2019年03月23日更新
Windows10のウイルス対策はDefenderで十分?無料のセキュリティソフトも紹介!
Windows10の純正ウイルス対策ソフト「Defender」の性能と実力を徹底調査! セキュリティ対策はDefenderだけで十分なのか検証します。おすすめの無料セキュリティソフトもご紹介します。Windows10のウイルス対策にぜひ活用してください。
目次
- 1Windows10ウイルス対策のDefenderとは
- ・常時監視
- ・PCファイルの保護
- ・ランサムウェアやトロイの木馬をシャットアウト
- ・EMET が Defenderに統合
- 2Windows10でウイルス対策のDefenderがカバーできない部分
- ・迷惑メールブロック
- ・広告ブロック
- ・ふるまい機能
- 3Windows10のウイルス対策はDefenderで十分?
- 4Windows10のDefenderと市販のセキュリティソフトの比較
- ・AV-Comparativesとは
- ・AV-Comparativesで読み取れるDefenderは
- 5Windows10のセキュリティをチェックする方法
- ・公式ブログ
- 6ウイルス対策無料のセキュリティソフトをご紹介
- ・アバスト無料アンチウイルス
- ・AVGアンチウィルス
- ・キングソフト インターネットセキュリティ
- ・Avira Free Antivirus
- 7Windows10のウイルス対策を安全にしよう
Windows10ウイルス対策のDefenderとは
従来のWindowsのセキュリティ対策はそれぞれのユーザーに委ねられていましたが、それだけでは近年増加する深刻なウイルス被害に十分対応できません。Windows10に最初からインストールされているセキュリティ対策ソフト「Defender」は、こうした驚異からユーザーを守ってくれるための強い味方です。
DefenderはWindowsの開発元であるMicrosoftが開発しただけあって、Windows10との相性は抜群です。新しいセキュリティ機能も「Windows Update」を通じて随時追加されているので、常に最新で安全な状態を保ってくれます。Defenderには、主に4つの機能があります。
普段ユーザーが操作することはありませんが、何ができるのか理解しておきましょう。
常時監視
Defenderには、365日24時間バックグラウンドで動作し、リアルタイムで悪意のあるウイルスが侵入していないか監視するアンチウイルス機能が搭載されています。万が一ウイルスが侵入しても、自動的に検知・駆除・遮断してくれます。
PCファイルの保護
DefenderはWindows10に保存しているファイルを定期的にスキャンし、ウイルスに感染していないかどうかを調べてくれます。特に、インターネットを経由してダウンロードしたファイルの保護に役立つでしょう。
ランサムウェアやトロイの木馬をシャットアウト
Defenderには、マルウェアの中でも最も危険度が高いランサムウェアやトロイの木馬をシャットアウトしてくれる「コントロールされたフォルダーアクセス」機能が搭載されています。この機能をオンにしておけば、許可されたアプリ以外はデータの書き込みができなくなるので、セキュリティを大幅に高めることができます。なお、同機能は手動でオンにする必用があります。
万が一感染しても、ほかのパソコンに接続すればWindows10のデータを復旧することが可能です。
「コントロールされたフォルダーアクセス」をオンにする
- 画面左下のWindowsのアイコンをクリックし、「設定」を開く
- 「更新とセキュリティ」をクリックする
- 「Windowsセキュリティ」をクリックする
- 「Windows Defenderセキュリティセンターを開く」をクリックする
- 「ウイルスと驚異の防止」をクリックする
- 「ランサムウェアの防止」をクリックする
- 「コントロールされたフォルダーアクセス」をクリックしてオンにする
EMET が Defenderに統合
Windows10の大型アップデート「Fall Creators Update」から、アプリの脆弱性を監視して保護する「EMT(Enhanced Mitigation Experience Toolkit)」が、「Exploit Protection」という名称に代わってDefenderに統合されました。アプリの脆弱性を付いて攻撃してくるゼロデイ攻撃のリスクを低減してくれます。基本的に設定を変更する必用はありません。
Windows10でウイルス対策のDefenderがカバーできない部分
無料ながら高機能なアンチウイルス機能を搭載したWindows10のセキュリティ対策ソフト「Defender」ですが、残念ながら全ての分野において万能ではありません。ここでは、Defenderが十分にカバーしきれない3つの部分を解説します。
迷惑メールブロック
Defenderは、迷惑メールブロックの機能は搭載していません。また、Windows10標準のメーラーである「メール」にも同機能が搭載されていません。
広告ブロック
Webページを見ているときには、ポップアップ広告や追跡型広告が煩わしいほど表示されることがよくあります。Defenderだけでなく、Windows10の標準Webブラウザ「Microsoft Edge」や「Internet Explorer」には、こうした邪魔な広告をブロックしてくれる広告ブロック機能は搭載されていません。
ふるまい機能
ウイルスやマルウェアが動作するときには、特有の動きを行います。ふるまい機能とは、こうした特有の動作を検知して未然に被害を防ぐことができる機能のことです。Defenderには、このような「ふるまい機能」も搭載されていません。
Windows10のウイルス対策はDefenderで十分?
ここまで、Defenderの主要な機能やカバーしきれない分野をご紹介してきました。結論から言えば、Defenderは無料ということを考えれば概ね優秀なものの、機能面では市販及び無料ソフトに劣ります。Windows10のウイルス対策は、Defenderだけでは全てにおいて十分とはいえません。
万全な対策を講じるためにも、市販または無料のアンチウイルスソフトの導入をおすすめします。
Windows10のDefenderと市販のセキュリティソフトの比較
続いて、Windows10のアンチウイルスソフト「Defender」が、市販のセキュリティソフトと比較してどれくらいのレベルにあるのか見てみましょう。
AV-Comparativesとは
「AV-Comparatives」とは、パソコンやスマートフォン向けのセキュリティソフトを、第三者の観点から比較・評価する組織のこと。世界各地のユーザーがテスターとして参加しています。AV-Comparativesに評価されたセキュリティソフトは世界にその性能が認められたセキュリティソフトであることを意味しており、セールスポイントとして消費者にアピールすることができます。
AV-Comparativesで読み取れるDefenderは
「Defender」がこれまでに参加したAV-Comparativesの4部門のテストから、性能を読み取っていきましょう。
実利用環境での保護テスト
実利用環境での保護テスト(Real-World Protection Tests)とは、Webブラウジング中に各セキュリティ対策ソフトがオンライン上の脅威からどこまでパソコンを保護できるのかを検証したテストです。悪意のあるWebサイトへのリンクをクリックしたときや、脆弱性のあるファイルのダウンロードを行っているときなどに、どこまで保護できるのかあらゆる機能を使って試しています。テスト結果は、2018年7月~11月に集計されたものを参照しました。
棒グラフの赤色の部分(Compromised)は自動的に侵入してきたウイルスを防げなかった部分、黄色(User dependent)はユーザー自らがウイルスを招いてしまい防げなかった部分、灰色(Blocked)はウイルスやマルウェアをブロックできた部分です。折れ線グラフは誤検出の多さを表しています。
このテストにおいて、Defnderは2つ星(やや優秀レベル)を獲得しています。Defenderは誤検出こそ多いものの、市販のソフトと比較しても見劣りしないアンチウイルス機能を有しています。
パフォーマンステスト
パフォーマンステストとは、ウイルス対策ソフトが及ぼすパソコンへの負荷を調べたテスト。パソコンの動作速度に関連してきます。2018年10月に実施されたテストの結果を参照しています。
Defenderは、アプリのインストール&アンインストール、ファイルのコピー速度に特に負荷がかかりやすいようです。残念ながら、ほかのソフトと比較して動作性が優れているとは言えません。Defenderは全18製品中最下位で、この分野においては1つ星(標準レベル)を獲得しています。
マルウェア対策テスト
マルウェア対策テストとは、各セキュリティ対策ソフトのウイルス、マルウェア、トロイの木馬などを検知・保護機能を検証したテストです。オンラインとオフライン時、誤検出率の4項目をテストしています。2018年9月に実施された結果を参照しています。
Defenderはオンライン時の検出率・保護率において非常に高いスコアをマークしていますが、オフライン時の検出率はやや低く、誤検出率もやや多めです。このテストにおいてDefnderは全18製品中7位、2つ星(やや優秀レベル)を獲得しています。
マルウェア除去テスト
マルウェア除去テストとは、トロイの木馬やワームウェアなどのマルウェア40種類を使って除去率を検証したテストです。2017年に実施されたテストの結果を参照しています。
Defenderは、70ポイントの除去率で、全17製品中15位でした。特にトロイの木馬の除去に強いですが、ランサムウェアやバックドアに対しては脆弱性が見られます。この分野においては、Defenderは1つ星(標準レベル)を獲得しています。なお、現在は対策済みとなっているので安心してください。
総合評価
動作性やマルウェアの除去率は若干劣るものの、Windows10向けの無料アンチウイルスソフトの中では十分平均以上のレベルであると言えるでしょう。
Windows10のセキュリティをチェックする方法
Windows10のセキュリティ情報は、日本Microsoftのセキュリティチームが、その都度公式ブログで詳細な情報を配信しています。
公式ブログ
Windows10のセキュリティ情報が頻繁に配信されており、更新プログラムの配信日時も発表されているので、時間があれば定期的に確認しておくことをおすすめします。
ウイルス対策無料のセキュリティソフトをご紹介
ここでは、編集部が厳選したWindows10向けの無料セキュリティ対策ソフトを紹介します。いずれも無料ながら多機能で高性能、Defenderがカバーしきれない分野も十分カバーしてくれます。セキュリティ対策ソフト選びの参考にしてください。
アバスト無料アンチウイルス
- 開発者:アバストソフトウェア
- 対応環境:Windows7/Windows8/Windows8.1/Windows10
- 対応システム:64bit
アバスト無料アンチウイルスは、Windows10に対応した無料のアンチウイルスソフト。AV-Comparativesの実施した実利用環境での保護テスト、パフォーマンステスト、マルウェア対策テスト、マルウェア除去テストの4部門においてすべて3つ星(優秀レベル)を獲得し、高い評価を得ています。無料版はウイルスやランサムウェアの検出・駆除機能、セキュリティの脆弱性対策機能、パスワードのセキュリティ保護機能を利用できます。
無料版でも十分に保護してくれますが、必用に応じてスパム・フィッシングメールのブロック機能やアプリの動作を仮想環境で安全に確認できるサンドボックス機能などを有料で追加していくことが可能です。
AVGアンチウィルス
- 開発者:AVG Technologies
- 対応環境:Windows7/Windows8/Windows8.1/Windows10
- 対応システム:32bit/64bit
AVGアンチウィルスは、ウイルスやスパイウェア、トロイの木馬、アドウェアなどをリアルタイムで検出・駆除してくれる無料アンチウイルスソフト。Windows10はもちろん、Mac OSやAndroid OSにも対応しています。AV-Comparativesの実施した実利用環境での保護テスト、パフォーマンステスト、マルウェア対策テストの3部門において3つ星(優秀レベル)、マルウェア除去テストにおいても2つ星(やや優秀レベル)を獲得しています。
このほかにも、Web攻撃や危険なダウンロードをブロックする機能や、安全でない添付ファイルをブロックする機能も利用できます。
アンチウイルスソフトはパソコンに負荷がかかりやすい製品が多く、利用する上で邪魔になる場合もあります。しかし、AVGアンチウィルスはスキャンの負荷を変更したり、指定した間隔で定期的に自動スキャンする設定など、パソコンを利用しやすい環境に設定できるので、快適な動作性もパソコンのセキュリティも十分に両立できます。
キングソフト インターネットセキュリティ
- 開発者:キングソフト株式会社
- 対応環境:Windows7/Windows8/Windows8.1/Windows10
- 対応システム:32bit/64bit
キングソフト インターネットセキュリティは、Windows10に対応した無料のアンチウイルスソフト。無料版はウイルス・マルウェアの検出・駆除、インターネットブラウジングの保護、パスワード管理、フィッシング対策機能などを利用できます。キングソフトには専門スタッフが常駐しているので、電話やメールでわからないことを問い合わせできるのも便利です。
なお、無料版は広告あり版と広告なし版を選択できます。広告なし版を選んでも、Webブラウザのスタートページが自動的に「StartHome」に設定されてしまうので、少々煩わしい面もあります。
キングソフト インターネットセキュリティの最大の魅力は、なんといっても軽量な動作性でしょう。インターフェース上で「PC加速」、または加速ボールと呼ばれる丸いパーセンテージが表示されたウィジェットをクリックすれば、バックグラウンドで動作しているシステムやアプリなどを停止し、動作速度を改善してくれます。
このソフト1つだけで、Windows10のセキュリティも動作性も十分に保つことができるでしょう。
Avira Free Antivirus
- 開発者:Avira Operations GmbH & Co. KG
- 対応環境:Windows7/Windows8/Windows8.1/Windows10
- 対応システム:32bit/64bit
Avira Free Antivirusは、高い検出力と動作性を兼ね備えたWindows10対応の無料アンチウイルスソフト。ウイルス、ワーム、トロイの木馬などのあらゆるマルウェアの検出力に定評があり、検出率は99.0%を誇ります。Defenderが苦手とする広告のブロック機能も搭載しています。
AV-Comparativesの実施した実利用環境での保護テスト、マルウェア除去テスト、マルウェア対策テストの3部門において3つ星(優秀レベル)、パフォーマンステストにおいても2つ星(やや優秀レベル)を獲得しています。
Avira Free Antivirusは軽量なので、スペックの低い古いパソコンやモバイルパソコンでも軽快に動作します。無料版でも十分過ぎるほどの機能を使用できますが、必用に応じてWebプロテクションやメール保護機能などを有料で追加することも可能です。
Windows10のウイルス対策を安全にしよう
Windows10は何もしなくてもある程度はDefenderが守ってくれますが、それだけでは決してウイルス対策は十分ではありません。大切なデータをウイルスやマルウェアの脅威などから守りたいなら、市販または無料のセキュリティソフトの導入は必須です。
ただし、使用するセキュリティソフトは1つだけに決めておきましょう。複数のセキュリティ対策ソフトをインストールすると、相互に干渉し合って誤作動を起こしたり、動作を遅くしたりする可能性があるからです。まずは、Windows10向けの無料ウイルス対策ソフトなどで、実際の使い心地を試してみることをおすすめします。