2019年04月09日更新
FilePostの安全性は?ファイル転送サービスのセキュリティや危険性を解説!
容量の大きな添付ファイルをメールで送れずに困ることがあります。今回は、そんな時に役立つ「FilePost(ファイルポスト)」というファイル転送サービスについて紹介します。FilePost(ファイルポスト)はインターネット経由のファイル送付手段の一つです。
目次
FilePost(ファイルポスト)とは
今回は、容量が大きいファイルを送る時に役立つFilePost(ファイルポスト)というファイル転送サービスの紹介と、FilePost(ファイルポスト)のセキュリティや安全性について紹介します。
添付ファイルつきのメールを送信しようとした際に、容量が大きすぎて相手に送れなかった経験は誰しも持っているはずです。そんなことが起きるのも、多くのメールサーバーがメールで送信できる添付ファイルのサイズに上限を設けているためです。
例えばGmailでは、添付ファイルの上限が25MB(メガバイト)とされ、25MBを超えた添付ファイルは送信時にエラーになります。また企業のメールサーバーであれば、上限が3MB程度といったところも少なくありません。
上限対策としてファイルを分割して、複数のメールに分ければ送信は可能です。ただし、メールを受け取った人が、分割されたファイルを結合する必要があり、相手に手間をかけてしまいます。
ファイル転送サービス
FilePost(ファイルポスト)などのファイル転送サービスは、メールの添付ファイルで送れないような、大きなサイズのファイルを送ることができます。
ファイルはFilePost(ファイルポスト)のクラウドサーバー上にアップロードされます。そのため、相手にダウンロード用のリンク(URL)が付いたメールを送信するだけで、簡単にファイルが送信できます。さらにメールサーバーの容量は使用しないため、気兼ねなく送信できます。
ただしこれらファイル転送サービスは便利な反面、情報漏洩などのセキュリティ面での危険性があります。この記事ではFilePost(ファイルポスト)を使用する上での注意点や安全性について紹介しています。是非参考にしてください。
大量のファイルを送信できる
FilePost(ファイルポスト)では、最大15ファイルまで同時にファイルを送信できます。ファイルの追加は、ブラウザ上にファイルをドラッグ&ドロップするだけで、簡単に送信するファイルを追加できます。
容量の大きいファイルを送信できる
FilePost(ファイルポスト)では、送信ファイルの合計が、3GBまでのファイルを送信できます。Gmailでは、添付ファイルの上限サイズが25MBなのに対し、FilePost(ファイルポスト)ではGmailに比べ120倍もの容量のファイルを送信できる勘定になります。
一度で複数の人に送信できる
FilePost(ファイルポスト)では、最大3名まで同時にメールが送信できます。また、ダウンロード用ページのURLを知っていれば、ファイルの保存期間内に誰でもダウンロードが可能です。そのため実質的な送信先は無制限と考えてOKです。
FilePost(ファイルポスト)の使い方
では早速、FilePost(ファイルポスト)でファイルを送信する手順を紹介します。以下のリンクからFilePost(ファイルポスト)のサイトを開いてください。
サイトにアクセスし、差出人や受取人などの必要事項を入力し、送信するファイルを選択します。
ファイルは「+送信ファイル選択」をクリックするか、「ここにファイルをDrag&Drop」と書かれている部分に、エクスプローラーからファイルをドロップすることで、最大15ファイルまで追加できます。
必要事項の入力と、送信するファイルの選択が完了したら、フォーム上部の「ファイル送信」をクリックします。
送信が完了すると、以下のような画面が表示されます。
受取人に指定したメールアドレスに、以下のようなメールが送信されます。メール本文中のダウンロード用リンク(URL)をコピーして、ブラウザに張り付けます。
リンクをブラウザに張り付けると、ダウンロード用のページが表示されます。送信されたファイルをダウンロードするには、ファイル名のリンクをクリックします。
FilePost(ファイルポスト)の安全性は?
FilePost(ファイルポスト)に限らず、ファイル転送サービスを使う場合、セキュリティには十分配慮しましょう。ファイル転送サービスは、ファイルをクラウドサーバー上に保存するため、情報漏洩などのリスクがどうしても発生します。
決して安全性が高いサービスとは言えないため、事前に送信するファイルを暗号化するなどの対策が必要です。ファイル転送サービスには、実際にどういったセキュリティリスクが存在するのかを、以下で解説します。
セキュリティー面で安全とは言えない
FilePost(ファイルポスト)はアップロードされたファイルをクラウド上に保存します。そして、ダウンロード用のURLを知っていれば、誰でも簡単にファイルをダウンロードできます。そのため、「受取人のメールアドレスを間違えた」「ダウンロードリンクを謝って公開してしまった」など、少しのミスで容易に情報漏洩が発生する危険があります。
実際にファイル転送サービスで、セキュリティ事故が発生した事例もあります。2019年1月26日にオージス総研が運営する「宅ふぁいる便」で480万件の個人情報が流出する事故が発生しました。
上で紹介した「宅ふぁいる便」のセキュリティ事故のように、無料のファイル転送サービスの安全性は高いとは言えません。
メールアドレスのチェックなどの自己対策を行なって、安全性を高めていたとしても、ファイルを保管しているサーバー側でセキュリティ事故が発生する事により、情報漏洩が発生する危険性があります。
以上のことから、FilePost(ファイルポスト)などのファイル転送サービスは、ビジネスで利用したり、個人情報などの重要ファイルの送信に使用したりすべきではないと考えてください。
情報漏洩の危険性
FilePost(ファイルポスト)などのファイル転送サービスには、以下のような情報漏洩の危険性があることを事前に知っておく必要があります。
- 受取人のメールアドレス間違えによる、情報漏洩の危険性
- ウィルス感染による情報漏洩の危険性
- ファイルが格納されたクラウドサーバーが攻撃を受けることによる、情報漏洩の危険性
- アカウントの乗っ取りによる、情報漏洩の危険性
FilePost(ファイルポスト)を使うときの注意点
先述の通り、セキュリティ事故が発生すると、会社や「あなた」の信用が失われ、今後のビジネスに大きな影響が発生します。ここでは、FilePost(ファイルポスト)でファイルを送受信する時の安全性として、実際にどのようなことに注意を払えばいいか紹介します。
ファイルを送る時
まず、ビジネス上の機密情報は送ってはいけません。またファイル転送サービスを使用することを禁止している会社もあります。使用する前によく確認してください。
それでもファイルを送信する時は、最低でも次にお伝えする「ファイルの暗号化」と「送信先の確認」の対策をしっかりと行います。
ファイルを暗号化する
送信するファイルを暗号化することで、安全性を高めてください。ファイルが暗号化されていれば、万一ファイルが流出した場合でも、暗号化を解除するパスワードを知らない限り、容易に中身を見られないため、セキュリティの安全性を高められます。
ファイルの暗号化を解除するパスワードは、ファイルを送信する時のメールに一緒に記載せず、電話もしくは別のメールで伝えます。
FilePost(ファイルポスト)にも、パスワードを設定する機能があります。上のイメージのように、送信時にパスワードを設定すると、受取人がファイルをダウンロードするとき、設定しておいたパスワードを入力しない限り、ファイルがダウンロードできなくなります。
送信先を確認する
受取人のメールアドレスは間違えないように入力してください。もし間違えてしまうと、情報流出の危険性が非常に高くなります。
また、ファイル送信画面のパスワード設定の欄に、「送信メールに記述」というチェックボックスがあります。このチェックは外しておくようにしてください。このチェックを入れた状態にしておくと、ファイル送信時のメールに、パスワードも一緒に記載され、パスワードの意味がなくなってしまいます。
ファイルを受け取る時
ファイル送信時に、受取人に設定したメールアドレスに、FilePost(ファイルポスト)からメールが送信されます。メールを受け取ったらすぐにダウンロードするのではなく、次に記す「送信元の確認」と「拡張子の確認」をしっかり対策してください。
送信元を確認する
メールを受け取ったら、まず送信元のメールアドレスを確認します。送信元のメールアドレスが、見知らぬアドレスだったり、知っているアドレスでも不自然であれば、ファイルをダウンロードせずに、メールを破棄しましょう。
また、メールの件名とダウンロードしたファイルの内容を確認してください。もし送信元のアカウントが乗っ取られている場合、悪意のある第三者がウィルスなどを送信してくる恐れがあります。万が一の場合に備え、ダウンロードしたファイルを使用する時は、細心の注意を払ってください。
拡張子を確認する
メールに記載されているダウンロード用のリンクをクリックすると、ブラウザが起動し、ダウンロード用のページが開きます。
この時、送られてきたファイルの拡張子を確認して下さい。拡張子が「.EXE」「.BAT」「.VBS」「.JS」などになっているファイルはプログラムです。もしウィルスに感染しているプログラムの場合、ダウブルクリックするだけで、あなたのパソコンがウィルスに感染します。
どうしても上記のような拡張子のプログラムを受信する必要がある場合、プログラムを起動する前に、ウィルス対策ソフトでファイルをスキャンして、受け取ったファイルがウィルスに感染していないことを確認してください。
FilePost以外のファイル転送サービス
ここからは、FilePost(ファイルポスト)以外のファイル転送サービスの中から、無料で使えるおすすめのサービスを3つ紹介していきます。
今回紹介するのは無料で使用できるサービスですが、有料のファイル転送サービスもあります。有料のサービスであれば、ファイルのウィルスチェックなどを自動でやってくれたり、無料版にはないセキュリティ機能があったりします。安全性を求める場合は、有料のサービスも検討してください。
GigaFile便
GigaFile便(ギガファイル便)は、FilePost(ファイルポスト)と同じく、会員登録不要ですぐに使えるファイル転送サービスです。
サービスの特徴は、なんといってもファイルの容量が実質無制限なことです。1ファイルの最大容量は100GB(ギガバイト)までの制限がありますが、それ以下のサイズのファイルであれば、何個でもアップロードすることができます。
FilePost(ファイルポスト)とは違い、メールを送信する機能はありません。そのためダウンロード用のリンク(URL)を自分のメーラーまたはSkype等で相手に知らせる必要があります。ファイルの保存期間は、7日~30日の間から選択できます。
Smart Data便
続いて、Smart Data便というファイル転送サービスを紹介します。このサービスも会員登録不要ですぐに使えるファイル転送サービスです。
アップロードしたファイルは72時間後に削除されます。他のサービスとは違い保存期間を選択することはできません。またSmart Data便は、ファイルのアップロードとダウンロード時にSSLによる暗号化通信を行っているため、安全性が高いと言えます。
FilePost(ファイルポスト)と同じように、アップロード時にパスワードを設定しておくと、パスワードを入力しないとダウンロードできない機能もあります。
宅ファイル便
宅ファイル便(宅ふぁいる便)は、無料で使用できますが、会員登録(メールアドレスの登録)が必要なファイル転送サービスです。ファイルの容量は、10ファイル、300MBまで送信できます。
しかし宅ファイル便(宅ふぁいる便)は、2019年1月26日に480万件の個人情報が流出する事故が発生したため、2019年4月現在、サービスを停止しています。公式サイトには「現在サービスを停止しております。」とだけ書かれているため、サービスの再開時期は未定です。
なお宅ファイル便を運営しているオージス総研の「オフィス宅ふぁいる便」については、現在もサービスが稼働しています。こちらは有料です。
FilePostを利用するときは注意しよう!
ファイル転送サービスのFilePost(ファイルポスト)や、無料のファイル転送サービスについて紹介しました。ファイル転送サービスを使用する時は、セキュリティ対策を十分にとってください。
また、ビジネス用途での利用は極力避けるべきです。もし情報漏洩などを発生させてしまうと会社の信用を失うばかりか、最悪の場合、ファイル転送サービスを使用した「あなた」に賠償を求められる危険があります。こうした危険性を踏まえた上で、問題が起こらない範囲でFilePostをうまく利用してください。