?!?!!!
— 昌子(まさこ) (@KishuMai5) June 7, 2019
強力な暗号化通信システム
Letter Sealingは、2015年8月からLINE社がオプション機能として一部のサービスに適用し始めたエンドツーエンド暗号化(end-to-end encryption, E2EE)プロトコルです。
Letter Sealingとは、日本語に訳すと「その封書が未開封であることを証明する印」のこと。「LINE上でやり取りされる情報が第三者に傍受されていないことを保証するセキュリティサービス」と言えば分かりやすいでしょう。
もともとLINEユーザーとサーバ間では、HTTPSによるセキュアな暗号化通信が行われています。さらにLetter Sealingを適用すると、情報送信者・サーバ・受信者の間でやり取りされる通信内容が「送信者と受信者の端末でしか解読できない特殊な形」で暗号化されます。
この情報はLINEサーバー側でもその内容を解読することが出来ません。したがって、万一ハッキングによってLINEサーバからデータが流出しても、LINEユーザーの通信内容が保護される仕組みになっているのです。
トークもグループトークも通話も暗号化OK
Letter Sealingは、以下の4種類のサービスの暗号化に対応しています。
- テキストメッセージ(1対1トーク、50人以下の1対nトークおよびグループトーク)
- 位置情報メッセージ(1対1トーク、50人以下の1対nトークおよびグループトーク)
- 音声通話(1対1通話)
- ビデオ通話(1対1通話)
大人数でLINEのやり取りをする時にもLetter Sealingの暗号化が有効なので、プライベートだけでなくビジネスシーンでも大いに重宝します。
Letter Sealingが適用されないケース
また、LINE上で通信を行う双方(グループの場合はグループ参加者全員)がLetter Sealingの設定を有効にしている時のみLetter Sealingが適用されるということに注意する必要があります。誰か一人でもLetter Sealingを解除している場合、通信経路上での暗号化しか行われません。
LINEの暗号化機能「Letter Sealing」の設定方法
Letter Sealingは、2016年頃からデフォルトで有効化されるようになりました。基本的にはユーザーが何もしなくてもLetter Sealingの設定がオンになっているはずですが、自分でチェックしないと気になる方もいるでしょう。
スマホやPCでLetter Sealingの設定を確認する手順について見ていきましょう。
スマホでの設定方法
スマホ版のLINEでLetter Sealingを設定するためには、アプリを起動させた後にホーム画面左上にある歯車アイコンをタップして「設定」を呼び出す必要があります。
「設定」画面が表示されたら、「プライバシー管理」の項目をタップしてください。
「プライバシー管理」の画面上に「Letter Sealing」の項目があるはずです。そのスイッチがオンになっていれば、Letter Sealingは問題なく有効になっています。もしオフになっていたら、設定スイッチをタップすることでオンにすることが出来ます。
PCでの設定方法
PC版のLINEアプリには、スマホ版のようなLetter Sealingに関する明確な設定はありません。しかし、スマホ版のLINEでLetter Sealingの設定がオンになっていると、セキュリティ保護のためにPC版のトーク画面に本人確認を求めるメッセージが表示されます。
このままではPC版でLINEトークを受信できないので、本人確認を行いましょう。
「本人確認」のリンクをクリックすると、画面上に6桁の認証用コードが表示されます。このコードをスマホ版のLINEに入力しましょう。
ただし、このコードはわずか3分しか使えません。3分以内に認証を済まさなければならないので、制限時間を超過しないように、前もってLINEアプリにログインしておいたスマホを手元に用意しておいてください。
スマホ版のLINEアプリを起動すると、本人確認用の認証番号入力画面が表示されます。PC版のLINEアプリに表示された6桁のコードを入力して「確認」をタップしてください。
「本人確認が完了しました。」というメッセージが表示されたらOKです。これでPC版でもLetter Sealingの設定が有効となり、再び各種サービスをセキュアな状態で利用できるようになります。
鍵が表示されない?暗号化されているかを確認する方法
2015年11月のLetter Sealing導入当初は、デバイスの互換性の問題によりLetter Sealingの初期設定がオフのままになっていました。そのため、Letter Sealingが有効になっていることが分かりやすいように、トーク画面の名前部分に「鍵マーク」が表示されていました。
しかし2018年11月に仕様が変わり、現在ではLetter Sealingが有効になっていてもトーク画面上部に鍵マークが表示されなくなっています。以前まで存在していた鍵マークが急に消えたことで不安に感じる方もいることでしょう。
そういう時は、トークルームの名前部分をタップしてください。「このトークルームではLetter Sealingが適用されています。」というメッセージが表示され、その中に鍵マークが現れます。
また、LINEのトーク画面で右上の「V」アイコンをタップして「設定」を選択すると、「暗号化キー」という項目が現れることがあります。この「暗号化キー」が表示されていれば、Letter Sealingの暗号化が正常に作動していることを意味します。
LINEの暗号化機能「Letter Sealing」の解除方法
特定の状況下にて、Letter Sealingの設定がオンになっているせいでトークの内容を見られないといった不具合が発生することがあります。第三者どころか自分ですらメッセージを確認できなくなるとは、皮肉以外の何物でもありません。
その際は、セキュリティレベルが落ちますがLetter Sealingの設定をオフにすれば大丈夫です。Letter Sealingを解除する方法を見ていきましょう。
昨日機種変したんやけど…
— 葵@ナナライ2日目現地参戦 (@monemone0660) March 29, 2019
私がいじったばっかりにLINEの友達とトークが半分消えちゃいました( ;ᯅ; )
LINEで繋がってた方、追加お願いします🙇♀️🙏
トークで、Letter Sealingがオンになってる方は、オフにしていただけると嬉しいです(トーク見れないです)(´πωπ`*)
スマホでの設定方法
LINEアプリを起動させた後にホーム画面左上にある歯車アイコンをタップして「設定」を呼び出しましょう。「設定」画面から「プライバシー管理」を選択し、「Letter Sealing」のスイッチをタップしてオフにしてください。これでLetter Sealingが解除されます。
なお、もう一度有効にしたい場合は、オフになっているLetter Sealingのスイッチをもう1回タップしてオンにすればOKです。
PCでの設定方法
PC版のLINEアプリには、Letter Sealingを解除する設定項目がありません。PCからは解除できないので、一旦スマホからLINEアプリを起動して上記の手順でLetter Sealingを解除してください。
LINEの暗号化機能「Letter Sealing」を設定するメリット
デフォルトで有効化されている機能なので意識する機会は少ないですが、私達ユーザーがLetter Sealingを使うことによって得をすることはあるのでしょうか?LINEでLetter Sealingを設定するメリットを見ていきましょう。
セキュリティ対策ができて安心
LINEは無料アプリながらセキュリティ対策に力を入れており、テキスト・位置情報・画像データ等の各コンテンツの暗号化率は概ね100%を維持しています。ハッキング等の悪意ある攻撃によってサーバ上から通信内容のデータが漏洩したことはこれまで一切ありません。
しかし、ユーザー側の落ち度でアカウントが乗っ取られたりトーク内容が流出したりすることは頻繁に起こっています。LINEは自分の電話番号や交友関係など重要な個人情報を取り扱っているSNSなので、ユーザーには最低限の自己防衛を行う義務があります。
SNSのセキュリティ対策は、神経質になり過ぎるくらいでちょうど良いのです。特に、ビジネスシーンで仕事関係の機密情報をやり取りする時にLetter Sealingを活用すると、情報漏洩リスクを軽減出来て安心です。
LINEの暗号化機能「Letter Sealing」を設定するデメリット
Letter Sealingが有効になっていると認証条件が非常に厳しくなるため、自分のアカウントであるにもかかわらずPC版でトークの内容を確認できなくなったという事態が起こり得ます。この場合はPCとスマホを使って本人確認を行えば済みますが、他にも以下のようなデメリットがあることに注意した方が良いでしょう。
機種変更を行ったときに手間取るかも
Letter Sealingの暗号鍵は、デバイスによって異なります。したがって、スマホの機種変更を行うと暗号鍵が変更され、アカウントの引継ぎを行っても未読のコンテンツを閲覧できなくなってしまう可能性があります。
「Letter Sealing メッセージが復号されていない可能性があるため表示できません。友達にメッセージの再送信を依頼してください。」というメッセージが表示されてトークを全く読めなくなってしまうことは、Letter Sealingの問題点としてよく知られています。
機種変更時には、以下の対策を取るようにしましょう。
- 未読メッセージを前もって全て読んでおく
- 本人確認を済ませたPC版LINEアプリで閲覧する
- Letter Sealingの設定をオフにする(トーク参加者全員)
LINEのデータ移行したけどさ!
— あさこ♔.゚ (@maolish_magika) May 22, 2019
「 Letter Sealing メッセージが復号されていない可能性があるため表示できません。」
とか出て、前のやり取り
見れなくなった˚‧·(´ฅωฅ`)‧º·
痛いよー!
通知でメッセージがプレビューできなくなる
昔はiPhoneのスマホでLetter Sealingの設定をオンにした時、「Letter Sealingを有効にすると、通知でメッセージをプレビューできません。」という警告メッセージが表示されていました。セキュリティ上の問題とはいえ、ポップアップでメッセージを確認できなくなるのは非常に煩わしいデメリットでした。
しかし現在ではiPhoneのポップアップ通知の仕様が変わっており、iPhoneでLINEのLetter Sealingをオンにしていてもきちんとポップアップ表示されます。あくまで過去のバージョンの話なので、Letter Sealingを解除しているiPhoneユーザーは安心して設定をオンにして大丈夫です。
LINEの暗号化機能「Letter Sealing」を活用して安全に話そう
今回は、LINEの暗号化機能・Letter Sealingの特徴や設定・解除の方法などをご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
- Letter SealingとはLINE社が提供している情報通信保護システムのこと
- Letter Sealingを有効にすると、送信者・受信者の端末でしかLINEの通信内容を閲覧できなくなるので優れたセキュリティ対策になる
- Letter Sealingはデフォルトでオンになっているが、設定→プライバシー管理から解除も可能
- スマホでLetter Sealingをオンにしている場合、PC版で本人確認作業が必要
- 端末が変わると未読メッセージを閲覧できなくなるので、機種変更時にはLetter Sealingの設定を一時的にオフにすると良い
通信内容に鍵をかけることのできるLetter Sealingを活用すれば、安心して他のユーザーとLINE上で情報をやり取りすることが出来ます。ぜひ本記事を参考にして、LINEのLetter Sealingを使いこなせるようになってください。