タイムラプスの動画の編集・作成方法！おすすめのフリーソフトやアプリも紹介！

「タイムラプス」という動画をご存じでしょうか。代表的なものとしては、定点カメラなどで撮った静止画を次々と表示することによって、コマ送りとする動画です。多いのは、景色の移り変わりや植物の成長を撮ったものでしょう。Youtubeなどでもよく見かけます。

パッと見ると早送りの動画にも見えるかもしれませんが、長いものでは数日、場合によっては数年かけて撮影されたものもありますので、動画では難しい撮影となります。

こうして見てみると、とても手間がかかって難しい撮影のように見えるかもしれませんが、装備さえ調えれば比較的簡単に作ることが可能です。近頃はスマホでもタイムラプスは撮影することが可能ですから、興味を持たれた方は挑戦してみると良いかもしれません。

まず当然ながら必要なのはカメラです。撮影さえ出来れば良い、と言うわけではありません。定期的に撮影をしなければなりません。カメラに張り付いて人の手でシャッターを押して撮影し続ける事も出来ますが、長時間や正確な撮影は無理があります。

そんな目的に叶うのが「インターバルタイマー」です。この機能は一定時間ごとにシャッターを自動的に切る機能で、全てのカメラに搭載されている機能ではありません。これからカメラを購入するなら、この機能があるかどうかを確かめて購入してください。

タイムラプス機能があるカメラで、理想的なのは一眼レフカメラです。やはり画質が綺麗な方が良い動画が作れますし、レンズを交換したり細かい設定が出来たりと、機能・性能面から考えた場合、理想的と言えます。

また、タイムラプス用の写真を撮る時にあれば便利な機能として、RAW形式での記録があります。この記録方法は一眼レフカメラではほぼ標準装備ですから、その点でも一眼レフが良いと言えます。

近頃はスマホも画質は良くなっていますが、本格的な撮影を考えるなら、デジカメよりも一眼レフがおすすめです。

カメラによっては、インターバルタイマー機能を内蔵しており、シャッターを切れば撮影を続けてくれる機種もありますが、カメラによってはインターバルタイマー機能を持ったリモコンを接続するものもあります。

購入するカメラのインターバル機能がどのような方法となるのかも気をつける必要があります。

よりクオリティの高いタイムラプスを作成する場合、構図にも気をつけたいものです。特に、定点カメラによるタイムラプスを作成する場合、視点がブレるようでは見ている方も落ち着きません。そういった場合は、しっかりとカメラを固定し、綺麗に撮影したいものです。

そのために欲しいものとしては三脚です。もちろん、三脚を設置する時は三脚自体がぐらつかないように気をつけましょう。

上記の機材を使用して撮影したデータを用意します。タイムラプスを作成する際、写真と写真の撮影間隔が短いと滑らかな動画となります。逆に間隔が長いとコマ送り感が強い動画となります。

中には、街の移り変わりを何年も前から同じ場所で撮り続けたデータをタイムラプスとして作成した動画もあります。こういった動画を作成するにはいかに多くのデータを用意するかでしょう。

大量のデータを処理するには、やはりパソコンが必要です。ただ、動画作成とは言え、タイムラプスは連続した静止画の編集となりますので、それほど高性能のパソコンでなくとも差し支えありません。

作業に使うパソコンで使える動画編集ソフトを用意しましょう。タイムラプス作成に便利な機能を持つ動画編集ソフトは後ほどご案内します。

ここからは、撮影が終わった写真データを編集してタイムラプス動画を作成する方法について説明します。基本的な流れの説明となります。

現在、一般的な写真データの保存形式はJPEGと言われるフォーマットになります。それに対し、タイムラプス動画を作成する場合に保存する形式はRAW形式が相応しいと言われています。

JPEG等の一般的な記録形式とRAWの何が違うか、というと、データの保存方法です。RAWというのは写真データの一つ一つの点(ドット)それぞれに光の3原色(RGB)のデータを記録します。一方のJPEG等はその膨大なデータを、人間の眼が認識出来ない細かい部分は省略しているのです。 

細かい部分を省略することで、JPEGは写真データをコンパクトにしています。大雑把な計算ではありますが、1000万画素の写真をRAW形式で保存する場合を考えます。

RGBで表現出来る色数は各色4096段階で表現出来ます(12ビットで記録した場合)。その3色の組み合わせとなると、4096色の3乘となりますので、68,719,476,736色を表現することが可能です。

RAWは1ドット毎に12ビットのデータを保持しますから、1000万画素であれば
12ビット×10,000,000画素＝120,000,000ビットの容量がかかることになります。

1バイト＝8ビットですから、
120,000,000÷8＝15,000,000バイト、つまり15メガバイトになります(かなり大雑把です)。

これに対し、JPEG等では1メガから2メガくらいの容量の写真となります(写真によってサイズは変わります)ので、大量の写真を記録するにはJPEG等の方が有利なのはハッキリしています。

それにもかかわらず、RAWで記録するには理由があります。RAWは1つのドット毎に色情報を記録しています。そのため、写真を加工する時に細かな調整が出来るのです。一方のJPEG等はすでにある程度まで情報が固定されていますので、細かな調整が出来なくなっているのです。

そのため、さほど細かな画像設定をいじる必要のない一般人はJPEGで十分なのですが、プロなどのその道の達人はRAWで記録していきます。

もちろん、RAWは画像データが大きいことから、記録も大変ですが、さらにはパソコンも高性能で大容量のシステムが必要になるため、非力なパソコンでは扱うのも大変です。

RAW形式のデータですが、この莫大な素の写真データは、そのままではパソコンでは見る事が出来ません。画像ソフトを使って出力するわけですが、JPEGを他の形式の画像データ(TIFFやBMP、PNG等)に出力する時は「変換」といいます。

しかし、RAWを他の画像データに切り替える時は「現像」と呼びます。これは、フィルムカメラで撮影したフィルムを見られる様に加工することを「現像」と呼んだ名残です(概念としては極めて似ていますし)。

前置きが長くなりましたが、タイムラプス用に時間をかけて撮影した写真は、撮影時間にもよりますが、明度や彩度がバラバラとなり、写真を切り替えた時に統一感がなくバラバラに感じられます。

そこで、ある程度写真の出来を調整するため、RAWで撮影した、幅広い加工に対応出来るRAW形式の写真データで用意しておけば、統一感を持たせた写真に加工出来るので、多くの写真を繋ぎ合わせるときに自然な動画となります。

RAW形式から「現像」するソフトは多数出ています。デジカメ自体にRAW形式で保存する機能があるなら、デジカメメーカーが提供している写真データ管理ソフト自体にRAWを自由に現像する機能があります。

あるいは、写真データの加工ソフトで圧倒的な支持を得ているAdobe社のソフトは、高機能・高性能且つ使い易いものがあります。「Photoshop」や「Lightroom」などは有料ソフトではありますが、タイムラプスを大量に作成する場合などは導入すれば大変作業がし易くなるでしょう。

RAWを現像する作業は一連の流れとなります。使用するソフトによって若干の違いはありますが、概ね一緒になります。

まず、カメラから写真データをパソコンに取り込む必要があります。RAWは一枚一枚が大容量ですし、それを纏めて処理するためにはパソコンで作業をした方が効率的でしょう。

高性能パソコンであれば作業が捗りますが、定型的な処理ですから、セットさえすれば後は自動で処理をしてくれるソフトもありますから、無理に高額なパソコンを使う必要もありません。

RAWを現像しますが、この時に色味や彩度を調整します。暗い画像をハッキリさせたり、逆に白っぽくなりすぎた画層を調整したりと、RAWからであればJPEG等に比べてさらに細かな設定が可能です。

もっとも、ここまで拘るのは、タイムラプスをより美しく仕上げるための工程ですから、初心者はさほど拘らなくても良いかもしれません。

実際に多数の画像の設定の同期を取るなど、普通はプロでも無ければそこまで拘りません。ただ、何本も動画を作成するようになれば気になるようになるかもしれませんが。

後は、出力画像をJPEG等の軽量な画像ファイルに設定することです。JPEGもソフトによっては高画質から低画質まで細かく設定出来るものがあります。大画面で使うなら、それなりの高画質にした方が良いでしょう。

もっとも、高画質になるほどファイルの容量が増えますから、パソコンのHDDの容量や処理能力、完成したタイムラプス動画の容量にも影響しますので、最初の内は試行錯誤の繰り返しとなるでしょう。

この機能はLightroomなどの高性能編集ソフトにしか無い機能かもしれません。多数のRAWデータを同一の設定で同期し、基準となる明度や彩度の設定を適用して一括して現像してくれます。

この同期の機能を使えば、同じような写真の条件が同期されますから、見易いタイムラプス動画になります。参考に多くのタイムラプスを見れば判りますが、ビデオを早送りしているようにしか見えない動画などは画像の条件が同期されています。

とはいえ、同期はあれば便利な機能ですから、個々に写真を調整するなどすれば同期機能が無くても設定は出来ます。確かに量が多いとかなり大変な作業となりますが。ある程度作成を続けて、その上で同期機能が必要と思えば、その時に導入しても良いでしょう。

なお、細かな設定や同期機能はともかく、RAWからJPEG等への現像は多くのソフトが対応していますので、使用方法はお持ちのソフトで調べて下さい。

上記の作業を進めてきて、大量の画像データを出力します。こうして出来上がった写真を並べればタイムラプス動画が出来上がるわけです。

なお、画像データが大量に作成されるので、パソコン内蔵のHDDを使うのが手っ取り早いですが、資金的に余裕があれば外付けのHDDなどを利用した方が効率が良いかもしれません。

素材となる写真データが集まれば、後はそれを並べてタイムラプス動画を作成するだけです。その方法は極めて簡単で、集めた写真データを並べるだけです。

逆に言えば、写真加工さえ終われば、後は簡単なのです。

動画作成ですので、動画編集ソフトを用意します。無償・有償と様々な動画ソフトがありますが、さほど高機能で無くともタイムラプス動画を作るのは簡単です。

ここではPremiere Proを例に取り上げますが、基本的な方法は同じ流れとなります。

Premiere Proの場合は、タイムラプスという連続して静止画を並べての作成となるため、まず「シーケンス」という設定が必要ですが、ソフトによってはこの手順が無いものもあります。

タイムラプス作成に必要な、準備した静止画のデータを全て読み込みます。大量のデータの場合はそれなりに読み込みに時間がかかります。

ソフトによってはRAWデータから作成することが出来るものもありますが、こちらの場合だとさらに時間はかかるでしょう。

時間軸に沿って画像データをタイムライン上に並べていきます。ファイル名を連続したものにしておけば、自動で画像を並べてくれるものがほとんどです。

名前のつけ間違いやタイムスタンプの間違いによって静止画の並びがおかしい時は修正して下さい。修正方法については各ソフトのヘルプを参考にして下さい。

短時間の連続した静止画なら簡単ですが、長時間に渡ってのデータとなると、個別に編集するのは大変です。そんな時に便利な方法が、一連の流れを細かなパーツに分けて編集するやり方です。分単位・時間単位で一纏めにします。

この一纏めにした静止画のグループをクリップと呼び、クリップ単位で組み替えたり追加したり、消去する方法が使えます。

特に長いタイプラプスを作成する場合、この機能は大変便利です。

ここまで作業が進めば、後は動画を作成するだけです。記録方式(MPEGやAVI、MOV等)を公開先に合わせて選択し、出力して下さい。

動画ファイルの作成にもパソコンによってはそれなりに時間がかかります。

タイムラプス作成に特化したソフトを含め、幾つかの編集ソフトをご紹介します。無償で試用できるソフトも含みますので、ご注意下さい。

いきなり有償のソフトとなりますが、こちらはAdobe社が作っているだけあって、高機能・高性能でありながらも、直感的な操作や初心者には難しい画像の調整などをしてくれるので、とても便利です。

Adobe製品だけあってなかなか高価ではありますが、それに見合うだけの機能と操作性を備えたソフトとなります。試用もできますから、使い勝手を知るためにはお試しで使ってみては如何でしょう。

このソフトは、星空専門の写真編集ソフトです。その一機能として、複数の静止画からタイムラプスを作成する機能があります。

ソフト自体は自動で処理をしてくれるので、静止画を指定すれば自動的にタイムラプス動画を作ってくれるのですが、星空写真専門のソフトですので、特定の目的にしか用途は見いだせないかもしれません。

ただ、簡単にタイムラプスを作成できるので、実験的にタイムラプスを初めて見たい人が体験するには良いかもしれません。

このソフトは「比較明合成」を行うのが目的のソフトです。比較明合成というのは、夜空の星の軌跡を描くソフトのことで、このソフトを使えば夜空を動く星の流れを表示してくれます。

SiriusCompは、一枚の画像データに纏めるだけでなく、タイムスタンプの動画として作成することが可能です。

また、暗いところで撮影をすると、画像にはノイズが目立ちます。ノイズは白い色ですので、明るい写真では目立つこがないのですが、夜空などの暗い画面だと目立ってしまいます。

SiriusCompでは、そんなノイズを見つけ出して自動で処理もしてくれるため、StarTrails同様に夜空のタイムラプスを作成するには便利なソフトです。

SiriusCompは、大量のデータの連続するデータからノイズかどうかを判断できますので、

Panolapsはタイムラプス動画を作成するために必要な機能が揃っています。これにPowerDirectorの組み合わせれば、どこに出しても恥ずかしくないタイムラプス動画を作成出来ます。

Panolapsを使えば、制限はありますが無料で基本的なタイムラプスを作成出来ますが、さらに製品版を使えば、大画面のタイムラプスや、静止画間の画像の明度彩度の違いを自動で補正したり、さらにはRAW画像を現像せずに直接修正する方法もあり、まさにタイムラプスを作るためのソフトになります。

なお、Panolapsに付随するソフトの「RAWBlend」というソフトがですが、このソフトがRAW形式のファイルの一括調整をします。そのためには別途Lightroomを導入する必要があります。だから多くのRAWファイルの設定を同期したりすることも、Panolapsから設定が出来るようになるのです。

そして、ここで作ったタイムラプスに様々な効果(音声を入れたり、BGMを設定したり、タイトル等をいれるなど）を組み合わせ、商用に負けないくらいの動画編集を行うソフトがPowerDirectorとなります。こちらも、無料で試用出来ますので、プロのレベルを体感することが可能です。

上記の2本のソフトを組み合わせれば、最強のタイムラプス動画が作れることでしょう。RAWの同期等の設定まで出来るので、使い勝手も素晴らしいですが、ややコスト的には厳しいかもしれません。

本格的なタイムラプス動画を作成するには、一眼レフを始めとしたそれなりの機材が必要ではありますが、簡易なものであればスマホだけでも作成出来ます。

ただ、そうは言っても最低限に揃えた方が良いものが幾つかあります。まず、スマホを固定する三脚は是非とも用意したいところです。これがないと、視点がハッキリしない写真の羅列になり、見辛い動画となります。

あと、長時間の撮影をするならば、外付けのバッテリーもあった方が便利でしょう。

iPhoneのカメラには、そのものズバリ「タイムラプス」を記録するモードが備わっています。ですので何の追加もせずともタイムラプスは作成出来ます。

しかし、細かな設定などが出来ないため、ある程度本格的な撮影をしたいのであれば、アプリを導入した方が良いでしょう。App内課金であったり、有償であったりと、少しの投資は必要になるかもしれません。

iPhoneで撮影した写真を元にタイムラプス動画を作成します。撮影時間や撮影間隔を設定出来ますので、三脚等で固定すればすぐにタイムラプスを作成出来ます。

タイムラプス撮影時にはシャッター音を消す事も出来ますから、周囲を気にせず撮影も可能です。

無料版は時間制限がありますが、どんなアプリかを試すには良いかもしれません。

タイムラプス以外にも、コマ撮りやミニチュア撮影など、お手軽に様々な撮影が楽しめるアプリです。

タイムラプスがメインでは無いため、機能的には少し弱いところもありますが、BGMをつけるなども出来ますので、仲間内で楽しめるアプリと言えます。

有料のアプリですが、このアプリ1つで撮影間隔などを設定して簡単にタイムラプスを作成出来ます。

このアプリでは作成した動画をメールに添付することも可能ですので、一風変わった動画を送ることが出来ます。さらには、BGMやエフェクトの設定も出来ますので、仲間と盛り上がるには面白いアプリです。
 

Androidにもアプリでタイムラプスが撮影出来るものがリリースされています。

無料で使えるアプリですから、Android端末をお使いでタイムプラスに関心があるなら、試験的に使ってみると良いアプリです。

もちろん、タイムプラス動画を柵衞する為に必要な機能(撮影間隔や撮影時間)の調整も出来ますので、これ1つで十分な機能があります。

アプリ名が表すように、コマ撮りの撮影を主として作られたアプリです。ですから、他のタイムラプスアプリとは異なり、手動で一枚ずつの写真撮影にも対応しています。

手動での撮影となりますから、手作り感の強い、タイムラプス動画としては少し風変わりな作品を作ることが出来ます。コマ撮りが主ですから、写真は一枚ずつ確認しての編集も可能です。

スマートフォンでの編集は、パソコンと違って操作しづらいというデメリットがありますが、このアプリであれば撮影状況に応じてモードを設定することにより、トリミングや画質調整がある程度自動的に行われます。

そのため撮影と編集が比較的簡単に出来ますので、スマホ単体でタイムラプス動画を作る時には便利です。

編集機能に特色のあるアプリで、タイトルの挿入や音声・音楽を入れる事も可能です。ですから、ただの映像ではなく、華やかな感じの動画を作成出来ます。

また、動画の再生速度も自在に調整出来るので、同じ動画でもいろいろな効果を楽しむことが出来ます。

タイムラプス動画は、見た目が難しそうに思われるかもしれませんが、上記のように理屈は簡単ですから、特殊な機材や特殊なアプリが必要なわけではありません。やや敷居は高く感じるかもしれませんが、いざ作成してみれば簡単なことが判るでしょう。

タイムラプスでは、人の眼では追い切れないようなゆっくりとした動きや、微妙な変化をハッキリ判らせる事ができますので、日常生活では見られないような神秘的な動画を作ることが出来ます。

日常では気づきにくい神秘的な動画を作ってみましょう。