MacランチャーアプリのAlfredとは?使い方とおすすめの設定方法を解説!
アプリケーションを立ち上げられ、ファイルを検索できる、Mac用のランチャーとして語られることの多いMacのAlfredですが、実際はキーボードでなんでも操作でき、しかもキータッチも減らしてくれる万能アプリです。そんな正体不明のAlfredの使い方を説明します。
目次
Macで使えるランチャーアプリ「Alfred」
一般にランチャーアプリというと、アプリのアイコンをまとめるタイプのグラフィカルベースなものと、文字入力でアプリを呼び出すキャラクターベースのものがあります。しかし、Windowsとは異なり、Macには元々システムに組み込まれているランチャーとして、グラフィカルなものならLaunchpad、キャラクターのものならSpotlightがあります。
今回紹介するAlfredは、Spotlightに似たファイル検索やアプリのランチャー、簡易的な計算機としても使えるアプリです。しかしAlfredができることはそれだけにとどまりません。
キー入力でMacをスリープさせたり、Webページで語句や地図を検索させたり、クリップボードの履歴を参照できたり、短い文字列で単語や文章を自動入力させるスニペット機能が使えたり、コマンド入力するだけで自動実行が可能なワークフローを使えたりと、マウスに持ち替えることなく、キーボードで多くのことを行えるキーボード実行環境なのです。
PC内部の検索をサポートするアプリケーション
とはいえ、そんな複雑なことを最初からお話しされても困ってしまう方もおいででしょう。もちろんAlfredは、SpotlightのようなMacのランチャーとして文字を入力するだけで、PC内のその文字を含むアプリやファイルを検索できます。しかもこれまで呼び出したアプリやファイルを覚えているので、より最近に使ったアプリが最初に呼び出されます。
そのため大抵は頭の1文字を入力しただけで、立ち上げたいアプリや編集したいファイルを呼び出せます。したがってキーボードから手を放してマウスに持ち替えて、アイコンを探してクリックする、といった手間が省けるのです。もっともアプリやファイルの名前を間違えていると、どれだけキー入力しても目指すアプリ類が出てこないという悲劇にも遭います。
Windowsで使える?
そんなに便利そうなランチャーアプリならWindowsでも使ってみたいと思われるかもしれません。しかし残念ながらAlfredはMac専用のアプリです。なにしろMacのシステムに深く食い込むアプリですから、なかなかPCのWindowsへスムーズに移植するわけにはいきません。そのため、将来的にも AlfredはPCのWindowsへ移植されないでしょう。
しかし熱心なWindowsユーザーによって、AlfredクローンとでもいうべきアプリがPCのWindows上で開発されています。「Wox」というWindowsアプリは、もともと「WinAlfred」と名づけられていた通り、Windows版Alfredとして開発が始められました。
MacのSpotlightのように、Windows+RでWindowsのアプリを呼び出す「ファイル名を指定して実行」の機能はもちろん、簡単な計算、Web検索、PCのWindowsのスリープやシャットダウンも可能と、まさにWindows版Alfredと呼べるだけの性能を備えています。しかも日本語化も簡単な点は、本家Alfredを上回っているとも言えます。
有料版はある?
先にお伝えしたように、Alfredは非常に多機能なランチャーアプリです。しかし、そのうちワークフローなどの少なくない機能が有料です。とはいえ、無料で使える部分だけでもAlfredは非常に便利です。安易に最初から有料版に誘導されないで、無料でAlfredに触れた上でさらに便利に使いたい、と感じたら有料版を購入するといいでしょう。
なお、Alfredの有料版には、バージョンアップされないシングルライセンスと、一生使えるメガライセンスのふたつの有料版があります。
ライセンス | シングルライセンス | メガライセンス |
---|---|---|
使える台数 | 1人の2台のMacまで | 1人が使うすべてのMac |
有効期限 | バージョン4のみ | バージョン4とそれ以降のバージョンを含む |
価格 | £23(約3000円) | £39(約5000円) |
Alfredの使い方
それでは無料で使える範囲でのAlfredの使い方を、インストールから簡単な使い方、設定画面の概略までお教えします。
インストール方法
まずはAlfredをダウンロードします。2019年7月末日現在、Alfredのバージョンは4です。下のリンクよりAlfredのサイトにアクセスして、「Download Alfred 4」をクリックしてAlfredのdmgファイルをダウンロードしてください。
dmgファイルをダウンロードしたら、普通のアプリと同様にAlfredをインストールします。
Alfredを起動すると、最初にウェルカム画面が表示されます。「Begin Setup」がアクティブになっていますが、無視して「Skip Setup」を選択してください。「Begin Setup」を選ぶと有料版のPowerpackへ誘導されます。Powerpackは非常に便利なため、最初から有料でも十分にその価値がありますが、今回は有料版に誘導されないで進みます。
SetupをスキップしてAlfredを立ち上げると、AlfredがPC上に常駐し、ステータスバーに防止のアイコンが表示されます。
Alfredを終了したいときには、このAlfredのアイコンをクリックして、「Quit」を選んでください。するとAlfredが終了し、PC上の常駐状態が解除されます。
App Storeでもインストールできる
Alfredは、Mac App Storeでも入手できます。こちらも有料ではありません。ただしバージョンは1.2と古く、7年前からアップデートされない状態です。しかも気に入って有料のPowerpackを使おうと思っても、有料版には対応されないという有り様です。そのため、Mac App Storeからのダウンロードはおすすめしません。
使い方
Alfredの使い方は、基本的に専用の検索窓を表示して、そのなかにテキストを入力することで各種操作を行います。検索窓を呼び出すには、デフォルトで「Opt+Space」を用います。この検索窓に、アプリ名を入力すればランチャーに、ファイル名を入力すればファイル検索に、コマンドを入力すればワークフロー実行アプリに、早変わりします。
まずはAlfredの基本であるランチャー機能の使い方です。検索窓に「photo」と入力すると、名前にphotoを含んだアプリがずらりと表示されます。写真.appを立ち上げたいのであればこのままEnterキーを押せばいいですし、Photoshopを起動したいのであれば「⌘+2」を押すか、カーソルキーでPhotoshopを選択します。
PCにインストールされているアプリであれば、Alfredの検索窓に名前を入力するだけでランチャーとして利用できます。Google Chromeであれば「ch」と入力するだけで立ち上げられますし、Safariであれば「s」だけで立ち上がることがほとんどです。この使い方の手早さに慣れると、いちいちマウスに手を伸ばすのが馬鹿らしくなります。
また最初にSpaceを押して文字入力すると、ファイル検索してそのファイルを開けます。Spaceの前に「find」を入力すると検索したファイルをFinderで開きます。
PCをスリープさせたり再起動させたりする
Alfredは、PCやアプリを終了させたりさせるという使い方も可能です。そのためには、検索窓に打ち込むコマンドの一例を挙げます。
- sleep………………PCをスリープモードにする
- sleepdisplays……PCの画面をスリープさせる
- restart……………PCを再起動する
- shutdown…………PCを終了させる
- quit…………………「quit chrome」などとアプリ名を指定して終了させる
- forcequit…………「forcequit chrome」などとアプリ名を指定して強制終了させる
特に便利なのがアプリを強制終了させる「forcequit」コマンドです。Macを使っているとアプリが通常の方法では終了されないときがありますが、Alfredなら簡単に目的のアプリを強制終了させられます。
翻訳する方法
Alfredには、引数をつけてWebにアクセスするWeb Searchという設定があります。これを使うと「google ××」と入力して「××」の検索結果を表示したり、「maps ○○」でGoogleマップかAppleマップで「○○」を表示したりといった使い方が可能です。こうしたWeb SearchのなかにGoogle翻訳を利用できる「translate」があります。
そのため「translate ××」と入力すれば「××」をGoogle翻訳にかけられます。しかし単語や文章を入力するのは面倒ですし、正しく入力されないこともあります。ところがAlfredでは、⌘+Vの貼り込みが可能ですので、あらかじめ翻訳したい部分をコピーして、それから「translate」と打ち込み、スペースのあとに⌘+VでGoogle翻訳が利用できて便利です。
その他の主な使い方
そのほかにも、Alfredは便利なコマンドがあります。主なコマンドは以下の通りです。
- define……「define ××」と入力すると「××」でMacの辞書を引く
- 数式………「24*(17+32)」のような四則演算の答えを表示
- =……………sinやlog、sqrt、roundなどの関数を利用した計算ができる
- twitter……Twitterをブラウザで開く。「twitter ××」で「××」を含むTweetやユーザーを検索する
設定方法
Alfredの設定画面を開くには、Alfredの検索窓で「Alfred」と入力するか、ステータスバーのAlfredのアイコンをクリックして、設定の「Preferences…」を選びます。
General
GeneralタブではAlfredの検索窓を呼び出すホットキーが選択できます。上図は「Ctrl+Space」に切り替えた例です。
Features
Featuresタブでは、さらにランチャーの詳細設定やWeb Searchの追加など、多くの設定が可能です。検索単語の引数を「{query}で指定すれば、様々なサイトで検索が可能となります。なお、ワークフローやスニペットのタブを選んでも、有料版に移行するまではその内容は表示されないので注意してください。
Appearance
Appearanceタブでは、Alfredの検索窓の外見を変更できます。いくつもあるデザインの中から好みのものを選んでください。
Workflows
バージョン3までは無料でもある程度利用できたワークフロー機能ですが、バージョン4ではまったく利用できなくなりました。有料版でしか使えないということしか表示されないのは悲しいことです。
Powerpack
Alfredの有料版がPowerpackです。ここから有料版を購入したり、ライセンスナンバーを入力したりできます。
Alfredのおすすめの設定方法
それでは、ここまでで説明し切れなかったAlfredのおすすめの設定方法をお教えします。
お気に入りのサイトを表示する
Alfredの初期状態では、ランチャー機能で各種サイトを呼び出せません。Alfredでブックマークしてあるサイトを呼び出すには、まずAlfredの設定画面を開き、Featuresタブを選択、さらにWeb Bookmarksを選んで、ブックマークを参照するプラウザ(SafariかGoogle Chrome)にチェックを入れます。
すると、下図のように「a」を入力しただけでapplica.infoにアクセスできるようになります。よくアクセスするサイトがある場合は、圧倒的に便利になります。
特定のアプリが表示されないようにする
Alfredをランチャーとして利用していると、ときおりバージョン違いなどで同じ名前のアプリが表示される場合があります。
こうした場合に、不要なアプリが表示されないようにするには、以下の方法を採ります。まず表示されないようにしたいアプリをFinderで見つけ、右クリックして「情報を見る」を選択するか、「⌘+I」を入力します。そしてコメント欄に「alfred:ignore」と入力します。
つづいてAlfredの設定画面を開き、「Advanced」タブを選択して、「Clear Application Cache」と「Rebuild macOS Metadata」をクリックします。
「Rebuild macOS Metadata」のクリックで、確認画面が表示されますので、「Rebuild」を選択してください。
すると、ターミナル画面が開きますので、「Enter」を押して処理を続けさせます。このときパスワードを聞かれるときもありますので、その場合はログインパスワードを入力してください。
処理が完了したら、あらためてAlfredの検索窓を呼び出してください。不要なアプリが表示されないようになっていれば成功です。
AlfredとSpotlightのどっちがいい?
さて、冒頭でも触れましたが、Macにはもともとキャラクターベースのランチャー兼ファイル検索ツールのSpotlightがOSに組み込まれています。同じ分類のAlfredとSpotlightはどちらがいいのか、疑問を抱く人もおいでのことでしょう。
Spotlightとは
Spotlightは、Mac上のアプリ、ファイルを検索して、さらに辞書を引いたり簡単な計算をしたりできます。そういった意味では、Alfredとよく似ていますが、いろいろと異なる部分があります。
AlfredとSpotlightの違い!どちらがおすすめ?
それでは、実際にAlfredとSpotlightの違いを以下に述べます。
Spotlight
Apple純正なので、macOSのバージョンが変わっても、同じ使い方でずっと使えるのが一番のメリットです。さらに操作がシンプルなので、使用時に迷うことがほとんどありません。
反面、ファイル検索しても辞書を引いても同じ使い方なので、辞書を引こうとすると辞書の結果が表示される「定義」セクションまで結果をスクロールしなければなりません。また、AlfredのようなコマンドやWeb Search、ワークフローなどの機能はなく、かなり純粋なランチャーとしてしか利用できません。
Alfred
サードパーティ製アプリなため、macOSがバージョンアップすると使えなくなる可能性が常にあります。しかし、その代わりにSpotlightでは区別されないランチャー機能とファイル検索が、頭にSpaceを入れるか入れないかで切り替えられるのはとても便利です。同様に、辞書機能も「define」と入力することで明示的に使い分けられます。
しかしこれは、逆に言うとコマンド類を覚えておく必要があるということを意味します。またキー入力が遅い場合には、タイプ量が増えるだけ余計に時間を食うことになります。また、Spotlightをはるかに上回る多機能ぶりを発揮しますが、その分覚えておくコマンドやショートカットキーが増えてしまいます。
少なからぬコマンドを覚えるのが苦ではなく、キータイプが速い人には、Alfredは手放せない存在となるはずです。
Alfred for MacはSpotlightよりもおすすめ!
以上、お伝えしたようにAlfredはSpotlightレベルのランチャーの枠を超えた、便利なテキストによるMac操作アプリです。キーボード入力の時間が多く、マウスに持ち替えるのが面倒と感じることがちょっとでもあるのならば、Alfredはあなたにとって心強い味方となってくれます。
今回は有料機能となるために詳しく触れられなかった、ワークフローやスニペット、クリップボード履歴などの機能も非常に便利ですので、機会があればぜひとも利用してみてください。