2019年12月05日更新
Yahoo!ブログが終了になる理由と移行方法!他のサービスはどうなる?
Yahoo!ブログが2019年12月15日に終了します。サービスが終了した12月16日以降はYahoo!ブログを閲覧できなくなるため、他のブログサービスにデータを移行させる必要があります。Yahoo!ブログが終了する理由や移行方法などをまとめました。
目次
Yahoo!ブログが12月に終了!その理由は?
2019年2月28日、Yahoo!Japanは同社のブログサービス「Yahoo!ブログ」を2019年12月15日をもって終了することを発表しました。
Yahoo!ブログは、「誰もが情報発信できる」をコンセプトに立ち上げられた大人気コンテンツです。2005年にスタートして以来、一般人から著名人まで多くのインターネットユーザーに活用されてきた歴史があります。
なぜ大手ブログサービスのYahoo!ブログが終了に至ったのか?Yahoo!ブログのサービスが12月に終了する理由を考察してみましょう。
システムにかかる維持費などの運用問題
Yahoo!ブログのサービスが終了する理由について、Yahoo!ブログの公式サイトには以下のような記述があります。
「サービスを取り巻く現在の市場環境や技術的な運用課題、今後の事業方針など、様々な要因をふまえて総合的に検討し、これ以上の継続が難しいと判断し、サービスを終了することにいたしました。」
運営にとっても、今回のYahoo!ブログ終了は苦渋の決断だったことが分かります。
Yahoo!ブログのサービスが終了することになった理由の一つとして、システム維持コストの問題が考えられます。
「ユーザーがテキストや画像などを投稿するだけのブログサービスは、低コストで簡単に運用できるのでは?」と思っている方もいますが、実はそうとは限りません。
ブログサービスの運用には、OSやミドルウェア等の定期的なメンテナンス・バージョンアップが不可欠です。レベルの高いサービス環境を維持し続けるためには、人的リソースだけでなく金銭的負担も桁違いの規模となります。
大手企業のヤフー株式会社ですら音を上げるほど、Yahoo!ブログのシステム運用コストは経営面の懸念材料になっていたようです。
ブログサービスの市場環境
Yahoo!ブログのサービスが終了することになった二つ目の理由として、ブログサービスを取り巻く市場環境の変化が挙げられます。
インターネットの黎明期には、誰もがネット上で自由に自分の意見を発信できるブログサービスは注目の的でした。
しかし現代では、YouTube・Facebook・Twitter・Instagramなど、もっと効率的に利用できるSNSが情報配信ツールとして普及しており、ブログの需要自体が低下傾向にあります。
インターネットにアクセスする方法としてPCよりもスマートフォンやタブレット端末を選ぶユーザーが増えていることも、PCユーザーに特化したYahoo!ブログの収益(広告収入)が伸び悩む要因の一つとなってきました。
Yahoo!ブログの運営はこの課題に対処するために、2017年からスマホユーザーをメインターゲットにしたYahoo!ブログのβ版を提供していました。
けれども、このプロジェクトは思うような成果を上げられないまま暗礁に乗り上げてしまいます。そして2019年4月15日時点で、Yahoo!ブログのβ版はサービスを先行終了しました。
Yahoo!ブログの新システムがインターネットユーザーから受け入れられていれば、違う結果になっていたことは想像に難くありません。
Yahooブログがデザインの一新を計画して、テストとしてβ版リリース
— ふくしまアニメ&テレビ情報局 (@Fukushima_AniTV) December 3, 2019
↓
今までのがいい!!という声もチラホラ
↓
β版リリース以降大きな動きがあまりなく
↓
突然ですが、事業継続が不可能と総合的に判断。
サービス終了します!!
という、なんとも言えない流れ。
Yahoo!の今後の事業展開
Yahoo!ブログのサービスが終了することになった三つ目の理由として、ヤフー株式会社の事業方針との兼ね合いも考えられます。
現在ヤフー株式会社は、PayPayを中心とした金融・ECサイト事業に力を入れています。Yahoo!ショッピングやLOHACOなど、Yahoo!Japanの関連サービスと提携したキャンペーンで利用者数を急増させ、ついにPayPayはスマホ決済のトップに躍り出ました。
将来性の高いモバイル決済事業に比べると、コストがかかるだけで収益が伸びないYahoo!ブログは足枷的な存在。
すでにヤフー株式会社は以下のようなサービスも続々と終了しており、Yahoo!ブログも「リストラ」の波にのまれてしまったようです。
終了が決まったサービス | サービス終了時期 |
---|---|
Yahoo!ジオシティーズ | 2019年3月末 |
ネタりか | 2019年10月16日 |
ペタットカレンダー | 2019年10月23日 |
Yahoo! QRコードリーダー | 2020年1月31日 |
Yahoo!ファイルマネージャー | 2020年3月31日 |
Yahoo!ブログから他のサービスに移行する方法
2019年12月16日以降、Yahoo!ブログのブログデータは閲覧できなくなります。(データは一定期間保存された後に廃棄される予定。)
しかしYahoo!ブログの運営は、「ブログ移行ツール」をユーザーに無償提供しています。このブログ移行ツールを使えば、それまでYahoo!ブログに書き溜めてきたブログデータを無料で他社のブログサービスに移行可能です。
ただし、ブログ移行ツールを使えるのは2019年12月15日までの期間限定です。12月16日以降は利用できません。
移行後にURLが変わってしまうのが難点ですが、せっかく積み上げてきたYahoo!ブログのブログデータを無駄にしたくない方は、できるだけ早くブログ移行ツールを活用しましょう。
移行できるサービス
Yahoo!ブログのブログ移行ツールは、これから紹介する4つのブログサービスへの移行に対応しています。
ちなみに、移行先のブログサービスが独自に提供している引越しツールを使えば、移行対象になっていない他のブログサービスへの移行も可能です。
この方法ならYahoo!ブログの公式ブログ移行ツールでは出来ないコメントの移行もできるメリットがありますが、動作保証が無いので自己責任になることにご注意ください。
はてなブログ
株式会社はてな(Hatena)が運営しているブログサービス。「はてなブックマーク」などのサービスと連動しており、自分のコンテンツがバズりやすいメリットがあります。
社会通念上問題のある商品でなければアフィリエイトリンクを貼ることもできるため、ブログで収益化したい方におすすめです。
ライブドアブログ
LINE株式会社が運営しているブログサービス。大人気SNSのLINEアプリでブログの更新通知を受け取れるため、多くのSNSユーザーの流入を見込めるメリットがあります。
他社に比べてオシャレなブログデザインのテンプレートが充実。また、Yahoo!ブログで使用していた絵文字データもそのまま引き継ぎできるのが特徴的です。
Seesaaブログ
シーサー株式会社が運営しているブログサービス。使い方が簡単で、初心者の方でもすぐにブログ配信を始められるメリットがあります。
しかし利用規約が厳しく、3か月以上更新がないブログは自動的に削除されます。スマホ版の広告表示が鬱陶しいという評判もあり、PCユーザー向けに趣味で継続的に配信したいブロガー向けのサービスと言えるでしょう。
アメーバブログ
株式会社サイバーエージェントが運営している国内人気ナンバーワンのブログサービス。一般人から芸能人まで多くのブロガーが在籍。一日のアクセスが1,000万人を超えており、PV数を増やしやすいメリットがあります。
ペタ、アメンバーなど、ユーザー同士で交流を図ることのできるSNS機能があり、コミュニケーション性を重視するなら断然おすすめです。
移行できるデータ
ブログ移行ツールを使ってYahoo!ブログから他社のブログサービスに移行できるデータは、「記事タイトル」・「記事本文」・「Yahoo!ブログにアップロードした画像」・「投稿日時」などです。
移行先のブログサービスによって移行できるデータと移行できないデータがあるので、詳細は以下の表を参照してください。
ブログデータ | はてなブログ | ライブドアブログ | Seesaaブログ | アメーバブログ |
---|---|---|---|---|
記事タイトル | 〇 | △ ※全角80文字程度 |
〇 | △ ※48文字まで |
各記事本文 | 半角650,000文字程度 | 全角50,000文字程度 | 130,000文字程度 | 半角40,000文字まで |
記事の公開/非公開 | 「公開」はそのまま移行、それ以外のステータスは「下書き」として移行 | |||
文字列装飾 | 〇 | 〇 | △ ※斜体・引用は不可 |
〇 |
Yahoo!ロコのスポット情報 | URLの形で移行 | |||
画像 (Yahoo!ブログにアップロードしたもの) |
△ ※はてなブログのインポートツールで別途アップロードする必要あり |
〇 | 〇 | 〇 |
画像 (ブログ内に埋め込んだもの) |
△ ※はてなブログのインポートツールで別途アップロードする必要あり |
× | × | × |
画像容量 | 15GBまで | 10GBまで | 10GBまで | 1TBまで ※1画像あたりの容量が3MBを超える場合はサムネイルのみ移行 |
絵文字 | 〇 | 〇 | 〇 | △ ※一部対象外あり |
移行先ブログの状態 | 開設済みであることが条件 (テーマ設定の変更や他の記事の有無は関係なし) |
開設済みであることが条件 (テーマ設定の変更や他の記事の有無は関係なし) |
開設済みで記事数0かつテーマ設定がデフォルトであることが条件 | 開設済みであることが条件 (テーマ設定の変更や他の記事の有無は関係なし) |
書庫 | 〇 ※名称変更:カテゴリ |
〇 ※名称変更:カテゴリ1 |
〇 ※名称変更:カテゴリ |
〇 ※名称変更:テーマ |
書庫の公開/非公開 | 「公開」はそのまま移行、「非公開」の場合は書庫名のカテゴリへの追加を行わない | 「公開」はそのまま移行、「非公開」は「カテゴリなし」として移行 | 「公開」はそのまま移行、「非公開」は「未分類」のカテゴリに移行 | 「公開」はそのまま移行、「非公開」は「Yahoo!ブログ移行」のテーマに移行 |
カテゴリ | 〇 | 〇 ※名称変更:タグ |
〇 ※名称変更:ラベル |
△ ※名称変更:ハッシュタグ(各ワードの頭に「#」が入る) |
wiki文法 | HTMLの形で移行 | |||
アフィリエイト | 〇 | |||
歌詞の引用 | 〇 | |||
ブログタイトル | × | |||
ブログヘッダ画像 | ||||
転載記事 | ||||
画像の配置情報 | ||||
コメント・トラックバック・メッセージ | ||||
ブログパーツ | ||||
ブログ設定機能全般 |
移行ツールを利用して移行する手順
それでは、Yahoo!ブログのブログ移行ツールを使って実際にブログデータを移行させる方法を解説していきます。
まずは、すでに紹介した4つの他社ブログサービスの中から好きなものを選択し、移行先のブログを新規開設しておいてください。(条件が合えば、すでに開設済みのブログでもOK。)
続いて以下のリンクにアクセスし、Yahoo!ブログのブログ移行ツールに必要事項を入力して移行予約を実行してください。
- 移行可能なYahoo!ブログ:データを移行させたいYahoo!ブログを選択する
- 移行先ブログサイト:移行先のブログサイトを4つの中から選択する
- 移行先ブログURL:移行先ブログのトップページのURLを入力する
- 移行用コード:移行先ブログで発行された移行用コードを半角英数字で入力する(詳細は各ブログサービスのヘルプ等を参照)
- 移行先ブログへの自動転送設定(リダイレクト):Yahoo!ブログから移行先ブログへのリダイレクトを設定したいならチェックボックスをオフにする
ブログデータ移行の進捗状況等が画面に表示されます。「移行完了」のステータスが出るまで気長に待ちましょう。
データ量が多い・回線が混雑している等の理由により、完了まで丸一日以上かかる可能性があります。一度予約設定を行えば後はYahoo!ブログのサーバー内で作業が進むので、移行中に自分のPCの電源を切っても構いません。
なお、一つのYahoo!ブログにつき、一つの移行先ブログに1回だけ移行可能です。(異なるブログサービスへの移行はOK。)また、移行手続きを行うと、以後はYahoo!ブログの編集・投稿が出来なくなります。ご注意ください。
Yahoo!ブログ以外の他のサービスの今後どうなる?
業界大手のYahoo!ブログがサービスを終了するというニュースが流れた際は、Yahoo!ブログのユーザーだけでなく他社のブログサービスを利用しているブロガーの間にも激震が走りました。
Yahoo!ブログの終了により、無料ブログサービス業界はどうなっていくのか?今後の展望を考察してみましょう。
他のサービスも終了していく可能性がある
結論から言えば、今後Yahoo!ブログ以外の無料ブログも終了に追い込まれていく可能性は極めて高いです。
その最大の理由は、Google検索のアルゴリズム変更にあります。
Googleは定期的に検索エンジンのアルゴリズムを変更しており、近年ではドメインスコア(ドメインパワー、ドメインオーソリティー)が検索順位に及ぼす影響が大きくなってきています。
ドメインスコアは、アクセス数・更新頻度・記事の品質・SNS等の被リンク数などの条件によって決定されるサイトの信頼指標です。つまり、よほど知名度のある書き手でなければ個人ブログでGoogle検索の上位を狙うのは非常に難しいということです。
「無料ブログは不労所得の方法として非効率」という理由により、次第に多くのアフィリエイターがブログ稼業を終了するでしょう。
利用者が少なくなれば、連動するようにブログサービスが終了していくのは火を見るよりも明らかです。無料ブログで集客してアフィリエイトを行う収益モデルは、非常にリスクの高い方法であることを認識した方が良いでしょう。
無料ブログが運営できなくなる理由
そもそもシステム維持費の高いブログサービスを無料で提供できる理由は、ブログ記事に出稿している広告収入で運営費用をカバーしているからです。
アクセス数が減れば会社の収入も減ってしまい、経営が立ち行かなくなります。Googleのアルゴリズム変動は、個人ブロガーだけでなく企業にとっても深刻な問題です。
Yahoo!ブログの終了を切っ掛けに、無料ブログサービスのオワコン化が進む可能性が現実味を帯びてきました。
以前、ブログを書いていたけど、Yahoo!ブログなど無料のサービスは終了する日が来る。サービスが終了する事を聞いてからは書く気がしなくなり、更新しなくなってしまった。
— 銀翼 (@Ginyok747) November 30, 2019
次にブログを開設する時は、
独自ドメイン+レンタルサーバー+WordPressで行いたい。
今後のブログ運営にはSNS機能が必須?
数ある無料ブログサービスの中でもアメーバブログやはてなブログが安定した人気を誇っているのは、SNS機能を実装している点が大きいでしょう。
読者同士でコミュニケーションできる方法が用意されているため、単なる読み物とは一線を画す魅力があります。
SNSが隆盛を極めている現代、もはやGoogle検索だけに頼ったビジネスモデルは終了リスクを避けられません。今後のブログ運営には、集客方法としてTwitterやLINEなどのSNSを使えるサービスが求められることでしょう。
Yahoo!ブログから他のサービスに移行しておこう!
今回は、Yahoo!ブログが終了する理由の考察や他のブログサービスにデータを移行させる方法などをご紹介いたしました。最後に本記事の要点をまとめると、以下の5点が挙げられます。
- Yahoo!ブログが2019年12月15日に終了し、翌日以降はYahoo!ブログを閲覧できなくなる
- Yahoo!ブログ終了の理由として、SNS台頭によるブログ収益の伸び悩み・システム維持費の高騰などを理由とした事業方針の転換が考えられる
- ブログ移行ツールを使えば、記事タイトルや本文などのコンテンツを他社ブログサービスに無料で移行させられる
- ただしブログ移行ツールを利用できるのは2019年12月15日までで、全てのブログデータを移行できるわけではないことに注意が必要
- Yahoo!ブログの終了により、無料ブログを利用して稼ぐ方法そのものが終了していく可能性もある
読者との思い出が詰まったYahoo!ブログが終了してしまうのは残念ですが、新たな環境でブログ配信を続けるのも悪くないでしょう。
Yahoo!ブログを利用してきた方は、ぜひ本記事を参考にして2019年12月15日が終了する前にブログデータを移行しておいてください。