YouTubeを利用していると稀に「この動画は、お住まいの国では公開されていません。」などと表示されて動画が見れないことがあります。これは地域制限と呼ばれる現象です。今回はこのYouTubeの地域制限の理由とその解除方法をお伝えします。
動画を見ようとYouTubeにアクセスすると、稀に「動画を再生できません」と大きく表示されたあとに小さく「お住まいの地域では著作権上の問題で権利所有者によりブロックされています。」あるいは「この動画は、お住まいの国では公開されていません。」と表示され、結局は見れないで終わることがあります。
こうした表示によって、かつてはYouTubeで見られたのに見れない、あるいはTwitterなどで海外のユーザーから紹介された動画が見れない理由は以下の2点です。
少し詳しく説明しましょう。
1の場合は、言い換えるとアップ主が指定した以外の国(この場合は日本)では見れないようにしたということです。特に商業放送の場合、権利者は国ごとで異なることが少なくないため、限られた国向けのライセンスしか持たないアップ主であれば、権利の及ばない国には動画を配信できないことになります。
また権利関係の怪しい動画の場合、C国で違法とは言えない動画がJ国では著作権違反になり訴えられる可能性があります。そんな危険を避けるためにJ国では動画を見れないように指定する場合でしょう。
2の場合は、たとえばA国では適法な桃色めいた動画はJ国では違法となるため、アップ主があえて指定していなくてもYouTubeのほうで気を利かせて動画を見れないようにする、ということが考えられます。
どういう理由があれ、海外のほかの地域では視聴できるYouTube動画が地域制限でブロックされて見れないのは残念なことです。そこで地域制限されている動画を見られるようにする方法を説明します。
地域制限されて見れないということは、逆に言うと地域によっては制限によるブロックが解除されて見られるということを意味します。極端な話、地域制限されていない国に行けばそのYouTube動画を見られるということです。
ではどの国ならYouTube動画を見られるのでしょうか?
そのためには海外サイトの「YouTube region restriction checker」を使います。
上のリンクで「YouTube region restriction checker」へ飛び、地域制限されていた動画のアドレス、もしくは動画IDを入力して「送信」すると、制限のない国がグレーで、制限されている国が赤で表示されます。
スクリーンショットの例では、日本とカナダとオーストラリアでは見れないYouTube動画であることがわかります。つまり、韓国や台湾でならこの制限は解除されており、動画を見られることが判明しました。
見れないYouTube動画を見られる国があることはわかりました。しかし、わざわざ数分の動画を見るためだけに韓国や台湾に旅行するのは現実的ではありません。
そこで利用するのがIPアドレスの偽装です。「偽装」というのはいささか人聞きが悪い言葉ですが、たとえば日本に直接通販してくれない荷物を代わりに購入して転送してくれる通販代行業者のように、視聴制限のない国のIPアドレスを経由して動画のデータを転送する方法です。
YouTubeの視聴制限は、どこからのアクセスなのかを、動画データのリクエストのIPアドレスから得られる地域データによって行われています。したがってYouTubeの手に渡るIPアドレスが視聴可能な地域のものでありさえすれば、ブロックされることなく動画を見られるようになるというわけです。
YouTubeで見れない地域制限動画を、IPアドレスの偽装によってブロック回避できる理由は先の項で説明した通りです。それでは実際にIPアドレスを偽装する方法を説明します。
IPアドレスを偽装するにはプロキシサーバを使います。「プロキシ」は「代理」を意味し、プロキシサーバはあなたの代わりに目指すWebサーバ、つまりYouTubeにアクセスして得た動画データを、あなたにブロック回避して転送してくれる代行業者、あるいは善意の第三者の役割を果たしてくれるのです。
プロキシサーバを利用する、というとなんだか難しく感じられますが、最初の海外通販代行が難しく思えるのと同様にやってみれば容易なことです。自分でプロキシサーバを立てるのは大変ですが、既に海外にプロキシサーバを用意してサービスを提供している外部サービスを利用すれば簡単なのです。
プロキシの外部サービスは、転送速度が速かったり遅かったり、有料だったり無料だったり、無料だとしても制限があったり、IPアドレスを選択できる国の数が限られていたりと、数多くあります。
その中で今回のようにYouTubeの地域制限ブロック回避に使うのであれば、お勧めはYouTube専用なため利用が簡単で、なおかつ無料で利用できるProxFreeです。
上のリンクでProxFreeに飛んだら、グレーで「http://www.youtube.com/」と記されている欄にブロックされているYouTube動画のアドレスを貼り付けます。その後、必要であればIPアドレスを偽装したい国を「Server Location」を選択します。
以上の入力が終了したらエンターキーを押すか、動画アドレス記入欄横の「PORXFREE」と書かれたボタンをクリックします。
すると画面が切り替わり地域制限を回避してYouTubeの動画が再生されます。アメリカ、ヨーロッパに広く地域制限されていなければ、ProxFreeだけでブロックを解除できるでしょう。
なお中央に大きく表示される広告がProxFreeの収益源です。たまにはこれをクリックしないと「儲からない」ということでサービスが終了するかもしれません。
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