無料グラフィックデザイン作成ツールCanva(キャンバ)とは?何ができるか解説!
Canva(キャンバ)は、文書に添付する画像などを作成する時に便利なデザインソフトです。無料版でも有料ソフトに引けを取らない機能が充実しています。Canva(キャンバ)とはどのようなソフトなのか?具体的な使い方や無料版でもできることなどをまとめました。
目次
Canvaとは?グラフィックデザイン作成ツールを使ってみよう!
Canva(キャンバ)とは、2012年7月にリリースされたグラフィックデザインソフトのことです。
デザイン系ツールと言えば、Illustrator(イラストレーター)やPhotoshop(フォトショップ)といったAdobeの有料ソフトが今なお主流です。しかし、後にCanva社のCEOを務めるMelanie Perkinsさんが2007年に大学にてデザイン系プログラムを学生たちに教えていた時、彼らがAdobeのデザインソフトの習得に大変苦労していることに気づきました。
そこでMelanieさんは、シンプルなドラッグアンドドロップ操作で卒業アルバムを簡単に作れるオンラインデザインツールを開発。Melanieさんの作った「Fusion Books」は大好評を博し、Canva(キャンバ)の制作プロジェクトに繋がっていきました。
2017年5月には、KDDIウェブコミュニケーションズがCanva(キャンバ)と独占業務提携契約を締結し、日本語版をリリースしました。
Adobeのデザインソフトを自在に使いこなすのは、訓練を積んだプロのデザイナーでなければできることではありません。その点、Canva(キャンバ)を使えば、デザイン学校に通っていない一般の方でも、SNSのバナーやWebサイトに掲載する画像などを簡単にデザイン・作成することが可能です。
Canva(キャンバ)の特徴
Canva(キャンバ)のユーザー数は、世界累計で1,000万人を超えています。Canva(キャンバ)で作成されたデザイン数ものべ1億作品を超えており、人気の高さがうかがえます。
Canva(キャンバ)とはどのようなデザインソフトなのか。その特徴を見ていきましょう。
無料で利用できる
Canva(キャンバ)は、基本機能を無料で利用できるソフトです。Adobeのデザインソフトは30日間の無料期間があるとはいえ、有料版を購入しないとシステムを使用すること自体が出来なくなります。その点、Canva(キャンバ)の無料プランは永年無料なので、安心して使用し続けることが出来ます。
無料でも十分に素晴らしい作品をデザイン出来ますが、より高度なサービスを利用したい場合は、有料プランに加入したりプレミアム素材を購入したりすることも可能。自分に合った使い方をすることで、Canva(キャンバ)でできることは飛躍的に増大します。
ブラウザ上で利用できる
Canva(キャンバ)は、専用のWebサイト上でデザインを行えるサービスです。PhotoshopやIllustratorのように、ファイルサイズの大きいソフトをパソコンにインストールする必要はありません。
FacebookやGoogleのアカウントと紐付けしたアカウントでログインすることも可能であり、アカウント作成の手間も省けます。
スマホでの編集・作成が可能
Canva(キャンバ)には、iOS版・Android版のアプリもあります。スマホからでも手軽にデザイン作業ができることは、スマホユーザーにとって非常に魅力的です。シンプルなシステム設計になっているCanva(キャンバ)ならではの特長と言えるでしょう。
デバイス間での共有ができる
Canva(キャンバ)は、クラウド上で動作するデザイン編集ツールです。インターネット環境さえあれば、パソコン・スマホ・タブレットなど、どの端末からでも作業を行えます。
インストール型のソフトの場合、自宅や職場に置いてあるPCでなければ作業を進められないという欠点があります。その点、Canva(キャンバ)なら複数のデバイス間で作業環境を共有できるため、チームでも場所を選ばず仕事を行えます。
デザインテンプレートで簡単に作成できる
Canva(キャンバ)には、無料プランでも8,000以上のデザインテンプレートが用意されています。その中から気に入ったテンプレートを選択するだけで、プロのデザイナー並にクールなデザインを作成できることでしょう。
一般的なデザインソフトのように、デザインのコンセプトが決まらないせいで仕事が進まないということはまずありません。便利な選択型システムがユーザーのデザイン作業を効率的にサポートしてくれます。
自由にアレンジできる
Canva(キャンバ)のテンプレートを適用した後、そのデザインを自分なりにアレンジして再加工することも可能です。テキストの内容や位置、写真やイラストのカラーリング、全体的な配置の変更など、一般的なデザインソフトでできることは一通り実行可能です。
ちなみに、すでにCanva(キャンバ)に用意されているテンプレートや素材だけでなく、自分で撮影した写真や画像などのオリジナルコンテンツをアップロードして使用できる自由度も備わっています。
Canvaでできること
グラフィックデザインツールのユーザーにとって一番重要なことは、システムの実用性です。Canva(キャンバ)を使用するとはたしてどのような作品を制作できるのか、Canva(キャンバ)でできることを具体的に見ていきましょう。
SNS用画像の作成
Canva(キャンバ)にはソーシャルメディア用のテンプレートが充実しており、Instagram・Facebook・Twitter等のSNSで使える画像を簡単に作成できます。
特に、Instagramのような画像共有系SNSの場合、アップロードする画像のデザインセンスがフォロワー数の増減に大きな影響を及ぼすことは確実。Canva(キャンバ)でオシャレな画像を作成すれば、他の投稿者より一歩先に行った配信ができることでしょう。
文書やプレゼン資料・履歴書の作成
Canva(キャンバ)には、ビジネス文書のテンプレートも充実しています。履歴書・一般的なA4文書・プレゼンテーション用スライドなど、実用的なテンプレートが満載です。就活生からプロジェクトリーダーまで多くのビジネス関係者に重宝されています。
表紙や壁紙・インフォグラフィックの作成
Canva(キャンバ)には、個人ユーザー向けのテンプレートも揃っています。デスクトップパソコンの壁紙やCDジャケットなど、プライベートで役立つテンプレートが満載です。
中でも、情報の流れを視覚的にまとめた「インフォグラフィックス」は、教育やマーケティングなど様々な分野で使われている有用なデザインであり、ブログにまとめ記事を載せる時などにおすすめです。
広告やロゴの作成
Canva(キャンバ)には、広告用のデザインテンプレートも揃っています。インターネットのバナー広告から、壁面に掲載する大型ポスターまで、多種多様な広告に対応しています。
プロのデザイナーに依頼すると高額の広告費がかかるため、自社店舗の広告を自分でデザインしたい自営業者にとって強力な武器にできることでしょう。
ヘッダー画像の作成
Canva(キャンバ)には、ヘッダー用のデザインテンプレートもあります。YouTubeのチャンネルに掲載するヘッダー、Twitterのプロフィールに表示するヘッダーなど、オシャレなヘッダーデザインが満載です。
SNSユーザーにとって、ヘッダー画像は自分の顔のようなもの。フォロワー数を増やしたい方は、Canva(キャンバ)を利用して他のユーザーの目を引くようなクールなヘッダーを作成しましょう。
イベントで使える招待状やポストカードの作成
Canva(キャンバ)には、イベント時に重宝するデザインテンプレートも収録されています。冠婚葬祭の招待状、ポストカードなど、格式高い手紙のデザインを作成することが可能です。
気心の知れた友人ならまだしも、職場の上司やお得意様などに粗末な招待状を送るわけにはいきません。目上の方に出しても恥ずかしくない書状を簡単に作成できることは大きな魅力です。
商用利用
Canva(キャンバ)で作成したグラフィックデザインは、無料プランであっても商用利用が可能です。自社広告として配布したりイベント会場で作品として販売したりしても問題ありません。
ただし、Canva(キャンバ)で公開されている素材をそのまま流用して作成したロゴを商標登録するのはNGです。商標登録には独自性が求められるため、ドラッグアンドドロップの簡単な操作で構成したデザインでは他のユーザーと類似した作品になりやすいデメリットがあります。
商標登録用のロゴを作成する場合は、既存の素材に頼らず、必ずオリジナリティを重視したロゴをデザインしてください。
デザインアプリのCanva でツイッターのヘッダーを作ってみた。
— にゃん@会社員マーケター (@beaut_work) July 4, 2019
このアプリが無料だなんて夢のよう。デザインテンプレもフォントも写真素材も無料。
Adobeのイラストレーターも仕事で使うけど、デザインを主業としない人なら、こっちのほうが10倍速く、かつクオリティ高いのができると思う。 pic.twitter.com/3OWRx7dF88
Canvaの使い方
Canva(キャンバ)でデザイン編集を行うためには、最初に会員登録作業が必要です。Canva(キャンバ)でデザインを作成する作業の流れを順番に見ていきましょう。
会員登録・ログインする
Canva(キャンバ)のトップページにアクセスしたら、画面左下のアカウント登録欄でアカウントの作成を行います。FacebookやGoogleアカウントでも登録できますが、ここではメールアドレスで登録します。
「メールアドレスで登録」をクリックし、氏名・メールアドレス・パスワード(8文字以上の英数字・記号の組み合わせ)を入力して「アカウントを作成する」をクリックしてください。
登録したメールアドレス宛に認証用のメールが送られてきます。「メールを確定→」のリンクをクリックすれば、アカウント登録完了です。
サイズもしくはテンプレートを選択する
「Canvaへようこそ。」の画面が表示されたら、Canva(キャンバ)の利用目的を選択しましょう。その選択に応じて、自分におすすめのデザインテンプレートが提示されます。
試しに「個人」をクリックすると、個人ユーザーの間で人気のあるデザインテンプレートがトップに表示されました。
カスタムサイズ欄で任意のサイズを入力すると、作成するデザインのサイズを自分で指定して開始できます。
Canva(キャンバ)のデザイン編集画面が表示されました。右下にはヘルプがあり、初回起動時には簡単なチュートリアルが提示されます。デザインの作成作業に移る前に、一通り目を通しておくと良いでしょう。
デザインを作成する
「テンプレート」をクリックして任意のデザインテンプレートを選択すると、そのテンプレートが編集画面に適用されます。後は、このテンプレートを基準にして様々な編集作業を行っていきます。
写真をアップロードする
「アップロード」をクリックすると、パソコン内の画像をCanva(キャンバ)に読み込ませることが出来ます。
Canva(キャンバ)にアップロードしたカエルの画像をクリックすると、デザイン編集画面上に適用されました。
文字・行間の調整をする
デザイン編集画面上でテキストを選択して「スペース」をクリックすると、文字・行間の調節を行うことが出来ます。フォント・サイズ・文字間隔などを変更しながら、テキストが見やすいようにバランスを整えましょう。
図形を変更する
デザイン編集画面上で図形を選択すると、四隅にハンドルが出現します。これをドラッグすれば、図形の位置や大きさをカスタマイズすることが出来ます。
フィルターを適用する
デザイン編集画面上で写真を選択して「フィルター」をクリックすると、画像に様々なエフェクトをかけることが出来ます。スクロールバーを左右に動かして、フィルターの強弱の度合いもコントロールできます。
透明度を変更する
デザイン編集画面上で任意のオブジェクトを選択して透明度アイコンをクリックすると、透明度も調節できます。透明度を下げると表示が薄くなり、後ろの画像が透けて見えるようになります。
前面・背面に移動する
デザイン編集画面上で任意のオブジェクトを選択して「配置」をクリックすると、レイヤーの位置を変更できます。背面に移動させた画像の一部は、前面の画像の陰に隠れるようになります。また、複数のオブジェクトの位置を整列させる使い方も可能です。
ページを追加する
デザイン編集画面下の「新しいページを追加」をクリックすると、新規編集エリアが出現します。複数のデザインを作りたい時に活用すると良いでしょう。
デザインの書き出しをする
一通り編集作業が終わったら、そのデザインを画像データとして書き出しましょう。画面右上の「ダウンロード」をクリックして、任意の出力形式を選択してください。ここでは「ダウンロード」を選択します。
Canvaの透かしを削除したい場合
Canva(キャンバ)で作成したデザインは、JPGやPNG等の画像ファイルとして出力できます。しかし素材の著作権保護のため、完成した画像上に「Canva」という文字が透かしとして入る仕様になっています。
プライベートならまだしも、ビジネス目的で画像を使用する時に透かし文字が入ったままだと非常にみっともありません。以下の3つの中から自分に合った選択肢を選んでください。
- 料金を支払って透かしを削除する(ワンタイムユースなら1ドルでOK)
- 有料プランに加入する(ただし有料プランでも別途購入が必要な有料素材もあり)
- 透かし文字入り画像で妥協するなら「透かし入りサンプルをダウンロード」を選択する
「お支払いとダウンロード」から有料素材の購入手続きを進められます。
全ての設定が完了すると、画像の出力が始まります。終了まで気長に待ちましょう。
Canvaを有料にするとできること
Canva(キャンバ)は無料で基本機能を使えるツールですが、制作作業において課金を求められるケースもあります。Canva(キャンバ)の2つの有料コンテンツについて見ていきましょう。
テンプレートの購入
一つ目の有料コンテンツは、プレミアム素材の購入です。「写真」を選択すると、各サムネイルの右下に「無料」と書かれているものと「プロ」と書かれているものがあることが分かります。
この有料素材をデザイン編集時に使用するためには、別途購入手続きが必要です。無料素材だけでも十分に素晴らしいデザインを作成できますが、よりクオリティーを高めたい時は有料素材の購入を検討するのもおすすめです。
購入するときの注意点
Canva(キャンバ)の素材は以下のように分類されており、予算や用途に合わせて適切な購入プランを選択することが求められます。
- 無料画像:ロイヤリティーフリーで画像を使用できるが、素材の再配布や販売は禁止
- ワンタイムユースライセンス:1ドルで有料素材を使用できるが、一人あたり1デザインにつき1ライセンスを24時間のみ付与(譲渡不可)
- マルチユースライセンス:10ドルで有料素材を使用できる、複数のチームメンバーが同じ画像をダウンロードして使用することも可能(ブランド内でなら譲渡可能)
- 拡張ライセンス:100ドルで有料素材を使用できる、ストックメディアをネットワークサーバーなど複数の場所にコピーして使用してもOK
- 写真無制限プラン:月額12.95ドルで全てのプレミアム写真にアクセス可能
特に注意しなければならないことは、ワンタイムユースライセンスを選択した際に24時間以内に作品を完成させる必要があることです。1ドルなら安いと思ってワンタイムユースライセンスを選んでいると、後でデザイン編集の手直しが必要になった時に再購入を余儀なくされてしまいます。
Canva for Work
もう一つの有料コンテンツは、有料プランです。Canva(キャンバ)には、無料プランの他に月額12.95ドルの有料プランも用意されています。かつては「Canva for Work」という名称で呼ばれていましたが、2015年8月のバージョンアップに伴い、「Canva Pro」というプラン名に変更されました。
Canva Pro(旧Canva for Work)に加入すると、無料プランにはない様々なサービスを利用できるようになります。ブランドの統一性を設定することが出来るため、チームで仕事をする時に大変便利です。30日間の無料お試しサービスもあります。
なお、Canva Pro(旧Canva for Work)はiOS・Androidスマホアプリからでも利用できますが、アプリ経由だと一部のプレミアム機能を利用できない場合があります。スマホでCanva Pro(旧Canva for Work)を利用する場合は、モバイルブラウザを使うようにしてください。
Canva for Workでできること
Canva(キャンバ)の無料・有料プランには、以下のような違いがあります。有料プランに加入するとできることが一気に増大するので、利用回数の多い方は有料プランへの加入を検討してみてはいかがでしょうか。
Canva | Canva Pro (旧Canva for Work) |
Canvaエンタープライズ | |
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特徴 | ドラッグ&ドロップするだけでデザインできるシンプルなプラン | チームでデザイン・編集の共同作業をする際に最適なプラン(個人でも利用可) | チームメンバーが20名を超える場合に最適なプラン |
料金 | 無料 |
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要見積もり |
対応機能 |
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Canvaを使ってみよう!
今回は、Canva(キャンバ)の特徴や使い方などをご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
- Canva(キャンバ)は簡単なドラッグアンドドロップ操作で高品質なデザイン作成を行えるツール
- ブラウザ上で動作するクラウド型のデザインツールなのでインストール不要
- カスタマイズ性も高く、ビジネス文書からSNS用のヘッダーまで多彩な画像を作成できる
- 基本的な作業は無料で行えるが、有料素材を使用すると画像の出力時に透かし文字が入る
- 有料素材を購入するか、または有料プランに加入することで透かしを削除できる
できるだけ経費を抑えつつハイクオリティなデザインを作成したい時、Canva(キャンバ)を使うと大変重宝します。ぜひ本記事を参考にして、Canva(キャンバ)を使いこなせるようになってください。