AndroidにスマホをWi-Fiルーターとして利用できるデザリングというとても便利な方法があります。この記事ではAndroidでデザリングするやり方や、設定方法、接続できないときの対処法などについて詳しくお伝えします。
SIMカードを挿入していないタブレット端末やノートパソコンを外出先で使いたいときには、公衆Wi-Fiのある場所を探すか、自分でポケットWi-Fiなどの通信専用の端末を持ち歩く必要があると思っている人も少なくないでしょう。
しかし、外出先に都合よく公衆Wi-Fiがあるとは限りませんし、スマホの他にポケットWi-Fiを契約すると、その分だけ料金も必要になります。そこで検討したいのがスマホのデザリングという機能です。デザリングはiPhoneで先行して始まったサービスでしたが、現在ではAndroid端末も多くがデザリングに対応しています。
この記事ではAndroidのスマホを使ったデザリングの仕方について詳しく見ていきましょう。
まずはデザリングというのはどのようなものなのでしょうか。デザリングというのは、一言でいってしまうと、スマホをポケットWi-Fiの端末にしてしまう、というものです。スマホには必ずSIMカードが入っていて、このSIMカードを使ってデータ通信を絶えず行っています。
デザリングというのは、このスマホのデータ通信の環境を他の端末にも開放することを言います。スマホでデザリングをすれば、SIMカードを挿入していないタブレット端末も、ノートパソコンもいつでもどこでもスマホ経由でインターネットに接続できるようになります。
現在、スマホの通信網というのは日本の国土の99%以上をカバーしています。スマホをデザリング設定しておけば、いつでもどこでも公衆Wi-Fiを探すことなく、インターネットにどんな端末でもつなげるようになるのです。
デザリングというのは、AndroidのスマホをポケットWi-Fiの親機として使い、子機となる他の端末に接続して利用します。デザリングの親機となるスマホと通信環境をつなぐ接続方法は、SIMカードのデータ通信ですが、スマホと子機となる端末をつなぐ方法には、Wi-Fi接続とUSB接続、Bluetooth接続の3種類あります。
端末によっては、1つの接続方法しか利用できない場合もあります。どの接続方法を利用すれば、デザリングでインターネット通信につなぐことができるのか、最初に理解しておきましょう。
最も多く使われる方法がWi-Fi接続です。こちらはWi-FiにはつなげるけれどもUSB端子やBluetoothを持たない端末でも利用することができます。ゲーム機やデジタルカメラなどはWi-Fi接続しかできないものも多いので、デザリングで利用する場合にはWi-Fi接続で接続することになります。
Bluetooth接続よりもデザリングの通信速度は速くなるという利点がありますが、その分だけバッテリーの消費は早くなります。また、パスワードが流出すると不正利用されてしまう危険性もあります。デザリングをWi-Fi接続で利用する場合には、利用しないときには設定を切っておくことをおすすめします。
USB接続でのデザリングというのは、スマホとノートPCをUSBで接続してデザリング通信を行う方法です。無線での接続になるWi-Fi接続やBluetooth接続に比べると有線でつないでいる分だけ通信速度が安定します。また、ノートPCに接続していればスマホに充電することもできるというメリットもあります。
ただし、ノートPCがコンセントにつながっていなくてバッテリーだけで動かしている場合には、PCのバッテリーの消費が早くなってしまいます。バッテリーの消費量には注意しながら使う必要があります。
今やスマホやタブレットを利用するのに欠かせない技術といえばBluetooth接続です。Bluetooth接続を使えばイヤホンやキーボードなどをケーブルなしで簡単にスマホやタブレットに接続できるようになります。
デザリングでの接続でもBluetooth接続が利用されています。Bluetooth接続は至近距離しか使えない弱い電波を使っていることから、Wi-Fiでのデザリングよりも電力消費が穏やかだという特徴があります。
また、パスワードを知っていれば誰でも使えてしまうWi-Fi接続とは違い、事前に子機となる端末とペアリングをしないといけないので、Bluetooth接続でのデザリングでは不正利用ができません。
Bluetooth接続ができる端末であれば、無線でのデザリング利用はWi-Fi接続ではなくBluetooth接続をおすすめします。
Androidでデザリングをするときには注意しなくてはいけない点があります。こちらではAndroidでのデザリングで頭に入れておかないといけない注意点についてみておきましょう。
デザリングをするというのは、スマホのパケットを他の端末で消費するということです。スマホを使っているだけの時と比べて、当然のことながら通信容量が増えます。高速データ通信の容量を使い切ってしまったら、当然通信速度の制限を受けてしまうこともあります。
パソコンやタブレットでGoogleドライブやドロップボックスなどのクラウドサービスと自動同期する設定になっていると、通信につながった瞬間に同期が始まって、通信容量を大量に消費してしまうことがあります。これはデザリングでの通信でも変わりません。
スマホの通信プランを無制限に設定しているのならいいのですが、そうでないのならデザリングでの通信の時には、つなぐデータを選ぶようにしないと通信容量がとんでもないことになります。デザリングで接続するときには容量の大きなファイルのダウンロードやアップロードは避けて、デザリングを始める前に自動同期の設定はオフにしておきましょう。
デザリングをしている間は、常にスマホは子機とインターネットの世界をつなぎ続けています。デザリングをしていないときには、スマホだけがつながっていればいいのですが、デザリングというのは両方をつながなくてはいけないということです。
スマホはもともとはポケットWi-Fiの端末ではないので、デザリングをすればそれだけスマホ本体への負担は大きくなります。当然デザリング時は電力消費も通常の利用と比べると激しくなります。バッテリーの消費は通常よりも早くなるので、デザリングをするときにはモバイルバッテリーを用意するか、電源を取れる環境で利用することをおすすめします。
同じスマホでもiPhoneであれば、現在はデザリングは標準搭載されている機能になります。しかし、Androidは同じGoogleから配布されているAndroidのOSを利用していても、機能は端末を製造しているメーカーによってさまざまです。
AndroidのOSにデザリングの機能があったとしても、端末の機能としてデザリングの機能が備わっていない端末もあります。デザリングが必要であれば、購入前にデザリングができるスマホかどうかを確認してから購入しましょう。
1 / 4
続きを読む