Audacityの基本的な使い方!音声編集ソフトの操作方法をわかりやすく解説!
音声編集ソフト・Audacityは、無料で使えるフリーソフトながら有料ソフトに引けを取らない高性能ツールです。使い方も非常に簡単で、感覚的な操作で音楽ファイルのトリミングやエフェクトの追加などを行えます。Audacityの使い方を基本からまとめました。
目次
- 1Audacityの使い方【ソフトの準備】
- ・Audacityって何?
- ・Audacityの導入方法
- 2Audacityの使い方【メニュー画面の基本操作】
- ・トラック画面
- ・トランスポートツールバー
- ・ツールバー
- ・ミキサーとメーター
- ・デバイスツールバー
- ・編集ツールバー
- 3Audacityの基本的な使い方
- ・エコーのかけ方
- ・カラオケ用の音源を読み込み
- ・ハモリの録音
- 4Audacityの使い方【カスタマイズ設定】
- ・マウスの設定
- ・キーボードの設定
- ・エフェクトの設定
- ・ライブラリの設定
- ・取り込みと書き出しの設定
- 5Audacityの使い方【データを書き出す】
- ・MIX師に書き出すデータ
- ・書き出しの仕方
- 6Audacityの使い方を覚えて録音してみよう!
Audacityの使い方【ソフトの準備】
カラオケやナレーション音声などを加工するために初心者でも簡単に使える音声編集ソフトをお探しなら、「Audacity(オーダシティ)」というソフトがおすすめです。
ここでは、Audacityの特徴やインストール方法について解説していきます。
Audacityって何?
Audacityは、アメリカのソフトウェア開発団体・Audacity Teamが2000年5月にリリースした音楽・音声編集ソフトです。WindowsやMacなどのパソコン上で動作し、オーディオファイルの加工や書き出しを行うことが出来ます。
- トリミング、ピッチ補正、エフェクト追加など多彩な編集に対応
- 音声・音楽データを読み込むだけでなく、マイクを接続して録音データを直接取り込み・編集することができる
- 複数の音声ファイルを用いたマルチトラックに対応
- 外部プラグインを追加して機能を拡張できる
- 海外製のソフトながら日本語に完全対応
・収録時、「サー」というホワイトノイズが入ってしまうのは、audacityという波形編集のフリーソフトにある、エフェクト→ノイズの除去という機能を使うと、結構消えます。また、パソコンとマイクの間にオーディオインターフェース(小さいミキサーみたいの)を入れると効果的。
— 奏声爾(ソーセージ) (@sou_seiji) February 3, 2019
各機能をメニュー画面から呼び出せるシンプルな操作仕様になっており、音声編集の専門知識の無い方でも比較的簡単に使いこなすことが出来ます。
しかも利用料金が無料で、追加費用などは一切ありません。趣向を凝らした音声データを作成したい方におすすめの逸品です。
Audacityの導入方法
Audacityを使用するためには、最初にAudacityを自分のパソコンにインストールする必要があります。Audacityのセットアップ手順を見ていきましょう。
ソフトのダウンロード
以下のリンクにアクセスして、「窓の杜からダウンロード」のボタンをクリックしてください。自動的にAudacityのインストーラのダウンロードが始まります。
Mac版のAudacityは、公式サイトのダウンロードページから入手できます。
言語設定
ダウンロードしたインストーラをダブルクリックすると、インストールウィザードが立ち上がります。言語の選択画面が表示されたら、「日本語」を選択して「OK」をクリックしてください。
セットアップ方法
セットアップウィザードの開始画面が表示されます。「次へ」をクリックしてください。
規約のチェック
Audacityの利用規約が表示されます。一通り目を通したら、「次へ」をクリックしてください。
インストール先を決定
Audacityのインストール先を指定します。特に変更する必要が無ければ、そのまま「次へ」をクリックしてください。
追加タスクを設定
追加タスクの選択画面が表示されます。「デスクトップ上にアイコンを作成する」のチェックボックスをオンにして「次へ」をクリックしてください。
インストールボタンを押す
インストールの設定内容に目を通し、問題がなければ「インストール」をクリックしてください。
Audacityのインストールが始まります。終了するまで気長に待ちましょう。
もう一度規約確認
インストールが終わったら、再びAudacityの情報が表示されます。「次へ」をクリックしてください。
「完了」をクリックしてウィザードを閉じてください。「Audacityを実行する」のチェックボックスをオンにしていれば、自動的にAudacityが起動します。
Audacityの使い方【メニュー画面の基本操作】
Audacityの基本機能はメニューバーやツールバーにまとめられており、最短わずか1クリックで操作することが出来ます。
Audacityのメニュー画面の構成や使い方を見ていきましょう。
トラック画面
Audacityに追加した音楽・音声ファイルの編集状況が表示されるエリアです。上下に広がる青い波形が音声の大きさを表しており、再生中は「シークバー」と呼ばれる縦棒が左から右に向かって移動します。
- ×:トラックを削除
- 「音声1」:トラック名(自分で変更可能)
- ミュート:オンにすると音声が再生されなくなる
- ソロ:そのトラック以外の全てのトラックをミュートにする
- -・+:トラックの音量の大きさ(ゲイン)を設定
- L・R:パン(音の左右への振り分け)を設定
- △:トラックを最小化
- 選択:そのトラック全体を選択する
トランスポートツールバー
トラックに関する各種基本操作を行うエリアです。
- ‖:再生中に押すと一時停止できる
- ▷:再生する(Spaceキーと同じ、SHIFT+Spaceキーでループ再生)
- □:再生中に押すとストップする
- ◁◁:シークバーをトラックの最初まで戻す(Homeキーと同じ)
- ▷▷:シークバーをトラックの最後まで進める(Endキーと同じ)
- 〇:録音を開始する(通常は現在のトラックの最後尾に録音データが付加されるが、SHIFTを押しながら録音を開始した場合、シークバーの位置から新しいトラック上に録音データが生成される)
ツールバー
音声編集機能を操作するエリアです。
- 選択ツール:トラック上の特定の部分を選択する
- エンベロープツール:トラック上の波形の大きさをコントロールする
- 描画ツール:トラック上の波形の大きさをピンポイントでコントロールする
- 拡大ツール:トラック上の波形の表示率を変更する
- 移動ツール(タイムシフトツール):トラック上でクリップを前後に移動させる
- マルチツールモード:上記のツールを1つにまとめたツール
ミキサーとメーター
トラックの音の大きさを調節するエリアです。
- ミキサーツールバー:再生・録音のボリュームを調整する
- 再生メーター:再生中の音声の大きさが表示される
- 録音メーター:録音中の音声の大きさが表示される
デバイスツールバー
再生・録音に使用するデバイスやチャンネルを指定するエリアです。
- MME:通常のドライバ
- Windows DirectSound:音の遅延を抑えたドライバ
- Windows WASAPI:PC上の音声を録音する時に最適なドライバ
- モノラル:ナレーションなどの音声を録音するモード
- ステレオ:音楽などを録音するモード
編集ツールバー
音声編集機能を操作するエリアです。ツールバーの「選択ツール」で範囲指定した後に組み合わせて使用することが多いです。
- 切り取り:Ctrl+X
- コピー:Ctrl+C
- ペースト:Ctrl+V
- トリミング:Ctrl+T(選択範囲以外を無音化)
- ミュート:Ctrl+L(選択範囲を無音化)
- アンドゥ:Ctrl+Z(直前の操作を取消)
- リドゥ:Ctrl+Y(アンドゥの取り消し)
- 拡大・縮小:Ctrl+1、Ctrl+3(トラックの表示倍率を変更する)
- 選択範囲をウィンドウに合わせる:Ctrl+E
- プロジェクトをウィンドウに合わせる:Ctrl+F
- 拡大切り替え:Shift+Z(あらかじめ設定された二つの表示倍率モードに交互に切り替える)
- 変速再生:トラックの再生速度をコントロールする
Audacityの基本的な使い方
Audacityでは、以下のような流れで音声・音楽データの編集を行っていきます。
- 「録音」または「ファイル」メニューから音楽・音声データを読み込んでトラックにオーディオデータを追加する
- 移動ツールで各トラックの位置を調節したり、選択ツールで編集したいトラックの部分を指定したりする
- ボリューム調節やエフェクト追加などを行う
- 再生ボタンを押して音声を確認しながら編集を続ける
- 編集データを書き出して完了
ここでは、Audacityの基本的な使い方を見ていきましょう。
エコーのかけ方
トラックの音声データに反響効果を加えたい時は、エフェクトの「エコー」を適用しましょう。
- エコーをかけたいトラックを選択する(一部分のみでもOK)
- メニューバーの「エフェクト」をクリックし、「エコー」を選択する
- 「ディレイ時間」や「減衰倍数」のパラメータを調整する
- 「プレビュー」をクリックして結果を確認する
- 「OK」をクリックする
音声の合成の仕方
Audacityに複数のトラックを追加することで、各音声データを合成することも可能です。
- メニューバーの「ファイル」から「取り込み」→「音声の取り込み」を選択する
- 合成したい音声データを指定する
- 音声データがAudacityの新規トラックとして追加される
- 再生ボタンを押して合成結果を確認する
- ずれている場合は、ツールバーの移動ツール(タイムシフトツール)を選択して各トラックの位置を調整する
なお、メニューバーの「ファイル」から「開く」を選択すると、追加ではなく新しいAudacityプロジェクトが生成されてしまうので注意してください。
カラオケ用の音源を読み込み
Audacityで自分のカラオケを編集することも可能です。インターネットで検索して任意のカラオケ音源ファイルをダウンロードしたら、Audacityにカラオケ音源を取り込みましょう。
- メニューバーの「ファイル」から「開く」を選択する(「取り込み」→「音声の取り込み」でもOK)
- 使用するカラオケ音源ファイルを選択する
- Audacityの新規トラックにカラオケ音源が追加される
歌のレコーディングの仕方
続いて、そのカラオケ音源を再生しながら自分のカラオケを録音しましょう。
- パソコンに接続してあるマイクで歌う準備をする
- シークバーをトラックの最初の位置に戻す
- SHIFTキーを押しながらトランスポートツールバーの赤丸(録音)ボタンをクリックする
- カラオケ音源が再生されながら録音が行われるので、全力で熱唱する
- 歌い終わったら停止ボタンを押す
録音のやり直ししたい時の編集
シークバーを最初に戻してから再生ボタンを押すと、録音データを聴き直すことが出来ます。もしも気に入らない箇所があったらリテイクしましょう。
- リテイクしたい箇所にシークバーを移動させる
- SHIFTキーを押しながらトランスポートツールバーの赤丸(録音)ボタンをクリックする
- カラオケ音源が再生されながら録音が行われるので、全力で熱唱する
- 歌い終わったら停止ボタンを押す
- リテイク前のトラックは範囲指定してミュート(Ctrl+L)する
ハモリの録音
カラオケがソロパートだけだと物足りない、ハモリ音声もAudacityに追加したい、という場合は、MIX師と呼ばれる音楽のプロに依頼して、メインボーカルデータからハモリ音声を生成してもらうことも可能です。
しかし当然のことながらMIXの依頼料は有料であり、高度なMIXになるほど料金が高くなります。1万円以上かかることも珍しくなく、単なる趣味で頼むにしては出費が高額です。
また、メインボーカルデータの音程を変えてハモリを作成するため、機械的なサウンドになってしまうというデメリットもあります。
ハモリの音程
ハモリパートも自分で歌いたいという方は、インターネットで検索して「コーラス入りのカラオケ音源」をダウンロードすると良いでしょう。
自分ではハモリ音程が分からないという方でも、手本を参考にしてハモリパートを練習することが出来ます。準備が整ったら、Audacityにハモリパートも録音しましょう。
ハモリの録音の仕方
Audacityにハモリを録音する操作手順は、通常のレコーディングと基本的には同じ流れです。
- パソコンに接続してあるマイクで歌う準備をする
- シークバーをトラックの最初の位置に戻す
- SHIFTキーを押しながらトランスポートツールバーの赤丸(録音)ボタンをクリックする
- カラオケ音源とメインボーカルパートが再生されながら録音が行われるので、ハモリパートを歌う
- 歌い終わったら停止ボタンを押す
もしもカラオケ音源やメインボーカルパートの音声が邪魔な時は、トラックの「ミュート」をクリックして音声を再生しないようにして録音することも出来ます。
なお、そのまま録音ボタンを押すと、ハモリパートのデータがどちらかのトラックの後ろに記録されてしまう可能性があるので気を付けてください。
Audacityの使い方【カスタマイズ設定】
Audacityには基本操作のカスタマイズ機能が実装されており、自分のスタイルに合わせて設定を調整することが出来ます。
メニューバーの「編集」をクリックして、「環境設定」を選択してください。
マウスの設定
「マウス」を選択すると、マウスの基本操作を確認することが出来ます。(変更は不可。)
キーボードの設定
「キーボード」を選択すると、キーボードの基本操作を確認することが出来ます。
キーボードのショートカットキーを割り当てることも可能であり、わざわざメニューバーから呼び出すのが面倒な操作は自分の覚えやすいショートカットキーに設定しておくと良いでしょう。
エフェクトの設定
「エフェクト」を選択すると、追加エフェクトの設定などを確認することが出来ます。基本的にはデフォルトのままで構いません。
ライブラリの設定
「ライブラリ」を選択すると、出力ファイルで使用するコーデックを追加することが出来ます。
昔のAudacityはMP3形式の出力に対応していなかったため、自分でLAMEを追加しないとMP3を活用した使い方が出来ませんでした。しかしバージョン2.3.2からLAMEがプリインストールされ、デフォルトでMP3形式のファイルを書き出すことが出来るようになっています。
なお、「FFmpegライブラリ」にて「avformat-55.dll」を選択すれば、動画から音声を取り込めるようにすることも可能です。
- 「場所を指定」をクリックして「ダウンロード」ボタンをクリックする
- 画面上で「ffmpeg-win-×××(バージョン番号).zip」と記載されたリンクをクリックしてzipファイルをダウンロードする
- 解凍してできたフォルダをAudacityのフォルダ(C:\Program Files (x86)\Audacity)に丸ごと移動させる
- FFmpegライブラリの「場所を指定」をクリックし、その「avformat-55.dll」を選択して「OK」をクリックする
取り込みと書き出しの設定
「取り込み/書き出し」を選択すると、音声ファイルの取り込み・書き出し時の変換設定をカスタマイズすることが出来ます。
基本的にはデフォルトのままで問題ありませんが、利便性を上げたい方は必要な項目にチェックを入れて使用すると良いでしょう。
Audacityの使い方【データを書き出す】
Audacityのメニュー画面で編集作業が完了したら、そのデータを音声ファイルとして書き出しましょう。AudacityはMP3・WAV・OGGなど様々なファイル形式での出力に対応しており、非常に汎用性が高いという特徴があります。
MIX師に書き出すデータ
もしもAudacityで録音したカラオケをMIX師に渡してカッコいいMIXに仕上げてほしい場合は、カラオケ音源・メインボーカルパート・ハモリパートを個別に書き出して提出する必要があります。
全てのトラックが合成された状態の音声ファイルを渡されてもMIX師は困るので、書き出す際には十分に注意してください。
ここからは、Audacityでの音声ファイル書き出し方法を見ていきましょう。
音声のミュートの仕方
まずは、書き出し対象であるトラック以外を全てミュートにしましょう。
トラックの画面左上にある「ソロ」をクリックすれば、他のトラックが自動的に全部ミュートになり、波形が青色から灰色になるはずです。
書き出しの準備
なお、もしもボーカルデータが複数ある場合は、面倒ですが何回かに分けて一つずつデータを書き出してください。
メニュー画面で書き出し対象であるトラック以外が全てミュートになっていることを確認したら、実際に音声ファイルの書き出しを実行します。
書き出しの仕方
Audacityの音声ファイル書き出し方法は非常に簡単です。基本的には画面の指示に従って必要事項を設定していくだけでよいので、初心者でもすぐに音声ファイルを出力することが出来ます。
具体的には、以下の手順を実行してください。
ファイルをクリック
- メニュー画面左上の「ファイル」をクリックする
- 「書き出し」を選択する
- 音声形式を選択する(非圧縮のWav形式で書き出す場合は「WAVとして書き出し」をクリックする)
オーディオに書き出して完了
- 「ファイル名」を入力して「保存」をクリックする
- 必要に応じて、メタデータタグの編集を行う(不要なら何も入力しなくて良い)
- 「OK」をクリックすると、WAVファイルがライブラリフォルダ(C:\Users\×××(ユーザー名)\Documents\Audacity)に作成・保存される
後は、書き出した各音声ファイルを全てMIX師に提出するだけです。メール、SNS、アップローダーなど、指定された方法で渡せば良いでしょう。
Audacityの使い方を覚えて録音してみよう!
今回は、Audacityの特徴やインストール方法、使い方などをご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
- Audacityは、音楽・音声データのトリミング、合成、エフェクト追加などの使い方に対応した無料音声編集ソフト
- 各種機能がメニュー画面にまとめられていて、初心者でも扱えるほど使い方が簡単
- Audacityに音源を読み込んでから「SHIFTキー+録音ボタン」を押せば、カラオケを流しながら自分の歌を録音することが出来る
- マルチトラックに対応しているので、ハモリパートの追加も可能
- メニューバーの「ファイル」→「書き出し」から様々なファイル形式での出力を行える
Audacityの使い方を習得すれば、ナレーションデータや歌ってみた動画の編集時に大変重宝します。初心者でも簡単に使える無料音声編集ソフトをお探しの方は、ぜひ本記事を参考にしてAudacityをインストールしてみてください。