Twitterとよく似た機能を持ちながら、ずっと自由度が高くて使いやすいと評判のマイクロブログ型SNSにマストドンがあります。今回は、マストドンとはどんな特徴を持っているか、その始め方や使い方はどうなのかについて詳しくお伝えします。
マストドンとは、およそ4000万年前から1万1000年前に生息していたゾウ科の大型哺乳動物の名前ですが、ここで説明するのは、その名前を冠したSNSのお話です。ゾウのマストドンは1万年以上昔にすでに絶滅していますが、2016年10月に誕生したSNSのマストドンは、ゾウのマストドンとは逆に、現在その勢力を増しつつあります。
まずは、Twitterによく似ていながら一味も二味も違うマストドンの、お伝えすべき三つの特徴を説明します。
Twitterが中央の一つの大きなサーバーにすべてのデータを集中させているのに対し、マストドンは数多くのサーバー(インスタンスと呼ばれます)に分かれる分散型のSNS(ソーシャルネットワークサービス)です。
その数はMastodon(マストドン)のインスタンス一覧(https://coron.tech/mastodon/instance/)に寄れば、2018年8月17日付で登録されている日本のインスタンスだけで325個もあります。
つまり、大規模なサーバーが一つあるのではなく、一部の大規模インスタンスを除くと小規模なインスタンスがいくつもあり、それらがゆるく繋がって一つのネットワークを作っているのがマストドンであると言えます。
例えるならば、Twitterはローマ帝国のような一つの巨大な帝国であり、マストドンは古代ギリシャの都市国家の連合体と言えるのです。
マストドンでは、分散型の各インスタンスがそれぞれに個性を出して運営されているので、自分にあったインスタンスを探す必要がありますが、その代わりにまるであなた専用のSNSであるかのような居心地のいいインスタンスに巡り会える可能性もあるのです。
万が一それが見つからなくても、インスタンスの始め方は簡単ですので、自分であなた好みのインスタンスを立てることも可能なのです。
商用SNSであるTwitterやFacebookでは、大規模サーバーを運用していることもあって、そのコストを補うための広告収入が必須となっています。いくらユーザーが広告を嫌がっても、サービスを運営している以上広告を避けるわけにはいきません。
それに対してマストドンは分散型の(基本的には)小規模インスタンスの集合体です。一つ一つのインスタンスは私的な資金で運用することが可能ですし、実際多くのインスタンスがそうしたレベルで運用されています。商用目的ではないマストドンでは広告に悩まされることは、まずありません。
Twitter上にはびこる仮想通貨の詐欺ボットやなりすましの偽アカウントに辟易したビットコインユーザーのうちの少なからざる人々が、マストドンを利用しています。
ビットコインユーザーにとって、これらの悪質なユーザーによる被害は文字通り財布を直撃しますし、またそれだからこそ悪質ユーザーは対応しても対応してもTwitterから消え去りはしません。
ところがインスタンスごとに規則を制定できるマストドンでは、Twitterよりも規制を強めることで、こうした悪質ユーザーの流入をかなりの程度防ぐインスタンスを立てられるのです。そうして出来上がったインスタンスは、まさしくビットコインユーザーにとっての城であり王国なのです。
Twitterに似ているようで違っているマストドンには、Twitterとほぼ同様の機能でありながら違う呼び名を持つものと、よく似ているけれども実は結構違うもの、それにTwitterには存在しないものなどがあります。
ここではそうしたマストドンの用語の中から、以下の7点を説明します。
トゥートとはTwitterの「ツイート」に相当する、マストドンの投稿のことです。ツイート同様に短文や画像などをハッシュタグ付きで投稿できます。
ツイートの文字数制限が140文字なのに対しトゥートは500文字まで利用できます。この仕様には、Twitterの140文字制限に対する1バイト文字ユーザーの不満の強さが感じられます。
ブーストとはTwitterの「リツイート」に相当する、マストドンの投稿転送機能のことです。ツイート同様にほかのユーザーのトゥートをあなたのフォロワーやローカルタイムラインに表示させられます(ローカルタイムラインについては3項目後に説明します)。
リツイート同様、ほかのユーザーのトゥートの下のボタンでブーストできますが、リツイートはコメント付きの引用リツイートが可能なのに対しブーストにはコメントをつける方法がないという点です。その点では使い方が限られるのが残念です。
後発のマストドンの方が機能に欠ける数少ない例のうちの一つです。
インスタンスとはあなたのトゥートを管理するサーバーのことです。
先に触れたように日本で分かっているだけでも300を超えるインスタンスが存在しており、しかも日々増殖しています。これではいったいどこのインスタンスにアクセスすればいいのかわからなくなることでしょう。以下にお勧めインスタンスを挙げておきます。
CWとはContents Warning(コンテンツワーニング)の略で、その名の通りトゥートの内容に警告を追加する機能です。
通常のトゥートとは異なり、警告部分と本文部分が「もっと見る」で区切られており、最初は警告部分しか表示されません。本文を読むには「もっと見る」を選択しなければならないので、警告を読んで本文を読みたくないと思った人は中身に触れずに済ませられます。
具体的な使い方としては
また、マストドンには同様の機能を画像に対して用いるNSFWという機能もあります。NSFWとはNot safe for work(仕事中の閲覧に注意)の略で、「もっと見る」の代わりに「不適切なコンテンツ」と表示され、クリックしないと画像が表示されない機能です。
こちらの使い方もCWの使い方同様、Hな画像やグロっぽい画像、あるいは「仕事中に見るのにふさわしくないから」と言い張って猫画像を投稿するのに使われたりします。
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