クリスタの自動彩色機能の使い方!イラストに着色するやり方を解説!
クリスタの自動彩色機能の使い方を解説します。イラストに着色する際にクリスタの自動彩色機能を活用すれば、作業効率アップにつながります。クリスタの自動彩色機能では、より高度な詳細彩色設定を行えるので、使いこなせば実戦で利用できます。
目次
- 1クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の自動彩色機能とは
- ・アップデート後に実装された新機能
- ・イラストに短時間で簡単に色を塗ることができる
- 2クリスタの全自動彩色機能の使い方
- ・色を塗りたいイラストの線画を用意しておく
- ・線画レイヤーを参照レイヤーに設定する
- ・編集から【全自動彩色】を選択するだけ
- 3クリスタで塗りたい色を自動彩色する方法
- ・色を塗りたいイラストの線画を用意しておく
- ・線画とは別のレイヤーに塗りたい色を大まかに塗っておく
- ・編集から【ヒント画像を使って彩色】を選択するだけ
- 4クリスタで高度な設定をして自動彩色する方法
- ・イラストの線画レイヤーと色をのせたレイヤーを用意
- ・編集から【より高度な設定を使用】を選択して調整
- 5クリスタの自動彩色機能を上手に使うコツ
- ・色塗りのはみだしを防ぐ自動彩色のやり方
- 6クリスタ(クリップスタジオ)の自動彩色機能は便利!
クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の自動彩色機能とは
今回は、デジタルイラスト描画ツールの定番、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の自動彩色機能について、その全自動の塗り機能の使い方とうまく機能を使いこなすコツについてレビューします。
アップデート後に実装された新機能
クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の自動彩色機能とは、2018年11月末にアップデートされたVer.1.8.4から追加された新機能で、AIがイラストの状況を深層学習して、全自動で塗りを調整・管理してくれる機能です。
イラストに短時間で簡単に色を塗ることができる
自動認識で彩色してくれるので、クリエイターは線画を用意すれば、後はクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)が塗りのニュアンスを全自動でコーディネートしてくれます。
自動彩色機能を使いこなせば、イラストの色塗りを短時間で済ませられるので、作業の効率化につながります。
クリスタの全自動彩色機能の使い方
次に、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の全自動彩色機能の基本的な使い方について解説します。
色を塗りたいイラストの線画を用意しておく
まず、色を塗りたいイラストの線画を用意します。全自動彩色機能は、一枚のレイヤーに対してのみ有効化設定を行えるので、線画が複数のレイヤーで構成されている場合は、事前に統合した一枚のレイヤーを用意します。
線画レイヤーを参照レイヤーに設定する
一枚のレイヤーの線画を用意できたら、そのレイヤーを指定した状態で、レイヤーパレット内の「参照レイヤーアイコン」(灯台マーク)をクリックします。参照レイヤーに指定されるとレイヤー表示に灯台マークが添付されます。
編集から【全自動彩色】を選択するだけ
次に、画面上方のツールバーから「編集」→「自動彩色(先行プレビュー)」→「全自動彩色」を選択すると全自動彩色が適用されます。自動彩色された新規のラスターレイヤーが最上段に作成されます。
これで一応、線画内のそれぞれのパーツに割り当てて、自動で塗りが適用されますが、このようなオーソドックスなやり方だけでは、気の利いた彩色に仕上がらないことがしばしばあります。その場合は手順として一工夫、追加する必要があります。
クリスタで塗りたい色を自動彩色する方法
次に、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の全自動彩色機能を利用する際に、自分の塗りたい色をおおまかに設定して有効にする方法を解説します。
色を塗りたいイラストの線画を用意しておく
まず前項と同様に、色を塗りたいイラストの線画を用意し(一枚のレイヤーに統合しておきます)、次に、線画レイヤーをクリックして指定して、レイヤーパレット内の「参照レイヤーアイコン」(灯台マーク)をクリックします。参照レイヤーに指定されるとレイヤー表示に灯台マークが添付されます。
線画とは別のレイヤーに塗りたい色を大まかに塗っておく
次に、線画のレイヤーの下方に、新規でもう一枚、おおまかな色の配置を指定するためのラスターレイヤー(色設定レイヤー)を作成します。
色設定レイヤーを作成したら、おおまかで良いので(べた塗りする必要はありません)線画内の区切られた範囲ごとに色を落としていきます。
編集から【ヒント画像を使って彩色】を選択するだけ
次に、線画レイヤーを参照レイヤーとして設定した状態で、色設定レイヤーをクリックして指定し、画面上方のツールバーから「編集」→「自動彩色(先行プレビュー)」→「ヒント画像を使って彩色」を選択すると、色設定レイヤーの配色に基づいた自動彩色が施され、自動彩色された新規のラスターレイヤーが最上段に作成されます。
クリスタで高度な設定をして自動彩色する方法
次に、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)で更に高度な設定を使って、効果的な全自動彩色を行う方法を解説します。
イラストの線画レイヤーと色をのせたレイヤーを用意
まず、前項と同様に、色を塗りたいイラストの線画を一枚のレイヤーで用意し、その線画レイヤーを指定して「参照レイヤーアイコン」(灯台マーク)をクリックして「参照レイヤー」に設定します。
その後、線画レイヤーの下方に、色の配置を指定する色設定レイヤーを作成して、自分の好みの色をおおまかに配色します。
編集から【より高度な設定を使用】を選択して調整
次に、色設定レイヤーをクリックして指定し、画面上方のツールバーから「編集」→「自動彩色(先行プレビュー)」→「より高度な設定を使用」を選択すると、自動彩色の設定ウインドウが表示されるので、更に細かい高度な彩色を設定できます。
自動彩色の設定ウインドウの調整
まず、自動彩色の設定ウインドウ内の最上段にある「色分解して彩色する」の項目にチェックを入れましょう。
次に、その下の段にある色指定の項目で調整する色を選択します。調整する色を選択したら、その下方にあるグラフで色の出力を調整します。コントロールポイントをカーソルでドラッグ移動して調整します。
色ごとに、選択・グラフによる出力調整を行います。彩色を細かく調節して自分の意向に近い彩色になるようにバランスをとりましょう。
色調節をしくじった場合は、「リセット」ボタンをクリックすると調整中の色調節をデフォルトの状態に戻せます。「全てリセット」ボタンをクリックすると、全色の色調節をデフォルトの状態に戻せます。
プレビューにチェックすれば色を確認しながら調節可能
自動彩色の設定ウインドウで細かい彩色を設定する際は、ウインドウ内の「プレビュー」の項目にチェックを入れると、仕上がりの彩色を確認しながら調節できるので便利です。
仕上げ
細かい彩色の調整が完了したら、最後にウインドウ内の「OK」をクリックすると、彩色設定に基づいた自動彩色が施され、自動彩色された新規のラスターレイヤーが最上段に作成されます。
クリスタの自動彩色機能を上手に使うコツ
次に、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の自動彩色機能を上手に使うコツについてレビューします。前項のやり方で自動彩色を行うと、仕上がりに若干の色塗りのはみだしが発生することがあります。そうした色塗りのはみだしをきれいに除去するやり方を説明します。
色塗りのはみだしを防ぐ自動彩色のやり方
前項のやり方で一通り自動彩色を行った後、改めて線画レイヤーをクリックして指定します。
次に、ツールパレットで「自動選択ツール」のアイコンをクリックし、自動選択のサブツールパレットで「参照レイヤー用選択」を選び、線画の背景を範囲指定します。
背景を範囲指定したら、画面上方のツールバーから「選択範囲」→「選択範囲を反転」を選び、指定した背景範囲を反転させます。
次に、ツールパレットで「塗りつぶしツール」アイコン(バケツマーク)をクリックし、色設定パレットで「透明色」を選択します。この透明色で色塗りのはみだし部分を除去します。はみだし部分を透明色の塗りつぶしツールで塗りつぶすと、消しゴムで消すように透明になります。
ここまで作業を進めたら改めて自動彩色を行います。線画レイヤーが「参照レイヤー」に設定された状態で、色設定レイヤーをクリックして指定し、画面上方のツールバーから「編集」→「自動彩色(先行プレビュー)」→「ヒント画像を使って彩色」を選択すると、色塗りのはみだしが消去された状態で色塗りが仕上がります。
クリスタ(クリップスタジオ)の自動彩色機能は便利!
クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の自動彩色機能の使い方をマスターして、イラスト作画の現場で活用しましょう。イラストの彩色にクリスタの自動彩色機能を適用すれば、AIがイラストの状況を深層学習して、適切な彩色で色塗りを仕上げてくれます。
ただ、オーソドックスな手順だけでは、気の利いた色塗りにならない場合が多いので、おおまかな配色を指定する色設定レイヤーを別に用意して、「ヒント画像を使って彩色」の項目を適用することで、自分の意向に沿った配色で色塗りを仕上げられます。
また、「より高度な設定を使用」の項目を適用すると、更に詳細な彩色を調節できるので微妙な色の風合いも調整できます。仕上がり画像の色塗りのはみ出し部分は、自動選択ツールとバケツツールを併用して応用することで、きれいに消去できます。