クリスタでカラーモードをRGBではなくCMYKに変換して出力する設定方法を解説!

クリスタでカラーモードをCMYKに変換して出力する設定方法を解説します。クリスタで作成した作品を印刷所に出すときはカラーモードをCMYKに設定することが基本ですが、RGBをCMYKに変換すると色がくすむ場合があるので、印刷所の「色校正」を良く確認しましょう。

クリスタでカラーモードをRGBではなくCMYKに変換して出力する設定方法を解説!のイメージ

目次

  1. 1クリスタ(クリップスタジオ)とは?
  2. マンガ・イラスト製作ができる
  3. PC・タブレットからでも使用可能
  4. 2クリスタのカラーモードのCMYKとRGBについて
  5. CMYKは色料の三原色
  6. RGBは光の三原色
  7. 【小ネタ1】色調整しても条件・環境によって色が変わる?
  8. 【小ネタ2】RGBでの印刷はNG?
  9. 3クリスタでRGBからCMYKに変換して出力する設定方法
  10. ファイル形式と特徴
  11. 書き出し設定
  12. 複数ページの一括書き出し(EXのみ)
  13. CMYK変換時の問題点
  14. 4クリスタのカラーモードをCMYKに変換して色の世界観を変えよう

クリスタ(クリップスタジオ)とは?

「クリスタ」の愛称で知られる、イラストレーター・マンガ家御用達の作画アプリを知っていますか?この「クリスタ」は世界的にも実力が認められ、全世界で400万人のクリスタユーザーを抱える、定番のグラフィックメイカーアプリです。

「クリスタ」の正式名は「CLIP STUDIO PAINT」(クリップスタジオ)と言い、当初はPC専用の作画アプリでしたが、2017年よりiPad版クリスタがリリースされて話題になりました。

マンガ・イラスト製作ができる

クリスタのロゴ

出典: https://www.clipstudio.net/

「クリスタ」(クリップスタジオ)は、プロ仕様のイラスト・作画機能を装備しているので、プロから一般アーティストまで、幅広いユーザー層を持っています。「クリスタ」(クリップスタジオ)を使えば、アニメ作成も可能です。

「クリスタ」は、世界中にユーザーがいるので、言語も多言語に対応しています。日本語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、中国語(繁体字)、英語、韓国語で表示対応しています。PC版クリスタはWindows版・macOS版がリリースされており、2017年11月にリリースされた iPad版クリスタも好評です。

PC・タブレットからでも使用可能

「クリスタ」(クリップスタジオ)は、PC版クリスタがオリジナル版であり、フルスペック版ですが、iPad版クリスタもほぼ全機能を利用できる仕様になってます。

iPad版クリスタでは機能が充実しすぎていて、かえってクリスタの操作性に手間がかかるという意見もあり、ユーザーの間では左手で使えるクリスタ操作用サブコントローラーを併用する方法が工夫されています。

PC版クリスタ・iPad版クリスタの間では、クラウドストレージを使ってクリスタファイルを共有できます。

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クリスタのカラーモードのCMYKとRGBについて

今回は、そんな「クリスタ」(クリップスタジオ)に関する基本的な知識として、カラーモードのCMYKとRGBについて解説します。カラーモード「CMYK・RGB」は「クリスタ」(クリップスタジオ)に限ったカラー規格ではなく、アドビのPhotoshopにも共通する一般的なデジタル作画の基本知識なので、理解しておいて損はありません。

カラーモード「CMYK・RGB」の変換処理は、主に作品を出力(印刷)するときに留意するべきポイントです。詳細は後述します。

CMYKは色料の三原色

CMYKは「色料の三原色」と呼ばれ、Cyan(シアン/青)・Magenta(マゼンタ/赤)・Yellow(イエロー/黄)の3色に基調カラーの黒(K)を加えた4つの色項目で色全体のバランスを調整します。

CMYKは「色料の三原色」と呼ばれる所以は、主に印刷に対応する色調整であるためです。本来、色の三原色は青・赤・黄の3つですが、印刷の場合はこの3つだけでは色が安定しないため、調整役の基調カラーとして黒を加えています。ちなみに黒を示す「K」はKUROの「K」ではなく、「Key plate」(キー・プレート)の頭文字をとっています。

CMYKは色を重ねる(濃くする)ほどに、全体が黒に近づく特徴があります(減法混色)。

RGBは光の三原色

RGBは「光の三原色」と呼ばれ、Red(赤)・Green(緑)・Blue(青)の3つの色項目で色全体のバランスを調整します。

RGBは「光の三原色」と呼ばれる所以は、主にモニター表示(テレビ・PCディスプレイなど)に対応する色調整であるためです。

RGBはCMYKに比べて、鮮やかな色彩を表現できます。1つの色を256段階で調整できるので3色それぞれで調整を行うと、計算上約16.8百万(256 x 256 x 256 = 25616,777,216)通りの色を再現できることになります。

CMYKは0~100%で1つの色を調整できますが、黒は調整用の基調カラーなので省くと、計算上の再現できる色は百万通りになるのでCMYKの方が表現できる色のバリエーションは少ないことになります。

RGBは色を重ねる(濃くする)ほどに、全体が白に近づく特徴があります(加法混色)

【小ネタ1】色調整しても条件・環境によって色が変わる?

CMYK・RGBで色調整しても、条件・環境によって見た目・印象が変わる場合があります。CMYKであれば、印刷する紙・インク・プリンターのスペックによって仕上がりが変わる可能性があります。RGBであれば、モニターのスペックによって光沢・色彩機能が違うので出力デバイスを変えると、カラーの印象が変わる可能性があります。

【小ネタ2】RGBでの印刷はNG?

ペーパー出力(印刷)にだす場合は、カラー規格はCMYKで持ち込むのが基本ですが、前述の通り、RGBよりCMYKの方が再現できる色のバリエーションが少ないため、RGBをCMYKに変換すると全体的に色がくすんで見える場合があります。そのため、ペーパー出力(印刷)にだす場合はできるだけ早い段階からCMYKで色調整して仕上げる方が良いでしょう。

また、CMYKに変換して投稿しても、印刷所の紙・インク・プリンターのスペックによってイメージと違う印刷に仕上がる場合があります。そうしたCMYK印刷のトラブルを避けるためにも、印刷所が提供する「色校正」をよく確認しましょう。

「色校正」とは、実際にその印刷所で印刷した場合の色印刷のサンプルです。
実際の仕上がりを見て、ペーパー出力(印刷)にだす作品のCMYKの色バランスの微調整を行えます。

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クリスタでRGBからCMYKに変換して出力する設定方法

次に、クリスタ(クリップスタジオ)でクリスタファイルをRGBからCMYKに変換して出力する(書き出す)設定方法を解説します。

ファイル形式と特徴

まず、クリスタで書き出せる画像ファイル形式とその特徴について、下記にまとめました。
 

ファイル形式 特徴
JPEG        一般的によく利用される画像形式で、圧縮してメール添付する場合などによく利用されます。ただし画像の透過処理はできません。
PNG 画像の透過処理ができるため、Webに投稿する画像や文書に挿入する画像によく利用されます。画像の圧縮はできません。また、CMYKには変換できません。
TIFF CMYK変換に対応しているので、印刷時に利用される機会が多い画像形式です。
BMP Windowsの印刷標準形式ですが、使用頻度は少ない画像形式です。
Targa アニメーション作品に利用される画像形式です。
Adobe Photoshopドキュメント 印刷所に作品を投稿する場合は、最も使用頻度が高い画像形式です。印刷所で使用している画像管理アプリがPhotoshopの場合はこの画像形式を利用します。レイヤーデータをそのまま引き継げるので、印刷所とのやり取りで、修正・編集・微調整に対応できる画像形式です。
Adobe Photoshopビッグドキュメント 画像データが大きい場合に利用する、Photoshopドキュメントファイルです。

書き出し設定

クリスタのファイルを書き出す手順

出典: https://www.clip-studio.com/site/gd/csp/manual/userguide/csp_userguide/500_menu/500_menu_file_save_merge.htm

ファイルの書き出しを行うには、まず、クリスタの画面上方のメニューバーから「ファイル」→「画像を統合して書き出し」まで進み、クリスタで書き出しを行う画像ファイル形式を選択します。

画像ファイル形式を選択すると、設定画面に切り替わります。指定した画像ファイル形式によって若干設定項目が異なりますが、共通した項目は「プレビュー・出力イメージ・表現色・出力サイズ・拡大縮小時の処理」です。

「プレビュー」は、チェックを入れるとファイル書き出し時にプレビューを表示します。

「出力イメージ」は、書き出しファイルにトンボや枠線を加えるなどの指定ができます。

「表現色」は、今回のメインテーマの色構成(カラーモード)の調整を行います。「最適な色深度を自動判別・モノクロ2階調(閾値)・モノクロ2階調(トーン化)・グレースケール・RGBカラー」の5種類のカラーモードから選べます。

JPEG・TIFF・Adobe Photoshopドキュメント・Adobe Photoshopビッグドキュメントを指定した場合は、ICCプロファイル(印刷所が指定するプロファイル)の埋め込みを設定でき、「CMYK」を選択できます。

「出力サイズ」は書き出しファイルのサイズを指定します。サイズを縮小すると画像品質がおちるので、印刷する場合は元データのサイズ(100%)で良いでしょう。

「拡大縮小時の処理」は、書き出しファイルのサイズの拡大・縮小を設定した際に、書き出すファイルの処理を設定します。「イラスト向き・コミック向き」から選択でき、「イラスト向き」の場合は「品質優先」で設定され、「コミック向き」の場合は「高速・品質優先」から連択できます。

上記の項目の設定が終ったら、画面右上の「OK」をクリックすれば、クリスタファイルを書き出します。「プレビュー」にチェックを入れている場合は、プレビュー画面が表示されます。

複数ページの一括書き出し(EXのみ)

クリスタの上位版の「クリスタEX」であれば、複数ページの一括書き出しが可能です。

クリスタの画面上方のメニューバーから「ファイル」→「複数ページ書き出し」「一括書き出し」まで進み、一括書き出しを行うファイルの、画像ファイル形式・ページ範囲・保存先などを選択・設定します。

クリスタのファイルを書き出す手順

出典: https://www.clip-studio.com/site/gd/csp/manual/userguide/csp_userguide/500_menu/500_menu_file_save_merge_all.htm#XREF_73152_EX

その後は、前項で説明した、書き出し画像ファイルの設定画面が表示されるので、同じ手順で進めれば、クリスタファイルを一括で書き出せます。

CMYK変換時の問題点

CMYK変換時の問題点としては、前述した通り、CMYKはRGBより色のバリエーションが少ないので、変換すると色がくすんでしまう場合があります。こうした問題点を補正する方法として「カラープロファイルプレビュー」を利用する方法があります。

「カラープロファイルプレビュー」の設定は、クリスタの画面上方のメニューバーから「表示」→「カラープロファイル」まで進み、表示されてた「プレビュー設定」の画面で行います。

クリスタの色構成をCMYKに変換する手順

出典: https://tips.clip-studio.com/ja-jp/articles/553

設定項目は「プロファイル・レンダリングインテント・使用ライブラリ・色調補正・設定の適用範囲」の5つになります。「プロファイル」は印刷所が指定するプロファイル(ICCプロファイル)を設定します。大抵は「Japan Color 2001 Coated」を指定されます。

「レンダリングインテント」はCMYKでカラー指定できない色(指定範囲を外れた色)の振り分けバランスを設定します。「知覚的」「彩度」「相対的な色域を保持」「絶対的な色域を保持」の4つのモードから自分の趣向に合ったモードを選択します。

「使用ライブラリ」は、カラー変換に使用するCMYKのライブラリを指定します。印刷所のアプリがPhotoshopの場合は共通使用できる「MicrosoftICM」を指定するとよいでしょう。

「色調補正」は、チェックを入れるとCMYKのカラー補正・微調整が可能です。

上記の4項目の設定が終ったら、「設定の適用範囲」として「キャンバスに保存する」にチェックを入れて「OK」をクリックすれば設定完了です。

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クリスタのカラーモードをCMYKに変換して色の世界観を変えよう

クリスタのカラーモードをCMYKに変換して、クリスタの色構成を調整する方法をマスターしましょう。クリスタで作成した作品を印刷所に投稿するときは、クリスタファイルをCMYKに変換して持ち込むのが基本ですが、RGBをCMYKに変換すると色がくすむ場合があります。

そうしたリスクを回避するために、印刷所が配布・提供している「色校正」を良く確認しましょう。「色校正」を見れば実際の仕上がりを確認できるので、自分のクリスタ作品の色バランスの微調整を行えます。

RGBはモニター用、CMYKは印刷用のカラーモードであることを良く認識して、クリスタの色構成の機能を活用しましょう。

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この記事のライター
KOUSUKE
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