Adobe Flash Playerが2020年に終了!要因や各ブラウザサポート今後の対応は?
Adobe Flash Player2020年に完全に廃止されて終了します。Adobe Flash Playerを使っていたゲームなどは終了後はどのように移行したらいいのでしょうか。この記事では終了になる要因や各ブラウザの対応についてお伝えします。
目次
- 1Adobe Flash Playerが2020年に完全終了!その要因とは?
- ・セキュリティリスクの問題
- ・スマホなどのタッチスクリーンに対応していない
- ・利用者の激減
- 2Flash終了!廃止の影響を最も受ける分野は?
- ・スマホアプリや最新の動画・ゲームサイトなどは一切影響なし
- ・影響を最も受けやすい分野はこちら!
- 3Flash終了後の展望について
- ・HTML5へ移行
- ・2020年の終了後のFlash Playerの動作について
- 4Flash終了に向けた各ブラウザのサポートの状況について
- ・Google Chrome
- ・Firefox
- ・Microsoft
- ・Apple
- 5Flash終了に向けてセキュリティリスクを回避するための対応法について
- ・ブラウザで無効にする方がいい
- ・主要なブラウザでFlashを無効にする方法
- 6Flash Player終了に向けて対策を始めていこう!
Adobe Flash Playerが2020年に完全終了!その要因とは?
Adobe Flash Playerが2020年に正式に廃止されて完全に終了することになりました。現在のところ、徐々にFlash Playerからの移行が進んでいます。
この記事ではAdobe Flash Playerが廃止されて完全終了することになった要因や、各ブラウザのサポートの対応状況、それから各自でやるべきことについてお伝えします。まずはFlash Playerが廃止される要因についてみていきましょう。
セキュリティリスクの問題
大きな問題はAdobe Flash Playerにはセキュリティ上の問題が大きかった、という点です。1990年代に登場したFlash PlayerはPC上でアニメーションを動かすことができる画期的なプログラムとして2000年代までソフトウエア開発にはなくてはならないものでした。
しかし、2007年にApple社の総御者であるスティーブ・ジョブズが「Thoughts on Flash」でFlash Playerの脆弱性を指摘し、結果としてiPhoneでは取り入れられませんでした。実際にジョブズの指摘以前からAdobe Flash Playerの脆弱性を突いた攻撃は頻繁に行われており、クラッカーの格好の標的になっていたことも事実です。
結局、その脆弱性が克服できなかったということで、とうとう完全に廃止されて終了するに至ってしまいました。
スマホなどのタッチスクリーンに対応していない
スティーブ・ジョブズがiPhoneへFlash Playerを搭載しないことを決めたことにより、スマホ向けのFlash Playerの開発は一切行われませんでした。そのためにスマホやタブレットで利用されているタッチスクリーンに全く対応していません。Flash Playerはスマホやタブレットでは一切動作しません。
iPhoneだけではなくAndroidや、PC用のタッチスクリーンでもFlash Playerを動作させることはできません。現在、PCよりもはるかにユーザー数が多いスマホで利用できないというのは、今後の展望が一切見いだせないということと同じことです。
利用者の激減
Flash Playerの脆弱性が指摘されたことや、Flash Playerを使わなくてもサイトやアプリに動画を埋め込む新しい技術が出現したことなどにより、Flash Playerを使う人が激減しました。
実際に、現在新しく開発されているPC用のアプリや、制作されている動画でFlash Playerを利用しているものはほとんどありません。利用する人が以前に比べると激減したということも、Flash Playerが廃止されて完全終了する要因になったと考えられています。
Flash終了!廃止の影響を最も受ける分野は?
Adobe Flash Playerが終了することで最も影響を受ける分野というのはどのような分野があるのか見ていきましょう。
スマホアプリや最新の動画・ゲームサイトなどは一切影響なし
まずは現在の状況ですが、スマホやタブレットのアプリは全く影響を受けません。そもそもFlash Playerが対応していないので、今後の展望にもスマホやタブレットのアプリは一切関係ありません。
以前はFlash Playerで作られていた動画やゲームのサイトですが、現在ではFlash Playerの代わりに普及しつつあるHTML5を使って作るようになっています。そのために、最新の動画やゲームには全く影響がありません。
1990年代や2000年代から運営されている古いサイトでは影響がありますが、現在も更新が行われているところでは、HTML5への移行が終了しているか移行途中のはずです。2020年のFlash Player完全廃止までには完全に新しいシステムに移行が終了するはずなので心配はありません。
影響を最も受けやすい分野はこちら!
それでもどうしてもFlash Playerの廃止の影響を受ける分野があります。特に影響を受ける分野というのはこちらの2つの分野です。
eラーニング
1990年代後半から2000年代にかけてPC上のブラウザで学ぶことができるeラーニングが盛んになりました。eラーニングの多くが動画やアニメーションで授業を行い、確認テストをゲーム形式で行う、という構成になっていたのでFlash Playerを使って作られているものがほとんどでした。
古くからあるeラーニングの中には、現在Flash Player終了に向けた対応やサポートが遅れているものもあります。もしも現在利用しているeラーニングでまだFlash Playerを使っているようなら、管理者に2020年のFlash Player終了に向けた対応はどうなっているのか、ということを質問してみた方がいいでしょう。
ブラウザゲーム
PCのブラウザ上で遊べるブラウザゲームの多くが、HTML5が登場するまでFlash Playerを利用して作られていました。HTML5そのものは2008年ごろから使えるようになっていましたが、つい数年前までHTML4でFlash Playerを利用して作っていたゲームも多かったのが事実です。
現在もアップデートが行われているゲームサイトでは、Flash Playerを利用せずにHTML5のみで動作できるように対応ができているサイトもあります。しかし、更新が行われなくなってしまったものはFlash Playerがないと動作しません。
Flash Playerの脆弱性を考えると更新されないゲームでは遊ばない方が無難でしょう。開発者へ問い合わせができる場合には問い合わせてみて、問い合わせができないようならそのゲームで遊ぶことはあきらめましょう。
Flash終了後の展望について
Adobe Flash Playerが終了した後の展望というのはどうなるのかについてみていきましょう。
HTML5へ移行
まずはAdobe Flash Playerが廃止されて完全終了するのに向かっては、すべてのサイトやPC用アプリでHTML5への移行が急ピッチで行われていきます。今までFlash Playerが担ってきた機能は、今後は全てHTML5が担っていくことになります。
HTML5とは?
HTMLというのはHyperText Markup Languageの頭文字を取ったもので、Webブラウザのホームページなどを組み立てるために使われている言語です。タグと呼ばれる言語を使って、Webブラウザに表示したいコンテンツを組み立てていくことでWebページやWebページ上で動作するアプリなどを作っています。
HTML5というのはHTMLの5番目に登場したバージョンということです。2008年ごろに登場しました。Webページだけではなく、アプリも作れるようになったということで、現在のスマホアプリなどはほぼすべてHTML5に移行しています。
Flashを使わずに音声や動画のサイトやアプリへの埋め込みが可能に
HTML4では動画や音声のウエブサイトへの埋め込みはFlash Playerを使うことを前提にしていました。しかし、HTML5ではHTMLの<video>や<audio>といったタグによって、Webページやアプリに以前はFlash Playerで行っていたことを簡単に組み込めるようになっています。
2020年の終了後のFlash Playerの動作について
2020年のAdobe Flash Player終了後のFlash Playerの動作がどうなるのか気にしている人もたくさんいます。これは2つに道が分かれます。オンラインかオフラインかです。
まずオンラインで利用する場合にはブラウザ上で動かすことが前提になります。2020年に正式にAdobe社がFlash Playerの完全終了を宣言した後の早い時期に、主要なブラウザはサポートからのアップデートが行われFlash Playerが全く動かないように設定を移行します。
そうなるとFlash Playerを使ってオンライン上で動作していたゲームや動画は一切動かなくなります。そうすると、オンライン上のサービスでFlash Playerを使っている場合には大混乱が起こることが予想されます。早急なHTML5への移行の対応が必要です。
オフラインの場合には移行しなくても自己責任で利用し続けることは可能です。ただし、セキュリティサポートが一切されなくなるので、脆弱性のリスクはますます大きくなるということは頭に入れて対処することが求められます。
Flash終了に向けた各ブラウザのサポートの状況について
Flash Playerの2020年の終了に向けて、各ブラウザではすでにサポートによって対応が始まっています。各ブラウザではどのような対応をしているのか、ということについてみていきましょう。
Google Chrome
現在世界で最大の利用人数を誇っているブラウザのGoogle Chromeでは、段階的にFlash Playerに対するサポートを終了していくことを発表しています。現在では、Flash Playerを利用しているサイトを表示するときにはその都度Flash Playerを動作させるかどうかを指定しなくてはいけません。かなり利便性は悪くなっています。
また今後はデフォルトの状態でFlash Playerは無効にして、利用した場合には設定から手動でその都度有効にしないと使えなくなっていきます。2020年末に完全にFlash Playerが廃止された後は完全にGoogle ChromeでのFlash Playerに対するサポートも終了します。
Firefox
Google Chromeの次に根強い支持者が多いブラウザがFirefoxですが、Firefoxも段階的にFlash Playerに対するサポートを終了していきます。まずはFlash Playerを利用したサイトを開くと、そのたびにFlash Playerの実行を指定する必要があります。
次の段階ではFlash Playerを利用しているサイトを開こうとすると警告が表示されるようになります。その次の段階ではデフォルトで無効化されます。2020年末にはFlash Playerが動作できなくなり、2021年には完全にブラウザから削除される予定です。
Microsoft
MicrosoftからはWindows向けのブラウザのInternet ExplorerとMicrosoft Edgeがリリースされています。どちらもWindows PCにはプリインストールされているのでWindowsユーザーにはなじみ深いものです。
Microsoftでのブラウザへのサポートの対応は、IEとEdgeで若干の違いがありますが、2019年内にはデフォルトで無効化して、2020年末には完全にブラウザから削除する方針です。
Apple
Apple社のMacにはSafariが搭載されていますが、そもそもFlash Playerの脆弱性を指摘したのがスティーブ・ジョブズだったということから、2010年からすでにプリインストールはされなくなっています。ユーザーが自分の意志で利用することはできますが、その際でもWEBごとに指定しなければ実行できないようになっています。
Flash終了に向けてセキュリティリスクを回避するための対応法について
Flash Playerにはセキュリティリスクがあることから、終了を待たず現在でもリスクを回避するために対処した方がいいと言われています。こちらではFlash終了に向けて今できる対処法についてみていきましょう。
ブラウザで無効にする方がいい
まずPCで使っているブラウザでは無効にした方がいいでしょう。すでにブラウザによってはセキュリティサポートのアップデートによって、Flash Playerを実行するときに警告が表示されるようになっていますが、まだ無効化されていない場合には無効化しておいた方がセキュリティリスクを回避する上では無難です。
主要なブラウザでFlashを無効にする方法
主要なブラウザでFlashを無効化する方法についてみていきましょう。
Google Chrome
Google Chromeの設定を開きます。「プライバシーとセキュリティ」>「サイトの設定」>「Flash」と進みます。「サイトでのFlashの実行をブロックする」をオンにすると完全にFlashを無効化できます。
Firefox
Firefoxではすでにデフォルトの設定でFlash Playerの実行に許可が必要になっているので、特に設定する必要はありません。
IE
IEを開いたらブラウザの右上の歯車マークをクリックして「アドオンの管理」をクリックします。「ツールバーと拡張機能」をクリックして、「Shockwave Flash Object」を右クリックして、「無効にする」を選択するとFlash Playerが無効になります。
Safari
Safariでは「Safari」>「環境設定」>「セキュリティ」と進んで「プラグイン設定」を開きます。プラグインの一覧からFlash Playerを選んで「無効」をクリックすれば無効になります。
Flash Player終了に向けて対策を始めていこう!
この記事では2020年に完全終了するAdobe Flash Playerへの対応方法についてみてきました。開発者の人やサイトやアプリの運営者は既にHTML5への移行を進めていると思いますが、まだ対応をしていないのなら早めに着手することをおすすめします。
またユーザーにとってはFlash Playerはリスクが高いので、早めに無効にしてできるだけFlash Playerを利用しているサイトは使わないようにすることが大切です。